校長室より

校長通信

令和4年度 修了式校長講話

 令和5年3月24日(金)、令和4年度修了式を行いました。また、修了式終了後には、表彰と報告会を行いました。表彰では、全国大会、西関東大会で入賞した書道部、吹奏楽部、生物部をはじめ、県大会、地区大会で入賞した天文気象部、バドミントン部、水泳部、剣道部など、計57名の生徒を表彰しました。報告会では、西関東大会で金賞第3位となった吹奏楽部とグローバルリーダー育成プロジェクトの県代表としてシンガポール研修に参加した2年生の報告がありました。こうした生徒の活躍には、毎回、感心させられるばかりです。

 今回は、3年ぶりに体育館で実施することができました。以下は、校長講話の内容です。 

 皆さん、おはようございます。早いもので令和4年度も残すところ8日となりました。
 この時季に咲く花の一つに、こぶしの花があります。町中にも咲いていますが、白い大きめの花びらが特徴です。今年は、桜の開花が早まるほど、暖かい日が続いたため、例年より少し早めに散ってしまいました。
 私は、毎年、この時季に、真っ白なこぶしの花を見ると、心機一転頑張ろうという気持ちになります。禅の言葉に、年年歳歳花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)歳歳年年人不同(さいさいねんねんひとおなじからず)というものがあります。その意味は、咲く花の美しさは毎年変わらないけれども、人の世はどんどん変わっていくというものです。この言葉のとおり、世の中は、目まぐるしく変わっていきます。大学入試を含め、皆さんに大きく関係する教育関係も同様です。私たちは、ずっと変わることのない不易の部分を大事にしつつ、新しく変わる流行の行く先を見極めなければなりません。
 本校は、スーパーサイエンスハイスクールの指定校ですが、先日、改めてⅡ期5年間の指定を受けることができました。Ⅰ期に引き続き、Ⅱ期の申請を希望した理由は、スーパーサイエンスハイスクールの取組が、今後の教育の流行に合致していると判断したからです。一つ一つ詳しく説明する時間はないので、キーワードを上げて簡単な説明をします。頭の片隅に置いておいて、詳しくは自分で調べてみてください。
 まず、一つ目は、探究活動です。全学年共通の総合的な探究の時間をはじめ、2年生の科目には、古典探究や日本史探究など、「探究」という文字の入った科目が新たに設置されました。探究活動とは、課題を発見し解決する活動ですが、価値観や能力の異なる他者と、主体的に協働して解決する過程が大事になります。
 二つ目は、文理融合です。本校では、以前からクロスカリキュラムを通じて、教科横断的な知識、つまり、リベラルアーツの育成を推進していますが、これからは、更に進んで、そもそも文系、理系という分け方がなくなっていきます。
 三つめは、データサイエンスです。1年生が受験する2年後の共通テストから「情報Ⅰ」を受験科目とすると発表した国公立大学が大きな割合を占めています。これは、デジタル時代の「読み・書き・そろばん」としての「数理・データサイエンス・AI」をすべての大学生に身に付けさせるという国の育成目標が背景となっています。
 四つ目は、アウトリーチ活動です。これまで生徒会や部活動で行ってきた交流活動などもその一つですが、大きなものとしては、SSHの活動の一環として取り組んできて、昨年夏に越谷市に提案をした「グリーンインフラプロジェクト」があります。こうしたアウトリーチ活動に留まらず、学校外のイベントに積極的にチャレンジすることがポイントになります。部活動でも公式戦やコンクール、練習試合や合同練習を利用して力が付くように、身に付けた知識や技術などの能力は、こうした他流試合を通じて磨かれていきます。
 目まぐるしい勢いで進んでいる教育の流行について、四つほどキーワードを挙げて説明をしましたが、何も心配することはありません。皆さんがすべきことは、第一に、教育の不易の部分である日々の授業を大事にすること、そして、部活動や学校行事に全力で取り組むことです。すべては、そこから始まり、その延長線上にあります。そして、もう一つ大事なことは、何事にも失敗を恐れず、やってみよう精神を忘れずに進むことです。そうすれば、必ず力が付きます。焦らず、怠らず、目標に向かって進んでいきましょう。
 終わります。

花束贈呈式挨拶

 令和5年3月16日(木)、卒業証書授与式後、PTAの卒業対策委員の皆様による花束贈呈式が行われました。卒業対策委員の皆様から、管理職を含めた第3学年の教職員に大変立派な花束を頂きました。10分程度の短い式でしたが、こうした人と人との関りが持てる場のありがたさを改めて感じることができました。以下は、挨拶の内容です。

 本日は、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。また、このような場を設けていただき、ありがとうございます。
 この3年間は、コロナの影響を常に受けた中での高校生活になりましたが、卒業生たちは、制限下の中でできることを工夫し、よく頑張ってくれました。校長として、誇りに思います。

 私が卒業生たちに願うことは、恐らく皆様と同じだと思います。何を幸せと思うかは、人それぞれだと思いますが、卒業生の一人一人が、自分が思う幸せをつかんでほしいということだけです。

 本校のスクールカラーは、ネイビーブルーですが、ネイビーブルーの絆は、永久に不滅だと思っています。私たちは、いつでも卒業生を応援しています。卒業生には、未来へと安心して羽ばたいてもらいたいと思います。
 本日は、ありがとうございました。

第52回卒業証書授与式式辞

 令和5年3月16日(木)、暖かな陽気で、春の訪れを感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 第52回卒業証書授与式を挙行いたしました。今回も制限下ではありましたが、卒業生の御家族2名の参加が実現できたことは、何よりでした。以下は、式辞の内容です。

 式辞の前に、第52回卒業証書授与式を、このように縮小した形で挙行することを、校長として、卒業生の皆さん並びに保護者の皆様にお詫びします。大変申し訳ございません。ただし、今回一つ良かったことがあります。それは、式の最後の校歌斉唱を皆さんと一緒に、声を出して歌えることです。私も久しぶりの校歌を、精一杯心を込めて歌いたいと思います。

