校長通信
花束贈呈式挨拶
令和5年3月16日(木)、卒業証書授与式後、PTAの卒業対策委員の皆様による花束贈呈式が行われました。卒業対策委員の皆様から、管理職を含めた第3学年の教職員に大変立派な花束を頂きました。10分程度の短い式でしたが、こうした人と人との関りが持てる場のありがたさを改めて感じることができました。以下は、挨拶の内容です。
本日は、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。また、このような場を設けていただき、ありがとうございます。
この3年間は、コロナの影響を常に受けた中での高校生活になりましたが、卒業生たちは、制限下の中でできることを工夫し、よく頑張ってくれました。校長として、誇りに思います。
私が卒業生たちに願うことは、恐らく皆様と同じだと思います。何を幸せと思うかは、人それぞれだと思いますが、卒業生の一人一人が、自分が思う幸せをつかんでほしいということだけです。
本校のスクールカラーは、ネイビーブルーですが、ネイビーブルーの絆は、永久に不滅だと思っています。私たちは、いつでも卒業生を応援しています。卒業生には、未来へと安心して羽ばたいてもらいたいと思います。
本日は、ありがとうございました。
第52回卒業証書授与式式辞
令和5年3月16日(木)、暖かな陽気で、春の訪れを感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 第52回卒業証書授与式を挙行いたしました。今回も制限下ではありましたが、卒業生の御家族2名の参加が実現できたことは、何よりでした。以下は、式辞の内容です。
式辞の前に、第52回卒業証書授与式を、このように縮小した形で挙行することを、校長として、卒業生の皆さん並びに保護者の皆様にお詫びします。大変申し訳ございません。ただし、今回一つ良かったことがあります。それは、式の最後の校歌斉唱を皆さんと一緒に、声を出して歌えることです。私も久しぶりの校歌を、精一杯心を込めて歌いたいと思います。
それでは、改めて式辞を述べます。
式辞 344名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
また、保護者の皆様におかれましても、本日のお慶びはひとしおのことと存じます。お子様の栄えある御卒業を、心からお祝い申し上げます。
卒業生の皆さんは、本校において、日々勉学に精励し、進路実現に邁進するとともに、学校行事や部活動など何事にも全力で取り組んでまいりました。皆さんが、本校で過ごしたかけがえのない三年間は、今後の人生において、大きな財産となることを確信しております。
そこで、晴れの門出にあたり、卒業生の皆さんに期待と願いを込めて一編の詩を送ります。それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。私が、この詩に出会ったのは、40年以上前の高校生の頃ですが、私自身が、この詩を正しく理解しているかはいまだ分かりません。しかし、この詩に触れると心の中に爽やかな風が吹いて、初心を思い出すことができます。詩の一部を抜粋して紹介します。
熱意溢れる青年教師であった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。
「生徒諸君に寄せる」 宮沢賢治
諸君は、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか。それは、一つの送られた光線であり、決せられた南の風である。
諸君は、この時代に強いられ率いられて、奴隷のように忍従することを欲するか。
むしろ諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。
諸君よ。紺色の地平線が膨らみ高まるときに、諸君は、その中に没することを欲するか。実に諸君は、この地平線におけるあらゆる形の山岳でなければならぬ。
新しい時代のコペルニクスよ。あまりに重苦しい重力の法則から、この銀河系を解き放て。
新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界を、素晴らしく美しい構成に変えよ。
新しい時代のダーウィンよ。更に東洋風静観のチャレンジャーに乗って、銀河系空間の外にも至り、透明に深く正しい地史と、増訂された生物学をわれらに示せ。
素質ある諸君は、ただにこれらを刻みだすべきである。
潮や風、あらゆる自然の力を用い尽くすことから一足進んで、諸君は、新たな自然を形成するのに努めなければならぬ。
ああ諸君は今、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な風を感じないのか。
というものです。
宮沢賢治の生きた昭和初期と同様に、私たちの生きる現代もまた、多くの課題を抱えています。皆さんには、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと心から願い、そして期待します。
結びに、保護者の皆様をはじめ、地域や関係の皆様からこれまで寄せられました温かい御支援、御協力に感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの洋々たる前途を祝福して、式辞といたします。
令和5年3月16日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和4年度 第3学期始業式校長講話
令和5年1月6日(金)、第3学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、年末の大会で第3位となったソフトボール部を表彰しました。壮行会では、今年度、「県立高校グローバルリーダー育成プロジェクト」に選ばれ、今月シンガポールへ短期派遣となる2年生を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。今日から3学期が始まりました。皆さんが、こうして無事に2023年をスタートできたことを嬉しく思います。新型コロナウイルスについては、行動制限はないものの、埼玉県でも、新規感染者が1万人を超えるなど、感染拡大は続いています。新年早々ではありますが、今一度、気を引き締めて感染防止を徹底していきましょう。
さて、毎年、新年最初の講話で話をしていることですが、日本に古くから伝わる「一年の計は元旦にあり」ということわざについて考えてみたいと思います。
意味は、新しく迎える一年の目標や計画は、その年の初めに立てなさい、というものです。
コロナ禍で、先が読めない状況ですが、こうした古くから伝わることわざの中には、どんな状況になっても変わらない大事な教えがあると思います。このことわざについて調べてみると、その由来は諸説ありましたが、ほかの二つのことわざとセットになっていて、大事なポイントが三つありました。
一つめの「一年の計は元旦にあり」ですが、一年で言えば年の初め、一月(ひとつき)で言えば月の初め、一日で言えば朝、つまり、何事も最初が大事で、成功するかどうかは、その最初の時間をどう使うか、先手を取れるかどうかで決まるというものです。
二つめは、「一生の計は勤(きん)にあり」というものです。勤という字は、「勤勉に働く」の勤です。人の一生、つまり、人生は、地道にコツコツ頑張れるかどうかで決まるというものです。
三つめは、「一家の計は身(しん)にあり」というものです。身という字は、「身体検査」の身で、体、健康を表します。一家、つまり、家族の将来は、家族全員が健康に過ごせるかどうかで決まるというものです。
言われてみれば、当たり前のことですが、何事も最初の時間を大切にし、先手を取って、健康に気をつけながら、地道にコツコツ頑張るということが、夢を叶えたり、目標や計画を達成するために大事なことということになります。
こうした状況の中だからこそ、この一年を充実させるために、最初の時間を大切にし、先手を取る、健康に気をつける、地道にコツコツ頑張るという三つのことを、意識してみましょう。
終わります。
令和4年度 第2学期終業式校長講話
令和4年12月22日(木)、第2学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した52名の生徒を表彰しました。毎回のことですが、人数の多さに圧倒されます。壮行会では、西関東大会に出場する吹奏楽部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。令和4年も早いもので残すところ9日になりました。コロナ禍であることには、変わりませんでしたが、この一年、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に年の瀬を迎えられたことは、ありがたいことだと思います。
さて、共通テストをスタートとする大学の一般選抜を控える3年生にとっては、いよいよ受験本番の時期に入ってきました。1年後、2年後に受験を迎える1、2年生にとっても、この時期は、緊張感や漠然とした不安感などを感じる時期かなと思います。先のことが確定しないということは、目標に向かっているという点で楽しい面もありますが、渦中の皆さんにとっては辛く厳しい面も大きいだろうと思います。
私は、日本の季節に春夏秋冬という四季があるように高校生活にも、春夏秋冬という四季があるように思います。1年生は、今は春から夏になる頃で、なかなかハードな北高生活にも慣れ、将来やりたいことや目標などを色々と考えることができる、高校3年間で一番楽しい頃かなと思います。2年生は、修学旅行とともに夏が終わり秋に入った頃で、少しずつ受験の厳しさを感じ始めた頃かなと思います。私自身もつい三十三間堂で見た千手観音の神々しさや清水の舞台から見た紅葉の美しさなどを思い出しては、現実逃避しそうになります。そして、3年生は、いよいよ厳しい冬本番に入った頃かなと思います。
そこで最後に、厳しい冬本番を迎えた3年生に、私なりのエールを送って、終わりたいと思います。
受検直前の厳しさは、その季節もあって、冬の厳しさに例えられることがありますが、私は、この冬のような厳しさや緊張感は、それほど嫌いではありません。それは、現実の厳しさであり、決して理不尽な厳しさではないからです。そして、乗り越えた先には、乗り越えた者だけに与えられる力や結果を得ることができるからです。この冬のように厳しい受験終盤に求められるものは、皆さんの「強い意志」であり、「行動」だと思います。この厳しい時期だからこそ、声に出して決意を表明し、焦らず、慌てず、諦めず、強い意志と勇気を持って、一歩ずつ前に進んでください。担任の先生、学年の先生はもちろんですが、私たちは、いつでも皆さんを応援しています。
終わります。
令和4年度 第2学期始業式校長講話
令和4年9月1日(木)、第2学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と報告会及び壮行会を行いました。表彰では、全国大会、県大会等で活躍した11の部活動25名と学校紹介動画コンテストの入賞者3名を表彰しました。報告会では、全国大会に出場したパワーリフティング部と新聞部から報告がありました。そして、壮行会では、西関東大会に出場する吹奏楽部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。今年度も新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での夏休みでしたが、大きな事故やトラブルもなく皆さんが、こうして無事に2学期を迎えられたことを嬉しく思います。
まず、最初に留学生を紹介します。インドネシア出身のリアさんです。ミドルネームのアンジェリアからリアさんとなるそうです。リアさんは、来年の3月10日まで本校で学びます。これから半年余りになりますが皆さんも、是非、積極的に交流をしてください。それでは、リアさん、自己紹介をお願いします。
(リアさん自己紹介)
それでは講話に戻ります。次に、北高生の善行の報告です。善行は、善い行いの善行です。詳しくは、この後、武田先生から報告していただきますが、その連絡を頂いた近隣の方からは、その様子が、大変すばらしかったと感心されていました。北高生の勇気と行動力に心から敬意を表します。
最後に、勝負の2学期を迎えるにあたり、一人の野球選手を紹介します。既に亡くなられていて、活躍した時期も皆さんが生まれる前なので、知らない方も多いと思います。その選手は、広島東洋カープで活躍した衣笠 祥雄(きぬがさ よしお)さんです。衣笠さんは、23年間の現役生活で、2215試合連続出場の世界記録を達成しました。その衣笠さんが、生前あるラジオ放送の中で、次のように言っていました。
「夢中になって打ち込めるものを持つこと、それを見つけること、それを続けること、それが才能を開花させるということだ。そして、成功するかしないかは、あきらめるか、あきらめないかのほんの少しの差なのです。」
私は、衣笠さんの言葉には、結果を残すためのヒントがあると思います。何事もあきらめず、夢中になって続けていくうちに力が付く。私は何事にも作戦を立てて臨むタイプですが、あれこれ迷わず、あきらめず、夢中になって続けるということの大事さに改めて気づかされました。
本日から2学期が始まりますが、皆さんの目標に向かって、焦らず、迷わず進んでください。
終わります。
令和4年度 第1学期終業式校長講話
令和4年7月20日(水)、第1学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した29名の生徒を表彰しました。壮行会では、全国大会に出場するパワーリフティング部と新聞部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。明日から夏休みに入りますが、コロナ禍ということもあり、元気が出ない出来事も多いので、今日は、「向き不向きより前向き」という話をします。この言葉は、私の恩師の言葉です。
今から30年以上前、私が、教員になりたての頃の話です。自分としては、毎日、自分なりに一生懸命に頑張っていたつもりですが、授業や部活動、生徒の指導、その他、色々なことが上手くいかず、先輩の教員から指導されることもよくありました。時には、「教員に向いていないんじゃないか。」と言われたこともあり、さすがに、そのときはショックで、落ち込みました。
そのことを、高校時代からお世話になっている恩師に相談したところ、恩師は私にこう言いました。「初めから向いているやつなんて一握りしかいない。仕事に必要な能力や適性は、後から必死に身に付け るもんだ。向き不向きよりも前向きな気持ちが大事なんだよ。」私は、この「向き不向きより前向き」という言葉に救われた思いがしました。
多くの人が、向き不向きや、自分の能力、適性について、一度は考えると思います。私も今は校長ですが、自分の能力や適性を細かく分析したら、向いていないという結論になると思います。それでは本末転倒なので、向き不向きを考えるよりも、なったからには、自分らしくできることを一所懸命にやろうと思っています。
目標に向かって、前向きに、夢中で頑張っていれば、必要な能力や適性は、後から自然に身に付くものだと思います。誰しも自分の能力や適性に、不安や迷いが出ることがあると思います。その時には、一度今日の話を思い出してみてください。今日は、「向き不向きより前向き」という話をしました。
最後に事務連絡です。先週から、本校でも新型コロナウイルスの感染者が急激に増え、多数の感染者が確認されました。本校の感染者の共通の特徴として、強い感染力と38度以上の発熱が挙げられます。明日から夏休みに入りますが、改めて感染防止対策を徹底するようお願いします。
終わります。
令和4年度 入学式式辞
令和4年4月8日(金)、穏やかに晴れ、春爛漫を感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 令和4年度入学式を挙行いたしました。厳しい試験を突破して本校に入学した新入生の皆さんを心から歓迎いたします。式後には、感染予防対策を講じての上ですが、吹奏楽部の生徒のピアノと歌唱による校歌披露も行うことができ、厳粛な中にも温かさを感じられる良い式となりました。
また、余談になりますが、式場や校内に飾られた生花は、本校の職員と華道部の嘱託の先生によるものです。また、入学式のオンライン配信についても、すべて本校の職員と生徒で行っています。このほか、様々なことが、自前でできるところは、本校の大きな強みの一つです。校長として誇りに思います。
以下は、式辞の内容です。
穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和4年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。
また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立54年目を迎える高等学校です。
「立志・探究・奉仕」という校訓を持ち、県内有数の進学校として、これまでに、2万342名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
校訓である「立志・探究・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。校歌の一節を引用しつつ紹介いたします。
まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
次に「探究」とは、物事の真理をさぐり、これらを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習態度が求められることになります。
そして「奉仕」とは、私心を捨て、世のため・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会においてしっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの3年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
そして、そのためにも、皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、未来を創造するリーダーの一人として、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、素晴らしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和4年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。
また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立54年目を迎える高等学校です。
「立志・探究・奉仕」という校訓を持ち、県内有数の進学校として、これまでに、2万342名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
校訓である「立志・探究・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。校歌の一節を引用しつつ紹介いたします。
まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
次に「探究」とは、物事の真理をさぐり、これらを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習態度が求められることになります。
そして「奉仕」とは、私心を捨て、世のため・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会においてしっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの3年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
そして、そのためにも、皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、未来を創造するリーダーの一人として、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、素晴らしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
令和4年4月8日
埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和4年度 第1学期始業式校長講話
令和4年4月8日(金)、令和4年度第1学期がスタートしました。着任式に引き続き、第1学期始業式を行いました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、今年度も各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
改めまして、皆さん、おはようございます。今日から新学期が始まりますが、心機一転、お互いに明るく前向きに頑張っていきましょう。
今日は、毎年、私が、第1学期の始業式で伝えている内容ですが、「良い習慣は、才能を超える。」という話をします。私がとても大切にしている言葉です。この言葉は、佐々木常夫(ささきつねお)さんという方の「働く君に贈る25の言葉」という本の一節にあります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
私が心掛けているのは、一歩先の行動をとる習慣です。
具体的には、まず、毎朝、早起きをします。そして、早目に家を出て、学校に着いたら、
仕事の時間になる前に、余裕をもって、その日の準備をします。そうすることで、慌てずに一日をスタートすることができています。
早起きをして、早目に家を出て、学校に着いたら、準備をしてから一日をスタートする。これだけのことですが、毎日続けてきたことでミスをする回数が減り、逆に気づくことも多く、結果も残せるようになり、私は、大きな自信を得ることができました。
私の友人の中には、それほど準備をしなくても、物事をそつなくこなせる人がいます。私が1時間かかることも、友人は半分の30分でできてしまいます。とてもうらやましい限りですが、私には真似をすることができません。一緒にスタートしたら、友人にはとてもかなわないわけです。
そうした経験から、私は、何事も一歩先に行動するようにしてきました。陸上競技や水泳など、順位を競うスポーツでは、フライングスタートは禁止されています。しかし、毎日の生活では、このフライングスタートは、私にとって大きな武器になっています。
大切なことは、良い事を習慣にしてしまうことだと思います。
良い習慣は、力になります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
早起きの習慣、
はきものをそろえる習慣、
あいさつをする習慣、
朝学習や朝練習の習慣 など、良い習慣と言えるものはたくさんあります。
忙しい毎日を送る皆さんだからこそ、良い習慣は、皆さんの自信や力になります。そして、才能豊かな友人たちを超えることも可能です。何か一つできることから始めてみてください。
今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をしました。終わります。
令和3年度 修了式校長講話
令和4年3月24日(木)、令和3年度修了式を行いました。また、修了式終了後には、表彰を行いました。表彰では、書きぞめ中央展覧会で特選賞等に10名入賞した書道部をはじめ、男子バレーボール部、ギター部、理数科教育研究発表会に参加した理数科のほか、校内表彰として6名を表彰しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。早いもので令和3年度も残すところ8日となりました。この時季に咲く花の一つに、こぶしの花があります。町中にも咲いていますが、白い大きめの花びらが特徴です。今年は、一昨日の雨で、残念ながら、ほとんど散ってしまったようです。
私は、毎年、この時季に、真っ白なこぶしの花を見ると、心機一転、頑張ろうという気持ちになります。禅の言葉に、年年歳歳花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)歳歳年年人不同(さいさいねんねんひとおなじからず)というものがあります。その意味は、咲く花の美しさは毎年変わらないけれども、人の世はどんどん変わっていくというものです。
この言葉のとおり、世の中は、目まぐるしく変わっていきます。そして、コロナ禍はもとより、そのほかの世界情勢もたくさんの課題を抱えています。そこで、先日の卒業式では、卒業生に期待と願いを込めて一編の詩を送りました。
それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。熱意あふれる青年教師でもあった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。時間の関係で、私が一番印象に残っている二つの文のみを紹介します。
それは、「むしろ、諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。素質ある諸君は、ただにこれらを刻み出すべきである。」というものです。
私が北高生に願い、期待することも同様です。在校生の皆さんにも、是非、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと思っています。そのためにも残り1年、2年の北高での生活を充実したものにしてください。
終わります。
第51回卒業証書授与式式辞
令和4年3月16日(水)、天候にも恵まれ、春の訪れを感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 第51回卒業証書授与式を挙行いたしました。厳かな中にも温かみのあるすばらしい式でした。式の様子は、生徒会の生徒も含めた「卒業式配信チーム」によって、式に御参加いただけなかった保護者の皆様にライブ配信を行いました。本校は、こうしたことが自前でできる点も大きな強みだと思います。以下は、式辞の内容です。
式辞の前に、第51回卒業証書授与式を、このように縮小した形で挙行することを、校長として、卒業生の皆さん並びに保護者の皆様にお詫びします。大変申し訳ございません。本日、御出席が叶わなかった保護者の皆様にも、どうかよろしくお伝えください。
