校長通信
「第52回しらこばと祭」開祭式及び閉祭式 校長挨拶
令和5年9月1日(金)、2日(土)と2日間にわたり、「第52回しらこばと祭」を開催いたしました。特に、2日(土)は、4年ぶりの通常開催となりましたが、晴天にも恵まれ、盛況のうちに終えることができました。御来校された皆様をはじめ、準備期間から本番当日まで、御理解御協力を頂いた皆様に心から感謝申し上げます。
以下は、開祭式と閉祭式の校長挨拶の内容です。
開祭式
皆さん、おはようございます。コロナの感染が心配な状況ではありますが、4年ぶりに、入場人数に制限を設けないしらこばと祭を開祭することができました。しらこばと祭開祭にあたり、中心になって準備・運営をしてくれている生徒会本部役員の皆さん、そして、実行委員、クラス代表の皆さんに感謝します。4年ぶりのため、コロナ禍以前のしらこばと祭経験者がいない中での計画と準備、そして、新たな取組へのチャレンジは、通常時の何倍もの時間と労力が必要だったと認識しています。そうした努力を積み重ねた結果での開祭となります。来校されたお客様には、北高の「しらこばと祭」を大いに楽しんでもらいたいと思います。
さて、今年度のしらこばと祭のスローガンに「誰もが目を奪われていく これは完璧で究極の青春」とありました。昨年度のスローガンは「スパイファミリー」というアニメのアーニャという少女の言葉が基になっていたので、今回も調べてみると「押しの子」というアニメの主題歌となっている「YOASOBI」の「アイドル」という曲のサビの歌詞にその秘密がありました。それは「誰もが目を奪われていく 君は完璧で究極のアイドル」というものでした。早速、YouTubeで聴いて見ると、何度も聞いた記憶がありましたが、最後の「アイドル」という4文字以外歌詞をまったく聞き取れていなかったことに軽いショックを受けました。何でも知っている数学科のI先生は、即答されたので、さすがだと思いました。最近の歌は、私にはハードルが高いので、次に「押しの子」というアニメを見ることにしました。結果は、エピソード1の第1話20分で挫折しました。その話を社会科のT先生に打ち明けると、若いT先生も挫折していたので、ちょっと安心しました。いずれにせよ、中高生にはとても人気だということが分かりました。今年のしらこばと祭を象徴するスローガンとしては、とても印象に残ると感じました。また、ポスターとパンフレットも北高での青春を感じさせる秀逸な作品だと感心しています。
今年のしらこばと祭は、4年ぶりに大規模な開催となるため、想定外の事が起こる可能性もあります。その際は、北高生の優秀な頭脳をフル回転させ、臨機応変に対応し、感染防止にも十分気を付けて成功させましょう。そして、来校されるお客様に楽しんでもらうことはもちろんですが、皆さんも楽しんでください。以上です。
閉祭式
皆さん、こんにちは。しらこばと祭の2日間、お疲れさまでした。そして、中心になって運営をしてくれた生徒会本部役員の皆さん、そして、実行委員、クラス代表、関係部活動の皆さんに、改めて感謝します。
特に、生徒会長のM君を中心に、生徒会本部役員の皆さんの頑張りは、顧問の先生方も含め表彰に値するレベルだと思います。しらこばと祭の2日間、晴天に恵まれたのもきっと、文化祭の神様が微笑んでくれたのだと思います。本当にありがとうございました。そのおかげもあって、来場者数も、コロナ禍以前の2800人を上回る3020人だったという報告を受けています。4年ぶりとなる通常開催でしたが、事故やトラブルもなく盛況のうちに閉祭式を迎えることができました。ここにいるすべての皆さんに感謝します。ありがとうございました。
今年のしらこばと祭を通して、つくづく実感したことは、「北高生って、本当にいい奴らだな」ということです。特に今年のしらこばと祭は、「明るく楽しく、あったかい」という印象を受けました。40数年前に私や体育のN先生、H教頭先生が在籍していた頃にも、いいやつらは結構いましたが、明らかに、優しい生徒が増えて、品がよくなったと思います。
さて、各賞の発表は、後日となりましたが、3年生を中心にクラス企画、部活動の発表や展示も、開祭式や後夜祭での有志発表もすばらしかったと思います。後夜祭では、元ギター部部長のK先生、I先生、H先生のバンド演奏も聴けました。また、応援部の3年生と顧問のS先生のおかげで、思いがけず私も開祭式のコラボ企画では、仲間に入れてもらえて、個人的にも楽しかったです。良い思い出になりました。もっと一つ一つコメントしたいのですが、数が多いので、ここではあきらめます。
最後に、北高生の自虐ネタに、「北高生は勉強8割、青春2割でできている」とありますが、今年のしらこばと祭のように、これからも2割は2割でも、中身の濃い青春を全力で謳歌してほしいと思います。
皆さん、2日間、大変お疲れさまでした。以上です。
令和5年度 第2学期始業式校長講話
令和5年8月28日(月)、第2学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰、壮行会、報告会、カナダ派遣代表報告を行いました。表彰では、全国大会、県大会等で活躍した8部活動18名と埼玉県高校数学フェアで入賞した2チームを表彰しました。壮行会では、西関東大会に出場する吹奏楽部を激励しました。報告会では、全国大会に出場したパワーリフティング部と新聞部、筝曲部から報告がありました。そして、カナダ派遣代表報告では、4年ぶりに実現したカナダ派遣に参加した34名の生徒を代表して、3名の生徒から報告がありました。
暑さ対策のため、今回も各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。新型コロナウイルスの対応が新たな段階に入り、4年ぶりという言葉がよく聞かれる中での夏休みしたが、大きな事故やトラブルもなく皆さんが、こうして無事に2学期を迎えられたことを嬉しく思います。
先週の水曜日には、甲子園球場で高校野球の決勝戦が行われ、神奈川代表の慶応高校が107年ぶりの優勝を果たしました。勝った慶応高校の選手たちも負けた仙台育英高校の選手たちもすばらしかったと思います。今回の大会では、そんなすばらしい選手たちを育てた森林監督や須江監督のインタビューでのお話も話題になりました。これは余談ですが、先週の金曜日にPTAの全国大会が仙台市で行われ、仙台育英高校の須江監督の講演がありました。決勝戦の翌々日でしたが、私も本校のPTA会長さんたちとともにその講演を聞くことができました。こちらは、また別の機会に紹介したいと思います。
今日、講話として、皆さんに伝えたいことは、「やってみよう精神」についてです。慶応高校の森林監督は、「リベンジよりチャレンジ」という話をされていました。春の選抜大会で「負けた借りを返すのではなくて、恩返しをする」という言葉にも感銘を受けました。私もチャレンジという言葉は大好きです。ただ、少しハードルが高いので、今は「チャレンジよりもトライ」、「トライ、つまりやってみよう」という言葉を、とても大切にしています。今日は、この「やってみよう精神」を皆さんに伝えるために、音楽の力を借りたいと思います。
(WANIMAさんの「やってみよう」の歌詞付きの音楽を再生)
いかがでしたか。歌詞のようにはいかないかもしれませんが、目まぐるしく変わりゆく時代を生きる皆さんには大事な言葉であり、精神だと思います。
本日から2学期が始まりますが、皆さんの目標に向かって、焦らず、楽しみつつ進んでください。
終わります。
令和5年度 第1学期終業式校長講話
令和5年7月21日(金)、第1学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した24名の生徒を表彰しました。壮行会では、全国大会に出場するパワーリフティング部、新聞部、筝曲部を激励しました。
暑さ対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
まず、タイからの留学生のプレオさんを紹介しました。(紹介内容は略します。)
それでは、講話に戻ります。今日は、私が高校生の頃から大切にしてきた言葉を紹介します。数学者の岡潔先生の言葉です。私は、これまでの人生で多くの言葉に出会い、影響を受け、時に助けられてきました。
岡先生の言葉もその一つです。
それは、「スミレはただスミレのように咲けばよいのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうと、スミレのあずかり知らないことだ」というものです。
これは、岡先生が、ある人から「数学なんかして人類にどういう利益があるのか?」と聞かれたときに答えた言葉だと言われています。
「スミレはただスミレのように咲けばよいのであって、そのことが春の野にどのような影響があろうとなかろうと、スミレのあずかり知らないことだ」
言われた方にしてみれば、極めて不遜な言葉に聞こえたかもしれません。変わった方が多いと言われている数学者の中でも岡先生は、群を抜いて変わっていたのでなおさらです。
ただ、当時高校生だった私は、この岡先生の言葉を、「自分を見失わず、ただひたすら純粋に、自分らしく生きよ」というメッセージとして、とらえました。
まだ「自分らしさ」とは何かすら分かっていない高校時代でしたが、「自分らしさ」を意識するようになってからは、自分自身の長所や短所について、よく考えるようになりました。そして、他人からの評価は、ほとんど気にならなくなりました。とは言え、人の話に耳を貸さないということではないので、時に反省もしますが、一喜一憂することがなくなり、何事も前向きに考えられるようになりました。
皆さんに当てはまるかどうかは分かりませんが、悩み多き高校時代を生きる皆さんへ、悩み多き時代を実際に生き、乗り越えてきた一人の大人の話として紹介しました。
皆さんには、自分らしさをむしろ武器として、皆さんが将来やりたい、やってみたいと思う道を、自信を持って進んで行ってほしいと思います。
以上、終わります。
令和5年度 対面式校長挨拶
令和5年4月10日(月)、体育館にて全校生徒参加の対面式を4年ぶりに実施しました。千人を超える生徒たちが、整然と並ぶ姿は見事で、すばらしいものでした。この一体感、連帯感を大切にしたいと改めて思いました。