 それでは、改めて式辞を述べます。
 式辞 344名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
 また、保護者の皆様におかれましても、本日のお慶びはひとしおのことと存じます。お子様の栄えある御卒業を、心からお祝い申し上げます。
 卒業生の皆さんは、本校において、日々勉学に精励し、進路実現に邁進するとともに、学校行事や部活動など何事にも全力で取り組んでまいりました。皆さんが、本校で過ごしたかけがえのない三年間は、今後の人生において、大きな財産となることを確信しております。
 そこで、晴れの門出にあたり、卒業生の皆さんに期待と願いを込めて一編の詩を送ります。それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。私が、この詩に出会ったのは、40年以上前の高校生の頃ですが、私自身が、この詩を正しく理解しているかはいまだ分かりません。しかし、この詩に触れると心の中に爽やかな風が吹いて、初心を思い出すことができます。詩の一部を抜粋して紹介します。
 熱意溢れる青年教師であった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。

 「生徒諸君に寄せる」 宮沢賢治
 諸君は、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか。それは、一つの送られた光線であり、決せられた南の風である。
 諸君は、この時代に強いられ率いられて、奴隷のように忍従することを欲するか。
 むしろ諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。
 諸君よ。紺色の地平線が膨らみ高まるときに、諸君は、その中に没することを欲するか。実に諸君は、この地平線におけるあらゆる形の山岳でなければならぬ。
 新しい時代のコペルニクスよ。あまりに重苦しい重力の法則から、この銀河系を解き放て。

 新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界を、素晴らしく美しい構成に変えよ。
 新しい時代のダーウィンよ。更に東洋風静観のチャレンジャーに乗って、銀河系空間の外にも至り、透明に深く正しい地史と、増訂された生物学をわれらに示せ。
 素質ある諸君は、ただにこれらを刻みだすべきである。
 潮や風、あらゆる自然の力を用い尽くすことから一足進んで、諸君は、新たな自然を形成するのに努めなければならぬ。
 ああ諸君は今、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な風を感じないのか。
というものです。
 宮沢賢治の生きた昭和初期と同様に、私たちの生きる現代もまた、多くの課題を抱えています。皆さんには、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと心から願い、そして期待します。

 結びに、保護者の皆様をはじめ、地域や関係の皆様からこれまで寄せられました温かい御支援、御協力に感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの洋々たる前途を祝福して、式辞といたします。

 令和5年3月16日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹

令和4年度 第3学期始業式校長講話

 令和5年1月6日(金)、第3学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、年末の大会で第3位となったソフトボール部を表彰しました。壮行会では、今年度、「県立高校グローバルリーダー育成プロジェクト」に選ばれ、今月シンガポールへ短期派遣となる2年生を激励しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 皆さん、おはようございます。今日から3学期が始まりました。皆さんが、こうして無事に2023年をスタートできたことを嬉しく思います。新型コロナウイルスについては、行動制限はないものの、埼玉県でも、新規感染者が1万人を超えるなど、感染拡大は続いています。新年早々ではありますが、今一度、気を引き締めて感染防止を徹底していきましょう。

 さて、毎年、新年最初の講話で話をしていることですが、日本に古くから伝わる「一年の計は元旦にあり」ということわざについて考えてみたいと思います。
 意味は、新しく迎える一年の目標や計画は、その年の初めに立てなさい、というものです。
 コロナ禍で、先が読めない状況ですが、こうした古くから伝わることわざの中には、どんな状況になっても変わらない大事な教えがあると思います。このことわざについて調べてみると、その由来は諸説ありましたが、ほかの二つのことわざとセットになっていて、大事なポイントが三つありました。
 一つめの「一年の計は元旦にあり」ですが、一年で言えば年の初め、一月(ひとつき)で言えば月の初め、一日で言えば朝、つまり、何事も最初が大事で、成功するかどうかは、その最初の時間をどう使うか、先手を取れるかどうかで決まるというものです。
 二つめは、「一生の計は勤(きん)にあり」というものです。勤という字は、「勤勉に働く」の勤です。人の一生、つまり、人生は、地道にコツコツ頑張れるかどうかで決まるというものです。

 三つめは、「一家の計は身(しん)にあり」というものです。身という字は、「身体検査」の身で、体、健康を表します。一家、つまり、家族の将来は、家族全員が健康に過ごせるかどうかで決まるというものです。

 言われてみれば、当たり前のことですが、何事も最初の時間を大切にし、先手を取って、健康に気をつけながら、地道にコツコツ頑張るということが、夢を叶えたり、目標や計画を達成するために大事なことということになります。

 こうした状況の中だからこそ、この一年を充実させるために、最初の時間を大切にし、先手を取る、健康に気をつける、地道にコツコツ頑張るという三つのことを、意識してみましょう。

 終わります。

令和4年度 第2学期終業式校長講話

 令和4年12月22日(木)、第2学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した52名の生徒を表彰しました。毎回のことですが、人数の多さに圧倒されます。壮行会では、西関東大会に出場する吹奏楽部を激励しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 皆さん、おはようございます。令和4年も早いもので残すところ9日になりました。コロナ禍であることには、変わりませんでしたが、この一年、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に年の瀬を迎えられたことは、ありがたいことだと思います。

 さて、共通テストをスタートとする大学の一般選抜を控える3年生にとっては、いよいよ受験本番の時期に入ってきました。1年後、2年後に受験を迎える1、2年生にとっても、この時期は、緊張感や漠然とした不安感などを感じる時期かなと思います。先のことが確定しないということは、目標に向かっているという点で楽しい面もありますが、渦中の皆さんにとっては辛く厳しい面も大きいだろうと思います。