それでは、改めて式辞を述べます。
式辞 356名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
また、保護者の皆様におかれましても、本日のお慶びはひとしおのことと存じます。お子様の栄えある御卒業を、心からお祝い申し上げます。
卒業生の皆さんは、本校において、日々勉学に精励し、進路実現に邁進するとともに、学校行事や部活動など何事にも全力で取り組んでまいりました。皆さんが、本校で過ごしたかけがえのない3年間は、今後の人生において、大きな財産となることを確信しております。
そこで、晴れの門出にあたり、卒業生の皆さんに期待と願いを込めて一編の詩を送ります。それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。その一部を抜粋して紹介します。熱意溢れる青年教師であった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。
「生徒諸君に寄せる」 宮沢賢治
諸君は、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか。それは、一つの送られた光線であり、決せられた南の風である。
諸君は、この時代に強いられ率いられて、奴隷のように忍従することを欲するか。
むしろ諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。
諸君よ。紺色の地平線が膨らみ高まるときに、諸君は、その中に没することを欲するか。実に諸君は、この地平線におけるあらゆる形の山岳でなければならぬ。
新しい時代のコペルニクスよ。あまりに重苦しい重力の法則から、この銀河系を解き放て。
新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界を、素晴らしく美しい構成に変えよ。
新しい時代のダーウィンよ。更に東洋風静観のチャレンジャーに乗って、銀河系空間の外にも至り、透明に深く正しい地史と、増訂された生物学をわれらに示せ。
素質ある諸君は、ただにこれらを刻みだすべきである。
潮や風、あらゆる自然の力を用い尽くすことから一足進んで、諸君は、新たな自然を形成するのに努めなければならぬ。
ああ諸君は今、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な風を感じないのか。
というものです。
宮沢賢治の生きた昭和初期と同様に、私たちの生きる現代もまた、多くの課題を抱えています。皆さんには、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと心から願い、そして期待します。
結びに、保護者の皆様をはじめ、地域や関係の皆様からこれまで寄せられました温かい御支援、御協力に感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの洋々たる前途を祝福して、式辞といたします。
令和4年3月16日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和3年度 第3学期始業式校長講話
令和4年1月7日(金)、第3学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰を行いました。表彰では、県大会等で活躍した2つの部活動を表彰しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。今日から3学期が始まりました。皆さんが、こうして無事に2022年をスタートできたことを嬉しく思います。
新型コロナウイルスについては、覚悟はしていましたが、徐々に感染が拡大しています。新年早々ではありますが、今一度、気を引き締めなおして、感染防止を徹底していきましょう。
さて、今日は、新年最初の講話ということで、日本に古くから伝わる「一年の計は元旦にあり」ということわざについて考えてみたいと思います。意味は、新しく迎える一年の目標や計画は、その年の初めに立てなさい、というものです。
コロナ禍で、先が読めない状況ですが、こうした古くから伝わることわざの中には、どんな状況になっても変わらない大事な教えがあると思います。
このことわざについて調べてみると、その由来は諸説ありましたが、ほかの二つのことわざとセットになっていて、大事なポイントが三つありました。
一つめの「一年の計は元旦にあり」ですが、一年で言えば年の初め、一月(ひとつき)で言えば月の初め、一日で言えば朝、つまり、何事も最初が大事で、成功するかどうかは、その最初の時間をどう使うか、先手を取れるかどうかで決まるというものです。
二つめは、「一生の計は勤(きん)にあり」というものです。勤という字は、「勤勉に働く」の勤です。人の一生、つまり、人生は、地道にコツコツ頑張れるかどうかで決まるというものです。
三つめは、「一家の計は身(しん)にあり」というものです。身という字は、「身体検査」の身で、体、健康を表します。一家、つまり、家族の将来は、健康に過ごせるかどうかで決まるというものです。
言われてみれば、当たり前のことですが、何事も最初の時間を大切にし、先手を取って、健康に気をつけながら、地道にコツコツ頑張るということが、夢を叶えたり、目標や計画を達成するために大事なことということになります。
こうした状況の中だからこそ、この一年を充実させるために、最初の時間を大切にし、先手を取る、健康に気をつける、地道にコツコツ頑張るという三つのことを、意識してみましょう。
終わります。
令和3年度 第2学期終業式校長講話
令和3年12月23日(木)、第2学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰を行いました。表彰では、県大会等で活躍した4つの部活動と個人1名のほか、校内表彰として7名を表彰しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。令和3年も早いもので残すところ9日になりました。この一年、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に年の瀬を迎えられることは、何よりありがたいことだと思います。
さて、共通テストをスタートとする大学の一般選抜を控える3年生にとっては、いよいよ受験本番の時期に入ってきました。1年後、2年後に受験を迎える1、2年生にとっても、この時期は、緊張感や漠然とした不安感などを感じる時期かなと思います。先のことが確定しないということは、目標に向かっているという点で楽しい面もありますが、渦中の皆さんにとっては辛く厳しい面も大きいだろうと思います。
私は、日本の季節に春夏秋冬という四季があるように受験にも春夏秋冬という四季があるように思います。1年生は、今は春から夏になる頃で、夢や希望がどんどん膨らんで、自分の適性や進路を一つには決められない時期かなと思います。2年生は、夏が終わり秋に入った頃で、少しずつ受験の厳しさを感じ始めた頃かなと思います。そして、3年生は、いよいよ厳しい冬本番に入った頃かなと思います。
そこで最後に、厳しい冬本番を迎えた3年生に、私なりのエールを送って、終わりたいと思います。
3年生の皆さん。
私は、この冬のような厳しさや緊張感は嫌いではありません。それは、現実の厳しさであり、決して理不尽な厳しさではないからです。そして、乗り越えた先には、乗り越えた者だけに与えられる力や結果を得ることができるからです。この冬のように厳しい受験終盤に求められるものは、その「意志」であり、「行動」だと思います。この厳しい時期だからこそ、声に出して決意を表明し、焦らず、慌てず、諦めず、強い意志と勇気を持って、一歩ずつ前に進んでください。担任の先生、学年の先生はもちろんですが、私たちは、いつでも皆さんを応援しています。
終わります。
第3回PTA後援会理事会校長挨拶
令和3年9月25日(土)、第3回PTA後援会理事会を開会しました。緊急事態宣言下ということで、ICTに強い北高らしく、オンライン会議を併用したハイブリット型会議を行いました。準備は、武藤PTA会長さんを中心に、執行部の方で行っていただきました。PTA役員の方々の向上心と積極性には、頭が下がります。今回は、前回の反省点を踏まえ、機器を新たに購入して、万全の体制で行いました。以下は、校長挨拶の内容です。
皆様、こんにちは。校長の片野でございます。本日は、ご多用の中、ご出席いただき、誠にありがとうございます。また、今回も、リアル参加とZOOMによるオンライン参加のハイブリット型会議という形での開会となりました。武藤会長さんを中心に、ご準備等大変ありがとうございました。
それでは、簡単に近況報告させていただきます。
この夏休みもコロナ禍ではありましたが、部活動の大会やコンクールは概ね実施され、始業式には多くの表彰を行いました。時間の関係で、上位大会の結果のみ紹介します。
まず、新聞部ですが、和歌山県で行われた全国大会で、優良賞を獲得しました。全国大会出場は20年連続となります。次に、パワーリフティング部ですが、埼玉県で行われた全国大会で、3年の玉城君が、第6位入賞を果たしました。
また、書道部ですが、第55回高野山競書大会で、3年の萱沼さんが毎日新聞社賞、2年の池田さんが高野山総長賞、3年の濱田さんが南山賞、3年の箱崎さんが高野山書道協会賞を受賞しました。
最後に吹奏楽部ですが、昨日(24日(金))、新潟県で行われた西関東大会に出場し、見事金賞を受賞しました。全国大会出場まであと一歩の第5位でした。県予選では、体調不良等で参加できない生徒もいたので、まずは、全員が揃って参加できたことが何よりだと思いました。部活動の報告は以上です。
次に学校行事関係ですが、9月1日(水)から3日(金)には、第50回しらこばと祭を行いました。HR棟改修工事の関係で、もともと通常の開祭ではなく、クラスをはじめ、各団体が作成した動画の中で、各個人が見たいものを見に行くというシアター形式の開祭を予定していましたが、8月下旬に県から急きょ通知があり、一切クラス間の移動をせずに自分のクラスで動画やライブ配信を見る形式に変更をしました。これは言うと簡単ですが、とても大変なことで、生徒会の生徒たちは、本当によく頑張ってくれました。特に、ライブ配信は、ほとんど生徒が行いましたが、他校であれば、お金をかけて専門の業者にお願いしている内容です。こうしたことが、自前でできることも北高の強みだなと実感しました。
次に、2年生の修学旅行ですが、現時点では、広島での1泊を減らして、神戸京都方面に2泊3日で実施の予定です。リスクは0にはなりませんが、一度しかない高校時代に修学旅行を経験できないリスクもとても大きいと考えます。どうかご理解とご協力をお願いします。
最後に3年生の状況ですが、共通テストの出願手続きが終わり、先日は、指定校等推薦会議を行いました。指定校等への希望状況は昨年度よりやや少なく、国公立大学への進学希望者がやや増加しています。勝負はこれからなので、強い気持ちで頑張ってほしいと思います。
近況報告は以上です。本日は、よろしくお願いいたします。
第50回しらこばと祭校長挨拶・講評
令和3年9月1日(水)から3日(金)まで、生徒と教職員のみではありますが、第50回しらこばと祭を開祭しました。新型コロナウイルス感染拡大により、生徒の参加方法等を急きょ変更しての開祭となりました。動画配信とYouTubeによるライブ配信を併用し、オンラインに強い北高ならではの文化祭となりました。その様子は、このホームページの「新着」より、「KITAKO NEWS FLASH」をご覧ください。以下は、開祭式の校長挨拶と閉祭式の校長講評です。
開祭式(校長挨拶)
皆さん、おはようございます。まずは、しらこばと祭開祭にあたって、中心になって準備・運営をしてくれている生徒会本部役員の皆さん、そして、実行委員、クラス代表の皆さんに感謝します。
新型コロナウイルス感染拡大により、参加方法を変更しての開祭となりました。8月25日に2学期当初の学校対応に関する県からの通知が届いてから、わずか数日間での変更は大変であり、特に生徒会本部役員の皆さんにとって、参加方法を変更することは、断腸の思いだったと思います。そうした思いを乗り越えての開祭となります。本来の楽しみ方をかなり制限された中ではありますが、普段とは違う時間を楽しんでもらいたいと思います。
さて、話は急に変わりますが、今年度のしらこばと祭のスローガンに「あずき青春」とありました。昨日、HR棟を覆っていたネットが外されて、壁の色が変わったことに気づいた皆さんも多いと思います。あずき色でなくなったと、「あずき青春」ではなくなってしまったと皆さんが悲しんでいるといけないので話をしておきます。新しくなった壁の色は、新たに考えた色ではなく、中里先生や私が生徒だった40年前の色を忠実に再現したものです。よって、私は恐らく見ることはできないと思いますが、40年後には、今のあずき色になるはずです。安心してください。
話がそれてしまいましたが、私はこのしらこばと祭、皆さんの作成した動画やライブ配信を、大いに楽しみたいと思います。皆さんもぜひ楽しんでください。以上です。
閉祭式(校長講評)
皆さん、こんにちは。しらこばと祭の3日間、お疲れさまでした。そして、中心になって運営をしてくれた生徒会本部の皆さん、実行委員、クラス代表の皆さんに、改めて感謝します。特に、急な開祭方式の変更や業者が行っても苦労するYouTubeによるライブ配信を成功させてくれたことに関しては、感謝しても仕切れないくらいです。本当にありがとうございました。
さて、先ほど、各賞の発表がありました。私からは、しらこばと大賞を発表させていただきましたが、どのクラス企画動画も、部活動の発表や展示、紹介動画も力作が揃っていて、すばらしかったです。昨日の夕方から夜にかけて一気に見てしまいました。また、本日のP1グランプリもカッコ良かったです。歌も良かったし、応援部のダンスもキレッキレでした。
保護者の方も同様だと思いますが、コロナ禍で私自身も皆さんの活躍を直接見る機会が殆どない状況だったので、とてもありがたいことでした。許されることなら、皆さんのお父さん、お母さんにも、是非、見せてあげたいなと思いました。確かにクラス企画動画の中には、お母さんが見るとびっくりしてしまう姿(女装姿)になっている男子たちもいましたが、お母さんは、意外にそういうのは好きです。堂々と見せてあげてください。ただし、個人的には、女装した男子より女子の方がかわいいと思います。
最後に、パンフレットの北高アンケートの回答に北高生は、「勉強8割・青春2割」でできているとありました。今回のしらこばと祭で、皆さんが、2割の青春をしっかり謳歌していることが分かりました。よかったです。
皆さん、3日間、大変お疲れさまでした。以上です。
令和3年度 第2学期始業式校長講話
令和3年8月30日(月)、第2学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と報告会を行いました。表彰では、全国大会、県大会等で活躍した7つの部活動を表彰しました。報告会では、全国大会に出場したパワーリフティング部と新聞部から報告がありました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、改修工事でリニューアルされたKAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での夏休みでしたが、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に2学期を迎えられたことを嬉しく思います。
この夏休みも、勉強に部活動に、暑い中、皆さんは、よく頑張っていました。新型コロナウイルス感染症の状況については、10代の感染者数が増加傾向にあることから、県の指示により、本日から学校での活動が制限されることになります。概要については、本日文書を配布します。詳細については、担任の先生から聞いてください。気の抜けない日が続きますが、感染対策をしっかり行ったうえで、勉強や部活動をはじめ、皆さんの成長につながる活動に、強い思いを持って取り組んでください。
今日は、「それでもなお」という話をします。この言葉は、今から50年くらい前に、ケント・M・キースというアメリカの大学生が、高校生を励ますために送った「逆説の10か条」のキーワードです。10か条の中で、私が好きな3つを紹介します。
1番目の言葉です。人は不合理で、分からず屋でわがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
5番目の言葉です。正直で素直なあり方は、あなたを無防備(むぼうび)にするだろう。それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
8番目の言葉です。何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。それでもなお、築き上げなさい。
私自身の人生を振り返ってみても、相手に理解してもらえなかったり、全力を尽くしたのに結果が出なかったことがたくさんあります。そのたびに落ち込んだり、自棄(やけ)になったりしたこともありましたが、この言葉に出会ってからは、気負わずリセットして、一歩を踏み出せるようになりました。
人生は思いどおりになることより思いどおりにならないことの方が多いと思います。そこで挫けず、気負うことなく、「それでもなお」と、更にもう一歩踏み出す。このことが、結果として、成功につながる鍵になると思います。
新型コロナウイルス感染症の状況により、先の見えない状況が続いています。時々、「それでもなお」という言葉を思い出してください。そして、将来に向かって強い思いを持って突き進んでいきましょう。
講話は以上ですが、校内で新型コロナウイルスの感染拡大を起こさないために、皆さんと共有しておきたい知識があります。それは、本校の感染例からも無症状の陽性者よりも、有症状の陽性者の感染力が圧倒的に強いということ、ここ最近の傾向として、発熱などの有症状がある場合には、陽性である確率が高くなっているということです。
このことから、自分のことは当然ですが、家族の健康状態にも敏感になってください。そして、自分の体調が良くない場合はもちろんのこと、家族の体調が良くない場合にも、学校に連絡の上、登校を控えることをお願いします。学校としては、皆さんの健康状態を、皆さんが日々のクラスルームに入力している健康観察で確認することになります。必ず、毎日入力をするようにお願いします。
以上です。
令和3年度 第1学期終業式校長講話
令和3年7月20日(火)、第1学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した35名の生徒を表彰しました。壮行会では、全国大会に出場するパワーリフティング部と新聞部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さんおはようございます。先日の球技大会では、北高生の力強さや明るく元気な姿を見ることができて、私自身も元気をもらうことができました。
さて、ようやく梅雨も明け、明日からは夏休みが始まります。休みとは言え、常にプレッシャーがかかる高校生にとっては、不安や迷いの出る時期でもあります。
そこで、今日は「人は考えたとおりの人間になる。」という話をします。この言葉は、ジェームズ・アレンという20世紀初頭に活躍したイギリスの作家のものです。
私自身、この年齢になっても、課題や壁に直面して判断や選択に迷うことがあります。私は、判断や選択に迷ったときには、安易で楽な道を選ばず、敢えて困難な道の方を選ぶようにしてきました。何度も失敗を繰り返し、私なりにつかんだ、成長と成功の法則です。困難な道と言うと大げさですが、面倒な道と言った方が事実に近いです。
そんなとき、勇気をもらっている言葉が、「人は考えたとおりの人間になる。」というものです。
紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人は考えたとおりの人間になる
もしあなたが負けると考えるなら、あなたは負ける
もしあなたがもう駄目だと考えるなら、あなたは駄目になる
もしあなたが勝ちたいと思う心の片隅で無理だと考えるなら、あなたは絶対に勝てない
もしあなたが失敗すると考えるなら、あなたは失敗する
世の中を見てみろ
最後まで成功を願い続けた人だけが成功しているではないか
すべては人の心が決めるのだ
向上したい
自信を持ちたい
もしあなたがそう願うなら、あなたはそのとおりの人になる
さあ出発だ
強い人が勝つとは限らない
素晴らしい人が勝つとは限らない
私はできる
そう考える人が結局は勝つのだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というものです。
すべては人の心が決める。自分は何をどうしたいのか。成し遂げたいことを心の中で考え、強い気持ちをもって行動していけば、必ず成し遂げることができる。
皆さんの強い思いが未来を切り拓きます。そして、正解は常に困難な判断や選択の中にあります。安易な選択をせず、目の前にある一つ一つに全力を尽くして、是非、成功をつかんでください。
終わります。
令和3年度 SSH生徒研究発表会挨拶
令和3年6月17日(木)、越谷サンシティ・大ホールにて、SSH生徒研究発表会を実施しました。当日は、SSH運営指導員である、埼玉大学名誉教授 永澤先生、同じく井上先生、文教大学教授 浅野先生、株式会社建設技術研究所 東京本社環境部長 関根先生、理数探求Ⅱ指導者である、埼玉大学非常勤講師 Tammo先生にも御出席いただきました。全校生徒参加による発表会は、初めての試みでしたが、生徒の反応も良く、実りの多い発表会となりました。以下は、校長挨拶の内容です。
皆さん、おはようございます。本校は、創立50周年にあたる平成30年度にSSHの指定を受け4年目を迎えます。本日は指導助言者として5名の先生方を迎え、SSH生徒研究発表会を行います。
内容は、埼玉大学名誉教授 永澤明先生の記念講演と5組の代表生徒による生徒研究発表の2本立てとなります。
これからの時代は、こうした研究発表や探究活動は、理科系の専売特許ではなくなります。文科系、理科系を問わず、世の中の多くの事に好奇心を持って、解析的、論理的に物事を考え、他者と協同して課題を解決していく探究的な能力が求められる時代になります。皆さんには、こうした研究発表会をとおして、是非、探求する力を武器として身に付け、磨いてください。
それでは、記念講演をしていただく永澤明先生の御紹介をします。永澤先生は、埼玉大学大学院理工学研究科の名誉教授として、後進を育成する一方で、現在も、無機化学、錯体化学分野のご研究を続けられておられます。また、本校では学校評議員及びSSH運営指導委員の委員長を引き受けていただいております。越谷北高校のために大変御尽力いただいている先生です。
永澤先生、本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
令和3年度 教育実習閉校式講話
令和3年6月11日(金)、教育実習閉校式を実施しました。以下は、校長挨拶の内容です。
実習生の皆さん、こんにちは。3週間の教育実習、大変、お疲れ様でした。皆さんの頑張りについては、先生方から沢山のお話を伺っています。本当によく頑張りました。
開校式で、教育実習の一番の目標は、皆さんが健康に実習期間を過ごすことだと話しましたが、皆さんが、大きく体調を崩すこともなく、最終日を迎えられたことは何よりだと思います。十分な睡眠時間を確保できない日もあったと思いますが、その環境の中で、コントロールして健康でいられる力は、一人前の社会人になっても求められる力だと思います。
そして、二つ目の目標は、教育の不易の部分を学ぶだけではなく、若い感性で新しいことにどんどんチャレンジすることだと話しました。
見たことがないかもしれませんが、現在放映されている「ドラゴン桜2」の東大合格戦略は、16年前とは大きく変わっています。ここ10年で大きく進化したユーチューブなどのSNSやアプリを積極的に使って生徒の力を伸ばしています。ドラマの中で阿部寛演じる桜木は、次のように言っています。「新しいモノ面白そうなモノは、どんどん取り込め、何でも試してみる癖をつけろ!」この力を、桜木はアップデート力と呼んでいます。何事にも興味関心を持って、他を巻き込んで自分の力にできる力、このアップデート力こそ、私はこれからの時代に必要な力だと思います。
今日で教育実習は終わりますが、これからも皆さんの柔軟な頭と若い感性をフル回転させて、成長していってください。皆さんを応援しています。
PTA広報誌挨拶「母校に着任して」
4月に着任いたしました校長の片野でございます。会員の皆様には、本校の教育活動に御理解と御協力を賜り、心より感謝申し上げます。
執行部の皆様にはお伝えしましたが、越谷北高校は私の母校です。越谷北高校への異動が決まった時には、嬉しいという気持ちよりもプレッシャーの方が勝っていました。そうした中で迎えた入学式でしたが、閉式後の校歌披露で校歌を聞いた際に、40年近く昔の記憶がよみがえり、母校への思いがこみ上げ、とても感動しました。母校で校長として働けるありがたさを強く実感しました。同時に、越谷北高校の生徒のために、教職員の先頭に立って頑張る覚悟が決まりました。
私が、校長としての使命として捉えていることが二つあります。
一つ目は、「生徒の力を伸ばす。そして、生徒の力で結果を出させる。」ということです。生徒には、3年間の北高生活で、努力は必ず報われるという体験をしてほしいと思います。
二つ目は、「伝統の強みを生かし、新たなことに挑戦し続ける。」ということです。越谷北高校は、常に新たなことに挑戦し、勢いのある学校でありたいと思っています。
微力ですが、全力を尽くす所存です。
会員の皆様には、本年度も御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
令和3年度 体育祭開会式挨拶
令和3年5月28日(金)、前日までの雨の影響で30分開始時間を遅らせたものの、無事に体育祭を実施することができました。以下は、開会式での校長挨拶の内容です。
皆さん、おはようございます。まずは、体育祭の予行本番と中心になって準備・運営をしてくれている体育委員を中心とした関係各委員会、そして、各部活動の皆さんに感謝します。本日も朝早くからありがとうございました。本番もよろしくお願いします。