以下は、校長挨拶の内容です。
皆さん、こんにちは。そして、新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。
今年度に入って、新型コロナウイルスの対応も新たなステージに入りました。2、3年生には、始業式で話しましたが、学校においても、マスクの着用は、原則不要になりました。ただし、感染リスクがなくなったわけではないので、対面での食事の際には、少し距離を取るなど、場面によっては、いくつかの条件が付いています。また、個人のマスクの着用を妨げるものではありません。少しずつ普通の日常が戻りつつありますが、一日も早く、マスクを外して面と向かって、大声で笑いあえる日が来ることを願っています。
前置きが長くなってしまいましたが、本日の対面式も4年ぶりになります。人と人との関りは、やはり、面と向かって挨拶を交わすところから始まります。本日の式を節目として、より一層、学年間の交流を活発にしてください。
また、式の最後には2、3年生による校歌斉唱があります。こちらもようやく、声を出して歌うことができるようになりました。
私は、北高生はもちろんですが、先生方も保護者の方も、北高のスクールカラーであるネイビーブルーの糸でつながっていると考えています。中でも校歌は、糸であり、バトンです。また、校歌は聴くものではなく歌うものです。校歌を歌って、令和5年度も皆で力強く進んで行きましょう。
令和5年度 入学式式辞
令和5年4月7日(金)、強い風が吹く中ではありましたが、新緑の鮮やかさに春の訪れを感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 令和5年度入学式を挙行いたしました。厳しい試験を突破して本校に入学した新入生の皆さんを心から歓迎いたします。今年度の入学式では、吹奏楽部の演奏が復活しました。また、式後には、吹奏楽部の生徒のピアノと歌唱による校歌披露も行うことができ、厳粛な中にも温かさを感じられるすばらしい式となりました。
また、余談になりますが、式場や校内に飾られた生花は、本校の職員と華道部の嘱託の先生によるものです。
以下は、式辞の内容です。
新緑に春の訪れを感じる今日の佳き日に、埼玉県立越谷北高等学校、令和五年度入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
ただいま入学を許可いたしました、普通科321名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。
また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立55年目を迎える高等学校です。
「立志・探究・奉仕」という校訓を持ち、県内有数の進学校として、これまでに、20,686名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
校訓である「立志・探究・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。校歌の一節を引用しつつ紹介いたします。
まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
次に「探究」とは、物事の真理をさぐり、これらを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習態度が求められることになります。
そして「奉仕」とは、私心を捨て、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていくことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会においてしっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの3年間、授業に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
そして、そのためにも、皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。
新入生の皆さんが、3年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、未来を創造するリーダーの一人として、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、素晴らしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
令和5年4月7日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和5年度 第1学期始業式校長講話
令和5年4月7日(金)、令和5年度第1学期がスタートしました。着任式に引き続き、第1学期始業式を行いました。以下は、校長講話の内容です。
改めまして、皆さん、おはようございます。今日から新学期が始まりました。新型コロナウイルスの対応も新たなステージに入りました。マスク着用の基本的な考え方が示され、条件付きではありますが、学校におけるマスクの着用は原則不要となりました。しかし、感染リスクがゼロになったわけではないので、マスクの着用を妨げるものではありません。こうした流れの中で、世の中に少しずつ活気が戻ってくることは嬉しいことです。
今年度も、明るく前向きに頑張っていきましょう。
今日は、毎年、私が、第1学期の始業式で伝えている内容ですが、「良い習慣は、才能を超える。」という話をしま す。私がとても大切にしている言葉です。
この言葉は、佐々木常夫(ささきつねお)さんという方の「働く君に贈る25の言葉」という本の一節にあります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
私が心掛けているのは、一歩先の行動をとる習慣です。
具体的には、まず、毎朝、早起きをします。
そして、早目に家を出て、学校に着いたら、仕事の時間になる前に、余裕をもって、その日の準備をします。そうすることで、慌てずに一日をスタートすることができています。
早起きをして、早目に家を出て、学校に着いたら、準備をしてから一日をスタートする。
これだけのことですが、毎日続けてきたことでミスをする回数が減り、逆に気づくことも多く、結果も残せるようになり、私は、大きな自信を得ることができました。
私の友人の中には、それほど準備をしなくても、物事をそつなくこなせる人がいます。私が1時間かかることも、友人は半分の30分でできてしまいます。とてもうらやましい限りですが、私には真似をすることができません。一緒にスタートしたら、友人にはとてもかなわないわけです。
そうした経験から、私は、何事も一歩先に行動するようにしてきました。
陸上競技や水泳など、順位を競うスポーツでは、フライングスタートは禁止されています。しかし、毎日の生活では、このフライングスタートは、私にとって大きな武器になっています。
大切なことは、良い事を習慣にしてしまうことだと思います。良い習慣は、力になります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
早起きの習慣、はきものをそろえる習慣、あいさつをする習慣、朝学習や朝練習の習慣 など、良い習慣と言えるものはたくさんあります。
忙しい毎日を送る皆さんだからこそ、良い習慣は、皆さんの自信や力になります。そして、才能豊かな友人たちを超えることも可能です。何か一つできることから始めてみてください。
今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をしました。終わります。
令和4年度 修了式校長講話
令和5年3月24日(金)、令和4年度修了式を行いました。また、修了式終了後には、表彰と報告会を行いました。表彰では、全国大会、西関東大会で入賞した書道部、吹奏楽部、生物部をはじめ、県大会、地区大会で入賞した天文気象部、バドミントン部、水泳部、剣道部など、計57名の生徒を表彰しました。報告会では、西関東大会で金賞第3位となった吹奏楽部とグローバルリーダー育成プロジェクトの県代表としてシンガポール研修に参加した2年生の報告がありました。こうした生徒の活躍には、毎回、感心させられるばかりです。
今回は、3年ぶりに体育館で実施することができました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。早いもので令和4年度も残すところ8日となりました。
この時季に咲く花の一つに、こぶしの花があります。町中にも咲いていますが、白い大きめの花びらが特徴です。今年は、桜の開花が早まるほど、暖かい日が続いたため、例年より少し早めに散ってしまいました。
私は、毎年、この時季に、真っ白なこぶしの花を見ると、心機一転頑張ろうという気持ちになります。禅の言葉に、年年歳歳花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)歳歳年年人不同(さいさいねんねんひとおなじからず)というものがあります。その意味は、咲く花の美しさは毎年変わらないけれども、人の世はどんどん変わっていくというものです。この言葉のとおり、世の中は、目まぐるしく変わっていきます。大学入試を含め、皆さんに大きく関係する教育関係も同様です。私たちは、ずっと変わることのない不易の部分を大事にしつつ、新しく変わる流行の行く先を見極めなければなりません。
本校は、スーパーサイエンスハイスクールの指定校ですが、先日、改めてⅡ期5年間の指定を受けることができました。Ⅰ期に引き続き、Ⅱ期の申請を希望した理由は、スーパーサイエンスハイスクールの取組が、今後の教育の流行に合致していると判断したからです。一つ一つ詳しく説明する時間はないので、キーワードを上げて簡単な説明をします。頭の片隅に置いておいて、詳しくは自分で調べてみてください。