 私は、日本の季節に春夏秋冬という四季があるように高校生活にも、春夏秋冬という四季があるように思います。1年生は、今は春から夏になる頃で、なかなかハードな北高生活にも慣れ、将来やりたいことや目標などを色々と考えることができる、高校3年間で一番楽しい頃かなと思います。2年生は、修学旅行とともに夏が終わり秋に入った頃で、少しずつ受験の厳しさを感じ始めた頃かなと思います。私自身もつい三十三間堂で見た千手観音の神々しさや清水の舞台から見た紅葉の美しさなどを思い出しては、現実逃避しそうになります。そして、3年生は、いよいよ厳しい冬本番に入った頃かなと思います。
 そこで最後に、厳しい冬本番を迎えた3年生に、私なりのエールを送って、終わりたいと思います。
 受検直前の厳しさは、その季節もあって、冬の厳しさに例えられることがありますが、私は、この冬のような厳しさや緊張感は、それほど嫌いではありません。それは、現実の厳しさであり、決して理不尽な厳しさではないからです。そして、乗り越えた先には、乗り越えた者だけに与えられる力や結果を得ることができるからです。この冬のように厳しい受験終盤に求められるものは、皆さんの「強い意志」であり、「行動」だと思います。この厳しい時期だからこそ、声に出して決意を表明し、焦らず、慌てず、諦めず、強い意志と勇気を持って、一歩ずつ前に進んでください。担任の先生、学年の先生はもちろんですが、私たちは、いつでも皆さんを応援しています。

 終わります。

令和4年度 第2学期始業式校長講話

 令和4年9月1日(木)、第2学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と報告会及び壮行会を行いました。表彰では、全国大会、県大会等で活躍した11の部活動25名と学校紹介動画コンテストの入賞者3名を表彰しました。報告会では、全国大会に出場したパワーリフティング部と新聞部から報告がありました。そして、壮行会では、西関東大会に出場する吹奏楽部を激励しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 皆さん、おはようございます。今年度も新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での夏休みでしたが、大きな事故やトラブルもなく皆さんが、こうして無事に2学期を迎えられたことを嬉しく思います。

 まず、最初に留学生を紹介します。インドネシア出身のリアさんです。ミドルネームのアンジェリアからリアさんとなるそうです。リアさんは、来年の3月10日まで本校で学びます。これから半年余りになりますが皆さんも、是非、積極的に交流をしてください。それでは、リアさん、自己紹介をお願いします。
(リアさん自己紹介)

 それでは講話に戻ります。次に、北高生の善行の報告です。善行は、善い行いの善行です。詳しくは、この後、武田先生から報告していただきますが、その連絡を頂いた近隣の方からは、その様子が、大変すばらしかったと感心されていました。北高生の勇気と行動力に心から敬意を表します。

 最後に、勝負の2学期を迎えるにあたり、一人の野球選手を紹介します。既に亡くなられていて、活躍した時期も皆さんが生まれる前なので、知らない方も多いと思います。その選手は、広島東洋カープで活躍した衣笠 祥雄(きぬがさ よしお)さんです。衣笠さんは、23年間の現役生活で、2215試合連続出場の世界記録を達成しました。その衣笠さんが、生前あるラジオ放送の中で、次のように言っていました。
「夢中になって打ち込めるものを持つこと、それを見つけること、それを続けること、それが才能を開花させるということだ。そして、成功するかしないかは、あきらめるか、あきらめないかのほんの少しの差なのです。」

 私は、衣笠さんの言葉には、結果を残すためのヒントがあると思います。何事もあきらめず、夢中になって続けていくうちに力が付く。私は何事にも作戦を立てて臨むタイプですが、あれこれ迷わず、あきらめず、夢中になって続けるということの大事さに改めて気づかされました。

 本日から2学期が始まりますが、皆さんの目標に向かって、焦らず、迷わず進んでください。

終わります。

令和4年度 第1学期終業式校長講話

 令和4年7月20日(水)、第1学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した29名の生徒を表彰しました。壮行会では、全国大会に出場するパワーリフティング部と新聞部を激励しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 皆さん、おはようございます。明日から夏休みに入りますが、コロナ禍ということもあり、元気が出ない出来事も多いので、今日は、「向き不向きより前向き」という話をします。この言葉は、私の恩師の言葉です。

 今から30年以上前、私が、教員になりたての頃の話です。自分としては、毎日、自分なりに一生懸命に頑張っていたつもりですが、授業や部活動、生徒の指導、その他、色々なことが上手くいかず、先輩の教員から指導されることもよくありました。時には、「教員に向いていないんじゃないか。」と言われたこともあり、さすがに、そのときはショックで、落ち込みました。

 そのことを、高校時代からお世話になっている恩師に相談したところ、恩師は私にこう言いました。「初めから向いているやつなんて一握りしかいない。仕事に必要な能力や適性は、後から必死に身に付け るもんだ。向き不向きよりも前向きな気持ちが大事なんだよ。」私は、この「向き不向きより前向き」という言葉に救われた思いがしました。

 多くの人が、向き不向きや、自分の能力、適性について、一度は考えると思います。私も今は校長ですが、自分の能力や適性を細かく分析したら、向いていないという結論になると思います。それでは本末転倒なので、向き不向きを考えるよりも、なったからには、自分らしくできることを一所懸命にやろうと思っています。

 目標に向かって、前向きに、夢中で頑張っていれば、必要な能力や適性は、後から自然に身に付くものだと思います。誰しも自分の能力や適性に、不安や迷いが出ることがあると思います。その時には、一度今日の話を思い出してみてください。今日は、「向き不向きより前向き」という話をしました。

 最後に事務連絡です。先週から、本校でも新型コロナウイルスの感染者が急激に増え、多数の感染者が確認されました。本校の感染者の共通の特徴として、強い感染力と38度以上の発熱が挙げられます。明日から夏休みに入りますが、改めて感染防止対策を徹底するようお願いします。
 終わります。

令和4年度 入学式式辞

 令和4年4月8日(金)、穏やかに晴れ、春爛漫を感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 令和4年度入学式を挙行いたしました。厳しい試験を突破して本校に入学した新入生の皆さんを心から歓迎いたします。式後には、感染予防対策を講じての上ですが、吹奏楽部の生徒のピアノと歌唱による校歌披露も行うことができ、厳粛な中にも温かさを感じられる良い式となりました。