皆さんの前で話をするのは、4月8日以来2回目です。そのため、私と皆さんとの距離感も、この朝礼台と皆さんが今いる場所くらい離れている感じがします。(※感染防止のため、中央に整列をしませんでした。)そこで、自己紹介を兼ねてお話をすると、私は、何故か体育祭と聞くと何日も前からワクワクして、夜寝られなくなってしまうタイプの人間です。
一般的に、体育祭になると急に張り切って怪我をする中高年のおじさんや、子供の頃の体育祭の思い出を、あたかも自分がヒーローだったかのように語る世の中お父さんがいますが、その気持ちはよく分かります。
しかし、私が特にワクワクしてしまうのは、チームで競う体育祭は、チームが戦力的に劣っていても、頭を使うと勝つことができるという事実です。それぞれの競技の特性を理解し、頭を使って人員を配置し、共通の戦略を徹底すると、結果を残すことができます。
また、結果を残すことができなくても、体育祭独特の高揚感や達成感を味わうことができます。私は、この点も体育祭の醍醐味だと思います。
6つの団に分かれて競う体育祭は、越谷北高校の伝統です。それぞれの持てる力を発揮して、大いに楽しみましょう。ただし、熱中症とコロナの感染、そして怪我の防止には十分気をつけてください。以上です。
令和3年度 教育実習開校式講話
令和3年5月24日(月)、13名の優秀な卒業生が、教育実習のため母校に帰ってきました。以下は、教育実習開校式の校長講話の内容です。
実習生の皆さん、おはようございます。
校長の片野です。教職員、生徒を代表して、皆さんを歓迎します。
私からは、皆さんが教育実習に臨むにあたって、2つ、心がけてほしいことをお話しします。
まず、一つ目です。まん延防止等重点措置地域におけるコロナ禍での教育実習となります。
一番の目標は、皆さんが健康に実習期間を過ごすことです。このことを優先順位の一番に置いてください。
次に、二つ目です。皆さんの優秀な頭をフル回転させ、ありとあらゆる力を駆使して、積極的に取り組んでください。教育実習には、皆さんがすべての能力を駆使する価値があると思います。
大学も同様だと思いますが、コロナ禍の1年で、高校でも急激にICT化が進みました。今、教育業界は、可能性に満ちています。教育の不易の部分を学ぶことはもちろんですが、皆さんの若い感性で新たなことにもどんどんチャレンジしてください。期待しています。
令和3年度 入学式式辞
令和3年4月8日(木)、穏やかに晴れ、春爛漫を感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 令和3年度入学式を挙行いたしました。厳しい試験を突破して本校に入学した新入生の皆さんを心から歓迎いたします。とてもすばらしい入学式でした。以下は、式辞の内容です。
穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和3年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立53年目を迎える高等学校です。
「流汗悟道」という校是と、「立志・探求・奉仕」という校訓を持ち、全人教育をめざす進学校として、これまでに19986名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
校訓である「立志・探求・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。
まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
次に「探求」とは、物事の真理をさぐり、これを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習が求められることになります。
そして「奉仕」とは、私心を捨て、国家・社会・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会において、しっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
また、本校には「流汗悟道」という校是があります。「流汗」とは、汗を流すこと、「悟道」とは、道を悟ることです。「流汗悟道」とは、何事にも真剣に体ごとぶつかって大いに汗をかき努力する、そこから自分の求めるものが見えてくる。その継続と汗の量に比例した飛躍が必ずある、という意味です。
「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの三年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、汗をかき、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
そして、そのためにも、高校時代に「自分の将来像を心にしっかりと描いていただきたい」と思っています。
「思わない夢は叶わない。心に描く夢だけが叶う。」
皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。
新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが、本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、すばらしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞と
いたします。
令和3年4月8日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和3年度 第1学期始業式校長講話
令和3年4月8日(木)、令和3年度第1学期がスタートしました。着任式に引き続き、第1学期始業式を行いました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
改めまして、皆さん、おはようございます。
4月1日の職員会議で、先生方にもお話したことですが、私の校長としての使命は、勉強にしろ、部活動にしろ、生徒の皆さんの力を伸ばす、そして、皆さんの力で結果を出させるということだと考えています。今日から新学期が始まりますが、お互いに失敗を恐れず、明るく前向きに頑張っていきましょう。
今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をします。私がとても大切にしている言葉です。
この言葉は、佐々木常夫(ささきつねお)さんという方の「働く君に贈る25の言葉」という本の一節にあります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?私が心掛けているのは、一歩先の行動をとる習慣です。
具体的には、まず、毎朝、早起きをします。そして、早目に家を出て、学校に着いたら、余裕をもって、その日の準備をします。そうすることで、慌てずに一日をスタートすることができています。
早起きをして、早目に家を出て、学校に着いたら、準備をしてから一日をスタートする。
これだけのことですが、毎日続けてきたことで、ミスをする回数が減り、結果も残せるようになって、私は、大きな自信を得ることができました。
私の友人の中には、それほど準備をしなくても、物事をそつなくこなせる人がいます。私が1時間かかることも、友人は半分の30分でできてしまいます。とてもうらやましい限りですが、私には真似をすることができません。一緒にスタートしたら、友人にはとてもかなわないわけです。自信をなくしたことももあります。そうした経験から、私は、何事も一歩先に行動するようにしてきました。
陸上競技や水泳など、順位を競うスポーツでは、フライングスタートは禁止されています。しかし、毎日の生活では、このフライングスタートは、武器になります。大切なことは、良い事を習慣にしてしまうことだと思います。良い習慣は、力になります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
早起きの習慣、はきものをそろえる習慣、あいさつをする習慣、朝学習の習慣 など、良い習慣と言えるものはたくさんあります。
大変忙しい毎日を送る皆さんだからこそ、良い習慣は、皆さんの自信や力になります。そして、いつか才能豊かな友人たちを超えることも可能です。
新学期が始まるにあたり、何か一つできることから始めてみてください。
今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をしました。終わります。
令和元年度修了式に代えて
令和2年3月24日
1学年・2学年の生徒の皆さん
越谷北高等学校長 松村 和則
令和元年度修了式に代えて
昨日の成績会議において、在籍する1年生および2年生全員の進級を認定しましたのでお知らせします。
それぞれの成績通知票については、新年度の開始日にお渡しする予定です。
成績優良者や皆勤の生徒の皆さんはよく頑張りました。進級後も継続してもらえるよう期待しています。成績が不本意だった生徒は、一年を振り返り心機一転で新年度を迎えてください。
さて、新型コロナウイルスの影響で、3月2日以降臨時休校措置が続いてきました。その間、皆さんの後輩を選抜する高校入試が行われ、皆さんがお世話になった3年生の卒業式も無事に挙行出来ました。また、皆さんにご指導いただいた先生方の人事異動の準備も進められてきました。ご退職や他校に異動なさる先生の情報は、しかるべき時期にお知らせしたいと思います。
新年度については、埼玉県からの指示がまだありませんが、教育活動が再開できるよう職員一同で願っています。4月1日以降の部活動等に関しても同様で、県からの通知があり次第、皆さんにお知らせします。現在のところ、4月8日(水)の始業式は予定どおり開式する見込みですが、時間の短縮、体育館の換気、マスク着用などウィルス感染拡大防止策を実施する予定です。決定次第、学校ホームページや緊急連絡メールにてお知らせします。
例年とは違って、気持ちが晴れない春休みとなるかもしれませんが、自身とご家族の健康を第一に考えて過ごしてください。適切な場所で適度に体を動かし、折角の時間ですから、特に興味のある分野を突っ込んで勉強するのも良いでしょう。生活リズムをしっかり保って、有意義な時間となるようセルフコントロールしてください。
新学期に、皆さん全員と元気にお会いしましょう。
平成最後の修了式
今年度の修了式が終わりました。私にとっても最後の修了式でした。
生徒には、3年間掲げ続けてきた月の言葉を全部パワポで写し、解説を交えながらそれぞれの言葉を説明しました。
最後の3月の言葉は、三年生に宛てたものですが、1,2年生もそれぞれ進級し、新たなステージで頑張ってほしいという思いを伝えました。
最後には、大坂なおみ選手が、全豪オープンで優勝した時、アメリカのメディアから若者へのメッセージで求められて言った言葉を紹介しました。
そして、私から「自分の人生を誰か他の人に歩いてもらうわけにはいかない、自分の道は自分自身でしっかりと真っ直ぐ、正義を愛し、人を愛し、確実に一歩一歩歩んでいって下さい。」と伝えました。そして最後のスライドは
にしました。生徒が北高生としての自信とプライドを持って成長してくれることを願っています。
卒業式が終わりました
式辞では、卒業生の皆さんに「学び続けることを楽しむこと、思いやりの心を持つこと」の二つを餞の言葉として送りました。
保護者の皆様にも、お子様の入学以来、本校の教育活動に対して深いご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。
50年後、越谷北高校は百周年を迎えます。果たして、越谷北高校はどのような学校になっているでしょうか。創立以来受け継がれてきた学校独自の教育文化をかけがえのない宝物として持ち続け世界に誇るべき学校になっていることを願っています。
卒業生の皆さんが、越谷北高校の卒業生として自信と誇りを持って、それぞれの人生を歩み、世界に羽ばたく人間になっていることを期待するとともに、前途洋々たる皆さんの門出を心から祝福します。
私も、卒業です。三年間ありがとうございました。
三月の言葉(世界へ)
僕らの前にはドアがある いろんなドアがいつもある
ドアを大きく開けてみよう 広い宇宙の世界へ
この詩は、五木寛之「大河の一滴」の中にある言葉です。
僕らと言ったとき、男も女もという感じを持っています。そう感じたので、この言葉を今月の言葉としました。
3年生は、卒業になります。今までの自分から一歩飛び立ち、新しい道を歩み始める春です。自分の選んだドアから、広い世界へ飛び立ってください。
がんばれとエールを送ります。忘れるなよ「北高プライド」。
この詩には新しい世界への期待が込められています。ぜひ、この機に卒業生の皆さんだけでなく、進級される在校生の皆さんも新しい季節、新しい出会いに期待を膨らませ、次のステージへの挑戦を始めてください。
私の好きな、Mr.Childrenの終わりなき旅という歌の中にも同じような歌詞があります。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて
きっと きっとって 君を動かしてる
いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしよう
もっと素晴らしいはずの自分を探して
胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように
いつも今日だって僕らは動いてる
嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう
もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅
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今回で、月の言葉も終わりです。今月で、私も卒業になります。次のドアをノックして、自分探しの第二の人生に歩みだします。
いつも、月の言葉を工夫をこらして力強く書いていただいた倉澤沙綾先生に改めてお礼を申し上げます。また、月の言葉を読んでいただいた皆様、3年間ありがとうございました。
二月の言葉(もうひと頑張り)
辛いという字は十回立つと書きます。しかし、もう一回立てば幸せになります。
今日から、3年生は家庭研修に入りました。いよいよ受験の天王山です。体調をくずさぬよう自己管理をしっかりすることです。今となってはジタバタしても始まらないので、自分を信じ最後まで頑張ることです。努力は必ず報われると限りませんが、報われた人は必ず努力した人です。どこまで努力すれば報われるのか分かれば苦労はしません。100あるうちの99まで来ていたのか、半分まで来ていたのかは誰にもわからないことです。しかし、99まできた人は、きっとその後の人生を生きぬく糧を身につけたはずです。
人生は長い、人生100年時代を見据えて目先のことに一喜一憂するのではなく、大きな志に向かって進んでほしいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。特に今回も思いを込めて書いていただきました。)
1月の言葉(念ずれば)
念ずれば花ひらく
新しい年が明けました。皆さんがそれぞれ新たな気持ちで歩みだしたと思います。
私も、残すところ3か月となりました。やり残したことがたくさんありますが、今年も「凡事徹底」と言いましょうか、小さな積み重ねを大事にして、確実に前進、成長していきたいと思っています。
努力や苦労を重ねることで、本物に達すると思います。残念ながら人は平等ではありません。人が1時間でできることが自分には3時間も4時間もかかるかもしれません。でも、地道に愚直に努力を重ねることで高みにたどり着くと思います。
高校生、特に3年生は志望校に合格することが自分の花を咲かせることでしょう。どんな花が咲くかは、日々どれだけ地道な努力を続けてきたかということが大きくかかわります。
満足な花が咲かなかったとしても、地道な努力を重ねたことは、決して無駄になることはありません。これ以上出来ないと思うくらい一生懸命努力した結果はどんな花が咲こうと美しいはずです。それは、受験の結果だけに止まらず、それ以降の長い人生の確固たる基盤となるものです。時間をかけて努力した積み重ねは、将来のゆるぎない基盤と自信をもたらすに違いありません。
詩人坂村真民が「念ずれば花ひらく」と言っています。努力をした後は、天命を待ち、こころから念ずることできっと花ひらくと思います。3年生の健闘を祈ります。
有志竟成(12月の言葉)
今月の言葉は、今年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授の座右の銘として紹介された言葉です。
その意味するところは、「志があれば必ず成し遂げられる。決してあきらめずに、常に目標を定めていく」です。出典となっている『十八史略』東漢篇では、【志ある者は事(こと)竟(つひ)に成る】と訓読される文章になっています。
本校の校訓は「立志、探究、奉仕」であり、奇しくもその第一に、立志を挙げています。つまり志を立てる、志をもつと言うことです。志あれば、成し遂げられます。12月になり、センター試験も来月に近づいてきました。3年生は、志を高く持ち、決してあきらめずに、目標に向かって頑張ることで、必ずや希望の花を咲かせることができるはずです。がんばれ!
ちなみに、本庶佑教授は、6つのCが時代を変える研究には必要だといっています。
Curiosity(好奇心)
Courage(勇気)
Challenge(挑戦)
Confidence(確信)
Concentration(集中)
Continuation(継続)
このことは、研究に限らず、人が生きていく上で心していかなければ成らないことに思われます。何事にも好奇心を持って取り組み、勇気を持って挑戦する、そのことが生きる上での自分自身の確信となり、集中力が生まれ、継続してやっていくことで、何事かをいつしか成し得る。そう思います。なにごとにもこれらのCを追い求めることは大切ですね。
50周年記念式典
だいぶ報告が遅れましたが、10月6日(土)に、越谷コミュニティセンターで、本校の50周年記念式典を無事挙行することができました。関係した皆様に感謝申し上げます。本校卒業生で副教育長の小島康雄様、県会議員の山本正乃様、越谷市長の高橋努様をはじめ多くの来賓の皆様をお迎えし、多くの方々から、心温まるご祝辞や激励の言葉をいただきました。生徒会長も素晴らしかった。さすが北高生という感じでした。記念講演会では、何度もノーベル化学賞の候補になっている東京理科大学前学長の藤嶋昭先生から「科学を楽しく」のご講演をいただきました。生徒にとっても大変興味深い内容のご講演でした。祝賀会では吹奏楽部の演奏もあり和やかな会になりました。すべての皆様に感謝です。
式辞抜粋
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「五十にして天命を知る」という言葉がございますが、創立五十年を迎えた越谷北高校にとっての天命とは何か。それは、日本はもとより広く世界で活躍することのできる有為な人物を育成することであると考えます。そのためには、これからのグローバル社会を支える人物に求められている、高い自由度、優れたモビリティを身につけさせなければなりません。本校は、そのような人物を育成するために、全教職員が「立志」「探究」「奉仕」の校訓のもと、普遍性・柔軟性に富む思考力、判断力、表現力を身につけさせる指導を展開しております。また、近年の科学技術の加速度的な進歩によってAIでできることが日ごとに拡大し、人間の為しうる仕事は「高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野」であると言われております。それだけに、日々の教育活動をとおして、AIで代替できない能力を備えた人、すなわち、人間にのみできることを考え実行できる人物を育成することを目指しております。
こうした指導は、すなわち「高い理想と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルなリーダー」の育成にほかなりませんが、一方でそのような実践こそが、地域の学習・文化の拠点となる学校づくりの核ともなるものであると考えております。
生徒の皆さんには、母校の創立五十周年記念を祝うに当たって、創設期の先人のご苦労やご腐心に思いを馳せるとともに、地域の教育をリードしてきた越谷北高校の生徒であることに、強い「誇り」をもって欲しいと思います。自分に誇りが持てれば、志が生まれます。志があれば、人生は充実したものになります。越谷北高校生であることに、ぜひ誇りを持ち、大きな志を抱いてください。また、今、越谷北高校に学ぶ者として、自分は何を為すべきか、あらためて考える機会にしてほしいと思います。
結びに、創立以来本校の教育振興のため、ご支援ご協力を賜りました埼玉県及び越谷市、本校同窓会、PTA・後援会並びにすべての関係の皆様に、あらためて衷心より深く感謝申し上げますとともに厚く御礼申し上げます。
新たなる五十年後、百周年に向けて、教職員、生徒一体となってさらに前進することを決意いたしますとともに、今後とも皆様方の力強いご支援ご協力をお願い申し上げまして、式辞といたします。
越谷北高校で未来をつかもう
以下は、私の説明プレゼンです。
11月の言葉(日日是好日)
一日一日を味わいながら生きる。季節を感じながら生きる。
日日是好日を読んだ。作家森下典子氏の作品で、お茶の世界を通して人生を感じさせる内容である。樹木希林さんが映画でお茶の先生役を演じている。樹木希林さんの遺作となった映画である。話題となった小説だったので、私も読んでみた。すると、心が落ち着き、清々しい気持ちが心地よく広がった。この映画の撮影で使われた京都の建仁寺を修学旅行の引率の折に尋ねてみた。映画の影響か多くの人(特に外国の人)で賑わっていた。しかし、茶室の方は静かにたたずんでいました。つくばいを見ました。以外と小さかったです。
建仁寺 つくばい
人生にはいろいろなことがある。素晴らしい晴天の日ばかりではない。雨が降ったり、風が吹いたり、時には嵐だったりする。しがし、どんな日であれ、その日のことを味わい、感じながら生きることが人生には大切なことなのである。どんなことも、一方向からだけ見るのではなく、多面的に見て、本質を見ることである。気負わず、自然体で、季節と共に生きることを心掛けたい。
小説の中の一文を紹介する。
「雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。・・・どんな日も、その日を思う存分味わう。・・・そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんでいきていけるかもしれないのだ。」人生は楽しみ、味わい深いものにしたいですね。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は秋らしい趣のある素敵な書になっています。)
挑戦しよう(10月の言葉)
人生は、何も挑戦せず、無理をしなければ、何も起きず平穏に暮らせる。しかし、そこには何の進歩もないのではないか。現状維持という言葉がある、しかし、現状維持とは後退していることと同じである。日々新たに、一日一日少しでも自分を高めて行きたい。
「少(わか)くして学べば壮にして為すあり。壮にして学べば老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず。」(佐藤一斎/言志四録・三学戒)
とあるように、いくつになっても挑戦を忘れず、安易な方向に行くことを避けたい。
今回生徒の皆さんに、私の思いをぶつけてみた。この思いを、生徒の皆さんに話さなければ、きっと後悔すると思ったからである。決して自己満足ではなく、このことは自分自身に課した課題でもあった、教員生活最後に、妥協しない姿を見てもらいたかったのだ。君たちは、100年時代を生きることになる、その君たちがこれからの人生で、易きに流れてはいけないと切に感じる。失敗してもいい、楽な方に行くのではなく、迷ったら困難な方を選べと言いたい。大学受験もそうではないか。妥協することなく頑張って欲しい。
「ダメでもやってみた後悔の方が価値がある」
自分の殻を破れ(9月の言葉)
「自分の殻を破れ」という言葉には、マニュアルに従って行動するだけのつまらない人間にはなるな、という私なりの思いがあります。
人生60年も生きてくれば、「自分は自分、自分以上にも自分以下にもなれない」と悟りのような気持ちを持ちます。人と比べて無理をしても、何にも良いことはないし、何も得るものはないものです。啄木は、「友が皆我より偉く見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻と親しむ」と詠みました。友が皆我より偉く見えても仕方ないのです。自分は自分、自分以外に自分の人生を生きてくれる人はありません。自分なりに自分らしく生きる他は無いのです。これが、私の気持ちです。
しかし、高校生である皆さんには、もう一つ上の自分を目指して欲しいと思っています。既成概念にとらわれず、もう一つ上を目指して欲しいのです。自分は自分と言っておきながら、勝手な言い分と思うでしょうが、未来がある皆さんには、アグレッシブにポジティブに生きて欲しいと思います。遠慮などすることはないのです。これからの時代は、AIやIoTに代表されるような便利だけれども、それらを使いこなせないと意味を持たない世界になります。そのような世界で生き抜くために、自分はどんな人間かをしっかり示せることが大切になります。自分の殻を破り、ステップアップした自分を表現し、アウトプットできるそんな人を目指して欲しいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。いつも工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
夢が叶う(八月の言葉)
今居眠りすれば、あなたは夢をみる。今学習すれば、あなたは夢が叶う。
これは、アメリカのハーバード大学の壁に書いてある言葉だそうです。
他にも、19の教訓が書いてあるそうです。例えば、
・ 今日やるほうが、明日やるよりも何倍も良い。
・ 勉強の苦しみは一瞬のものだが、勉強しなかった苦しみは一生続く。
・ 勉強するのに足りないのは時間ではない。努力だ。
・ 過ぎ去った今日は二度と帰ってこない。
など、どれも、今を全力で生きようと思わせてくれる言葉です。