まず、一つ目は、探究活動です。全学年共通の総合的な探究の時間をはじめ、2年生の科目には、古典探究や日本史探究など、「探究」という文字の入った科目が新たに設置されました。探究活動とは、課題を発見し解決する活動ですが、価値観や能力の異なる他者と、主体的に協働して解決する過程が大事になります。
二つ目は、文理融合です。本校では、以前からクロスカリキュラムを通じて、教科横断的な知識、つまり、リベラルアーツの育成を推進していますが、これからは、更に進んで、そもそも文系、理系という分け方がなくなっていきます。
三つめは、データサイエンスです。1年生が受験する2年後の共通テストから「情報Ⅰ」を受験科目とすると発表した国公立大学が大きな割合を占めています。これは、デジタル時代の「読み・書き・そろばん」としての「数理・データサイエンス・AI」をすべての大学生に身に付けさせるという国の育成目標が背景となっています。
四つ目は、アウトリーチ活動です。これまで生徒会や部活動で行ってきた交流活動などもその一つですが、大きなものとしては、SSHの活動の一環として取り組んできて、昨年夏に越谷市に提案をした「グリーンインフラプロジェクト」があります。こうしたアウトリーチ活動に留まらず、学校外のイベントに積極的にチャレンジすることがポイントになります。部活動でも公式戦やコンクール、練習試合や合同練習を利用して力が付くように、身に付けた知識や技術などの能力は、こうした他流試合を通じて磨かれていきます。
目まぐるしい勢いで進んでいる教育の流行について、四つほどキーワードを挙げて説明をしましたが、何も心配することはありません。皆さんがすべきことは、第一に、教育の不易の部分である日々の授業を大事にすること、そして、部活動や学校行事に全力で取り組むことです。すべては、そこから始まり、その延長線上にあります。そして、もう一つ大事なことは、何事にも失敗を恐れず、やってみよう精神を忘れずに進むことです。そうすれば、必ず力が付きます。焦らず、怠らず、目標に向かって進んでいきましょう。
終わります。
花束贈呈式挨拶
令和5年3月16日(木)、卒業証書授与式後、PTAの卒業対策委員の皆様による花束贈呈式が行われました。卒業対策委員の皆様から、管理職を含めた第3学年の教職員に大変立派な花束を頂きました。10分程度の短い式でしたが、こうした人と人との関りが持てる場のありがたさを改めて感じることができました。以下は、挨拶の内容です。
本日は、お子様の御卒業、誠におめでとうございます。また、このような場を設けていただき、ありがとうございます。
この3年間は、コロナの影響を常に受けた中での高校生活になりましたが、卒業生たちは、制限下の中でできることを工夫し、よく頑張ってくれました。校長として、誇りに思います。
私が卒業生たちに願うことは、恐らく皆様と同じだと思います。何を幸せと思うかは、人それぞれだと思いますが、卒業生の一人一人が、自分が思う幸せをつかんでほしいということだけです。
本校のスクールカラーは、ネイビーブルーですが、ネイビーブルーの絆は、永久に不滅だと思っています。私たちは、いつでも卒業生を応援しています。卒業生には、未来へと安心して羽ばたいてもらいたいと思います。
本日は、ありがとうございました。
第52回卒業証書授与式式辞
令和5年3月16日(木)、暖かな陽気で、春の訪れを感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 第52回卒業証書授与式を挙行いたしました。今回も制限下ではありましたが、卒業生の御家族2名の参加が実現できたことは、何よりでした。以下は、式辞の内容です。
式辞の前に、第52回卒業証書授与式を、このように縮小した形で挙行することを、校長として、卒業生の皆さん並びに保護者の皆様にお詫びします。大変申し訳ございません。ただし、今回一つ良かったことがあります。それは、式の最後の校歌斉唱を皆さんと一緒に、声を出して歌えることです。私も久しぶりの校歌を、精一杯心を込めて歌いたいと思います。
それでは、改めて式辞を述べます。
式辞 344名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
また、保護者の皆様におかれましても、本日のお慶びはひとしおのことと存じます。お子様の栄えある御卒業を、心からお祝い申し上げます。
卒業生の皆さんは、本校において、日々勉学に精励し、進路実現に邁進するとともに、学校行事や部活動など何事にも全力で取り組んでまいりました。皆さんが、本校で過ごしたかけがえのない三年間は、今後の人生において、大きな財産となることを確信しております。
そこで、晴れの門出にあたり、卒業生の皆さんに期待と願いを込めて一編の詩を送ります。それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。私が、この詩に出会ったのは、40年以上前の高校生の頃ですが、私自身が、この詩を正しく理解しているかはいまだ分かりません。しかし、この詩に触れると心の中に爽やかな風が吹いて、初心を思い出すことができます。詩の一部を抜粋して紹介します。
熱意溢れる青年教師であった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。
「生徒諸君に寄せる」 宮沢賢治
諸君は、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか。それは、一つの送られた光線であり、決せられた南の風である。
諸君は、この時代に強いられ率いられて、奴隷のように忍従することを欲するか。
むしろ諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。
諸君よ。紺色の地平線が膨らみ高まるときに、諸君は、その中に没することを欲するか。実に諸君は、この地平線におけるあらゆる形の山岳でなければならぬ。
新しい時代のコペルニクスよ。あまりに重苦しい重力の法則から、この銀河系を解き放て。
新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界を、素晴らしく美しい構成に変えよ。
新しい時代のダーウィンよ。更に東洋風静観のチャレンジャーに乗って、銀河系空間の外にも至り、透明に深く正しい地史と、増訂された生物学をわれらに示せ。
素質ある諸君は、ただにこれらを刻みだすべきである。
潮や風、あらゆる自然の力を用い尽くすことから一足進んで、諸君は、新たな自然を形成するのに努めなければならぬ。
ああ諸君は今、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な風を感じないのか。
というものです。
宮沢賢治の生きた昭和初期と同様に、私たちの生きる現代もまた、多くの課題を抱えています。皆さんには、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと心から願い、そして期待します。
結びに、保護者の皆様をはじめ、地域や関係の皆様からこれまで寄せられました温かい御支援、御協力に感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの洋々たる前途を祝福して、式辞といたします。
令和5年3月16日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和4年度 第3学期始業式校長講話
令和5年1月6日(金)、第3学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、年末の大会で第3位となったソフトボール部を表彰しました。壮行会では、今年度、「県立高校グローバルリーダー育成プロジェクト」に選ばれ、今月シンガポールへ短期派遣となる2年生を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。今日から3学期が始まりました。皆さんが、こうして無事に2023年をスタートできたことを嬉しく思います。新型コロナウイルスについては、行動制限はないものの、埼玉県でも、新規感染者が1万人を超えるなど、感染拡大は続いています。新年早々ではありますが、今一度、気を引き締めて感染防止を徹底していきましょう。
さて、毎年、新年最初の講話で話をしていることですが、日本に古くから伝わる「一年の計は元旦にあり」ということわざについて考えてみたいと思います。
意味は、新しく迎える一年の目標や計画は、その年の初めに立てなさい、というものです。
コロナ禍で、先が読めない状況ですが、こうした古くから伝わることわざの中には、どんな状況になっても変わらない大事な教えがあると思います。このことわざについて調べてみると、その由来は諸説ありましたが、ほかの二つのことわざとセットになっていて、大事なポイントが三つありました。
一つめの「一年の計は元旦にあり」ですが、一年で言えば年の初め、一月(ひとつき)で言えば月の初め、一日で言えば朝、つまり、何事も最初が大事で、成功するかどうかは、その最初の時間をどう使うか、先手を取れるかどうかで決まるというものです。
二つめは、「一生の計は勤(きん)にあり」というものです。勤という字は、「勤勉に働く」の勤です。人の一生、つまり、人生は、地道にコツコツ頑張れるかどうかで決まるというものです。
三つめは、「一家の計は身(しん)にあり」というものです。身という字は、「身体検査」の身で、体、健康を表します。一家、つまり、家族の将来は、家族全員が健康に過ごせるかどうかで決まるというものです。
言われてみれば、当たり前のことですが、何事も最初の時間を大切にし、先手を取って、健康に気をつけながら、地道にコツコツ頑張るということが、夢を叶えたり、目標や計画を達成するために大事なことということになります。
こうした状況の中だからこそ、この一年を充実させるために、最初の時間を大切にし、先手を取る、健康に気をつける、地道にコツコツ頑張るという三つのことを、意識してみましょう。
終わります。
令和4年度 第2学期終業式校長講話