 また、余談になりますが、式場や校内に飾られた生花は、本校の職員と華道部の嘱託の先生によるものです。また、入学式のオンライン配信についても、すべて本校の職員と生徒で行っています。このほか、様々なことが、自前でできるところは、本校の大きな強みの一つです。校長として誇りに思います。

 以下は、式辞の内容です。

 穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和4年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
 ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。
 また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
 本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立54年目を迎える高等学校です。
 「立志・探究・奉仕」という校訓を持ち、県内有数の進学校として、これまでに、2万342名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
 校訓である「立志・探究・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。校歌の一節を引用しつつ紹介いたします。
 まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
 次に「探究」とは、物事の真理をさぐり、これらを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習態度が求められることになります。
 そして「奉仕」とは、私心を捨て、世のため・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会においてしっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
 「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの3年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
 そして、そのためにも、皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、未来を創造するリーダーの一人として、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
 結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、素晴らしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
  穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和4年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
 ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。
 また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
 本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立54年目を迎える高等学校です。
 「立志・探究・奉仕」という校訓を持ち、県内有数の進学校として、これまでに、2万342名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
 校訓である「立志・探究・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。校歌の一節を引用しつつ紹介いたします。
 まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
 次に「探究」とは、物事の真理をさぐり、これらを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習態度が求められることになります。
 そして「奉仕」とは、私心を捨て、世のため・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会においてしっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
 「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの3年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
 そして、そのためにも、皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、未来を創造するリーダーの一人として、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
 結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、素晴らしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
 令和4年4月8日
  埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹

令和4年度 第1学期始業式校長講話

 令和4年4月8日(金)、令和4年度第1学期がスタートしました。着任式に引き続き、第1学期始業式を行いました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、今年度も各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 改めまして、皆さん、おはようございます。今日から新学期が始まりますが、心機一転、お互いに明るく前向きに頑張っていきましょう。

 今日は、毎年、私が、第1学期の始業式で伝えている内容ですが、「良い習慣は、才能を超える。」という話をします。私がとても大切にしている言葉です。この言葉は、佐々木常夫(ささきつねお)さんという方の「働く君に贈る25の言葉」という本の一節にあります。

 皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
 私が心掛けているのは、一歩先の行動をとる習慣です。
 具体的には、まず、毎朝、早起きをします。そして、早目に家を出て、学校に着いたら、
仕事の時間になる前に、余裕をもって、その日の準備をします。そうすることで、慌てずに一日をスタートすることができています。

 早起きをして、早目に家を出て、学校に着いたら、準備をしてから一日をスタートする。これだけのことですが、毎日続けてきたことでミスをする回数が減り、逆に気づくことも多く、結果も残せるようになり、私は、大きな自信を得ることができました。
 私の友人の中には、それほど準備をしなくても、物事をそつなくこなせる人がいます。私が1時間かかることも、友人は半分の30分でできてしまいます。とてもうらやましい限りですが、私には真似をすることができません。一緒にスタートしたら、友人にはとてもかなわないわけです。
 そうした経験から、私は、何事も一歩先に行動するようにしてきました。陸上競技や水泳など、順位を競うスポーツでは、フライングスタートは禁止されています。しかし、毎日の生活では、このフライングスタートは、私にとって大きな武器になっています。
 大切なことは、良い事を習慣にしてしまうことだと思います。
 良い習慣は、力になります。

 皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
 早起きの習慣、
 はきものをそろえる習慣、
 あいさつをする習慣、
 朝学習や朝練習の習慣 など、良い習慣と言えるものはたくさんあります。
 忙しい毎日を送る皆さんだからこそ、良い習慣は、皆さんの自信や力になります。そして、才能豊かな友人たちを超えることも可能です。何か一つできることから始めてみてください。

 今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をしました。終わります。

 

 

令和3年度 修了式校長講話

 令和4年3月24日(木)、令和3年度修了式を行いました。また、修了式終了後には、表彰を行いました。表彰では、書きぞめ中央展覧会で特選賞等に10名入賞した書道部をはじめ、男子バレーボール部、ギター部、理数科教育研究発表会に参加した理数科のほか、校内表彰として6名を表彰しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。 

 皆さん、おはようございます。早いもので令和3年度も残すところ8日となりました。この時季に咲く花の一つに、こぶしの花があります。町中にも咲いていますが、白い大きめの花びらが特徴です。今年は、一昨日の雨で、残念ながら、ほとんど散ってしまったようです。

 私は、毎年、この時季に、真っ白なこぶしの花を見ると、心機一転、頑張ろうという気持ちになります。禅の言葉に、年年歳歳花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)歳歳年年人不同(さいさいねんねんひとおなじからず)というものがあります。その意味は、咲く花の美しさは毎年変わらないけれども、人の世はどんどん変わっていくというものです。
 この言葉のとおり、世の中は、目まぐるしく変わっていきます。そして、コロナ禍はもとより、そのほかの世界情勢もたくさんの課題を抱えています。そこで、先日の卒業式では、卒業生に期待と願いを込めて一編の詩を送りました。 

 それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。熱意あふれる青年教師でもあった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。時間の関係で、私が一番印象に残っている二つの文のみを紹介します。

 それは、「むしろ、諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。素質ある諸君は、ただにこれらを刻み出すべきである。」というものです。

 私が北高生に願い、期待することも同様です。在校生の皆さんにも、是非、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと思っています。そのためにも残り1年、2年の北高での生活を充実したものにしてください。
 終わります。

第51回卒業証書授与式式辞

 令和4年3月16日(水)、天候にも恵まれ、春の訪れを感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 第51回卒業証書授与式を挙行いたしました。厳かな中にも温かみのあるすばらしい式でした。式の様子は、生徒会の生徒も含めた「卒業式配信チーム」によって、式に御参加いただけなかった保護者の皆様にライブ配信を行いました。本校は、こうしたことが自前でできる点も大きな強みだと思います。以下は、式辞の内容です。