今を、我慢することで明るい未来が見えてくるということでしょうか、実は、これに似た印象深い話があります。あまりにも有名ですが「マシュマロテスト」という話です。どういう話かというと、1960年代にアメリカのスタンフォード大学で行われた「マシュマロテスト」いうものです。どういうテストかといいますと、マシュマロを4歳の子どもの前に置き、「私が部屋から出て戻るまで食べてもいいけど、我慢できたら、あとでもう一つあげるよ。」といって、部屋を出ます。そうすると、我慢できずに食べる子と、じっと我慢して待つ子とにはっきり分かれたそうです。そして、子どもたちを、以後14年に渡って追跡調査をしたら、我慢した子の方が学校でも仕事でもずっと成績が良かった。ということです。まさに、3年生は、「勉強をサボって遊びたいという欲望のマシュマロを今食べるか、我慢して今日の勉強を頑張るか、どっちを取る。」かということです。
本校の生徒は、頑張るに決まっていますが、高い希望を最後まで諦めないことが実力向上につながります。ご家庭におかれましても、お子様と同じ決意を持って見守って頂ければと思います。
学校といたしましても、全力を上げて支援に当たります。夏季休業中も全期間を通して、進学講習を実施します。生徒の皆さんにも欲望のマシュマロを食べず、我慢してこの夏を乗り切って頂きたいと思っております。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
ビジョンを描き(7月の言葉)
未来への道標という本で、数学者であり音楽家である中島さち子氏がこれからの時代に求められるものとしていっている言葉です。さらに、未来が予想できない今は、実現すべきアイディアや未来ビジョンを生み出すための「創造力」がより強く求められるようになっているといっています。そして、創造力を養うために必要なものは、スティーブ・ジョブズが、21世紀という時代に価値を生み出す最良の方法は、創造性と技術をつなぐことだといっていたように、創造力を養うために、Art(芸術)が必要といっています。やはり、そこにはリベラルアーツの重要性を感じます。一つの分野ではなく、多くの学問分野が横に繋がり、それぞれを関連づけながら創造性を高めていくことが大切です。本校の教育は、教科間の繋がりを大切にして、リベラルアーツを重要視しています。SSHで推進している教科間連携(クロスカリキュラム)はまさにそのことを実現する営みになります。
これからの時代、一人一人が自分の人生のビジョンを描き、未来をデザインする力を待たなければなりません。そのためには、創造性を身につけることが必要です。その創造性は、物事をなぜと感じる感性を身につける探究学習にあると確信します。
これからの、変化の激しい時代を乗り越えていく、そんな逞しい生徒を育てて参ります。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。保護者面談の忙しい時期でしたが、今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
6月の言葉(最高の人生)
「毎日を人生最後の日のように生きれば、間違いなく最高の人生を送れる」
この言葉は、スティーブジョブズが17歳の時に出会った言葉だそうです。それ以降、ジョブズは、毎朝鏡を覗き込んで、こう自問し続けました。“もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは、本当に自分のやりたいことだろうか?”そして、その答えがノーである日が続いたときは、何かを変えなきゃいけないんだってわかったよ。と言っています。ジョブズほどの天才でも、若かりし頃から、毎日を必死に生きていたということに感動を覚えます。後悔しないように生きるということは、大変難しいことです。でも、今日が最後の日だとしたらと考えたら、1分1秒たりとも無駄にしたくはないと思うでしょう。困難なことに出くわした時、簡単にあきらめてしまったりしたら、それは自分自身を裏切ることになるでしょう。こんな言葉もあります。私の好きな言葉ですが、「楽な方を選ばずに、楽しい方を選べ」という言葉です。言葉を変えて言えば、何事も楽しんで前向きに取り組んだ方が、生きていて楽しいよ。ということです。まだまだ先が長い高校生に、今日が人生最後の日と思えと言ってもなかなか実感できないでしょう。でも、そう思って、今後の日々を過ごした人とそうでない人とでは、そう遠くない未来で大きな差になって表れてくると思います。今を精一杯生きる、大切なことですね。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
五月の言葉(黙して)
黙してこれを識し、学びて厭わず、人を教えて倦まず 孔子
4月に行われたオリエンテーション合宿で、この言葉を生徒に話しました。黙って聞いて物事を知る。勉強に飽きることがない。人に教えて嫌になることもない。つまり「聞く→考える→教える」が学びの基本姿勢である。わかると言うことを考えた時、「わかる」とはそれを知らない人にわかりやすく説明すること、つまり教えることが出来れば本当にわかったということである。アインシュタインがこんなことを言っている「あなたの祖母に説明できない限り、本当に理解したとは言えない」と、祖母でもなんでもわかっている人がいるかも知れないので、この例えは少し失礼かも知れないが、言いたいことは、知らない人が理解出来るようにわかりやすく説明することが出来れば、そのことについて理解をしているということなのである。
人は、誰でも興味のあることにはエネルギーを注ぎ、自ら学ぼうとするわけですが、学ぶことだけではなく、学んだことやわかったことを、一つひとつ懇切丁寧に人に「教える」ことはもっと大切なことなのだと、この孔子の言葉から考えさせられます。
生徒達は、卒業した後、社会で働き、様々なことを吸収することでしょう。時が経ち、人を指導する立場になった時、「黙してこれを識(しる)し、学びて厭(いと)わず、人を教えて倦(う)まず。」という言葉を思い出して、未来を切り拓き社会に貢献する人を育てる人になってほしいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
四月の言葉(不来方の)
この詩は、夭折した石川啄木が旧制盛岡中学校の生徒のころの自身を回想した一首です。石川啄木といえば、一握の砂(いのちなき砂のかなしさよ さらさらと 握れば指のあひだより落つ 等)にあるように寂しい感じの詩が多く知られています。しかし、この詩には、十五歳の頃の、希望と夢が大きく謳われています。これから何にでもなれるという大きな夢や希望が空に吸われるという表現に表れています。十五歳という節目の年に、大きな希望と志を天高く思ってほしい。
四月、新入生が入学してくる。本校記念すべき50期生である。皆さんそれぞれが、高校生活への大きな期待を持っているはずである。その期待に応えるべく越谷北高校を育てていきたい。新入生はどうか今の気持ちを忘れず、新2年生新3年生は入学したあの時の気持ちを今一度思い出し、新たな気持ちで、新年度をスタートさせてほしい。
星雲の志を忘れることなく。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
SSHに指定されました。
埼玉県で最初に理数科を設置した学校として長年の悲願でした。本校の今までの先生方生徒の皆さんの探究する学びの姿勢が評価されたものと思います。今後SSHを契機に本校の教育を学校全体で高めて行きたいと思います。
本校のSSHによる成長物語を以下の図に示しました。
生徒が持っている「課題発見力」という種子を健全に芽吹かせるためには、「知識・教養」という土壌が必要です。この土壌を豊かにするために、単元型教科間連携・テーマ型教科間連携といったクロスカリキュラムによってリベラルアーツの醸成を図ることを計画しています。
土壌をより豊かにするためには元肥も必要です。そこで学校設定科目の理数総合で、自然観察・科学的体験を積みます。
課題発見力の芽生えには水と追肥、そして太陽光が必要となります。水や追肥は科学的スキルを身につけるための学校設定科目を想定しました。理数探究・理数数学探究・科学英語さらにスキル習得型教科間連携を有効に活用し育てていきます。なお、太陽光は大学等外部の連携を想定しています。
初めは小さな芽生えですが、日々のアクティブ・ラーニングによって根や葉を伸ばし、互いに協働することでチーム力を身につけながら生徒たちは一本の樹木に成長していきます。
生徒たちは潜在的に持っていた探究心を知識・教養の土壌に根深く広げていきます。理数探究の中で実践する各種の研究活動を通して、「課題解決力」という幹が太く成長します。また、大学等から最先端の話題提供や研究支援という日の光を受けることで、新たな探究心という葉を広げ大きく育ちます。
3年間の高校生活の中で実施した研究成果は、多様な花として表現しました。多様な花はやがて実を結び、未来へ続く新たな課題発見力という多様な種子をつくります。これらの種子は大学・社会という次のステージで芽吹き、大きな花を咲かせていくことになります。
以上のような成長物語をSSHで実現したいと考えています。
大好きな花を育てるように(3月の言葉)
卒業の季節になりました。今月の言葉は、どこかで見かけた言葉で、素敵だなと思っていた言葉です。卒業生にも在校生にも自分を育ててほしいと思っています。大好きな花を育てるように、自分を育てる。きっと素敵な自分に育つと思います。この世の中で自分という人間はただ一人です。自分の人生を誰かに変わって歩いてもらうわけにはいきません。自分の人生は自分で責任をもって誠実に真っ直ぐに生きる他はないのです。世界でたった一人の自分を大切に大好きな花を育てるように大切に育てていってほしいと願います。
3年間学んだ学舎を巣立っていく卒業生の皆さんが、大切に自分を成長させ、日本のみならず世界の様々な分野で人々の幸福に貢献する人になってほしいと思います。本校での学びは、卒業生の皆さんに探究する心を芽生えさせたはずです。どんな分野に行こうとも探求心を忘れず、推論することを忘れないで下さい。
数学者の新井紀子氏が、書いています。
「世の中の「困ったこと」を見つけて下さい。そして、できない理由を探す前に、どうやったらその「困ったこと」を解決できるか考えてください。」
これからのAI時代を生きる生徒達に、ぜひ人間にしか出来ないことを考えていってもらいたいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回もすてきな書になっています。)
知的好奇心(如月の言葉)
気がつけば、もう2月である。3年生は、家庭研修に入り、大学受験の天王山を迎える。生徒が、自分を信じ、実力を遺憾なく発揮してくれることを期待したい。しかし、受験勉強は受験だけのものではない。勉強をすることにより、確実に賢くなっている。その受験勉強をする力の源は、ただ単に大学に受かりたいということだけではないはずである。むしろ、勉強することにより、知識が深まり、もっと知りたいという心のうずき、つまり好奇心の深まりにあるのだと思う。
つい最近、私は、「子どもは40000回質問する(あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力)」という本を読んだ。その中で、好奇心の大切さ、特に知的好奇心の大切さを感じた。これからの人生で勉強を受験勉強だけに終わらせず、知的好奇心を持って生きていくことが大切だと感じた。
なるほどと思った文を引用したい。(私なりにアレンジしてある)
「これからは、豊かな好奇心の持ち主が求められる時代になるだろう。求めているのは、決められた手順をそつなくこなして指示に従うだけでなく、それ以上の貢献ができるタイプだ。つまり、自ら学習し、問題を解決し、鋭い疑問を投げかける意欲のある人物が必要とされている。
好奇心に満ちた学習者は深く、そして広く学ぶ。専門知識と高度な判断能力を必要とする職務、例えば、金融業やソフトウエア開発といった分野の仕事に向いている。また、異なる分野の知識をつなぎ合わせて新たな知恵を生み出す創造的な活動が得意なことが多く、複数の専門分野を横断するチームで働くのにいちばん適しているのもこのタイプである。つまり、人工知能がもっとも苦手とするような仕事を担う存在だ。ホワイトカラーの職場でさえ人間の仕事が急速にテクノロジーに置き換えられつつある世界では、もはや賢いだけでは生き残れない。コンピュータは賢い。だが、どれほど高性能でも、今のところ好奇心旺盛なコンピュータは存在しない。
・好奇心のはじまりは、知りたいという心のうずきとして現れる。・・・「拡散的好奇心」
・「知的好奇心」・・・拡散的好奇心がうまく導かれ、知識と理解を求める意欲へと変われば私たちの糧となる。このように意識的に訓練をしなければ身につかない奥深い好奇心こそが「知的好奇心」である。拡散的好奇心が成長し、新しいものを求める単純な欲求が深い理解を目指す方向性のある努力へと変化した時、それを知的好奇心と呼ぶことができる。」
なるほどである。
私たちは、忘れてしまっているが、赤ちゃんの頃、自分が興味を持っていることを知りたくて指さしてそれを大人に聞くことをしていた。指さしながら、「あ~あ~、だぁ~、だぁ~」と言っていたのではないか。あるものについてもっと知りたいと思い、大人がそれについて教えてくれることを期待している。私たちは、言葉を話せるようになる前から、指を使って問いを発していたのである。
そんな、知的好奇心をいくつになっても持ち続け、なぜを考え続ける人でありたいと思う。
睦月の言葉(新しき・・・)
新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
「万葉集」の最後を飾る大伴家持の一首です。-「新しい年の初めの、初春の今日降る雪のように、良いことが積み重なりますように」-この詩のように、今年は良いことが多くあってほしいと願っています。
生徒が、「夢・希望」を、単なる空想としないためには、自分の「生きることについての理想」とつなげ、一人の人間としてどう生きるべきか、自分はどのように生きようとしているのか、どの方向に向かってどんな歩みをしようとしているのかについて考えを深め、日々を確かに、一歩一歩着実に歩んでいくことが大切だと思っています。今年は、越谷北高校にとって50周年の年になります。この節目の年にさらに越谷北高校の躍進の年になりますよう頑張って参ります。
どうぞ、本年も皆様の御支援、御協力を心よりお願い申し上げます。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は和歌ですので、先生の工夫を凝らしたものになっていて、新年にふさわしい情緒のあるものになっています。)
師走の言葉(自彊不息)
早いもので、いつの間にか、師走になりました。今年も後一月になりました。寒さも日一日と厳しくなってきています。しかし、この寒さを経験しないと暖かい春はやってきません。3年生は、もう少しで受験になります。毎日が受験に向けての努力の日々になります。つまり、勉強すると言うことです。が、考えてみると、受験だから勉強するということではないはずです。
易経という古代中国の占いの書に、
「自彊不息」
と言う言葉があります。「じきょうやまず」と読みます。
易経には次のように書かれています。
「自彊不息」易曰,天行健。君子以自彊不息。
【読み下し】では、易に曰く,天行健なり。君子はもって自ら彊(つと)めて息(や)まず。となり、
その意味するところは、
「天地の運行がすこやかであるように,君子も自ら努め励み,怠ることはない。」と言うことです。
自彊とは、みずから努め励むことです。そのことをやめない。そうすることにより、人間ができてくるのだと思います。まだまだ、高校生はこれからが人生のスタートです。その先にある自分の思う世界に雄飛するために、今を努め励むことです。そしてそれをやめないことです。
私自身、いくつになっても努力し、勉強し続ける人でありたい。と思います。
霜月の言葉(自調自考)
「自調自考」という言葉があります。多くの学校の目標やモットーになっています。その意味するところは、「自ら調べ自ら考える」ことです。
なぜ、今月この言葉を取り上げたかというと、これからの進化の激しい時代において、大切な事は、「自分で調べ自分で考える」ということだと思うからです。実は、このところ、人工知能(AI)が話題になっていて、NHKの教育テレビでも特集を組んで放送しています。毎回興味深く見ていますが、今日の情報技術や認知科学の研究を見ると、AIが人間に近づくあるいは取って代わる日が来るのではないかと思うところもあります。私自身、コンピュータを使ったのはもう40年以上前になります。そのころは、MS-DOSの世界で、マシン語をいじってみたり、BASICでプログラムを組んでみたりしていました。今のように誰でもが、コンピュータを使いこなし、スマホを操作する時代が来るとは夢にも思いませんでした。私は、その当時の癖で、なぜ、こんなことができるのか?どうしてこういうふうに動くのか?が気になってしまいます。そんな性分です。そのせいかいつも”もや感”があります。2045年には、AIが人間の知能を超える技術的特異点(シンギュラリティ)が来ると予想する本が多く出版されています。シンギュラリティが来るかどうかはわかりませんが、確実に言えることは、技術の進歩は、指数関数(エクスポネンシャル)的に急激に進むということです。その時に、時代の変化に柔軟に対応していくことができる人間になっているために、今から”考える”という習慣をつけておくことが肝要です。これからの時代は、こうすればこうなるというような”正解”はなく、いろいろなことを考え”最適解”を自ら導き出すという時代になってくると思います。AIに負けず、世界に雄飛し、国際社会で貢献する人財となるべく、自ら調べ自ら考えることは益々重要になってきています。私は、人間にしかできないクリエイティブな思考、そしてあらゆる生物の中で人間が一番多く持ち得るホスピタリティな心を大切にする、そんな越谷北高校生を育て社会に輩出したいと思っています。
(書は、いつも、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は背景に紅葉をあしらっていて季節感もあり味わい深いものになっています。)
神無月の言葉(自分軸)
今回は、石川一郎氏の「2020年大学入試問題」から、「自分軸」という言葉について考えてみました。これからの、授業は、アクティブ・ラーニングをホームベースとして「自分軸」をつくり、それを意識できるかにかかっているということに頷けます。
「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を問う様々な問いの中に、“Who are you ?”を問う問題が姿を変えて設定されることになるからです。
自分とは何か?
知識をベースに論理的に批判的に創造的に思考しなければならないような問題は、批判するオリジナルの基礎、創造が生まれる強い意志が不可欠になります。
自分にとって「知識・技能」がどう役立つのか?
それは社会に貢献できる知識の使い方や技能を発揮できるのか?
自分は何を何のために思考し、判断し、それを表現することが社会や世界を創ることにつながるのか?
自分はいったいどこに向かって主体的になり、多様な人々や文化をどのように受け入れることができるのか?
そのために協調できる自分とはどのような存在なのか?
誰か他者に承認されることよりも(他者軸)、自分がまず意志決定することが重要であることに気付く、その気づきが「自分軸」です。
しかし、「自分軸」はブレるものです。その時、ブレていると声をかけてくれる仲間やそれを受け入れる信頼関係を作ることが授業の中に埋め込まれている必要がでてきます。「自分軸」はその対話関係の中で、ブレない自分が出来ていく中で見えてくるものです。だからアクティブラーニングで学ぶ必要があるのです。そうすることにより、ブレずに自分の価値観に基づいて行動できるようになるのです。自分軸があると「他人と比較しない」「判断基準ができる」「信頼される」などの変化が得られてきます。自分軸を見つけるために、主体的に多様な人々と対話をして、いろいろなことを深く学ぶ中で、いろいろな体験や本をよんだりすることで自分軸をみつけてほしいと思います。
「自分軸」のある生き方をしたいものです。
(書は、毎回、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も力強いですね。)
長月の言葉(好きなことを掘り下げろ)
少し個人的なことにもなるのですが、私が会長を務める高数研(高校数学教育研究会)が主催する高校数学フェアが8月7日と8日に戸田市文化会館で開催されました。5人から6人位でチームを作り、数学の問題に朝から夕方まで1日かけて取り組むというものです。今回は6校で9チームが参加し解答を競い合いました。本校からも1チームが参加し敢闘賞を受賞しました。どの学校のチームも話し合い助け合いながら問題と悪戦苦闘していました。一日どっぷりと数学を解くという経験は、数学の興味関心を深めると共に、何事もあきらめないで最後までやり抜くという体験につながったのではないかと思います。
数学フェアの2日目に、中島さち子さんの講演がありました。中島さち子さんについて少し紹介させて頂きます。中島さち子さんは、高校2年生の時に数学オリンピックで金メダルを日本人女性で初めて受賞した人です。才能豊かな人で、東京大学数学科在学中にジャズに出会い、現在は、ジャズピアニストとしても第一線で活躍している人です。今回の講演の中でこんなエピソードを紹介していただきました。「中学3年生の時、大学への数学という月刊誌の中に数学者のピーターフランクルが出題した宿題コーナーの問題を約1ヶ月考え続けた。難しくて、約1ヶ月毎日考え続けた。食事をしながらも寝ながらも考えた」ということです。その過程は、山登りみたいで、こっちに行ってみたら行き止まりで違う、こっちにこれ以上行ったら危険ということの繰り返しだったということです。その問題の解答を提出する締め切り日、38度の熱を出しながら考え続け、最後の最後にひらめいたそうです。そして、解答を作り締め切りぎりぎりで郵送したそうです。そうしたら、ここからがすごい話なんですが、直接ピーターフランクルから電話があったそうです。解答の素晴らしさを褒め称えるものであり、このことがきっかけとなり、数学オリンピックの世界へ挑戦することになったとのことです。天才は天才を見抜くのでしょうか?まさにうそのようなホントの話なのです。中島さち子さんは、「解けたこと以上に、一ヶ月考え続けることができた自分に自信が持てた」と言っています。さらに、数々の失敗体験や、失敗したときの学習体験が大切で、良い失敗を多くしてほしいと言っていました。失敗を恐れず、好きなものがあれば、点を掘り下げてみる。それがやがて線になり、面になると自分の経験から話されていました。本当にそうだと私もつくづく思います。好きこそものの上手なれですね。どうか、高校生活やこれからの人生で好きなものを掘り下げて下さい。好きなものがまだ見つからない人はこれから見つければ良いのです。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。毎回工夫して頂いてます。)
知識から知恵へ(葉月の言葉)
この言葉は、夏休みのしおりのあいさつの題名にした言葉です。
一生懸命勉強をして知識を得ても、自分でしっかりと考えなければ、その知識が使えるものにはなりません。知識はたくさん身につけたけれども、それがどうしたということになってしまうということです。逆に、いろいろ考えても、勉強しなければ、思い込みだけ激しくて、失敗しかねないということです。つまり、勉強して知識を得ることは最低限必要ですが、さらにその知識を使っていろいろ考え自分の力で表現することが大切なのです。
さらに、得た知識を体験することをしてほしいと思います。7月に御講演を頂いた東京理科大学教授の秋山仁先生に、寄贈して頂いた著書「秋山仁の教育羅針盤 共に、希望を語ろう」の中に、「知識が知恵に-体験で深化」という章があり、体験の必要性を説いています。知識だけで大学へ行っても、身についた知識ではないから、すぐに忘れてしまう。自分で体験し、やってみて、知恵にまで高めたものであれば、その後の人生にもきっと役に立つはずです。その意味では、本校は夏休みに、希望者に民間会社「建設技術研究所」と連携し、希望者に川の科学と題して、環境と防災の視点での体験学習を一泊二日で実施しています。また、理数科の1年生には、三浦半島で生物や地学の実体験を行う野外実習をしています。まさに、知識を知恵にまで高める取組が行われています。
2020年度から始まる新しい大学入試「大学入学共通テスト(仮称)」でも、この根幹はこれまでの「知識偏重」から、思考力、判断力、表現力を問う入試に変えようということと捉えることができます。ただ知識を覚えていれば解けるという問題ではなく、文章や図表、グラフなどを題材にして、そこから情報を編集し文章にまとめる力が必要になるということです。その際、考えた上でどのように表現するかが大切になります。そこで、顕著に表れてくるのは、やはり体験から身につけた知識つまり知恵であると思います。2020年度の入試問題を考えても、知識だけではなく、その知識をベースとして、しっかり自分で考え、表現することが大切なのです。夏休みはじっくりと時間を掛けて、じっくり考えて、表現することを学んでほしいと思います。そして、知識を自分で考え表現できる知恵に高めてほしいと思います。
受験は団体戦とも言われます。もちろん勉強は一人でするものですが、夏期講習などで、友達と切磋琢磨することも必要です。決して一人ではありません。チーム越北として、越北プライドを持って頑張ってほしいと思います。チームで磨き合う。切磋琢磨する環境が大切です。本校にはその環境が整っています。どうか自分を信じ、自分をあきらめないで、自分の周りの全ての人に感謝して頑張って下さい。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は白にスプレーで色を付けて書道パフォーマンスばりの力強さで書いて頂きました、またひと味違います。)
にっこり笑ってあいさつを(1学期終業式)
1学期も本日で終了です。体育館は大変暑かったのですが、生徒達はよく聞いてくれました。ただ、後で生徒に感想を聞くと、イマイチと言われてしまいました。あいさつは、難しいですね。
平成29年度 1学期終業式あいさつ H29.7.20
○ 「おはようございます」
○ 1学期はどうでしたか。
勉強はどうでしたか。1学期の成績優良者(通知表の平均8.0以上)は1年生は36人、2年生は40人、3年生は43人で合計119人でした。頑張りましたね。残念にも、欠点をとってしまった人、2学期以降全力を尽くして頑張るように!