令和4年12月22日(木)、第2学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した52名の生徒を表彰しました。毎回のことですが、人数の多さに圧倒されます。壮行会では、西関東大会に出場する吹奏楽部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。令和4年も早いもので残すところ9日になりました。コロナ禍であることには、変わりませんでしたが、この一年、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に年の瀬を迎えられたことは、ありがたいことだと思います。
さて、共通テストをスタートとする大学の一般選抜を控える3年生にとっては、いよいよ受験本番の時期に入ってきました。1年後、2年後に受験を迎える1、2年生にとっても、この時期は、緊張感や漠然とした不安感などを感じる時期かなと思います。先のことが確定しないということは、目標に向かっているという点で楽しい面もありますが、渦中の皆さんにとっては辛く厳しい面も大きいだろうと思います。
私は、日本の季節に春夏秋冬という四季があるように高校生活にも、春夏秋冬という四季があるように思います。1年生は、今は春から夏になる頃で、なかなかハードな北高生活にも慣れ、将来やりたいことや目標などを色々と考えることができる、高校3年間で一番楽しい頃かなと思います。2年生は、修学旅行とともに夏が終わり秋に入った頃で、少しずつ受験の厳しさを感じ始めた頃かなと思います。私自身もつい三十三間堂で見た千手観音の神々しさや清水の舞台から見た紅葉の美しさなどを思い出しては、現実逃避しそうになります。そして、3年生は、いよいよ厳しい冬本番に入った頃かなと思います。
そこで最後に、厳しい冬本番を迎えた3年生に、私なりのエールを送って、終わりたいと思います。
受検直前の厳しさは、その季節もあって、冬の厳しさに例えられることがありますが、私は、この冬のような厳しさや緊張感は、それほど嫌いではありません。それは、現実の厳しさであり、決して理不尽な厳しさではないからです。そして、乗り越えた先には、乗り越えた者だけに与えられる力や結果を得ることができるからです。この冬のように厳しい受験終盤に求められるものは、皆さんの「強い意志」であり、「行動」だと思います。この厳しい時期だからこそ、声に出して決意を表明し、焦らず、慌てず、諦めず、強い意志と勇気を持って、一歩ずつ前に進んでください。担任の先生、学年の先生はもちろんですが、私たちは、いつでも皆さんを応援しています。
終わります。
令和4年度 第2学期始業式校長講話
令和4年9月1日(木)、第2学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と報告会及び壮行会を行いました。表彰では、全国大会、県大会等で活躍した11の部活動25名と学校紹介動画コンテストの入賞者3名を表彰しました。報告会では、全国大会に出場したパワーリフティング部と新聞部から報告がありました。そして、壮行会では、西関東大会に出場する吹奏楽部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。今年度も新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での夏休みでしたが、大きな事故やトラブルもなく皆さんが、こうして無事に2学期を迎えられたことを嬉しく思います。
まず、最初に留学生を紹介します。インドネシア出身のリアさんです。ミドルネームのアンジェリアからリアさんとなるそうです。リアさんは、来年の3月10日まで本校で学びます。これから半年余りになりますが皆さんも、是非、積極的に交流をしてください。それでは、リアさん、自己紹介をお願いします。
(リアさん自己紹介)
それでは講話に戻ります。次に、北高生の善行の報告です。善行は、善い行いの善行です。詳しくは、この後、武田先生から報告していただきますが、その連絡を頂いた近隣の方からは、その様子が、大変すばらしかったと感心されていました。北高生の勇気と行動力に心から敬意を表します。
最後に、勝負の2学期を迎えるにあたり、一人の野球選手を紹介します。既に亡くなられていて、活躍した時期も皆さんが生まれる前なので、知らない方も多いと思います。その選手は、広島東洋カープで活躍した衣笠 祥雄(きぬがさ よしお)さんです。衣笠さんは、23年間の現役生活で、2215試合連続出場の世界記録を達成しました。その衣笠さんが、生前あるラジオ放送の中で、次のように言っていました。
「夢中になって打ち込めるものを持つこと、それを見つけること、それを続けること、それが才能を開花させるということだ。そして、成功するかしないかは、あきらめるか、あきらめないかのほんの少しの差なのです。」
私は、衣笠さんの言葉には、結果を残すためのヒントがあると思います。何事もあきらめず、夢中になって続けていくうちに力が付く。私は何事にも作戦を立てて臨むタイプですが、あれこれ迷わず、あきらめず、夢中になって続けるということの大事さに改めて気づかされました。
本日から2学期が始まりますが、皆さんの目標に向かって、焦らず、迷わず進んでください。
終わります。
令和4年度 第1学期終業式校長講話
令和4年7月20日(水)、第1学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した29名の生徒を表彰しました。壮行会では、全国大会に出場するパワーリフティング部と新聞部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。明日から夏休みに入りますが、コロナ禍ということもあり、元気が出ない出来事も多いので、今日は、「向き不向きより前向き」という話をします。この言葉は、私の恩師の言葉です。
今から30年以上前、私が、教員になりたての頃の話です。自分としては、毎日、自分なりに一生懸命に頑張っていたつもりですが、授業や部活動、生徒の指導、その他、色々なことが上手くいかず、先輩の教員から指導されることもよくありました。時には、「教員に向いていないんじゃないか。」と言われたこともあり、さすがに、そのときはショックで、落ち込みました。
そのことを、高校時代からお世話になっている恩師に相談したところ、恩師は私にこう言いました。「初めから向いているやつなんて一握りしかいない。仕事に必要な能力や適性は、後から必死に身に付け るもんだ。向き不向きよりも前向きな気持ちが大事なんだよ。」私は、この「向き不向きより前向き」という言葉に救われた思いがしました。
多くの人が、向き不向きや、自分の能力、適性について、一度は考えると思います。私も今は校長ですが、自分の能力や適性を細かく分析したら、向いていないという結論になると思います。それでは本末転倒なので、向き不向きを考えるよりも、なったからには、自分らしくできることを一所懸命にやろうと思っています。
目標に向かって、前向きに、夢中で頑張っていれば、必要な能力や適性は、後から自然に身に付くものだと思います。誰しも自分の能力や適性に、不安や迷いが出ることがあると思います。その時には、一度今日の話を思い出してみてください。今日は、「向き不向きより前向き」という話をしました。
最後に事務連絡です。先週から、本校でも新型コロナウイルスの感染者が急激に増え、多数の感染者が確認されました。本校の感染者の共通の特徴として、強い感染力と38度以上の発熱が挙げられます。明日から夏休みに入りますが、改めて感染防止対策を徹底するようお願いします。
終わります。
令和4年度 入学式式辞
令和4年4月8日(金)、穏やかに晴れ、春爛漫を感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 令和4年度入学式を挙行いたしました。厳しい試験を突破して本校に入学した新入生の皆さんを心から歓迎いたします。式後には、感染予防対策を講じての上ですが、吹奏楽部の生徒のピアノと歌唱による校歌披露も行うことができ、厳粛な中にも温かさを感じられる良い式となりました。
また、余談になりますが、式場や校内に飾られた生花は、本校の職員と華道部の嘱託の先生によるものです。また、入学式のオンライン配信についても、すべて本校の職員と生徒で行っています。このほか、様々なことが、自前でできるところは、本校の大きな強みの一つです。校長として誇りに思います。
以下は、式辞の内容です。
穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和4年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。
また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立54年目を迎える高等学校です。
「立志・探究・奉仕」という校訓を持ち、県内有数の進学校として、これまでに、2万342名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
校訓である「立志・探究・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。校歌の一節を引用しつつ紹介いたします。
まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
次に「探究」とは、物事の真理をさぐり、これらを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習態度が求められることになります。
そして「奉仕」とは、私心を捨て、世のため・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会においてしっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの3年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