 式辞の前に、第51回卒業証書授与式を、このように縮小した形で挙行することを、校長として、卒業生の皆さん並びに保護者の皆様にお詫びします。大変申し訳ございません。本日、御出席が叶わなかった保護者の皆様にも、どうかよろしくお伝えください。
 それでは、改めて式辞を述べます。
 式辞 356名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
 また、保護者の皆様におかれましても、本日のお慶びはひとしおのことと存じます。お子様の栄えある御卒業を、心からお祝い申し上げます。

 卒業生の皆さんは、本校において、日々勉学に精励し、進路実現に邁進するとともに、学校行事や部活動など何事にも全力で取り組んでまいりました。皆さんが、本校で過ごしたかけがえのない3年間は、今後の人生において、大きな財産となることを確信しております。
 そこで、晴れの門出にあたり、卒業生の皆さんに期待と願いを込めて一編の詩を送ります。それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。その一部を抜粋して紹介します。熱意溢れる青年教師であった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。

 「生徒諸君に寄せる」 宮沢賢治
 諸君は、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか。それは、一つの送られた光線であり、決せられた南の風である。

 諸君は、この時代に強いられ率いられて、奴隷のように忍従することを欲するか。
 むしろ諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。
 諸君よ。紺色の地平線が膨らみ高まるときに、諸君は、その中に没することを欲するか。実に諸君は、この地平線におけるあらゆる形の山岳でなければならぬ。
 新しい時代のコペルニクスよ。あまりに重苦しい重力の法則から、この銀河系を解き放て。
 新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界を、素晴らしく美しい構成に変えよ。
 新しい時代のダーウィンよ。更に東洋風静観のチャレンジャーに乗って、銀河系空間の外にも至り、透明に深く正しい地史と、増訂された生物学をわれらに示せ。
 素質ある諸君は、ただにこれらを刻みだすべきである。

 潮や風、あらゆる自然の力を用い尽くすことから一足進んで、諸君は、新たな自然を形成するのに努めなければならぬ。
 ああ諸君は今、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な風を感じないのか。

というものです。
 宮沢賢治の生きた昭和初期と同様に、私たちの生きる現代もまた、多くの課題を抱えています。皆さんには、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと心から願い、そして期待します。

 結びに、保護者の皆様をはじめ、地域や関係の皆様からこれまで寄せられました温かい御支援、御協力に感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの洋々たる前途を祝福して、式辞といたします。

  令和4年3月16日  埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹

令和3年度 第3学期始業式校長講話

 令和4年1月7日(金)、第3学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰を行いました。表彰では、県大会等で活躍した2つの部活動を表彰しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 皆さん、おはようございます。今日から3学期が始まりました。皆さんが、こうして無事に2022年をスタートできたことを嬉しく思います。

 新型コロナウイルスについては、覚悟はしていましたが、徐々に感染が拡大しています。新年早々ではありますが、今一度、気を引き締めなおして、感染防止を徹底していきましょう。

 さて、今日は、新年最初の講話ということで、日本に古くから伝わる「一年の計は元旦にあり」ということわざについて考えてみたいと思います。意味は、新しく迎える一年の目標や計画は、その年の初めに立てなさい、というものです。

 コロナ禍で、先が読めない状況ですが、こうした古くから伝わることわざの中には、どんな状況になっても変わらない大事な教えがあると思います。

 このことわざについて調べてみると、その由来は諸説ありましたが、ほかの二つのことわざとセットになっていて、大事なポイントが三つありました。

 一つめの「一年の計は元旦にあり」ですが、一年で言えば年の初め、一月(ひとつき)で言えば月の初め、一日で言えば朝、つまり、何事も最初が大事で、成功するかどうかは、その最初の時間をどう使うか、先手を取れるかどうかで決まるというものです。

 二つめは、「一生の計は勤(きん)にあり」というものです。勤という字は、「勤勉に働く」の勤です。人の一生、つまり、人生は、地道にコツコツ頑張れるかどうかで決まるというものです。

  三つめは、「一家の計は身(しん)にあり」というものです。身という字は、「身体検査」の身で、体、健康を表します。一家、つまり、家族の将来は、健康に過ごせるかどうかで決まるというものです。

  言われてみれば、当たり前のことですが、何事も最初の時間を大切にし、先手を取って、健康に気をつけながら、地道にコツコツ頑張るということが、夢を叶えたり、目標や計画を達成するために大事なことということになります。

  こうした状況の中だからこそ、この一年を充実させるために、最初の時間を大切にし、先手を取る、健康に気をつける、地道にコツコツ頑張るという三つのことを、意識してみましょう。

  終わります。

令和3年度 第2学期終業式校長講話

 令和3年12月23日(木)、第2学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰を行いました。表彰では、県大会等で活躍した4つの部活動と個人1名のほか、校内表彰として7名を表彰しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。 

 皆さん、おはようございます。令和3年も早いもので残すところ9日になりました。この一年、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に年の瀬を迎えられることは、何よりありがたいことだと思います。

 さて、共通テストをスタートとする大学の一般選抜を控える3年生にとっては、いよいよ受験本番の時期に入ってきました。1年後、2年後に受験を迎える1、2年生にとっても、この時期は、緊張感や漠然とした不安感などを感じる時期かなと思います。先のことが確定しないということは、目標に向かっているという点で楽しい面もありますが、渦中の皆さんにとっては辛く厳しい面も大きいだろうと思います。

 私は、日本の季節に春夏秋冬という四季があるように受験にも春夏秋冬という四季があるように思います。1年生は、今は春から夏になる頃で、夢や希望がどんどん膨らんで、自分の適性や進路を一つには決められない時期かなと思います。2年生は、夏が終わり秋に入った頃で、少しずつ受験の厳しさを感じ始めた頃かなと思います。そして、3年生は、いよいよ厳しい冬本番に入った頃かなと思います。