○ また、部活動はどうでしたか。
特に3年生は思う存分出来ましたか。力が発揮できず、悔しい思いをして終わった人も多いと思います。
私は、君たちの試合を、いくつか応援させていただきました。みんな情熱溢れるプレーでした。勝敗はどうあろうと、頑張った皆さんの部活にかけた青春は一生の宝物になると思います。
多くの部活動が3年生が引退し、1,2年生の新チームになっていることと思います。3年生に感謝して、頑張ることが、未来の越谷北高校のためになるのです、どうか、情熱を持って頑張ってください。よろしくお願いします。
○ さて、話はかわりますが、この頃年のせいか、こんな事があります。本屋さんで、おっ、これは良い本だな、読んでみようと購入して、しばらく読んでいると、あれ、なんか読んだことがある感じがするなと思って、家の本棚を見ると、案の定、同じ本があるんです。これはまだ、ましな方で、全部読み終わってから本棚に入れようとして、まったく同じ本があったりします。こんな事では、新しい本を買って読むよりも、今まで読んだ本を読み返してみようと、本棚にある本で、もう一度読んでみたい本を読み返しています。
そんなもう一度読んでいる本で、「もう、不満は言わない」という本の話をします。平成20年に出版された、アメリカのウィル・ボウエンと言う人が書いた本です。
その中で今更ながら、なるほどと感じたことがあります。それは、いろいろな出来事を見方を変えて前向きのエネルギーに変えるということです。
例えば
問題 → 機会
しなければならない → する機会を得た
困難 → 試練
苦しめる人 → 教えてくれる人
不平不満 → 要望
なるほどという感じです。
学校には、地域の方から時々、苦情がきます。これを苦情と捉えるか、チャンスと捉えるかです。例えば、交通マナーが悪いと苦情がきます。あまり良い気持ちはしませんが、これを良い機会と捉えて、先生方が巡回をします。これは、君たちの命を守ることにつながります。また、車が後ろから来ているのに、平気で横に広がっていたり、横断歩道をわたるとき、信号が点滅しているのにゆっくり渡っていたりして、ドライバーの方をいらいらさせたりしていないでしょうか。
実は、先ほど紹介した本の中に、こんな話が紹介されています。
いつも家の前を猛スピードを出して通り過ぎる若い女性が運転する車にその家の主人は、怖い形相で、スピードを落とせと言ったり、手を振りかざしたりしていました。でも、全然その女性はスピードをゆるめません。
ある日、また、その女性の車が猛スピードで来ました。主人が諦めてやり過ごしたところ家の前でブレーキがかかりスピードが落ちたのです。
そばにいた奥さんにどうしてと聞くと、私が笑顔で手を振ったのと答えたということです。
とらえ方、気の持ちようがいかに大切かということです。
誰だって、非難されることを嫌います。非難するとその行動が改善されるどころか、ますますひどくなってしまうこともよくあります。
見方を変え、考え方を変え、言われたことや、されたことを前向きのエネルギーに変え積極的に生きることが自分の人生を豊かにすることでは無いかと思います。
何か、人に言われたとき、知らん顔するのではなく、心を開いて話してみる。あるいは、挨拶でもいいです。道で不満そうに見ているおじさんにこんにちは、と声を掛けてみて下さい。きっと、笑顔になってくれると思います。
挨拶がいかに大切か、朝、校門で登校してくる君たちに挨拶をしていますが、知らん顔の人がいます。しかも、ゆっくりあるきながら知らん顔です。私が門にいるときはもう遅刻ぎりぎりの時です。余裕があるのか尊大なのかは分かりませんが、こっちが挨拶をする前に君たちには挨拶をしてほしいです。出来ればにっこり笑って挨拶してくれれば最高です。1日のスタートをお互い気持ちよく切れますよね。
是非、心掛けて下さい。
○ これから、暑い夏が続きます。勉強(夏期講習)や部活動に一生懸命取り組んで下さい。皆さんが、休み明けに大きく成長して、元気に登校してくることを期待して挨拶と致します。
以上。
7月(文月)の言葉(足るを知る)
足るを知ることがないということは、満たされることがないということ。常に不満が残るので、心穏やかに生きることができなくなってしまいます。満足することを知っている者は、心豊かに生きることができるんだよ、と、老子は説いています。
足るを知る=満足することを知ることは、実は非常に難しいことだと思います。人は、日常の生活の中で、よく他人との比較をしてしまいます。他人の状況を見て、良いなぁとうらやましがったり、時には嫉んでしまうこともあります。しかし、ふと自分を振り返ってみたとき、結構自分は自分で頑張ってきているものなのです。何事も、他人に流されるのではなく、自分自身を顧みて、自分にとっての“足る”を知ることが大切なことなのだと思います。非常にシンプルなことですが、それが、できそうでいてできないことで、実は、本当の意味で幸せになるための鍵なのかもしれません。
「足るを知る」というと、「欲張らずにほどほどのところで満足すれば良いのか~」
と解釈してしまうかもしれません。
しかし、老子の言う「足るを知る」というのは、そのような「仕方なく満足する」という消極的な意味ではありません。「これで良い」のではなく、「これが」良いと思える生き方です。今の自分自身に満足することこそが、「足るを知る」ことなのです。
自分が持っているもの、自分が身につけてきたもの、自分がこれまで得てきたものを認め、受け入れ、まずはそれに満足する。もちろん、上を目指すことも大事なことですし、“欲”もあるからこそ人は努力することができます。
「人に良く見られたい」「人から好かれたい」「尊敬されたい」
そういう気持ちがなければ、頑張れないことだってあります。
しかし、そればかりでは心が疲弊してしまいます。どんなに頑張って何かを得ても、
それに満足することなく「もっと、もっと」と次を望むのでは、自分自身が報われません。
時には、自分の内側に目を向けて、「自分はこんなに多くのものを手に入れてきたんだな」と、今までの自分自身を認めて誉めてあげることも大切です。皆さんも、「足るを知る」ことの価値を知り、「志をもって努力する」価値を知るならば、「今は幸せ」と思いつつ、さらなる幸せを目指して、生き生きと生活できるのではないでしょうか。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は紫の紙に白で力強く書いて頂きました、またひと味違います。)
6月の言葉(水無月の言葉)
2020年度から始まる新しい大学入試「大学入学共通テスト(仮称)」実施の具体案が5月16日文部科学省から出されました。改革の柱は、英検やTOEFLといった民間の検定試験を英語に採用することと、国語と数学での記述式問題の導入です。これまでの「知識偏重」から、思考力、判断力、表現力を問う入試に変えようということと捉えることができます。ただ知識を覚えていれば解けるという問題ではなく、文章や図表、グラフなどを題材にして、そこから情報を編集し文章にまとめる力が必要になるということです。その際、考えた上でどのように表現するかが大切になります。
そこで、今月の言葉を、論語の有名な「学びて思わざれば則ち罔し。思いて学ばざれば則ち殆うし」としました。その意味するところは、「学ぶだけで、自分で考えなければ、物事ははっきりしない。自分で考えるだけで、学ぶことをしなければ、確かなものにならない。」ということです。
一生懸命勉強をして知識を得ても、自分でしっかりと考えなければ、その知識が使えるものにはならない。知識はたくさん身につけたけれども、それがどうしたということになってしまうということです。逆に、いろいろ考えても、勉強しなければ、思い込みだけ激しくて、失敗しかねないと言うことです。つまり、勉強して知識を得ることは最低限必要ですが、さらにその知識を使っていろいろ考え自分の力で表現することが大切なのです。2020年度の入試問題を考えても、知識だけではなく、その知識をベースとして、しっかり自分で考え、表現することが大切なのです。つまり、学ぶことと考えることのバランスが大切で、学んでいるときは、ただ学んでいることに満足していないか常に反省すべきであるし、何か強い思い込みがあるときは、果たして本当に学んでいるのだろうかと反省すべきだろうと思うのです。
(書は、いつも、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は紙の方に色が吹き付けてありまたひと味違います。)皐月の言葉(千里の行も足下より始まる)
5月になりました。新緑も美しく、過ごしやすい日が訪れました。さて、4月から一ヶ月が過ぎ、何となくぼんやりした気分の人もいるのではないでしょうか。勉強にやる気が出なかったり、何となく憂鬱な気分になったりといわゆる五月病といわれるものです。そこで、気持ちを新たにするために、老子の「千里の行(こう)も足下(そっか)より始まる」を今月の言葉としました。いろいろ思うところはあってもとにかく「まずは始めよう」ということです。どんな長い道も、歩ききろうとする意志のもとで、最初の一歩を歩き始めなければなりません。途中苦しくなるとやめたいなあと思う心がおきますが、一歩一歩、歩き続けることが大切です。そうすることで、必ずや大きな目標にたどり着けるはずです。
田中勉さんという方の小冊子「ひとりごと」の中に、次のような言葉があります。
大河の流れ 一滴から
広大森林 一本から
マラソン完走 一歩から
1日1日の積み重ねで今があります。長い人生です。腐らず、怠らず着実に進んでほしいと思います。
(書は、いつも、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も趣向を凝らした素晴らしい文字です。)
4月の言葉(夢は大きく志は高く)
新入生を迎える4月になりました。新たな気持ちで取り組んで行こうと思います。年度の初めに生徒達に伝えたいことを卯月(4月)の言葉としました。高校時代は人の生き方を決める大切な時期です。人間というのは、自分で気付いていない、いろいろな才能を持っています。高校時代は、その才能を発見し、生かす努力をすべき時なのです。
4月は、始まりの季節です。その意味では、全ての生徒が、自分の夢を実現するためのスタートラインに立ったと言えます。自分の力を信じて、その才能を磨き上げる日々を実践し、自分の夢を叶えていってほしいと思います。「夢は大きく志は高く」どうか、これからの学校生活において焦らず、怠らず目標に向かって一歩一歩着実に進んで頂きたいと思います。そして、夢を志しに変える力を越谷北高校で身につけて下さい。
(書は、いつも、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も気合いの入った字体で書いて頂きありがとうございます。夢の文字はなんと金色です。)
禍福は糾える縄のごとし(三月の言葉)
3月になりました。1年間はいろいろなことがありましたが、過ぎてみればあっという間です。今年度も後一ヶ月となりました。相変わらず寒い日が続いていますが、確実に春は近づいています。良いこともあれば悪いこともあるし、悪いことがあれば必ず良いこともあります。そんな思いで、3月の言葉を「禍福は糾える縄のごとし」としました。
天国と地獄の食事についてこんな話があります。
食事内容はどちらも豪勢なものですが、1メートルもある長い箸を使って食べるのです。地獄では、その箸で、何とか自分の口へ食べ物を運ぼうとしますが、長すぎるので前の人や隣の人と箸がぶつかって、うまく食べることができません。喧嘩しながらの食事ですから、美味しいはずはありません。
一方、天国では自分が食べるのではなく、自分の箸で前の人に食べさせてあげます。すると、今度は前の人から自分の口へ食べ物が運ばれてくるのです。和気藹々の楽しい食事です。
世の中はうまくできています。「禍福は糾える縄のごとし」という諺があります。不幸があるから幸福を知ることもでき、悲しみがあるから喜びがあり、他人を思いやり辛抱すれば、他人からも支援や協力を得ることができます。
どのような立場の人でも、この世の中を自分一人で生きていくことはできません。人生に必要なものは、感謝と思いやりです。
3年生は、卒業を迎えます。これから、いろいろな人生が待っていることでしょう。しかし、どんなことに出くわしても、必ずどこかに光はあるものです。今だけを見て、大変だと考えるのではなく、必ず未来は開けると強く念じて下さい。禍福は糾える縄のごとしです。前向きに負の言葉をはかないで進んでいきましょう。
休眠打破(二月の言葉)
2月になりました。3年生は家庭研修に今日から入りました。それぞれの志望大学合格を目指し頑張ってほしいと思います。
いつも3年生がいるのが当然でしたが、いなくなってみて、そのありがたさがわかるということはよくあることです。3年生は1、2年生にとって、目の上のたんこぶという人もいたかも知れませんが、頼りにしていた部分も多々あったと思います。
今一度、3年生に感謝したいと思います。
ところで、寒い日が続いていますが、この寒さが厳しいからこそ、桜の咲く春がうれしく感じるわけです。
「休眠打破」という言葉があります。
春に咲くサクラの花芽(かが)(花のめです)は、前年の夏に作られます。そして、その後、「休眠」という状態になります。休眠した花芽は、一定期間、低温にさらされることで、眠りからさめ、開花の準備を始めます。これを「休眠打破」といいます。休眠打破は、この秋から冬にかけて一定期間、低温にさらされることが重要なポイントです。つまり、寒さにさらされないときれいな桜が咲かないということです。
そして、春をむかえ、気温が上昇するにともなって、花芽は成長「生成」します。気温が高くなるスピードにあわせて、花芽の生成も加速します。生成のピークをむかえると「開花」することになります。
このように、サクラの花芽の「休眠」・「休眠打破」・「生成」・「開花」は、秋から冬にかけての気温と春先の気温に、大きく関係しているということです。
冬のない常夏の国では、日本のサクラは、美しく咲かないそうです。サクラは、四季のある美しい日本の国で進化した植物ということなのです。
私は、なるほどと思うと同時に、人間にも、ある程度の「寒さ」が必要なのかなと思います。それは、試練とか、困難とか、苦労とかにあたるのかなと思います。それを、くぐり抜け、「休眠打破」しないと花は咲かない。この「寒さ」から逃げないで、いかに頑張るかでどんな花が咲くかが決まってくるように思います。3年生に美しい桜が咲くことを祈っています。
1・2年生の諸君は、3年生がいないこの時期、「休眠」という状況かもしれませんが、しっかり4月からの目標に向かって準備をし、努力をしていただきたいと思います。そうすることできっと「休眠打破」し、すばらしい新学年をむかえられると思います。そして、一回りも二回りも大きくなった、新2年生、新3年生になることができると思います。(なお、書は、倉澤沙綾先生に書いていただきました。今回も気合いの入った字体で書いて頂きありがとうございます。)
やり抜く力(1月の言葉)
1月の言葉
「やり抜く力」が大切
「情熱」と「粘り強さ」を忘れないで!
この言葉は、私が、2学期の終業式の式辞の中で話した言葉です。
その時の式辞を掲載します。
「おはようございます」今年も、後りわずかになってきました。昨日は冬至でした。一年で一番夜が長い日でした。冬至の日には、カボチャを食べてゆず湯に入れば、風を引かないと言われています。昨日は、カボチャを食べてゆず湯に入りましたか?