そして、そのためにも、皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、未来を創造するリーダーの一人として、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、素晴らしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和4年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。
また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立54年目を迎える高等学校です。
「立志・探究・奉仕」という校訓を持ち、県内有数の進学校として、これまでに、2万342名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
校訓である「立志・探究・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。校歌の一節を引用しつつ紹介いたします。
まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
次に「探究」とは、物事の真理をさぐり、これらを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習態度が求められることになります。
そして「奉仕」とは、私心を捨て、世のため・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会においてしっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの3年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
そして、そのためにも、皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、未来を創造するリーダーの一人として、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、素晴らしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞といたします。
令和4年4月8日
埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和4年度 第1学期始業式校長講話
令和4年4月8日(金)、令和4年度第1学期がスタートしました。着任式に引き続き、第1学期始業式を行いました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、今年度も各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
改めまして、皆さん、おはようございます。今日から新学期が始まりますが、心機一転、お互いに明るく前向きに頑張っていきましょう。
今日は、毎年、私が、第1学期の始業式で伝えている内容ですが、「良い習慣は、才能を超える。」という話をします。私がとても大切にしている言葉です。この言葉は、佐々木常夫(ささきつねお)さんという方の「働く君に贈る25の言葉」という本の一節にあります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
私が心掛けているのは、一歩先の行動をとる習慣です。
具体的には、まず、毎朝、早起きをします。そして、早目に家を出て、学校に着いたら、
仕事の時間になる前に、余裕をもって、その日の準備をします。そうすることで、慌てずに一日をスタートすることができています。
早起きをして、早目に家を出て、学校に着いたら、準備をしてから一日をスタートする。これだけのことですが、毎日続けてきたことでミスをする回数が減り、逆に気づくことも多く、結果も残せるようになり、私は、大きな自信を得ることができました。
私の友人の中には、それほど準備をしなくても、物事をそつなくこなせる人がいます。私が1時間かかることも、友人は半分の30分でできてしまいます。とてもうらやましい限りですが、私には真似をすることができません。一緒にスタートしたら、友人にはとてもかなわないわけです。
そうした経験から、私は、何事も一歩先に行動するようにしてきました。陸上競技や水泳など、順位を競うスポーツでは、フライングスタートは禁止されています。しかし、毎日の生活では、このフライングスタートは、私にとって大きな武器になっています。
大切なことは、良い事を習慣にしてしまうことだと思います。
良い習慣は、力になります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
早起きの習慣、
はきものをそろえる習慣、
あいさつをする習慣、
朝学習や朝練習の習慣 など、良い習慣と言えるものはたくさんあります。
忙しい毎日を送る皆さんだからこそ、良い習慣は、皆さんの自信や力になります。そして、才能豊かな友人たちを超えることも可能です。何か一つできることから始めてみてください。
今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をしました。終わります。
令和3年度 修了式校長講話
令和4年3月24日(木)、令和3年度修了式を行いました。また、修了式終了後には、表彰を行いました。表彰では、書きぞめ中央展覧会で特選賞等に10名入賞した書道部をはじめ、男子バレーボール部、ギター部、理数科教育研究発表会に参加した理数科のほか、校内表彰として6名を表彰しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。早いもので令和3年度も残すところ8日となりました。この時季に咲く花の一つに、こぶしの花があります。町中にも咲いていますが、白い大きめの花びらが特徴です。今年は、一昨日の雨で、残念ながら、ほとんど散ってしまったようです。
私は、毎年、この時季に、真っ白なこぶしの花を見ると、心機一転、頑張ろうという気持ちになります。禅の言葉に、年年歳歳花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)歳歳年年人不同(さいさいねんねんひとおなじからず)というものがあります。その意味は、咲く花の美しさは毎年変わらないけれども、人の世はどんどん変わっていくというものです。
この言葉のとおり、世の中は、目まぐるしく変わっていきます。そして、コロナ禍はもとより、そのほかの世界情勢もたくさんの課題を抱えています。そこで、先日の卒業式では、卒業生に期待と願いを込めて一編の詩を送りました。
それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。熱意あふれる青年教師でもあった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。時間の関係で、私が一番印象に残っている二つの文のみを紹介します。
それは、「むしろ、諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。素質ある諸君は、ただにこれらを刻み出すべきである。」というものです。
私が北高生に願い、期待することも同様です。在校生の皆さんにも、是非、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと思っています。そのためにも残り1年、2年の北高での生活を充実したものにしてください。
終わります。
第51回卒業証書授与式式辞
令和4年3月16日(水)、天候にも恵まれ、春の訪れを感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 第51回卒業証書授与式を挙行いたしました。厳かな中にも温かみのあるすばらしい式でした。式の様子は、生徒会の生徒も含めた「卒業式配信チーム」によって、式に御参加いただけなかった保護者の皆様にライブ配信を行いました。本校は、こうしたことが自前でできる点も大きな強みだと思います。以下は、式辞の内容です。
式辞の前に、第51回卒業証書授与式を、このように縮小した形で挙行することを、校長として、卒業生の皆さん並びに保護者の皆様にお詫びします。大変申し訳ございません。本日、御出席が叶わなかった保護者の皆様にも、どうかよろしくお伝えください。
それでは、改めて式辞を述べます。
式辞 356名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。
また、保護者の皆様におかれましても、本日のお慶びはひとしおのことと存じます。お子様の栄えある御卒業を、心からお祝い申し上げます。
卒業生の皆さんは、本校において、日々勉学に精励し、進路実現に邁進するとともに、学校行事や部活動など何事にも全力で取り組んでまいりました。皆さんが、本校で過ごしたかけがえのない3年間は、今後の人生において、大きな財産となることを確信しております。
そこで、晴れの門出にあたり、卒業生の皆さんに期待と願いを込めて一編の詩を送ります。それは、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」という詩の一節です。その一部を抜粋して紹介します。熱意溢れる青年教師であった宮沢賢治の生徒への強い信頼と期待が込められていると感じます。
「生徒諸君に寄せる」 宮沢賢治
諸君は、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか。それは、一つの送られた光線であり、決せられた南の風である。
諸君は、この時代に強いられ率いられて、奴隷のように忍従することを欲するか。
むしろ諸君よ。更に新たな正しい時代をつくれ。
諸君よ。紺色の地平線が膨らみ高まるときに、諸君は、その中に没することを欲するか。実に諸君は、この地平線におけるあらゆる形の山岳でなければならぬ。