 そこで最後に、厳しい冬本番を迎えた3年生に、私なりのエールを送って、終わりたいと思います。

3年生の皆さん。
 私は、この冬のような厳しさや緊張感は嫌いではありません。それは、現実の厳しさであり、決して理不尽な厳しさではないからです。そして、乗り越えた先には、乗り越えた者だけに与えられる力や結果を得ることができるからです。この冬のように厳しい受験終盤に求められるものは、その「意志」であり、「行動」だと思います。この厳しい時期だからこそ、声に出して決意を表明し、焦らず、慌てず、諦めず、強い意志と勇気を持って、一歩ずつ前に進んでください。担任の先生、学年の先生はもちろんですが、私たちは、いつでも皆さんを応援しています。
終わります。

第3回PTA後援会理事会校長挨拶

 令和3年9月25日(土)、第3回PTA後援会理事会を開会しました。緊急事態宣言下ということで、ICTに強い北高らしく、オンライン会議を併用したハイブリット型会議を行いました。準備は、武藤PTA会長さんを中心に、執行部の方で行っていただきました。PTA役員の方々の向上心と積極性には、頭が下がります。今回は、前回の反省点を踏まえ、機器を新たに購入して、万全の体制で行いました。以下は、校長挨拶の内容です。

 皆様、こんにちは。校長の片野でございます。本日は、ご多用の中、ご出席いただき、誠にありがとうございます。また、今回も、リアル参加とZOOMによるオンライン参加のハイブリット型会議という形での開会となりました。武藤会長さんを中心に、ご準備等大変ありがとうございました。

 それでは、簡単に近況報告させていただきます。
 この夏休みもコロナ禍ではありましたが、部活動の大会やコンクールは概ね実施され、始業式には多くの表彰を行いました。時間の関係で、上位大会の結果のみ紹介します。
 まず、新聞部ですが、和歌山県で行われた全国大会で、優良賞を獲得しました。全国大会出場は20年連続となります。次に、パワーリフティング部ですが、埼玉県で行われた全国大会で、3年の玉城君が、第6位入賞を果たしました。
 また、書道部ですが、第55回高野山競書大会で、3年の萱沼さんが毎日新聞社賞、2年の池田さんが高野山総長賞、3年の濱田さんが南山賞、3年の箱崎さんが高野山書道協会賞を受賞しました。
 最後に吹奏楽部ですが、昨日(24日(金))、新潟県で行われた西関東大会に出場し、見事金賞を受賞しました。全国大会出場まであと一歩の第5位でした。県予選では、体調不良等で参加できない生徒もいたので、まずは、全員が揃って参加できたことが何よりだと思いました。部活動の報告は以上です。
 次に学校行事関係ですが、9月1日(水)から3日(金)には、第50回しらこばと祭を行いました。HR棟改修工事の関係で、もともと通常の開祭ではなく、クラスをはじめ、各団体が作成した動画の中で、各個人が見たいものを見に行くというシアター形式の開祭を予定していましたが、8月下旬に県から急きょ通知があり、一切クラス間の移動をせずに自分のクラスで動画やライブ配信を見る形式に変更をしました。これは言うと簡単ですが、とても大変なことで、生徒会の生徒たちは、本当によく頑張ってくれました。特に、ライブ配信は、ほとんど生徒が行いましたが、他校であれば、お金をかけて専門の業者にお願いしている内容です。こうしたことが、自前でできることも北高の強みだなと実感しました。
  次に、2年生の修学旅行ですが、現時点では、広島での1泊を減らして、神戸京都方面に2泊3日で実施の予定です。リスクは0にはなりませんが、一度しかない高校時代に修学旅行を経験できないリスクもとても大きいと考えます。どうかご理解とご協力をお願いします。
 最後に3年生の状況ですが、共通テストの出願手続きが終わり、先日は、指定校等推薦会議を行いました。指定校等への希望状況は昨年度よりやや少なく、国公立大学への進学希望者がやや増加しています。勝負はこれからなので、強い気持ちで頑張ってほしいと思います。
  近況報告は以上です。本日は、よろしくお願いいたします。

第50回しらこばと祭校長挨拶・講評

 令和3年9月1日(水)から3日(金)まで、生徒と教職員のみではありますが、第50回しらこばと祭を開祭しました。新型コロナウイルス感染拡大により、生徒の参加方法等を急きょ変更しての開祭となりました。動画配信とYouTubeによるライブ配信を併用し、オンラインに強い北高ならではの文化祭となりました。その様子は、このホームページの「新着」より、「KITAKO  NEWS FLASH」をご覧ください。以下は、開祭式の校長挨拶と閉祭式の校長講評です。

開祭式(校長挨拶)

 皆さん、おはようございます。まずは、しらこばと祭開祭にあたって、中心になって準備・運営をしてくれている生徒会本部役員の皆さん、そして、実行委員、クラス代表の皆さんに感謝します。
 新型コロナウイルス感染拡大により、参加方法を変更しての開祭となりました。8月25日に2学期当初の学校対応に関する県からの通知が届いてから、わずか数日間での変更は大変であり、特に生徒会本部役員の皆さんにとって、参加方法を変更することは、断腸の思いだったと思います。そうした思いを乗り越えての開祭となります。本来の楽しみ方をかなり制限された中ではありますが、普段とは違う時間を楽しんでもらいたいと思います。

 さて、話は急に変わりますが、今年度のしらこばと祭のスローガンに「あずき青春」とありました。昨日、HR棟を覆っていたネットが外されて、壁の色が変わったことに気づいた皆さんも多いと思います。あずき色でなくなったと、「あずき青春」ではなくなってしまったと皆さんが悲しんでいるといけないので話をしておきます。新しくなった壁の色は、新たに考えた色ではなく、中里先生や私が生徒だった40年前の色を忠実に再現したものです。よって、私は恐らく見ることはできないと思いますが、40年後には、今のあずき色になるはずです。安心してください。