さて、今年もいろいろなことがありました。
いくつかをあげてみました。まず、
・米オバマ大統領が現職の米大統領として初めて広島を訪問しました。
2年生の皆さんは、平和記念資料館で、オバマ大統領が折った折り鶴を見たと思います。
それから、
・英国の欧州連合離脱
・選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初めての、夏の参院選挙
(投票した生徒もいると思います)
・フランス南部のリゾート地ニースでのテロ
・スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」のブーム
・アイドルグループ「SMAP」が2016年12月31日をもって解散
・イタリア中部でM6.2の地震が発生
・オリンピック「リオデジャネイロ大会」
・広島東洋カープがセ・リーグで優勝、25年ぶり7度目
・台風の発生や11月の雪などの異常気象
・オートファジーの研究で、大隅良典・東京工業大学栄誉教授のノーベル医
学生理学賞受賞
等、いろいろありました。
その中でも、オリンピックのリオデジャネイロ大会での、レスリング日本女子の快進撃は、印象的でした。
特に、3階級で金メダルを取った、土性、伊調、登坂の3選手は、試合時間終了間際の逆転で勝っています。その時の新聞は、「このことは決して、奇跡ではない」と報じています。そこには、この選手達を指導したコーチの次のような言葉が載っていました。「大事なことは、終了のブザーが鳴る瞬間まで力を抜かないこと、選手達が、自主的に練習に取り組んできたことが極限状態で生きた。」
どうでしょうか?特に3年生の皆さん、最後の最後まで手を抜かないで頑張ることが、極限状態の時に生きてくるということではないでしょうか。
さて、実は、私は、最近車を買いました。今の車は、コンピュータ制御がすごくて、センターラインを超えた時、前や後ろや側面が障害物に接近したときなど、警報音が鳴ったり、車庫入れも自動でしてくれたりします。
今や、コンピュータ技術はすごいものがあり、人間の仕事をコンピュータが取って代わるとも言われています。つまりAIの発展は目まぐるしく、新井紀子国立情報学研究所社会共有知研究センター長が、2001年に「ロボットは東大に入れるか」(東ロボくん)という人工知能開発プロジェクトを立ち上げて、大学の試験にAIを挑戦させることを始めました。
スタート時は、「3年でどこかの大学に、6年目にはGMARCHレベルに合格させる。」という目標を立てたそうです。でも実際には、7割くらいは実現できないと思っていたと言っています。なぜなら、AIは文章の意味を理解出来ないからです。ところが、今年度の進研模試では、国公立・私立併せて756大学のうち535大学に80%以上の確立で合格できるという結果がでたようです。「意味を理解出来ない」という限界を持つAIがなぜ多くの受験生より、上位になってしまったのか。
新井氏は「AIの進歩で失われる仕事は少なくないでしょう。しかし、これまで存在しなかった仕事も生まれてきます。これは産業革命の時もそうでした。今の仕事が無くなったのなら、需要が増えた仕事にうつればいいことです。その時に求められるのが「意味を理解して読む」能力である。」と言っています。行間を読み取ると言うことや、人間特有のいわゆる「あうん」の呼吸もそうだと思います。
私は、これからの世の中は、人間とAIがうまく共存していかなければならないと思います。AIは、暗記や計算が得意です。膨大なデータの集計・分析や検索も瞬時に出来ます。人間が見落としたミスも指摘してくれます。これらにおいては、人間はAIに勝てません。
人間に求められるのは、意味を理解して文を読むことや、考えて判断することであると思います。いろいろな場面で、自分で考えて、判断して、表現する能力というのは、AIには出来ないことだと思います。特に、自分から多くの人たちと関わり合って協力して学んだり、働いたりということは人間にしかできないことと思います。
だから、勉強だけでなく、文化祭や体育祭、修学旅行、球技大会等の学校行事は大切です。学校行事などで意見をぶつけ合いながら折り合いをつける経験を積むことで、人間力を高めていくのです。
人工知能の研究では「フレーム」という言葉が使われます。囲碁やゲームには、絶対的なルールや定められたゴールという枠組み(フレーム)があります。これこそ人工知能が最も得意とする分野です。ところがAIは、フレームを超えた判断をすることが出来ません。つまりとっさの判断をすることが極めて困難であると言うことです。枠組みを超えて判断できるかどうか、AIと人間の大きな違いだと思います。
最初に話した、オリンピックのレスリングの話の中でも、最後の最後まで諦めないで頑張る情熱のようなものは人間しか持ち得ないものではないかと思います。
つい最近、私はグリット(やり抜く力)という本を読みました。人生でなにを成し遂げられるかは、「生まれ持った才能」より「情熱」と「粘り強さ」によって決まる可能性が高いということです。
「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」の2つの要素からなるということです。「情熱」とは、自分の最も重要な目標に対して、興味を持ち続け、ひたむきに取り組むこと。「粘り強さ」とは、困難や挫折を味わってもあきらめずに努力を続けることです。才能より、やり抜く力が大切です。頑張って下さい。情熱をもって粘り強くやり抜くことは、AIには出来ないことです。
私は、皆さんが、放課後等に勉強している姿、しかも、教え合っている姿をよく目にします。頑張っている皆さんに頑張ってというのは失礼かもしれません。でも、言います。頑張って下さい。
では、皆さんが、元気で新年を迎えられることを願って話を終わります。
あなたが今まく種はやがて、あなたの未来となって現れる
この言葉は、目先のことだけにとどまらず、 将来のためにたくさん、いろんな種をまいておこう。
種をまかずに花が咲き、実がなることはありえない。いま種をまいておけば、いつどんな花が咲くのか期待も持てる。と言うことだと思います。
そう簡単に諦めるてはダメ、今日の努力は、種まきだと思えば、一粒でも多くまいた方が良いし、種を多くまいた人の方が、何かになり得る可能性は大きいに決まっています。
誰の人生でもない、あなた自身の人生です。あなたの人生を他の誰かに生きてもらうわけには生きません。つべこべ言う前に、実行あるのみです。
種を蒔いても一朝一夕に目が出るわけではないし、目が出たからといって実がなるわけでもない。種を蒔く前には畑を耕す必要もあるし、蒔いた後には水をやったり、雑草を抜いたり、虫や鳥からも守りつつ、収穫のときを待たなければなりません。ただ、種を蒔かずに収穫することは出来ませんから、未来を見据えながら種を蒔いてほしいと思います。
一日一日の地道な積み重ねで今日があり未来が開けてきます。未来を信じ今を精一杯生きましょう。
(なお、書は、倉澤沙綾先生に書いていただきました。月毎に字体を考えて頂きありがとうございます。)
創造のある人生こそ最高の人生である(11月の言葉)
ノーベル賞が年齢制限のない存命の人物へ贈られるのに対し、フィールズ賞はその時点でまさに活躍中の40歳以下の若手数学者に贈賞されているものです。
なぜ、フィールズ賞の話を出したかといいますと、11月の言葉とした「創造のある人生こそ最高の人生である」は、日本人でフィールズ賞を受賞した広中平祐氏が「生きること 学ぶこと」という著書の中で言っている言葉だからです。
広中氏は著書の中で、創造の喜びについて、次のように言っています。「創造の喜びの1つは、自己の中に眠っていた、まったく気づかなかった才能や資質を掘り当てる喜び、つまり新たな自己を発見しひいては自分という人間をより深く理解する喜びではないか」と。ここで、以前に紹介した「未見の我」という言葉が浮かびます。まさしく、創造する喜びは、新たな自分を発見する喜び、未見の我に出会える喜びであるのだと思います。では、創造をする喜びはどうすれば得られるのでしょうか。やはり、それは学ぶことによって得られるのではないか、と私は思います。学ぶことにより単なる知識を得るのではなく、学ぶことによって、目に見えないが生きていく上で非常に大切なものが作られていくと思います。それが、「知恵」といわれるものではないでしょうか。知識が単なる記憶したものということではなく、学びの段階を経ることによって人生を送っていく上での糧になる知恵になるのだと思います。では、知恵を身につけるためにはどうすればよいか、それは、学問をするということにつきると思います。広中氏は「学問は愉しいもの、喜びを味わうものだと語りたい」と言っています。学問をすることにより、知恵が身につき、そして、「ものを創造すること」につながり、創造することの愉しさ、喜びが出てきて、未見の我に出会えることにもなるのだと考えます。創造のある人生を送りたいと思います。
理数科説明会挨拶
平成28年度 理数科説明会挨拶 H28.10.8(土)
○ 中学生と保護者の皆様 ようこそ越谷北高校の理数科説明会へおいで下さいました。こころより感謝申し上げます。私は、校長の尾城と申します。
○ 本校は、昭和44年に創設され、今年で48年目の高校です。県内の進学校はそのほとんどが創立100年を超す伝統校ですが、その中にあって本校は県を代表する進学校となっています。東大・東北大・東工大や早稲田・慶応などの難関大学にも合格者を出しています。施設も老朽化し、自慢できるような施設はないにもかかわらず、確かなバランス感覚をもった、人格高潔で、生徒好きで、勉強好きな先生方の努力と、それに応える生徒達の頑張りにより大きな成果をあげています。
○ 理数科は現在、県内に県立高校で5校ありますが、本校の理数科は平成元年に県内で最初に設置されています。
○ 理数科には、クラス替えがありません。3年間同じ仲間で、助け合い、切磋琢磨しながら学校生活を送ることができます。つまり、生徒達が互いに高め合う集団となり、卒業後も助け合える生涯の友となります。このことは、何事にも代え難い将来の宝物であると思っています。
○ また、理数科には、普通科と違う特色ある行事等がたくさんあります。それぞれの内容については、これから、担当の先生や生徒から説明があると思います。
○ さて、今年度のノーベル生理学・医学賞に東工大の大隅良典栄誉教授が選ばれたところですが、昨年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した、大村智北里大学特別栄誉教授がこんないっています。大村氏が日頃自分に言い聞かせている言葉として、曹洞宗の始祖、道元禅師の「正師を得ざれば学ばざるに如かず」を上げています。
この意味するところは、「正しい師匠(先生)のもとでなければ、学んでいないも同然」ということですが、人は優れた指導者を得なければ、学んだことにならないという意味です。
○ 本校の先生方は、皆熱心で、自分の教科に対してのプロです。本校に入学することにより、素晴らしい先生との出会いがあり、まさに道元禅師のいうところの「正しい師、正師」を得ることができると思います。
生徒が志望する高見へときっと導いて行ってくれると自信を持って言うことができます。本校へ入学すれば、きっと素晴らしい友達や先生方と知り合うことができると思います。
○本日の、理数科の説明会で皆様が本校の理数科の良さをご理解頂き、高校の選択肢の一つに越谷北高校を入れていただければ幸いです。
簡単ではございますが、校長からのあいさつとさせていただきます。
知る者は言わず 言う者は知らず(10月の言葉)
「知る者は言わず 言う者は知らず」
この句は、中国の古典、「老子」という書物に載っている言葉です。その意味するところは、
・物事をよく理解している人は、何事もあまり口に出して言わないが、 物事をよく知らない人ほど、何でも軽々しくしゃべるものである。
・物事を本当によく知っている者は、その知識をひけらかしたりはしない。よく知らない者ほど、知ったかぶりをしてしゃべるものである。
・物事を深くよく理解している人は、そのことを軽々しく口に出さないが、 よくしゃべる人は、本当のことをよく分かっていない。
等々、賢者は黙して語らず的な解釈がされています。
実は、「老子」には、この言葉に続けて、次のような意味が書いてあります。 「本当に物事の真理を理解している人は、自己主張することもなく、ただ、人の中で目立たなく 生きている。こういう人に対しては、世間の人たちが、どのように接したらいいのか分からず、 どうすることもできない存在である」ということのようです。本当の知者は、老子で言うところの 道というものをよく理解し、道と一体化しているので、世間の人にとっては、 つかみどころがない存在ですが、こういう人こそが、最も偉大であるということを言っているようです。 老子の中では、くり返し「道」という言葉を用いて、万物の存在の根源を説明しようとしています。
私は、この言葉は物事の本質を本当に知ることの大切さを説くとともに、常に勉強することの大切さを言っているように感じます。浅はかな知識で軽々しく喋ることは慎み、自分を高めるために常に勉強しつつ、十を知って一を話すようにしたいものです。
勉強好きであること(9月の言葉)
「勉強好きでなければいけない。勉強しなければ夢をみることはできない。」
この言葉は、私が、前任校で北原照久氏の講演を聴いた後、直接本人から聞いた言葉です。北原照久氏は、ブリキのおもちゃコレクターの第一人者として世界的に知られている人物です。大学時代にスキー留学したヨーロッパで、ものを大切にする人たちの文化に触れ、古い時計や生活骨董、ポスター等の収集を始めたそうです。その後、知り合いのデザイナーの家で、インテリアとして飾られていたブリキのおもちゃに出会い、興味を持ち収集を始め、地方の玩具店などに眠っていたブリキのおもちゃを精力的に収集し、マスコミにも知られるようになりました。そして、イベントがきっかけで、「多くの人にコレクションを見て楽しんでもらいたい」という思いで、1986年4月、横浜山手に「ブリキのおもちゃ博物館」を開館しました。現在いろいろな分野で活躍をしています。「開運!なんでも鑑定団」に鑑定士として出演していることもよく知られています。
北原さんの経験から生まれた「夢の実現」の話は説得力があります。
北原さんの夢を実現するための10ヵ条はいつ聞いてもその通りだなと思うものばかりです。
1 プラス思考する
2 勉強する
3 素直になる
4 関心を持つ
5 感動する
6 感謝する
7 ツイてるひとと付き合う
8 親孝行する
9 ほめる(相手も自分も)
10 ツイてると思い込む
親孝行をすること以外はお金がかからない。親孝行をすることの1つとして、自分の誕生日に、親にプレゼントをしてあげて欲しいと語られました。「生んでくれてありがとう」と感謝の言葉と共に、もし、親がいなければ墓参りをすればいいとも。
また、ほめることをどんどんして欲しいとも。常にプラス思考で、”ありがとう”と”ツイてる”を口ぐせにして欲しいと言っています。
もし、ついていないと言ってしまったら、必ず、最後に、「でも大丈夫、本来自分はついているんだから」と必ず自分自身に言っておくことが大切。
また、夢を実現するためには
1 想いを持つ
2 具体的イメージで夢見る(潜在意識に入れる)
3 熱く語る(手助けする人と出会う)
4 目標に向かって突き進む
5 夢がかなう
熱く語ることでは、妄想と言われても10人に話せば1人くらい「それ良いよ、すごいよ、叶うんじゃない。」と言ってくれる。100人に話せば10人になり、1000人に話せば100人になる。
なるほど、と感じました。
講演が終わった後の話の中で、北原さんがこんなことを言っていました。
年齢と共に、記憶力が良くなっていくんですよ。僕は、勉強好きだから、どんどんいろんな事を吸収することができるんです。もっともっとやりたいことを実現していきたいし、いろんなことに挑戦していきたい。フィールドを広げ、事業を世界へ向けて展開していきたいという思いもあります。と、そして、「勉強好きでなければいけない。勉強しなければ夢をみることはできない。」と語ってくれました。
(なお、書は、倉澤沙綾先生に書いていただきました。ありがとうございました。)
凡事徹底(8月の言葉)
8月の言葉は「凡事徹底」です。
この言葉は、よく言われますが、凡事徹底の推奨者であるイエローハットの創業者「鍵山秀三郎」氏がこんな事を言っています。
10年偉大なり、20年畏るべし、30年歴史になる。(50年神のごとし)
当たり前のことをバカにしないで、ちゃんとやるということです。
少しのことでもちょっとしたことでも、毎日やり続けることにより、微差、僅差の積み重ねが大差となるということです。
挨拶をする。ゴミを拾う。靴をそろえる。もちろん勉強する等等です。
三日坊主にならず、小さな事でも続けるということが、やがて大きな差になるということです。微差力が大切です。
サッカーの日本代表でキャプテンの長谷部誠さんの書いた「心を整える」という本の中に、「整理整頓は心の掃除に通じる」という見出しがあり、こんなことが書いてありました。
試合に負けた次の日などは、何もしたくなくなって、部屋が散らかってしまう時がある。あの場面でああすれば良かったという未練や悔しさが消えず、自分の心の中が散らかってしまっているかもしれない。そんな時こそ、整理整頓を面倒くさがらなければ、同時に心の中も掃除されて、気分が晴れやかになる。
整理整頓をすることにより、心の中も掃除され気分も晴れる。
私は、凡事徹底することが、心の中を掃除することにもなると思います。
凡事=ABCです。当たり前の事をバカにしないでちゃんとやる。
心がけたいと思います。
学年PTA挨拶
保護者の皆様には、日頃より本校に対しましてご支援ご協力を頂きまして、誠にありがとうございます。心より感謝申し上げます。
学校の方は、7月20日に第1学期終業式を終え、夏季休業に入りました。
昨日から、24名の生徒が10日間に渡るカナダへの海外大学派遣研修に出発いたしました。また、理数科では、7月25日から2日間野外実習へ出かけます。
夏休みの講習も始まりました。多くの生徒が受講しています。
部活動もパワーリフティング部、新聞部が全国大会へ出場します。その他、紹介しきれませんが、生徒達は非常によく頑張っています。
かわいくば、五つ教えて三つ褒め二つ叱ってよき人とせよ
という言葉があります。二宮尊徳の言葉といわれていますが、まさに、保護者の皆様がこの言葉のように慈しみ育ててこられた賜と思います。
本日は学年PTAということで、学年の全体会、各HRの分科会が予定されております。先生方との情報交換、保護者同士の情報交換を通してお子様の成長を支援していくための貴重な場となることを祈念しております。
また、この会につきましては、理事の皆様を中心に準備を進めていただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
【3年生】
さて、本校では「6月段階の第1志望校合格率4割以上」を学校・学年の目標としています。現在、国公立大学希望者195名(224名)、旧帝大などの難関国立大学及び医学部24名(28名)、難関私立大学72名(67名)と聞いています。
1960年代にアメリカのスタンフォード大学で行われた「マシュマロテスト」いうものがあります。どういうテストかといいますと、
マシュマロを4歳の子どもの前に置き、「私が部屋から出て戻るまで食べてもいいけど、我慢できたら、あとでもう一つあげるよ。」といって、部屋を出ます。そうすると、我慢できずに食べる子と、じっと我慢して待つ子とにはっきり分かれた。そうです。そして、子どもたちを、以後14年に渡って追跡調査をしたら、我慢した子の方が学校でも仕事でもずっと成績が良かった。というものです。まさに、3年生は、「勉強をサボって遊びたいという欲望のマシュマロを今食べるか、我慢して今日の勉強を頑張るか、どっちを取る。」かということです。
本校の生徒は、頑張るに決まっていますが、高い希望を最後まで諦めないことが実力向上につながります。ご家庭におかれましても、お子様と同じ決意を持って見守って頂ければと思います。
学校といたしましても、全力を上げて支援に当たります。夏季休業中も全期間を通して、進学講習を実施します。生徒の皆さんにも欲望のマシュマロを食べず、我慢してこの夏を乗り切って頂きたいと思っております。本日は、保護者の皆様にとっても、貴重な情報が得られることを期待しています。
【2年生】
さて、2年生は、3年生の引退を受け、各部活動の中心として頑張っています。学校行事も含め、2年生がいよいよ北高を背負う時期が来たといっても良いと思います。関西への修学旅行も10月に予定されています。高校生活の中で最も充実し思い出も多く作れる時期かと思います。
しかし、2年生は中だるみの時期ともいわれます。休みたい怠けたい気持ちをぐっと抑え、来年度の受験に備えた実力をつけなくてはいけません。これから、年度末までをどう過ごしたらよいのか、ということは大変重要です。1学期の成績もそうですが、本校では定期的に模擬試験等を実施しております。その結果は、大学入試までのペースメーカーになると思っています。本日は、お子様の毎日の生活や今後の進路について、貴重な情報が得られることを期待しております。
【1年生】
さて1年生は、入学後4ヶ月を経てすっかり北高生になってきたと感じております。北高に希望に胸をふくらませて入学してきた4ヶ月前のあの気持ちを忘れないでいてほしいと思います。
不来方のお城の草に寝転びて空に吸われし十五の心
という石川啄木の詩があります。啄木は若くして逝去(せいきょ)しますが、15歳の頃には、希望に満ちあふれた先ほどのような詩を作っています。どうか、1年生の生徒には、入学したときの希望を持ち続けて、2年、3年そして卒業をしてほしいと思っています。
入学当初は、中学校までとは全くスピードの違う授業に戸惑った生徒さんもいたとおもいますが、もう勉強に部活動に自分のペースで取り組んでいることと思います。
しかしながら、お子様がこれからの高校生活をどう過ごしたらよいのか、いろいろな悩みもお持ちかと思います。本日は保護者の皆様にとって、貴重な情報が得られることを期待しております。
7月の言葉
6月15日に、大リーグ、マイアミ・マーリンズのイチロー選手が日米通算4257安打をマークし、ピート・ローズ氏の持つ米大リーグ歴代最多記録を超えた。イチローは、まさに有言実行努力の人である。1992年にドラフト4位でオリックスに入団し、94年から7年連続でパリーグの首位打者になり、その後、2001年に大リーグのマリナーズに移籍し首位打者、盗塁王、新人王、MVPなど受賞し、こつこつと安打を積み重ねついに偉大な記録を打ち立てたのである。会見でイチローは次のように言っている。
「僕は子供の頃から、人に笑われてきたことを常に達成してきているという自負はある。例えば小学校の頃に毎日野球を練習して、近所の人から『あいつプロ野球選手にでもなるのか』と、いつも笑われていた。アメリカに行く時も『首位打者になってみたい。』そんな時も笑われた。でも、それも2回達成した。」この言葉からは、イチローの意地がにじむとともに、努力してきていることの自信ともとれる。
野球日本代表「侍ジャパン」の監督である小久保氏は次のようなエピソードを語っている。
プロ2年目にパリーグの本塁打王になり、天狗になっていたら、次のシーズンは散々であった。一方イチローは3年連続首位打者にばく進していた。その年のオールスターゲームで外野をイチローとランニングしていた時、小久保がイチローに聞いた。「モチベーションが下がったことないの?」。するとイチローは小久保の目を見つめながら、「小久保さんは数字を残すために野球をやっているんですか?」と言った。「僕は心の中に磨き上げたい石がある。それを野球を通じて輝かしたい。」これを聞いた小久保は、彼の一言で「野球を通じて人間力を磨く」というキーワードを得たと言っている。
皆さんは、いろいろな夢や希望を持っていると思います。それは心の中の磨き上げたい石であると思います。いろいろなことに挑戦し、努力することで、自分の人間力を磨くことになるのだと思います。イチローは「準備の準備」ということも言っています。準備に入る前にその準備をする。自己管理を徹底してことにあたる。皆さんも、受験の準備の準備をすることで確実に進歩し、目標に向かって進んでいくと思います。頑張りましょう。
第2回PTA後援会・理事会あいさつ
皆様、こんにちは。
本日は、第2回理事会に、お忙しい週末においでいただきありがとうございました。
また、理事の皆様には、日頃より本校教育活動に、ご支援ご協力いただき、心より感謝もうしあげます。
本校は、隔週の土曜日に授業を実施しておりますが、学校公開ということで、中学生や保護者の方々をはじめ、外部の方が来校されます。本日も午前中は学校公開ということで多くの来校者がございました。
文化部の皆様には、お手伝いをいただきました。改めて、お礼申し上げます。ありがとうございました。
今年度、全国高等学校総合文化祭には、新聞部が出場することになりました。パワーリフティング部も全国大会に出場します。
その他の部活動も大変頑張っております。野球部とサッカー部はこれから大きな大会がありますが、暑さに負けず頑張ってもらいたいと願っております。
もう一つは、資料をご覧下さい。本校、平成28年度学校自己評価システムシートがございます。これはHPにも掲載し、公表しているものですが、折角の機会ですので、お配りいたします。
実は、6月21日(火)に、本校の学校評議員会・学校評価懇話会が開催されました。このシートを元に越谷北高校の教育力の向上を図るために意見交換が行われました。
本年の重点目標は、
1質の高い授業で、基礎基本を確立させ、一人ひとりの学力向上を図る
2高い志を醸成し、卒業後も広い視野を持って活躍できる人材を育成する
3規律ある生活態度と人権意識を高め、品格ある北高生を育成する
4創立50周年に向けて「努力と実績」の教育活動を広く発信する
という4つの項目からなっており、それぞれの年度目標や方策を定めてございます。