新しい時代のコペルニクスよ。あまりに重苦しい重力の法則から、この銀河系を解き放て。
新たな時代のマルクスよ。これらの盲目な衝動から動く世界を、素晴らしく美しい構成に変えよ。
新しい時代のダーウィンよ。更に東洋風静観のチャレンジャーに乗って、銀河系空間の外にも至り、透明に深く正しい地史と、増訂された生物学をわれらに示せ。
素質ある諸君は、ただにこれらを刻みだすべきである。
潮や風、あらゆる自然の力を用い尽くすことから一足進んで、諸君は、新たな自然を形成するのに努めなければならぬ。
ああ諸君は今、この颯爽たる、諸君の未来圏から吹いて来る透明な風を感じないのか。
というものです。
宮沢賢治の生きた昭和初期と同様に、私たちの生きる現代もまた、多くの課題を抱えています。皆さんには、未来を創造するリーダーの気概と優しさを持って、皆さんの持っている素晴らしい資質能力を惜しむことなく、世のため人のために生かしていく人生を送ってほしいと心から願い、そして期待します。
結びに、保護者の皆様をはじめ、地域や関係の皆様からこれまで寄せられました温かい御支援、御協力に感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの洋々たる前途を祝福して、式辞といたします。
令和4年3月16日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和3年度 第3学期始業式校長講話
令和4年1月7日(金)、第3学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰を行いました。表彰では、県大会等で活躍した2つの部活動を表彰しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。今日から3学期が始まりました。皆さんが、こうして無事に2022年をスタートできたことを嬉しく思います。
新型コロナウイルスについては、覚悟はしていましたが、徐々に感染が拡大しています。新年早々ではありますが、今一度、気を引き締めなおして、感染防止を徹底していきましょう。
さて、今日は、新年最初の講話ということで、日本に古くから伝わる「一年の計は元旦にあり」ということわざについて考えてみたいと思います。意味は、新しく迎える一年の目標や計画は、その年の初めに立てなさい、というものです。
コロナ禍で、先が読めない状況ですが、こうした古くから伝わることわざの中には、どんな状況になっても変わらない大事な教えがあると思います。
このことわざについて調べてみると、その由来は諸説ありましたが、ほかの二つのことわざとセットになっていて、大事なポイントが三つありました。
一つめの「一年の計は元旦にあり」ですが、一年で言えば年の初め、一月(ひとつき)で言えば月の初め、一日で言えば朝、つまり、何事も最初が大事で、成功するかどうかは、その最初の時間をどう使うか、先手を取れるかどうかで決まるというものです。
二つめは、「一生の計は勤(きん)にあり」というものです。勤という字は、「勤勉に働く」の勤です。人の一生、つまり、人生は、地道にコツコツ頑張れるかどうかで決まるというものです。
三つめは、「一家の計は身(しん)にあり」というものです。身という字は、「身体検査」の身で、体、健康を表します。一家、つまり、家族の将来は、健康に過ごせるかどうかで決まるというものです。
言われてみれば、当たり前のことですが、何事も最初の時間を大切にし、先手を取って、健康に気をつけながら、地道にコツコツ頑張るということが、夢を叶えたり、目標や計画を達成するために大事なことということになります。
こうした状況の中だからこそ、この一年を充実させるために、最初の時間を大切にし、先手を取る、健康に気をつける、地道にコツコツ頑張るという三つのことを、意識してみましょう。
終わります。
令和3年度 第2学期終業式校長講話
令和3年12月23日(木)、第2学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰を行いました。表彰では、県大会等で活躍した4つの部活動と個人1名のほか、校内表彰として7名を表彰しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。令和3年も早いもので残すところ9日になりました。この一年、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に年の瀬を迎えられることは、何よりありがたいことだと思います。
さて、共通テストをスタートとする大学の一般選抜を控える3年生にとっては、いよいよ受験本番の時期に入ってきました。1年後、2年後に受験を迎える1、2年生にとっても、この時期は、緊張感や漠然とした不安感などを感じる時期かなと思います。先のことが確定しないということは、目標に向かっているという点で楽しい面もありますが、渦中の皆さんにとっては辛く厳しい面も大きいだろうと思います。
私は、日本の季節に春夏秋冬という四季があるように受験にも春夏秋冬という四季があるように思います。1年生は、今は春から夏になる頃で、夢や希望がどんどん膨らんで、自分の適性や進路を一つには決められない時期かなと思います。2年生は、夏が終わり秋に入った頃で、少しずつ受験の厳しさを感じ始めた頃かなと思います。そして、3年生は、いよいよ厳しい冬本番に入った頃かなと思います。
そこで最後に、厳しい冬本番を迎えた3年生に、私なりのエールを送って、終わりたいと思います。
3年生の皆さん。
私は、この冬のような厳しさや緊張感は嫌いではありません。それは、現実の厳しさであり、決して理不尽な厳しさではないからです。そして、乗り越えた先には、乗り越えた者だけに与えられる力や結果を得ることができるからです。この冬のように厳しい受験終盤に求められるものは、その「意志」であり、「行動」だと思います。この厳しい時期だからこそ、声に出して決意を表明し、焦らず、慌てず、諦めず、強い意志と勇気を持って、一歩ずつ前に進んでください。担任の先生、学年の先生はもちろんですが、私たちは、いつでも皆さんを応援しています。
終わります。
第3回PTA後援会理事会校長挨拶
令和3年9月25日(土)、第3回PTA後援会理事会を開会しました。緊急事態宣言下ということで、ICTに強い北高らしく、オンライン会議を併用したハイブリット型会議を行いました。準備は、武藤PTA会長さんを中心に、執行部の方で行っていただきました。PTA役員の方々の向上心と積極性には、頭が下がります。今回は、前回の反省点を踏まえ、機器を新たに購入して、万全の体制で行いました。以下は、校長挨拶の内容です。
皆様、こんにちは。校長の片野でございます。本日は、ご多用の中、ご出席いただき、誠にありがとうございます。また、今回も、リアル参加とZOOMによるオンライン参加のハイブリット型会議という形での開会となりました。武藤会長さんを中心に、ご準備等大変ありがとうございました。
それでは、簡単に近況報告させていただきます。
この夏休みもコロナ禍ではありましたが、部活動の大会やコンクールは概ね実施され、始業式には多くの表彰を行いました。時間の関係で、上位大会の結果のみ紹介します。
まず、新聞部ですが、和歌山県で行われた全国大会で、優良賞を獲得しました。全国大会出場は20年連続となります。次に、パワーリフティング部ですが、埼玉県で行われた全国大会で、3年の玉城君が、第6位入賞を果たしました。
また、書道部ですが、第55回高野山競書大会で、3年の萱沼さんが毎日新聞社賞、2年の池田さんが高野山総長賞、3年の濱田さんが南山賞、3年の箱崎さんが高野山書道協会賞を受賞しました。
最後に吹奏楽部ですが、昨日(24日(金))、新潟県で行われた西関東大会に出場し、見事金賞を受賞しました。全国大会出場まであと一歩の第5位でした。県予選では、体調不良等で参加できない生徒もいたので、まずは、全員が揃って参加できたことが何よりだと思いました。部活動の報告は以上です。
次に学校行事関係ですが、9月1日(水)から3日(金)には、第50回しらこばと祭を行いました。HR棟改修工事の関係で、もともと通常の開祭ではなく、クラスをはじめ、各団体が作成した動画の中で、各個人が見たいものを見に行くというシアター形式の開祭を予定していましたが、8月下旬に県から急きょ通知があり、一切クラス間の移動をせずに自分のクラスで動画やライブ配信を見る形式に変更をしました。これは言うと簡単ですが、とても大変なことで、生徒会の生徒たちは、本当によく頑張ってくれました。特に、ライブ配信は、ほとんど生徒が行いましたが、他校であれば、お金をかけて専門の業者にお願いしている内容です。こうしたことが、自前でできることも北高の強みだなと実感しました。
次に、2年生の修学旅行ですが、現時点では、広島での1泊を減らして、神戸京都方面に2泊3日で実施の予定です。リスクは0にはなりませんが、一度しかない高校時代に修学旅行を経験できないリスクもとても大きいと考えます。どうかご理解とご協力をお願いします。
最後に3年生の状況ですが、共通テストの出願手続きが終わり、先日は、指定校等推薦会議を行いました。指定校等への希望状況は昨年度よりやや少なく、国公立大学への進学希望者がやや増加しています。勝負はこれからなので、強い気持ちで頑張ってほしいと思います。
近況報告は以上です。本日は、よろしくお願いいたします。
第50回しらこばと祭校長挨拶・講評
令和3年9月1日(水)から3日(金)まで、生徒と教職員のみではありますが、第50回しらこばと祭を開祭しました。新型コロナウイルス感染拡大により、生徒の参加方法等を急きょ変更しての開祭となりました。動画配信とYouTubeによるライブ配信を併用し、オンラインに強い北高ならではの文化祭となりました。その様子は、このホームページの「新着」より、「KITAKO NEWS FLASH」をご覧ください。以下は、開祭式の校長挨拶と閉祭式の校長講評です。
開祭式(校長挨拶)