 話がそれてしまいましたが、私はこのしらこばと祭、皆さんの作成した動画やライブ配信を、大いに楽しみたいと思います。皆さんもぜひ楽しんでください。以上です。


閉祭式(校長講評)

 皆さん、こんにちは。しらこばと祭の3日間、お疲れさまでした。そして、中心になって運営をしてくれた生徒会本部の皆さん、実行委員、クラス代表の皆さんに、改めて感謝します。特に、急な開祭方式の変更や業者が行っても苦労するYouTubeによるライブ配信を成功させてくれたことに関しては、感謝しても仕切れないくらいです。本当にありがとうございました。

 さて、先ほど、各賞の発表がありました。私からは、しらこばと大賞を発表させていただきましたが、どのクラス企画動画も、部活動の発表や展示、紹介動画も力作が揃っていて、すばらしかったです。昨日の夕方から夜にかけて一気に見てしまいました。また、本日のP1グランプリもカッコ良かったです。歌も良かったし、応援部のダンスもキレッキレでした。
 保護者の方も同様だと思いますが、コロナ禍で私自身も皆さんの活躍を直接見る機会が殆どない状況だったので、とてもありがたいことでした。許されることなら、皆さんのお父さん、お母さんにも、是非、見せてあげたいなと思いました。確かにクラス企画動画の中には、お母さんが見るとびっくりしてしまう姿(女装姿)になっている男子たちもいましたが、お母さんは、意外にそういうのは好きです。堂々と見せてあげてください。ただし、個人的には、女装した男子より女子の方がかわいいと思います。

 最後に、パンフレットの北高アンケートの回答に北高生は、「勉強8割・青春2割」でできているとありました。今回のしらこばと祭で、皆さんが、2割の青春をしっかり謳歌していることが分かりました。よかったです。
 皆さん、3日間、大変お疲れさまでした。以上です。

令和3年度 第2学期始業式校長講話

 令和3年8月30日(月)、第2学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と報告会を行いました。表彰では、全国大会、県大会等で活躍した7つの部活動を表彰しました。報告会では、全国大会に出場したパワーリフティング部と新聞部から報告がありました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、改修工事でリニューアルされたKAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 皆さん、おはようございます。昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での夏休みでしたが、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に2学期を迎えられたことを嬉しく思います。
 この夏休みも、勉強に部活動に、暑い中、皆さんは、よく頑張っていました。新型コロナウイルス感染症の状況については、10代の感染者数が増加傾向にあることから、県の指示により、本日から学校での活動が制限されることになります。概要については、本日文書を配布します。詳細については、担任の先生から聞いてください。気の抜けない日が続きますが、感染対策をしっかり行ったうえで、勉強や部活動をはじめ、皆さんの成長につながる活動に、強い思いを持って取り組んでください。
 
 今日は、「それでもなお」という話をします。この言葉は、今から50年くらい前に、ケント・M・キースというアメリカの大学生が、高校生を励ますために送った「逆説の10か条」のキーワードです。10か条の中で、私が好きな3つを紹介します。
 1番目の言葉です。人は不合理で、分からず屋でわがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
 5番目の言葉です。正直で素直なあり方は、あなたを無防備(むぼうび)にするだろう。それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
 8番目の言葉です。何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。それでもなお、築き上げなさい。
  私自身の人生を振り返ってみても、相手に理解してもらえなかったり、全力を尽くしたのに結果が出なかったことがたくさんあります。そのたびに落ち込んだり、自棄(やけ)になったりしたこともありましたが、この言葉に出会ってからは、気負わずリセットして、一歩を踏み出せるようになりました。
  人生は思いどおりになることより思いどおりにならないことの方が多いと思います。そこで挫けず、気負うことなく、「それでもなお」と、更にもう一歩踏み出す。このことが、結果として、成功につながる鍵になると思います。
  新型コロナウイルス感染症の状況により、先の見えない状況が続いています。時々、「それでもなお」という言葉を思い出してください。そして、将来に向かって強い思いを持って突き進んでいきましょう。
 
 講話は以上ですが、校内で新型コロナウイルスの感染拡大を起こさないために、皆さんと共有しておきたい知識があります。それは、本校の感染例からも無症状の陽性者よりも、有症状の陽性者の感染力が圧倒的に強いということ、ここ最近の傾向として、発熱などの有症状がある場合には、陽性である確率が高くなっているということです。
 このことから、自分のことは当然ですが、家族の健康状態にも敏感になってください。そして、自分の体調が良くない場合はもちろんのこと、家族の体調が良くない場合にも、学校に連絡の上、登校を控えることをお願いします。学校としては、皆さんの健康状態を、皆さんが日々のクラスルームに入力している健康観察で確認することになります。必ず、毎日入力をするようにお願いします。
 
 以上です。

令和3年度 第1学期終業式校長講話

 令和3年7月20日(火)、第1学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した35名の生徒を表彰しました。壮行会では、全国大会に出場するパワーリフティング部と新聞部を激励しました。

 今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。

 皆さんおはようございます。先日の球技大会では、北高生の力強さや明るく元気な姿を見ることができて、私自身も元気をもらうことができました。

 さて、ようやく梅雨も明け、明日からは夏休みが始まります。休みとは言え、常にプレッシャーがかかる高校生にとっては、不安や迷いの出る時期でもあります。

 そこで、今日は「人は考えたとおりの人間になる。」という話をします。この言葉は、ジェームズ・アレンという20世紀初頭に活躍したイギリスの作家のものです。

  私自身、この年齢になっても、課題や壁に直面して判断や選択に迷うことがあります。私は、判断や選択に迷ったときには、安易で楽な道を選ばず、敢えて困難な道の方を選ぶようにしてきました。何度も失敗を繰り返し、私なりにつかんだ、成長と成功の法則です。困難な道と言うと大げさですが、面倒な道と言った方が事実に近いです。