当日は、5名の学校評議員に加えて、5名の保護者代表の皆様、5名の生徒代表の
皆さんにより、短い時間ではありましたが、それぞれのお立場から貴重なご意見を頂き、私自身改めて、本校教育について深く考える機会とすることができました。
保護者代表としては、例年、PTA会長、後援会会長、各学年委員長にお願いしているところです。
この「学校自己評価システムシート」は、今年度の本校の組織的取組を示すものであり、この達成状況は2月に先ほどのメンバーの方々に、評価して頂くことになっております。
折角の機会ですので、PTA後援会理事の皆様にもご覧いただき、忌憚のないご意見をちょうだいできればと考えお配りいたしました。何かありましたら、遠慮無く、教頭か私までお知らせください。
ところで、来月7月10日には、参議院選挙が行われます。今回の選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、大きな関心を呼ぶ選挙になると思われます。共同通信社の18歳、19歳を対象とした参院選に対する意識調査では、投票に行くかどうかに関し、「必ず行く」「行くつもりだ」は52.2%で「行かないつもりだ」「行かない」の24.7%を上回っているとの結果がでたということですが、75%が投票先は未定と答えているとのことです。本校でも、7月11日までに18歳になる生徒もいることから、3年生のHRにおいて、今回の選挙権年齢が引き下げられたことの意義について説明し、投票日当日が本校は模擬試験の日でもありますから、期日前投票についても説明をしたところです。どうか、保護者の皆様も、選挙に関心を持って頂き、お子様と話して頂き、有権者となったお子様をお持ちの保護者の皆様は一緒に投票に行くなどして頂ければと思います。政治に影響を及ぼすには、まず投票所へ足を運ぶ、そうした自覚を持つ必要があると思います。政治評論家で北海道大学教授の山口二郎氏の著書「若者のための政治マニュアル」にこんな一文があります。
「一票なんて無力なものだとみんな思うだろう。しかし、多くの人が一票を投じれば、それが未来の希望につながる道を作るのである。」
是非、有権者となったお子様には投票に行くよう進めて頂きたいと思います。
それでは、本日はよろしくお願いします。
6月の言葉「奇跡を起こす方程式」
私は、生徒によく、還暦でプロゴルファーになった古市忠夫氏の奇跡を起こす方程式という話をします。
古市忠夫氏が54歳だった1995年の1月17日に阪神・淡路大震災が発生します。自身及び家族は無事でしたが、自宅は全焼しました。ところが、自宅からはなれた駐車場に止めてあった車が焼けずに残っていたのです。その車のトランクを開けたところ愛用のゴルフバック一式が入っていました。古市氏にとってこのゴルフバックが唯一残ったものでした。このとき、古市氏は、バッグを見付けた瞬間について、「体中に電気が走ったような衝撃を感じた」「『お前はこれから、ゴルフで生きなさい』と言われた気がした」と後に述懐しています。この奇跡に古市氏は感謝したのです。それからプロゴルファーを目指し、還暦でプロゴルファーになったのです。しかもプロになってから数回優勝をしています。
古市氏は還暦を過ぎてからやってきたことが自分がやってきたこととは信じられないと言っています。そして、こんなことも言っています。
「それもこれも震災が教えてくれたんです。今になってわかることは、才能×努力×感謝力が奇跡を呼ぶんですわ。才能+努力+運で成功するのは普通ですやん。しかしそれで成功しても驕り、威張りが出てきてしまう。全てをなくし、そこから頑張る。しかし頑張るだけやない。さっきもいったように、頑張れることへの感謝の気持ちが奇跡を起こしてくれるんです。これは、何回いっても言い尽くせません」
また、こんなふうにも言っています。
・ゴルファーで、才能や努力だけで栄光をつかみにいくとうぬぼれてしまい、最後の一打で手がとどかなかったりする。
・真の勇者は、がんばれる事へ感謝出来る人である。
つまり、感謝できる人、感謝力がある人が真の勇者であると言っています。
部活動のインターハイ予選が始まっています。
生徒には、「自分に、親に、先生に、友達」に感謝してがんばってほしいと思います。
そして、越谷北高校の名を高めていただきたい。
部活動をできることに感謝をして、自分のためにそして未来の越谷北高校生のために頑張ってほしいと思います。
PTA後援会あいさつ
本日は多くの保護者の皆様にご出席をいただきありがとうございます。
この4月からこちらでお世話になっております、尾城でございます。四月以来のことを振り返ってみますと、4月8日に入学式と始業式がありました。5月1日、2日と1年生のオリエンテーション合宿が山梨県の河口湖で行われました。生徒も熱心に取り組んで十分成果を上げることができました。5月12日には生徒総会もあり、本年度の生徒会予算も決定いたしました。
また、来月の6月2日には体育祭が予定されています。多くの保護者の皆様にお越しいただけるものと思っています。さらに、6月19日には、吹奏楽部の定期演奏会が春日部の市民文化会館で行われます。多くの保護者の皆様のお出でをお待ちしております。
部活動の大会も行われています。いくつかの部活動で県大会へ出場をいたしました。
また、書道部の3年生の作品が、全国高校生大作書道展において、文部科学大臣賞を受賞しました。全国からおよそ60校、応募作品300点のうちから、日本一に選ばれました。東京都美術館に6月11日から19日まで展示されるとのことです。
今後も文武両道を目指して頑張ってくれると思います。
そして、学習面でも部活動面でも、先輩達が築いてきた過去の実績を少しでも超えようとする向上心を求めていきたいと思っています。今年の重点目標の一つは「高い志を醸成し、卒業後も広い視野を持って活躍できる人材を育成する」となっています。先生達もこの精神で更に充実した授業が展開できるように取り組んでいます。高い志と広い視野を持つことで、将来、どのような心で社会に貢献していくかを考え、第一志望の大学へ挑戦していただき、日本の将来を背負って立つような大きな人間に成長してほしいと願っています。
子ども達は、学校、家庭、地域の3角形の鳥居の中を通過して成長して行くということを聞いたことがあります。
学校では、人間が幸せになっていくための技術や知識を、家庭では自分がかけがえのない人間であることを、地域社会では人間同士がつながっていく力をそれぞれ育ててくれます。切磋琢磨することや、思いやりの心や、助け合うことなどを忘れるとこの三角形がいびつなものとなりうまくいかなくなります。その三角形のバランスをうまく保つのがPTAや後援会の皆様のお力であると思います。
本校の生徒は、まだ、自分では気づいていない能力を多く持っています。その能力を最大限引き出すために教職員が一丸となって指導に当たっていますので、どうか、皆様には、今後ともご支援ご協力の程よろしくお願いいたします。
最後になりましたが、5月31日(火)は、開校記念日です。創立以来48年の歩みに思いを馳せ、越谷北高校の今後のさらなる発展、生徒の成長を祈念し私からの挨拶といたします。
五月の言葉「未見の我」
五月は、「未見の我」という言
高校時代は、何にでもなれるという希望と、何にもなっていないという不安の狭間にいると思います。私自身、高校時代これから何にでもなれるという希望とともに、漠然とした不安がいつも心の隅にありました。自分はこれからどんな人生を歩んでいくのだろうか?自分は何に向いているのだろうか。どんな仕事を目指せばいいのか。いろいろ考えると自分自身というものがわからなく、不透明な存在に思えたものでした。
そんな時、ある本で、「未見の我」ということばを偶然見つけました。その本を読んで、今ある自分だけで、自分の将来を考えていないかと思ったのです。私のような人間でも、何かまだ気づいていない自分がいるのではないか?そう思ったのです。運動はあまり得意ではないので、勉強を頑張ってみようと思いました。とことんやったつもりです。でも、人生は思い通りに行かないもので、希望通りというわけにはなりませんでした。しかし、頑張ってみたことで、自分を改めて見つめ直す機会にはなったと思っています。実は、今でもまだ、「未見の我」を探しています。
人は未だ見ぬ自分に出会ったとき、大きく成長するものではないでしょうか。そのことに年齢は関係ないと思います。いくつからでも、何事にも挑戦し続ければ、自分の気づいていない自分に出会うことができるのではないでしょうか。何かに挑戦し成し遂げることができたとき、「自分はこんな能力があったんだ。」「自分は集中して一つのことを成し遂げることができるんだ」など、感動とともに自身のそれまでの秘められた能力に気づくことができます。また、成し遂げられなかったとしても、挑戦したことで、次はこうしょう、ああしよう。あそこを考え直そうなど、新たな気づきがあるはずです。
これから、君たちは、受験に向かうことになります。受験は、「未見の我」に出会える絶好の機会でもあると思います。受験は、つらく苦しいものですが、それを乗り越えたとき、新たな発見があると思います。それは一回り成長した自分に出会えると言うことです。私のように、失敗ばかりの受験であったとしても、必ず成長はあると確信しています。それは、生きる姿勢により、知識が、見識になり、胆識となるからです。何事にも、前向きに高校生活に全力で取り組んで下さい。
君たち一人一人が、卒業時に、逞しく自信に満ちた未見の我に出会ってほしいと願っています。
(なお、書は、倉澤沙綾先生に書いていただきました。ありがとうございます。)
対面式(みんなが天の秘蔵っ子)
4月11日(月)に対面式がありました。その時、生徒達に話した内容です。
○ 新入生のみなさん、入学おめでとう。
本日は、入学式に続いての生徒会主催の上級生との対面式です。これから、生徒会長の歓迎の言葉や、上級生からの学校紹介があります。
また、新入生も各クラスごとに抱負を述べてくれると聞いています。しっかりと越谷北高校の一員となる決意を述べてください。
○さて、対面式にあたり少し話をさせていただきます。
○ 学校の評価は、その学校のもつ文化によって決まると思います。学校の文化の根源は教育課程ですが、それを具体的に現すのは、先生方の指導と生徒の皆さんの活動です。越谷北高校は、先輩方の日々の努力により高い評価を得ています。
新入生諸君も、是非先輩のこうした活動を受け継ぎ、越谷北高校の文化の維持・向上に努めていただきたいと思います。
○ 埼玉県ゆかりの偉人で、安積得也(あずみとくや)さんという方が、こんな詩を残しています。
自分の中には
自分の知らない
自分がある
みんなの中には
みんなの知らない
みんながある
みんなえらい
みんな貴い(とうとい)
みんなみんな
天の秘蔵っ子
「光明」・詩集『一人のために』所収
この詩は、自分を含めた誰もが「自分の知らない自分」をもっており、それを磨いて成長してゆこうとしている。だから、みんなが偉くて、みんなが貴い存在なのだ。言ってみれば、みんなが天の秘蔵っ子のように大切な存在なのだ、という意味です。
○ 皆さんもこの詩の世界を大切に受け止め、次の三つのことを心に刻んでいただきたいと思います。
・ 自分の個性・能力を最大限伸ばす努力をせよ。
・ お互いの人格を尊重せよ。
・ 一人一人が何かの力で学校の名を高めよ。
○ この対面式を期に、生徒諸君の心が一層堅い絆で結ばれることを期待するとともに、この会を運営してくれる生徒会長さんをはじめ担当の皆さんにお礼を申し上げ、挨拶とします。
平成28年度着任に当たって
いたします。創立48年目を迎えた本校の発展・充実のために、微力ながら全力を尽くし
てまいりますので、よろしくお願いいたします。
「教育はひとなり」と申します。まだ、着任したばかりですが、先生方と生徒達を見て
みますと、先生方は、厳しさの中にも愛情を持って生徒を導いていて、誠に本校の生徒は
恵まれていると思いました。私も、そのような先生方と共に教育に専念できることを大変
幸せに思っています。
また、教師は、お互い専門性が異なるだけに、ひとつになりにくいと言われていますが、
越谷北高校の生徒を育てるという共通の目的に向かって、心をひとつにして頑張っていき
たいと思います。
私の学校経営の理念は、「生徒に夢を、先生方に希望を、学校に未来を」です。生徒が夢
をかなえたいと努力する、それを指導し、援助してやるのが教師です。そして、教師は、
生徒が夢をかなえることが出来た時、無常の喜びとともに、新たなる希望を抱くことが出
来ます。そこに学校の未来が開け、新しい歴史が刻まれていくそう考えています。
従って、ことを運ぶ上で判断の基準となるものは、第一に、「それは、生徒のためになる
か」ということです。どんなよいと思ったことでも、それが生徒を育てる上でプラスにな
るものでなければなりません。逆に言えば、多少無理があっても、それが、生徒を育てる
上で本当にためになることであるなら、取り組まなければならないということです。
また、学校は生涯学習体系の中の一つの教育機関であるというとらえ方がなされている
現在、学校は地域に向かって開かれていることが求められています。また、学校はとかく
閉鎖的な社会であるという見方をされています。そうした観点から、判断基準の一つに、「そ
れは、社会の常識、世間一般の常識にかなっているか」ということを付け加える必要があ
ると考えています。
いずれにしましても、私は越谷北高校の先生方の人間としてのすばらしさ、教師として
の資質・能力を全面的に信頼し、学校経営に当たっていきますのでご支援ご協力のほどよ
ろしくお願いいたします。
『埼玉教育』に本校の教育実践が掲載されました。
推進プロジェクト」の指定を受けて取り組んでいます。
このたび、『埼玉教育』平成27年9月№775号に「未来を創造するリーダー
を育成するてめに~授業づくり・進路実現・そして「志」の育成~」と題して、
本校の「未来を創造するリーダー育成推進プロジェクト」を中心とする進路指導
の取り組みを紹介しています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
埼玉教育№775.pdf
校長通信第30号「超伝導とるろうに剣心」
校長通信 第30号
「超伝導」と「るろうに剣心」
~岩手で聞いた話から~
この夏も、本当に暑い日が続きましたが、このところ幾分過ごしやすくなってきました。こうして生徒の皆さんが元気に集まってくれたことをとても嬉しく思います。
本日の『越谷北高新聞』でも紹介されていますが、夏季休業中も北高生の活躍・頑張りがありました。先ず、全国大会・関東大会で活躍した部活動を紹介します。新聞部が全国高等学校総合文化祭において最優秀賞受賞、これは全国のトップに立ったということです。本校としては7年ぶりの快挙です。物理同好会も同じ全国高等学校総合文化祭に出場し、3年の石逧君が全国の舞台で立派に研究発表をしました。化学部も化学グランプリ全国大会に出場し、3年の大清水君が金賞を受賞しました。これも全国のトップに立ったということです。パワーリフティング部も全日本高等学校選手権大会に7名が出場し、その中で2年の山本君が6位に入賞しました。吹奏楽部が県大会を制して、3年連続の西関東大会出場を決めたことも嬉しい知らせでした。
そのほか23名の生徒がカナダ・ロイヤルローズ大学に短期派遣、多様なコミュニケーションを学んで帰国しました。メキシコ派遣の早川さんも昨日帰国したと聞きました。理数科では、野外実習や川の科学における探究活動に取り組みました。東北大学や東京工業大学の見学会、早稲田大学で行われた白熱教室、世界の哲学・芸術文化アカデミー、ジョブシャドウイングなどです。多方面にわたり、様々な分野で頑張ってくれました。
また、夏期講習も合計90講座、90分×552コマ、実施されました。この進学講習の充実度は県内最高レベルにあると私は自負していますが、先生方の熱心な指導のもと、それぞれが実力錬成を進めてくれたものと思います。それが本校の誇る伝統だと思っています。
さて、この夏に、私は岩手県に行って来ました。毎年PTAの全国大会がこの時期に開催されておりまして、今年の開催地は岩手県盛岡市でした。東日本大震災以後、東北地方では初めての開催ということで、地元もたいへんな力の入れようでした。下村文部科学大臣も出席され、全国から約9000人が集まるという大きな大会でした。私も本校の秋庭PTA会長さんや鈴木後援会長さんと一緒に参加して参りました。
ここでも嬉しい話がありまして、本校PTAがその活動を評価され、全国大会会長賞を受賞しました。また、昨年の全国大会報告者であった並木利美子前後援会長も個人表彰を受賞しましたので、全国でも珍しい団体・個人のダブル受賞となりました。参加率の非常に高い夏の学年PTAなどの意欲的な活動が全国で評価されたようです。
この大会では、その県出身の著名な方の講演を伺うことが通例になっており、今年もお二人の方の講演を伺う機会がありましたので、その一部を紹介したいと思います。お一人は、芝浦工業大学・学長の村上雅人先生のお話でした。村上雅人先生は岩手県立盛岡一高から東京大学に進学され、東大の博士課程を修了された物理学者で、「超伝導」の第一人者です。
超伝導とは、物質の電気抵抗をゼロにして電気を非常に流しやすくする現象のことで、この仕組みを利用すると強力な電磁石をつくることができるそうです。その詳しい考え方等については、物理の先生に聞いて頂きたいのですが、当日は体重160㎏以上の大相撲力士を空中に浮上させるパフォーマンスのビデオを見せていただきました。現在、我が国では、超伝導リニアモーターカーの実用化が進められています。リニアモーターカーというのは、車両を地面から浮上させた状態で、高速で走行させる交通機関です。走行実験では最速581㎞を記録し、実用化されれば東京と大阪を約1時間で移動することができるそうです。非常に夢のあるお話でしたが、この超伝導は、リニアモーターカーだけではなく、電力損失のない送電線、エネルギー貯蔵装置、さらには医療への活用も期待されており、現代物理学の重要な研究目標の1つとのことでした。
村上先生は、「資源に乏しい我が国が、世界の中で輝き続けるためには科学技術立国しかない」と言われていました。そのためには「先人たちが築いて来た日本に根付く『ものづくり』の伝統を継承・発展させていくことが大切であるということでした。
村上先生は60歳を超えた方ですが、その瞳は本当に輝いておりまして、「学問の発展は、世のため人のためにある」というメッセージを受け取ることができました。そして、私は、お話を伺いながら、北高の卒業生からも将来こうした科学者が生まれるのだろうな、という楽しい想像をしていました。
もうお一人は映画監督の大友啓史さんでした。大友監督も岩手県出身の方で、慶応大学卒業後、NHK勤務を経て、劇場版『ハゲタカ』で映画監督デビューされました。そのほか、『るろうに剣心』や『プラチナデータ』も監督されています。
大友監督のお話は「アドリブを生きる力」ということでした。映画監督は作品の全てをコントロールして撮影しているように思われるが、決してそうではなく、天気や時間などあらゆるコンディションとの戦いがつきまとい、ハプニングとどう付き合うかがポイントだと言われていました。
ですから、俳優の演技を俳優自身に任せる部分が大きいそうです。大友監督は、俳優に対し「君は僕よりその役の人物を知っていなければならない」と行っているとのことでした。これは、俳優にとっての醍醐味である反面、なかなか厳しい要求だな、と伺っていて思いました。
しかし、指示されたことだけをそのままやっているのでは、創造的な仕事はできないのだろうと思います。自分の持ち場において、創造性に富む仕事を追及できるのが、本当のプロなのだと思います。1学期の進路講演会で、東京大学の上田先生が「『マニュアル力』から『考える力』へ、さらに『感じ取る力』へ」というお話をされていたと思いますが、大友監督のお話は、その上田先生のお話とも通じるものがあると思いました。
『るろうに剣心』の主役である佐藤健さんは、大友監督がOKを出しても納得せず、自分の演技に相当こだわり、与えられたもの以上の演技を追及しているというお話でした。大友監督は、かなり佐藤健さんのことを褒めていまして、「やせているように見えるが、体幹のしっかりした身体を持ち、柔軟な感情表現とインテリジェンスを感じさせる、極めて完成度の高い俳優である」と評していました。皆さんもよく知っていると思いますが、佐藤健さんは、本校の卒業生ですので、大友監督のお褒めの言葉を聞いて、私もたいへん嬉しく思いました。
さて、私が生徒の皆さんに期待していることは、これからの変化の激しい時代の社会を牽引するリーダーになって頂きたいということです。変化に対応していくための武器は、学問に裏付けられた思考力と判断力なのだと思っています。それは、基本的には大学で身に付けるものですが、本校の授業の中でも始まっています。そのことも念頭に置き、日々の勉強に精進していただきたいと思います。さあ、いよいよ2学期です。勉強に、部活動に、学校行事に邁進してまいりましょう。
(平成27年9月1日 第2学期始業式講話)
校長通信第29号「自分の力を最大限に伸ばせる学校へ」
校長通信 第29号
自分の力を最大限に伸ばせる学校へ!
~学校説明会(H27.8.26)挨拶~
越谷北高等学校長 下 山 忍
本日は、お忙しい中、またお足元の悪い中、本校の学校説明会においでいただきまして、誠にありがとうございます。本校は、普通科と理数科からなる男女共学校です。今年度で47年目を迎えました。普通科は昭和44年に開校、理数科は平成元年に設置しました。現在、理数科は県内に5校設置されておりますが、本校はその中で最初に設置されました。本校の大きな特色の1つと考えています。
さて、お集まりの中学生の皆さんは、今、高校進学を目標に日々努力していることと思います。なぜ高校に進学するのか? そして、自分はどの高校を選ぶか? これは大きな問題です。かつては「行ける学校」を選べ、と言われている頃もありました。それが「行きたい学校」を選べ、に代わりました。今は「自分の力を最大限に伸ばせる学校」を選べ、と言われています。
そのためには、各高校の発信するメッセージを皆さん自身が真剣に受け止め、自分が将来成長する姿をイメージしながら、どう自分の能力を伸ばせるかを考えてもらう必要があると思います。本日は、そのための貴重な機会であると考えています。
この後、本校について様々な御説明をさせていただきますが、1つだけ私の方から本校の「目指す学校像」について申し上げたいと思います。本校が目指しているのは「全人教育をめざす進学校」ということです。先ず、生徒一人一人の学力を向上させ、第一志望の進路実現することを徹底的に支援します。それが進学校である本校のミッションだと考えております。
本校の目指す学校像には、それに「全人教育」がついています。全人教育というのは人格を調和的に発達させるということです。具体的に言えば、部活動や学校行事を通して、連帯感・共感力・コミュニケーション能力を鍛えるということです。
本校の願いは、本校で学んだ生徒たちが、本校卒業後、さらに大学卒業後に、社会のリーダーとして、自分の役割をしっかりと果たして課題に立ち向かい、未来を切り拓いていってもらうということであります。そのための努力は惜しみません。
さて、皆さんにとって、高校入試はこれまでの人生の中で最初の試練かもしれません。つらいこともあるでしょう。しかし、それに向かって一生懸命に取り組むことは、必ず自分の成長につながります。高校はそれを受けて、皆さんをさらに成長させる場所です。意欲をもって、自分の夢の実現に向かって努力する皆さんの入学を心から待っています。本日が、皆さんと私たちの素晴らしい出会いであったことを信じて、校長のあいさつとしたいと思います。頑張ってください。
校長通信第26号「3学年PTAあいさつ」
校長通信 第26号
志高く! 第1志望は譲らない
~3学年PTA(H27.7.25)あいさつ~
越谷北高等学校長 下 山 忍
本日は、お忙しい週末に学校においでいただきました。保護者の皆様には、日頃より本校教育の振興・発展に御尽力いただき、心より感謝申し上げます。学校では、7/17に、第1学期終業式を終え、夏季休業に入りました。7/22には、23名の生徒が14日間にわたるカナダへの海外大学派遣研修に出発しました。理数科では7/22~23の野外実習を終えたところです。部活動も今年は、パワーリフティング部、新聞部、物理同好会の3つの部が埼玉県代表として全国大会に出場します。そのほか、紹介しきれませんが、生徒たちは非常によく頑張っています。
本日は、学年PTAということで、学年の全体会、各HRの分科会が予定されております。先生方との情報交換、保護者同士の情報交換を通して、お子様の成長を支援していくための貴重な場となることを祈念しております。
また、この会については、理事の皆さんを中心に準備を進めていただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
さて、本校では「6月段階の第1志望校合格率4割以上」を今年度の目標といたしました。詳しくは学年主任の山崎先生からあると思いますが、6月時点の第1志望は、国公立大学224名、旧帝大などの難関国立大学及び医学部28名、難関私立大学(早慶上理)67名、準難関私立大学(G-MARCH)62名と聞いています。昨年度の3年生もそうでしたが、高い希望を最後まであきらめないことが実力向上につながります。ご家庭におかれましても、お子様と同じ決意をもって見守って頂ければ、とお願いいたします。
学校といたしましても、職員一同、全力をあげて支援にあたります。夏季休業中も全期間を4期に分け、毎日90分5時間の進学講習を実施します。私自身も日本史の講習を少々お手伝いさせていただきます。生徒の皆さんにも、暑い夏に負けずに頑張ってもらいたいと願っています。
しかしながら、保護者の方々にも進路面のお悩みもあろうかと存じます。本日は、保護者の皆様にとって、進路実現に向けて貴重な情報が得られることを期待しております。
校長通信第27号「1学年PTAあいさつ」
北高生としての成長を!