皆さん、おはようございます。まずは、しらこばと祭開祭にあたって、中心になって準備・運営をしてくれている生徒会本部役員の皆さん、そして、実行委員、クラス代表の皆さんに感謝します。
新型コロナウイルス感染拡大により、参加方法を変更しての開祭となりました。8月25日に2学期当初の学校対応に関する県からの通知が届いてから、わずか数日間での変更は大変であり、特に生徒会本部役員の皆さんにとって、参加方法を変更することは、断腸の思いだったと思います。そうした思いを乗り越えての開祭となります。本来の楽しみ方をかなり制限された中ではありますが、普段とは違う時間を楽しんでもらいたいと思います。
さて、話は急に変わりますが、今年度のしらこばと祭のスローガンに「あずき青春」とありました。昨日、HR棟を覆っていたネットが外されて、壁の色が変わったことに気づいた皆さんも多いと思います。あずき色でなくなったと、「あずき青春」ではなくなってしまったと皆さんが悲しんでいるといけないので話をしておきます。新しくなった壁の色は、新たに考えた色ではなく、中里先生や私が生徒だった40年前の色を忠実に再現したものです。よって、私は恐らく見ることはできないと思いますが、40年後には、今のあずき色になるはずです。安心してください。
話がそれてしまいましたが、私はこのしらこばと祭、皆さんの作成した動画やライブ配信を、大いに楽しみたいと思います。皆さんもぜひ楽しんでください。以上です。
閉祭式(校長講評)
皆さん、こんにちは。しらこばと祭の3日間、お疲れさまでした。そして、中心になって運営をしてくれた生徒会本部の皆さん、実行委員、クラス代表の皆さんに、改めて感謝します。特に、急な開祭方式の変更や業者が行っても苦労するYouTubeによるライブ配信を成功させてくれたことに関しては、感謝しても仕切れないくらいです。本当にありがとうございました。
さて、先ほど、各賞の発表がありました。私からは、しらこばと大賞を発表させていただきましたが、どのクラス企画動画も、部活動の発表や展示、紹介動画も力作が揃っていて、すばらしかったです。昨日の夕方から夜にかけて一気に見てしまいました。また、本日のP1グランプリもカッコ良かったです。歌も良かったし、応援部のダンスもキレッキレでした。
保護者の方も同様だと思いますが、コロナ禍で私自身も皆さんの活躍を直接見る機会が殆どない状況だったので、とてもありがたいことでした。許されることなら、皆さんのお父さん、お母さんにも、是非、見せてあげたいなと思いました。確かにクラス企画動画の中には、お母さんが見るとびっくりしてしまう姿(女装姿)になっている男子たちもいましたが、お母さんは、意外にそういうのは好きです。堂々と見せてあげてください。ただし、個人的には、女装した男子より女子の方がかわいいと思います。
最後に、パンフレットの北高アンケートの回答に北高生は、「勉強8割・青春2割」でできているとありました。今回のしらこばと祭で、皆さんが、2割の青春をしっかり謳歌していることが分かりました。よかったです。
皆さん、3日間、大変お疲れさまでした。以上です。
令和3年度 第2学期始業式校長講話
令和3年8月30日(月)、第2学期始業式を行いました。また、始業式終了後には、表彰と報告会を行いました。表彰では、全国大会、県大会等で活躍した7つの部活動を表彰しました。報告会では、全国大会に出場したパワーリフティング部と新聞部から報告がありました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、改修工事でリニューアルされたKAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さん、おはようございます。昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での夏休みでしたが、大きな事故やトラブルもなく、皆さんが、こうして無事に2学期を迎えられたことを嬉しく思います。
この夏休みも、勉強に部活動に、暑い中、皆さんは、よく頑張っていました。新型コロナウイルス感染症の状況については、10代の感染者数が増加傾向にあることから、県の指示により、本日から学校での活動が制限されることになります。概要については、本日文書を配布します。詳細については、担任の先生から聞いてください。気の抜けない日が続きますが、感染対策をしっかり行ったうえで、勉強や部活動をはじめ、皆さんの成長につながる活動に、強い思いを持って取り組んでください。
今日は、「それでもなお」という話をします。この言葉は、今から50年くらい前に、ケント・M・キースというアメリカの大学生が、高校生を励ますために送った「逆説の10か条」のキーワードです。10か条の中で、私が好きな3つを紹介します。
1番目の言葉です。人は不合理で、分からず屋でわがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
5番目の言葉です。正直で素直なあり方は、あなたを無防備(むぼうび)にするだろう。それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
8番目の言葉です。何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。それでもなお、築き上げなさい。
私自身の人生を振り返ってみても、相手に理解してもらえなかったり、全力を尽くしたのに結果が出なかったことがたくさんあります。そのたびに落ち込んだり、自棄(やけ)になったりしたこともありましたが、この言葉に出会ってからは、気負わずリセットして、一歩を踏み出せるようになりました。
人生は思いどおりになることより思いどおりにならないことの方が多いと思います。そこで挫けず、気負うことなく、「それでもなお」と、更にもう一歩踏み出す。このことが、結果として、成功につながる鍵になると思います。
新型コロナウイルス感染症の状況により、先の見えない状況が続いています。時々、「それでもなお」という言葉を思い出してください。そして、将来に向かって強い思いを持って突き進んでいきましょう。
講話は以上ですが、校内で新型コロナウイルスの感染拡大を起こさないために、皆さんと共有しておきたい知識があります。それは、本校の感染例からも無症状の陽性者よりも、有症状の陽性者の感染力が圧倒的に強いということ、ここ最近の傾向として、発熱などの有症状がある場合には、陽性である確率が高くなっているということです。
このことから、自分のことは当然ですが、家族の健康状態にも敏感になってください。そして、自分の体調が良くない場合はもちろんのこと、家族の体調が良くない場合にも、学校に連絡の上、登校を控えることをお願いします。学校としては、皆さんの健康状態を、皆さんが日々のクラスルームに入力している健康観察で確認することになります。必ず、毎日入力をするようにお願いします。
以上です。
令和3年度 第1学期終業式校長講話
令和3年7月20日(火)、第1学期終業式を行いました。また、終業式終了後には、表彰と壮行会を行いました。表彰では、校内外で活躍した35名の生徒を表彰しました。壮行会では、全国大会に出場するパワーリフティング部と新聞部を激励しました。
今回も新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
皆さんおはようございます。先日の球技大会では、北高生の力強さや明るく元気な姿を見ることができて、私自身も元気をもらうことができました。
さて、ようやく梅雨も明け、明日からは夏休みが始まります。休みとは言え、常にプレッシャーがかかる高校生にとっては、不安や迷いの出る時期でもあります。
そこで、今日は「人は考えたとおりの人間になる。」という話をします。この言葉は、ジェームズ・アレンという20世紀初頭に活躍したイギリスの作家のものです。
私自身、この年齢になっても、課題や壁に直面して判断や選択に迷うことがあります。私は、判断や選択に迷ったときには、安易で楽な道を選ばず、敢えて困難な道の方を選ぶようにしてきました。何度も失敗を繰り返し、私なりにつかんだ、成長と成功の法則です。困難な道と言うと大げさですが、面倒な道と言った方が事実に近いです。
そんなとき、勇気をもらっている言葉が、「人は考えたとおりの人間になる。」というものです。
紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人は考えたとおりの人間になる
もしあなたが負けると考えるなら、あなたは負ける
もしあなたがもう駄目だと考えるなら、あなたは駄目になる
もしあなたが勝ちたいと思う心の片隅で無理だと考えるなら、あなたは絶対に勝てない
もしあなたが失敗すると考えるなら、あなたは失敗する
世の中を見てみろ
最後まで成功を願い続けた人だけが成功しているではないか
すべては人の心が決めるのだ
向上したい
自信を持ちたい
もしあなたがそう願うなら、あなたはそのとおりの人になる
さあ出発だ
強い人が勝つとは限らない
素晴らしい人が勝つとは限らない
私はできる
そう考える人が結局は勝つのだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というものです。
すべては人の心が決める。自分は何をどうしたいのか。成し遂げたいことを心の中で考え、強い気持ちをもって行動していけば、必ず成し遂げることができる。
皆さんの強い思いが未来を切り拓きます。そして、正解は常に困難な判断や選択の中にあります。安易な選択をせず、目の前にある一つ一つに全力を尽くして、是非、成功をつかんでください。
終わります。
令和3年度 SSH生徒研究発表会挨拶
令和3年6月17日(木)、越谷サンシティ・大ホールにて、SSH生徒研究発表会を実施しました。当日は、SSH運営指導員である、埼玉大学名誉教授 永澤先生、同じく井上先生、文教大学教授 浅野先生、株式会社建設技術研究所 東京本社環境部長 関根先生、理数探求Ⅱ指導者である、埼玉大学非常勤講師 Tammo先生にも御出席いただきました。全校生徒参加による発表会は、初めての試みでしたが、生徒の反応も良く、実りの多い発表会となりました。以下は、校長挨拶の内容です。