  そんなとき、勇気をもらっている言葉が、「人は考えたとおりの人間になる。」というものです。

 紹介します。

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 人は考えたとおりの人間になる

 もしあなたが負けると考えるなら、あなたは負ける

 もしあなたがもう駄目だと考えるなら、あなたは駄目になる

 もしあなたが勝ちたいと思う心の片隅で無理だと考えるなら、あなたは絶対に勝てない

 もしあなたが失敗すると考えるなら、あなたは失敗する

 世の中を見てみろ

 最後まで成功を願い続けた人だけが成功しているではないか

 すべては人の心が決めるのだ

 向上したい

 自信を持ちたい

 もしあなたがそう願うなら、あなたはそのとおりの人になる

 さあ出発だ

 強い人が勝つとは限らない

 素晴らしい人が勝つとは限らない

 私はできる

 そう考える人が結局は勝つのだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というものです。

 すべては人の心が決める。自分は何をどうしたいのか。成し遂げたいことを心の中で考え、強い気持ちをもって行動していけば、必ず成し遂げることができる。

 皆さんの強い思いが未来を切り拓きます。そして、正解は常に困難な判断や選択の中にあります。安易な選択をせず、目の前にある一つ一つに全力を尽くして、是非、成功をつかんでください。

 終わります。

令和3年度 SSH生徒研究発表会挨拶

 令和3年6月17日(木)、越谷サンシティ・大ホールにて、SSH生徒研究発表会を実施しました。当日は、SSH運営指導員である、埼玉大学名誉教授 永澤先生、同じく井上先生、文教大学教授 浅野先生、株式会社建設技術研究所 東京本社環境部長 関根先生、理数探求Ⅱ指導者である、埼玉大学非常勤講師 Tammo先生にも御出席いただきました。全校生徒参加による発表会は、初めての試みでしたが、生徒の反応も良く、実りの多い発表会となりました。以下は、校長挨拶の内容です。

 皆さん、おはようございます。本校は、創立50周年にあたる平成30年度にSSHの指定を受け4年目を迎えます。本日は指導助言者として5名の先生方を迎え、SSH生徒研究発表会を行います。
 内容は、埼玉大学名誉教授 永澤明先生の記念講演と5組の代表生徒による生徒研究発表の2本立てとなります。

 これからの時代は、こうした研究発表や探究活動は、理科系の専売特許ではなくなります。文科系、理科系を問わず、世の中の多くの事に好奇心を持って、解析的、論理的に物事を考え、他者と協同して課題を解決していく探究的な能力が求められる時代になります。皆さんには、こうした研究発表会をとおして、是非、探求する力を武器として身に付け、磨いてください。

 それでは、記念講演をしていただく永澤明先生の御紹介をします。永澤先生は、埼玉大学大学院理工学研究科の名誉教授として、後進を育成する一方で、現在も、無機化学、錯体化学分野のご研究を続けられておられます。また、本校では学校評議員及びSSH運営指導委員の委員長を引き受けていただいております。越谷北高校のために大変御尽力いただいている先生です。
 永澤先生、本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

令和3年度 教育実習閉校式講話

 令和3年6月11日(金)、教育実習閉校式を実施しました。以下は、校長挨拶の内容です。

 実習生の皆さん、こんにちは。3週間の教育実習、大変、お疲れ様でした。皆さんの頑張りについては、先生方から沢山のお話を伺っています。本当によく頑張りました。

 開校式で、教育実習の一番の目標は、皆さんが健康に実習期間を過ごすことだと話しましたが、皆さんが、大きく体調を崩すこともなく、最終日を迎えられたことは何よりだと思います。十分な睡眠時間を確保できない日もあったと思いますが、その環境の中で、コントロールして健康でいられる力は、一人前の社会人になっても求められる力だと思います。

 そして、二つ目の目標は、教育の不易の部分を学ぶだけではなく、若い感性で新しいことにどんどんチャレンジすることだと話しました。

 見たことがないかもしれませんが、現在放映されている「ドラゴン桜2」の東大合格戦略は、16年前とは大きく変わっています。ここ10年で大きく進化したユーチューブなどのSNSやアプリを積極的に使って生徒の力を伸ばしています。ドラマの中で阿部寛演じる桜木は、次のように言っています。「新しいモノ面白そうなモノは、どんどん取り込め、何でも試してみる癖をつけろ!」この力を、桜木はアップデート力と呼んでいます。何事にも興味関心を持って、他を巻き込んで自分の力にできる力、このアップデート力こそ、私はこれからの時代に必要な力だと思います。

 今日で教育実習は終わりますが、これからも皆さんの柔軟な頭と若い感性をフル回転させて、成長していってください。皆さんを応援しています。

PTA広報誌挨拶「母校に着任して」

 4月に着任いたしました校長の片野でございます。会員の皆様には、本校の教育活動に御理解と御協力を賜り、心より感謝申し上げます。
 執行部の皆様にはお伝えしましたが、越谷北高校は私の母校です。越谷北高校への異動が決まった時には、嬉しいという気持ちよりもプレッシャーの方が勝っていました。そうした中で迎えた入学式でしたが、閉式後の校歌披露で校歌を聞いた際に、40年近く昔の記憶がよみがえり、母校への思いがこみ上げ、とても感動しました。母校で校長として働けるありがたさを強く実感しました。同時に、越谷北高校の生徒のために、教職員の先頭に立って頑張る覚悟が決まりました。
 私が、校長としての使命として捉えていることが二つあります。
 一つ目は、「生徒の力を伸ばす。そして、生徒の力で結果を出させる。」ということです。生徒には、3年間の北高生活で、努力は必ず報われるという体験をしてほしいと思います。
 二つ目は、「伝統の強みを生かし、新たなことに挑戦し続ける。」ということです。越谷北高校は、常に新たなことに挑戦し、勢いのある学校でありたいと思っています。
 微力ですが、全力を尽くす所存です。
 会員の皆様には、本年度も御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。