~1学年PTA(H27.7.25)あいさつ~
越谷北高等学校長 下 山 忍
本日は、お忙しい週末に学校においでいただきました。保護者の皆様には、日頃より本校教育の振興・発展に御尽力いただき、心より感謝申し上げます。学校では、7/17に、第1学期終業式を終え、夏季休業に入りました。7/22には、23名の生徒が14日間にわたるカナダへの海外大学派遣研修に出発しました。理数科では7/22~23の野外実習を終えたところです。部活動も今年は、パワーリフティング部、新聞部、物理同好会の3つの部が埼玉県代表として全国大会に出場します。そのほか、紹介しきれませんが、生徒たちは非常によく頑張っています。
さて、1年生は、入学後4か月を経て如何でしょうか。私の目から見て、ずいぶん学校に慣れてきたように思います。部活動にも積極的に参加し、兼部の生徒もいるので、1年生の部活動加入率は100%を超えているとのことです。7月15日・16日に行われた球技大会でも1年生は大いに活躍し、女子卓球で1年1組が優勝しました。
勉強の方も頑張っていると思いますが、第1学期の成績をご覧になって如何だったでしょうか。中学校までの成績との違いに戸惑われた方もいらっしゃったのではないか、と拝察いたしております。高校の授業は、中学校までとは内容もスピードも違います。中学校と同じような授業の受け方では通用しません。予習や復習をしないとついていけない教科・科目もあります。私たちは、この「予習-授業-復習」を「黄金サイクル」と呼んでいます。
本校は、部活動や学校行事も大切にしているので、生徒たちには時間がないことも分かっています。高校での生活リズムを確立し、すきま時間を活用し、勉強との両立を図ってもらいたいと願っています。
保護者の皆様にとりましても、お子様がこれからの高校生活をどう過ごしていったらよいのか、いろいろなお悩みもあろうかと存じます。本日は、学年の全体会のほか各HRの分科会が予定されております。先生方との情報交換、保護者同士の情報交換を通して、お子様の成長を支援していくための貴重な機会となることを祈念しております。
また、この会については、理事の皆さんを中心に準備を進めていただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
校長通信第28号「2学年PTAあいさつ」
校長通信 第28号
充実した高校生活と実力錬成を!
~2学年PTA(H27.7.25)あいさつ~
越谷北高等学校長 下 山 忍
本日は、お忙しい週末に学校においでいただきました。保護者の皆様には、日頃より本校教育の振興・発展に御尽力いただき、心より感謝申し上げます。学校では、7/17に、第1学期終業式を終え、夏季休業に入りました。7/22には、23名の生徒が14日間にわたるカナダへの海外大学派遣研修に出発しました。理数科では7/22~23の野外実習を終えたところです。部活動も今年は、パワーリフティング部、新聞部、物理同好会の3つの部が埼玉県代表として全国大会に出場します。そのほか、紹介しきれませんが、生徒たちは非常によく頑張っています。
さて、2年生は、3年生の引退を受け、各部活動の中心として頑張っています。2年生がいよいよ北高を背負う時期が来たと言ってもよいと思います。10月25日から28日には南九州方面への修学旅行も予定されています。高校生活の中でも最も充実した時期と言えます。
しかし、その中で、来年度の受験に備えた実力錬成を怠ってはならないと思っています。これから、年度末までをどう過ごしたらよいのか、ということは大変重要です。2年生は、「朝勉強」やクラスのスローガンなどアイデア豊富に取り組んでいる学年ですが、その中で生徒の皆さんが成長してくれることを願っています。1学期の成績もそうですが、本校では定期的に模擬試験・実力テストを実施しております。その結果は、大学入試までのペースメーカーになると思っています。
本日は、お子様の毎日の学校生活や進路について、保護者の皆様にとって、貴重な情報が得られることを期待しております。
また、この会については、理事の皆さんを中心に準備を進めていただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
校長通信第25号「18歳選挙権と読書」
校長通信 第25号
18歳選挙権と読書
越谷北高等学校長 下 山 忍
1学期の終了にあたり、私からお話をさせていただきます。
最初に、「政治や社会への関心を持とう!」という話をします。皆さんはすでに知っていると思いますが、先月、6月17日に改正公職選挙法が成立し、選挙権年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられました。いわゆる「18歳選挙権」の実現です。選挙権年齢の引き下げは、終戦直後の1945年に「25歳以上」から現行の「20歳以上」となって以来、70年ぶりの改正ということになります。来年夏に予定されている参議院議員選挙からは、18歳以上の国民が選挙権を行使することになります。つまり、現在の3年生は全員、2年生でもかなりの人は、来年、高校在校中に実際に投票することになります。
国民主権を具体的に実現するために、我が国では「議会制民主主義」という制度を採っています。これは、国会を開設し、自分たちの代表を選挙で選びます。その代表である国会議員が話し合い、国民の意思を政治に反映していくという仕組みです。中学校社会科の復習のような話になってしまいましたが、私が言いたいことは、国民主権を実現するには、選挙における投票がとても重要になって来るということです。立候補者や各政党の主張を聞き、自分の考えと近い候補者や政党に投票することで、「議会制民主主義」、「代表民主制」が担保されているのです。
ですから、選挙権をもつ国民としては、アンテナを高くし、世の中のことに関心をもつ必要があります。社会で何が起こっているのか? 今、政治は何が争点になっているのか? 自分自身の考えをもって頂きたいと思っています。そのためには、「新聞に目を通す」ことが必要ではないでしょうか。新聞もかなりの分量ですから、全て熟読するというわけには行かないかもしれませんが、「見出しだけでも見る」癖をつけ、関心ある記事はしっかりと読むという読み方もあるかもしれません。本校の地歴・公民科の授業では、新聞を題材にされる先生も多いと思いますが、こうした新聞に関心をもってもらいたいという願いが込められているのです。
次に「読書の勧め」をいたします。先ほども表彰いたしましたが、本校では本を50冊読破した人を表彰しています。これは昨年度から始めたもので、皆さんが本を好きになるきっかけになれば、ということで、国語科の先生方が中心となって進めています。高校時代に素晴らしい本と出会うことは、素晴らしい友人や先生と出会うことと同じように、その後の人生を豊かにすると思います。また、先日の進路講演会で、東京大学の上田先生から「マニュアル力」から「考える力」へ、というお話がありましたが、読書は、考える力を鍛える上でも効果があると思います。
私も高校生のときに、本をたくさん読みましたが、今思い出すのは、家永三郎さんの『日本文化史』とブルーノ=タウトの『日本美の再発見』です。これらは、岩波新書というシリーズの中にあります。岩波新書は今も続々出版されていますが、当時の岩波新書は文字も小さく、高校生には難しい面もありました。しかし、当時の高校生たちは、ちょっと背伸びをして難しい本を読むことにチャレンジする風潮があり、友人同士で「あんな本を読んだ」「こんな本を読んだ」などと自慢し合う雰囲気もありました。先ほど紹介した2冊の岩波新書は、高校生の時に初めて出会い、その後も何度か読み返した私の思い出の本となりました。そして、私は日本史の教員になりましたので、その後の私の人生にも影響を与えてくれたのかもしれません。
北高生の皆さんが忙しいことは、私も十分知っているつもりですが、明日からは夏季休業になります。学期中よりは時間も取れると思います。この機会に、ちょっと読書にもチャレンジしてもらいたいと思っています。「何を読んだらよいのかわからない」、「面白い本が見つからない」という人がいるかもしれませんが、授業の中で紹介された本もあったと思いますし、自分の将来の専門にする分野の本を高校時代に読んでおくことも、大学入学後に伸びる力につながります。
また、本校の図書館に行けば、高校生に人気のある本が入り口付近に置いてあります。ライトノベルでも良いと思います。1冊の本を2人で読み、その感想を述べ合うことなどができれば、ちょっとしたアクティブ・ラーニングになるのではないでしょうか。 それから、本について言うと、「本は買うこと」も大切です。買ってすぐには読まないで置いておくことを「積ん読」と言いますが、こうした「積ん読」も大切なのです。いつかは読むことになるし、買うことが出版文化を守ることになるからです。
3つめ。私の話の最後になりますが、「あいさつは大きな声で、先手必勝」という話をいたします。学校には多くの来校者の方がいらっしゃいます。特に土曜公開授業では中学生や保護者の方が見えます。毎回、アンケートをとっているのですが、あいさつについては「生徒さんが気持ちのよいあいさつをしてくれた。」というものと、「あいさつをしてくれなかった。」という二通りの記述があります。私も朝校門に立っていますが、同じような感想を持っています。北高生は知っている先生や友人にあいさつできない人はほとんどいないと思いますが、知らない先生や来校者に会うと、ちょっと照れてしまう人もいるのかもしれません。また、あいさつをする人もちょっと声が小さい人が多いように思います。
気持ちの良いあいさつは、人間関係の第一歩です。これは高校時代にとどまることなく、一生ついて回ります。2学期は文化祭もあります。土曜授業は本校を目指す中学生とその保護者の方が多いと思いますし、それ以外の日でも、大学の先生など進路関係の来校者、他校の先生方、業者さん等、みな学校にとって大切なお客様です。「人間関係づくりは、笑顔・あいさつ・アイコンタクトから」という言葉もあります。「あいさつは大きな声で、先手必勝」をお願いします。
以上、「政治者社会への関心を持とう」「読書のススメ」「挨拶は大きな声で先手必勝」という3つのことを話しました。
明日からは夏季休業となります。1年間で最も長い休業です。40日間は長いようですが、過ぎてしまえばあっという間だと感じるに違いありません。心して過ごしてください。そして、暑い夏、体調管理をしっかりして、事件や事故に巻き込まれることなく、健康・安全に過ごしてください。それでは、2学期始業式にお会いしましょう。
(平成27年7月17日 第1学期終業式講話より)
校長通信第24号「自分の成長に貪欲であれ!」
校長通信 第24号
自分の成長に貪欲であれ!
-平成27年度のスタートにあたって-
越谷北高等学校長 下 山 忍
おはようございます。いよいよ平成27年度もスタートします。今日は寒い日になり、桜も少し散りかけていますが、先週は新方川の土手などに満開の桜を見ることができました。毎年のことですが、満開の桜を見ると、心沸き立つ思いがいたします。春は出会いの季節ですが、桜もそれを祝ってくれているように思いました。桜の花が咲くのは、非常に短い期間ですが、それだからこそ、人々の喜びや盛り上がりがひとしおなのでしょう。この美しい桜の景色の中で、素晴らしい平成27年度のスタートを切っていただきたいと思っています。
昨年度の修了式でも申し上げましたが、今日は、学校にとっては大きな節目になります。こうした節目・節目にあたって、自らを顧みるとともに、決意を新たにすることは、自分自身の成長にとってたいへん意味のあることです。新しいクラス、新しい担任の先生との出会いがあります。授業を教えてくださる先生も変わります。清新な気持ちをもって、大きな決意をしてください。
3年生は、最上級生となり、各部活動ではリーダーシップが求められます。責任も重大です。文化祭でも、クラスが一致団結して下級生のお手本となるような取組をしなければならないでしょう。その中で、毎日の授業に集中するとともに、家庭学習もしっかりと行い、自分の希望する進路を見据えて、それに向かって、一心不乱に努力を続けてほしいと願っています。
難関大学にも、恐れることなく、チャレンジしてもらいたいと希望しています。「受験は団体戦」とも言います。授業を真剣に受けるクラスの雰囲気が学力向上につながりますし、同じ大学を受ける友の真摯な態度に大きな刺激を受けるでしょう。そして、北高という同門の同志としての支え合い、励まし合いがあると思います。昨年の3年生は、同じ大学を受ける人たちで切磋琢磨して一緒に勉強をしていましたが、これが素晴らしい結果につながったのかもしれません。先生方を含めた「チーム北高」の団結力でこの1年間を一緒に走り続けましょう。卒業証書授与式には、大きな仕事を成し遂げた皆さんの満足した表情に出会いたいと思っています。
2年生は、本校の中堅学年となりました。2年生は、高校生活の中で、もっとも充実した時期かもしれません。今日の午後には入学式があり、新しい1年生を迎えます。去年の今日を思い出しますか。新入生は期待と不安の入り交じった気持ちで校門をくぐるでしょう。去年、先輩のどんな行動が頼もしかったのか、先輩からかけてもらったどんな言葉が嬉しかったのか、よく思い出してください。そして、同じことを1年生にしてあげてください。北高の歴史を担う仲間として、温かく迎え、大きく育ててあげてください。そして、そのためには、自分自身が努力を怠らず、自分を甘やかせず、毎日毎日を過ごすことが大切だと思っています。
勉強・部活動・学校行事の全てに全力で取り組む皆さんには、時間がありません。自己管理が大切です。時間を有効に使うための生活管理と言っても良いでしょう。昨年から使っている「学習記録ノート」などを活用して、ぜひ無駄な時間を排し、効果的な時間を使ってください。昨年度取り組んだ「朝勉強」もたいへん効果的な勉強方法だと思っています。
最後に、皆さんにお願いしたいことは、「自分自身の成長に貪欲であれ」ということです。皆さんは、昨年度同様、今年度も様々な活動に取り組むことでしょう。そうした1つ1つを「誰かからやらされている」と考えるのか、「自分自身の大きな目標の中に位置づけ、主体的に取り組む」のとでは、人間の成長にものすごい差が出るのではないでしょうか。皆さんがこれから造っていく最大の作品は何だと思いますか。それは「自分自身」です。来年の自分、10年後の自分、20年後の自分、30年後の自分を想像して、悔いの残らぬように、充実した今日を過ごしてください。学校としても、皆さんを全力でバックアップします。
(平成27年度始業式・校長講話より)
校長通信第23号「壮大な『北高絵巻』を見る」
校長通信 第23号
壮大な「北高絵巻」を見る
-平成26年度修了にあたって-
越谷北高等学校長 下 山 忍
平成26年度の修了にあたり、お話をさせていただきます。
桜のつぼみがふくらむ季節から、再びつぼみが赤らむ時を迎えました。過ぎ去ってみると、1年間は早いものです。3学期の始業式で「今年の漢字」の「節(せつ)」という話をいたしましたが、本日は大きな節目の日ということになります。
『越谷北高新聞』で、この1年を振り返ってみました。
4月。部活動紹介。全38団体が猛烈アピール。
4月。部活動ランキング。生物部が初ランクイン。
5月。春の部活動結果。各部が続々結果を残す。
5月。体育祭。「肉体的に向上心のないやつはバカだ~燃えさかれ筋肉~」というス
ローガンのもと、桃団の優勝。
7月。高校生海外短期派遣。カナダ・ブリティッシュコロンビア州・ロイヤルローズ
大学に13名の生徒が訪問。
7月。パワーリフティング部・新聞部・吹奏楽部・書道部。4つの部活動が全国大会
出場。
9月。パワーリフティング部宇津木君全国2位。新聞部全国で優秀賞受賞。
9月。しらこばと祭。「Let it go! ありのままの北高魅せるのよ」大賞3-9。
9月。野球部東部地区大会3位、県大会出場。
10月。埼玉県海外派遣プログラム ハーバード大・マサチューセッツ工科大に本校
から岡崎さん・馬場さんを派遣。
10月パワーリフティング部・宇津木君日本新記録。
11月。強歩大会。優勝は男子1年桜井君、女子2年井口さん。例年よりも早いゴー
ル記録。
12月。生徒会選挙。新会長に石川さん。
12月。寒波の中の球技大会。1-4、3-11が連覇を達成。
12月。ダンス発表会。見ごたえのある素晴らしい作品。2-6、2-9優秀賞。
1月。物理同好会、初の全国出場。新聞部も14年連続。
2月。科学の甲子園。過去最高の県内総合3位。
3月。第44回卒業式。3年間は宝物。
こうして振り返ると、壮大な絵巻物を見る思いがいたします。「北高絵巻」とでも名付けたら良いのでしょうか。この1年間、様々な学校行事や部活動等に、真面目に、一生懸命に取り組む皆さんの姿を見ることができました。それは、素晴らしい思い出になったことと思いますし、北高の伝統に1ページを加えてくれたと感謝しています。
そして、もう1つ大切なことは、それらを成し遂げる中で、皆さんが多くの力を身に付けてくれたということです。具体的に言えば、①チームワーク力、②問題解決力、③リーダシップ、④共感力などです。これらの力は、現在、多くの企業が入社する社員に求めている力と共通します。実際に社会で活躍する上で求められている力とも言えます。
高校生活は、勉強が基本ですが、今お話ししたような学校行事や部活動を通じて、皆さんは、大切なトレーニングをしているのだと改めて思います。「三兎を追う」という言葉があります。三羽のウサギと書きます。これは「二兎を追うものは一兎も得ず」ということわざ、つまり二羽のうさぎを追うと一羽も捕らえることができないということわざを逆転して、三羽のうさぎを追って、三羽とも捕らえようじゃないかというように転化させた積極的な言葉です。ウサギは敏捷な動物です。一羽を捕らえるのも容易ではありませんが、これを三羽もつかまえてしまおうというのですから、大変なことです。これは、埼玉県内の高校で使われることのある言葉ですが、本校でも今年の卒業生の合言葉でした。三羽のうさぎとは、勉強・部活動・学校行事です。3つをすべて頑張って、自分自身を創り上げようということです。
そのためには、何よりも時間を有効に使うことが大切です。1日24時間という時間は、誰にでも平等に与えられています。それを有効に使うか、無駄に使うかで、人生はずいぶんと違ってきます。皆さんは、納得できる時間の使い方をしていましたか?1日を、1週間を、1か月を、1学期を、そして1年を悔いなく使ってほしいと願っています。1年生は、時間管理の大切さの観点から「学習記録ノート」を使っていると思います。そうしたツールも活かしながら、時間の有効活用に努めていただきたいと思います。
さて、平成26年度も本日をもって修了します。
この大きな節目にあたり、各自がしっかりと総括し、来年度につなげる自分自身の課題を設定してほしいと願っています。できれば、漠然と思うのではなく、言語化した方が具体的になると思います。
4月には新たな平成27年度がスタートします。今、この体育館には、1年生と2年生がいます。言うまでもなく、2年生は3年生に、1年生は2年生に進級します。その覚悟はできていますか?昨年の今頃、先輩のどんなところに頼もしさと魅力を感じたのか、思い出してください。そして、それに自分が近づくために、自分が今何をなすべきなのか、考えてください。今年度の生徒の皆さんの諸活動に大いに敬意を表するとともに、来年度のさらなる飛躍を心から期待し、平成26年度修了式における校長の言葉といたします。 (平成26年度修了式・校長講話より)
校長通信第22号「今年の漢字「節」」
明けましておめでとうございます。2、3年生の中には覚えている人もいると思いますが、昨年の3学期始業式では、「正月はなぜめでたいのか」というお話をしました。(以下、こちらをクリックしてください。)
校長通信第21号「今年のノーベル賞から考えたこと」
第2学期には、9月の文化祭や10月の修学旅行など、思い出に残る学校行事も多かったと思います。2年生女子のダンス発表会や先日の球技大会もそうですが、北高生は1つの行事に一生懸命に取り組み、盛り上げる、そして楽しんでしまう天才たちだといつも感心しています。(以下、こちらをクリックしてください。)
校長通信第20号「成長の物語を語ろう!」~平成26年度学校説明会~
◇8月26日(火)越谷サンシティで第1回学校説明会を実施しました。
開会式での「校長あいさつ」の内容を掲載します。
本県の関根郁夫教育長は、各学校で行われている教育活動は1つの「物語」でとらえることができると言われています。それぞれの学校がどのように生徒を育成しているのか、どのような力をつけさせているのか、ということは「目指す学校像」を最終場面とする「成長物語」であるという意味です。…(本文より)
◇校長通信20号の詳細を見るには、こちらをクリックしてください。
校長通信第19号「立居振舞・主体的な学習・チーム力」
「実は、嬉しい話がありました。7月15日に南越谷のスターバックスにおいて、本校生徒がアイスコーヒーをこぼしたお年寄りを助けたということです。それを見ていた方から「今どきの高校生にも、このようにさわやかな行動の取れる若者がいることに感心した。」ということでした。昨年もお年寄りや小学生を助けた善行の話がありましたが、今年もこのような話ができることを校長として誇りに思っています。越谷北高校への信頼を高める行動だったと思います。自分ができることをさりげなく、しかし積極的に行うこと。そして、いつでもどこかで誰かに見られていると意識して行動することが必要だと思っています。」(本文より)詳しい校長通信は北高の校舎をクリックして下さい。