皆さん、おはようございます。本校は、創立50周年にあたる平成30年度にSSHの指定を受け4年目を迎えます。本日は指導助言者として5名の先生方を迎え、SSH生徒研究発表会を行います。
内容は、埼玉大学名誉教授 永澤明先生の記念講演と5組の代表生徒による生徒研究発表の2本立てとなります。
これからの時代は、こうした研究発表や探究活動は、理科系の専売特許ではなくなります。文科系、理科系を問わず、世の中の多くの事に好奇心を持って、解析的、論理的に物事を考え、他者と協同して課題を解決していく探究的な能力が求められる時代になります。皆さんには、こうした研究発表会をとおして、是非、探求する力を武器として身に付け、磨いてください。
それでは、記念講演をしていただく永澤明先生の御紹介をします。永澤先生は、埼玉大学大学院理工学研究科の名誉教授として、後進を育成する一方で、現在も、無機化学、錯体化学分野のご研究を続けられておられます。また、本校では学校評議員及びSSH運営指導委員の委員長を引き受けていただいております。越谷北高校のために大変御尽力いただいている先生です。
永澤先生、本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
令和3年度 教育実習閉校式講話
令和3年6月11日(金)、教育実習閉校式を実施しました。以下は、校長挨拶の内容です。
実習生の皆さん、こんにちは。3週間の教育実習、大変、お疲れ様でした。皆さんの頑張りについては、先生方から沢山のお話を伺っています。本当によく頑張りました。
開校式で、教育実習の一番の目標は、皆さんが健康に実習期間を過ごすことだと話しましたが、皆さんが、大きく体調を崩すこともなく、最終日を迎えられたことは何よりだと思います。十分な睡眠時間を確保できない日もあったと思いますが、その環境の中で、コントロールして健康でいられる力は、一人前の社会人になっても求められる力だと思います。
そして、二つ目の目標は、教育の不易の部分を学ぶだけではなく、若い感性で新しいことにどんどんチャレンジすることだと話しました。
見たことがないかもしれませんが、現在放映されている「ドラゴン桜2」の東大合格戦略は、16年前とは大きく変わっています。ここ10年で大きく進化したユーチューブなどのSNSやアプリを積極的に使って生徒の力を伸ばしています。ドラマの中で阿部寛演じる桜木は、次のように言っています。「新しいモノ面白そうなモノは、どんどん取り込め、何でも試してみる癖をつけろ!」この力を、桜木はアップデート力と呼んでいます。何事にも興味関心を持って、他を巻き込んで自分の力にできる力、このアップデート力こそ、私はこれからの時代に必要な力だと思います。
今日で教育実習は終わりますが、これからも皆さんの柔軟な頭と若い感性をフル回転させて、成長していってください。皆さんを応援しています。
PTA広報誌挨拶「母校に着任して」
4月に着任いたしました校長の片野でございます。会員の皆様には、本校の教育活動に御理解と御協力を賜り、心より感謝申し上げます。
執行部の皆様にはお伝えしましたが、越谷北高校は私の母校です。越谷北高校への異動が決まった時には、嬉しいという気持ちよりもプレッシャーの方が勝っていました。そうした中で迎えた入学式でしたが、閉式後の校歌披露で校歌を聞いた際に、40年近く昔の記憶がよみがえり、母校への思いがこみ上げ、とても感動しました。母校で校長として働けるありがたさを強く実感しました。同時に、越谷北高校の生徒のために、教職員の先頭に立って頑張る覚悟が決まりました。
私が、校長としての使命として捉えていることが二つあります。
一つ目は、「生徒の力を伸ばす。そして、生徒の力で結果を出させる。」ということです。生徒には、3年間の北高生活で、努力は必ず報われるという体験をしてほしいと思います。
二つ目は、「伝統の強みを生かし、新たなことに挑戦し続ける。」ということです。越谷北高校は、常に新たなことに挑戦し、勢いのある学校でありたいと思っています。
微力ですが、全力を尽くす所存です。
会員の皆様には、本年度も御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
令和3年度 体育祭開会式挨拶
令和3年5月28日(金)、前日までの雨の影響で30分開始時間を遅らせたものの、無事に体育祭を実施することができました。以下は、開会式での校長挨拶の内容です。
皆さん、おはようございます。まずは、体育祭の予行本番と中心になって準備・運営をしてくれている体育委員を中心とした関係各委員会、そして、各部活動の皆さんに感謝します。本日も朝早くからありがとうございました。本番もよろしくお願いします。
皆さんの前で話をするのは、4月8日以来2回目です。そのため、私と皆さんとの距離感も、この朝礼台と皆さんが今いる場所くらい離れている感じがします。(※感染防止のため、中央に整列をしませんでした。)そこで、自己紹介を兼ねてお話をすると、私は、何故か体育祭と聞くと何日も前からワクワクして、夜寝られなくなってしまうタイプの人間です。
一般的に、体育祭になると急に張り切って怪我をする中高年のおじさんや、子供の頃の体育祭の思い出を、あたかも自分がヒーローだったかのように語る世の中お父さんがいますが、その気持ちはよく分かります。
しかし、私が特にワクワクしてしまうのは、チームで競う体育祭は、チームが戦力的に劣っていても、頭を使うと勝つことができるという事実です。それぞれの競技の特性を理解し、頭を使って人員を配置し、共通の戦略を徹底すると、結果を残すことができます。
また、結果を残すことができなくても、体育祭独特の高揚感や達成感を味わうことができます。私は、この点も体育祭の醍醐味だと思います。
6つの団に分かれて競う体育祭は、越谷北高校の伝統です。それぞれの持てる力を発揮して、大いに楽しみましょう。ただし、熱中症とコロナの感染、そして怪我の防止には十分気をつけてください。以上です。
令和3年度 教育実習開校式講話
令和3年5月24日(月)、13名の優秀な卒業生が、教育実習のため母校に帰ってきました。以下は、教育実習開校式の校長講話の内容です。
実習生の皆さん、おはようございます。
校長の片野です。教職員、生徒を代表して、皆さんを歓迎します。
私からは、皆さんが教育実習に臨むにあたって、2つ、心がけてほしいことをお話しします。
まず、一つ目です。まん延防止等重点措置地域におけるコロナ禍での教育実習となります。
一番の目標は、皆さんが健康に実習期間を過ごすことです。このことを優先順位の一番に置いてください。
次に、二つ目です。皆さんの優秀な頭をフル回転させ、ありとあらゆる力を駆使して、積極的に取り組んでください。教育実習には、皆さんがすべての能力を駆使する価値があると思います。
大学も同様だと思いますが、コロナ禍の1年で、高校でも急激にICT化が進みました。今、教育業界は、可能性に満ちています。教育の不易の部分を学ぶことはもちろんですが、皆さんの若い感性で新たなことにもどんどんチャレンジしてください。期待しています。
令和3年度 入学式式辞
令和3年4月8日(木)、穏やかに晴れ、春爛漫を感じられる中、埼玉県立越谷北高等学校 令和3年度入学式を挙行いたしました。厳しい試験を突破して本校に入学した新入生の皆さんを心から歓迎いたします。とてもすばらしい入学式でした。以下は、式辞の内容です。
穏やかな春爛漫の今日の佳き日に、令和3年度、埼玉県立越谷北高等学校入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、大きな喜びでございます。
ただいま入学を許可いたしました、普通科322名、理数科40名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入学試験を見事突破し、めでたく本校に入学した皆さんを、心から歓迎いたします。また、保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと存じます。心からお祝いを申し上げます。
本校は、昭和44年に開校し、平成元年度からは理数科を設置した、創立53年目を迎える高等学校です。
「流汗悟道」という校是と、「立志・探求・奉仕」という校訓を持ち、全人教育をめざす進学校として、これまでに19986名の有為な人材を世に送り出してまいりました。
校訓である「立志・探求・奉仕」という言葉は、校歌を出典としておりますが、まさに本校の教育の神髄として、長く受け継がれてきたものです。
まず「立志」とは、志を立てること、目的を定めてこれを成し遂げようとすることです。「われら歴史を作る者」という自覚のもと高い志を立て、ぜひ、その志に恥じることのない学校生活を送っていただきたいと思います。
次に「探求」とは、物事の真理をさぐり、これを見きわめることです。学問を志す者は、「真理ひとすじ尋ね行く」の気概がなければなりません。高校では、その質・量共に、とても高度な内容の授業が行われます。皆さんには、これまで以上に主体的な学習が求められることになります。
そして「奉仕」とは、私心を捨て、国家・社会・人のために働くことです。何のために学ぶのかと言えば、それは、社会において、しっかりと自らの役割を果たすためです。「人の世の幸を呼び、鍛えて永久の土に立つ」という校歌の一節は、まさにそのことを歌っています。
また、本校には「流汗悟道」という校是があります。「流汗」とは、汗を流すこと、「悟道」とは、道を悟ることです。「流汗悟道」とは、何事にも真剣に体ごとぶつかって大いに汗をかき努力する、そこから自分の求めるものが見えてくる。その継続と汗の量に比例した飛躍が必ずある、という意味です。
「高校時代は、人生の土台をつくる」時期にあたります。本校への合格は、決して皆さんの将来を保証するものではありません。これからの三年間、勉学に、部活動に、学校行事に本気で打ち込み、汗をかき、努力を重ねる青春のときを迎えます。その意味で、今日は、皆さんの輝かしい人生の土台をつくり上げるためのスタートの日でもあります。
そして、そのためにも、高校時代に「自分の将来像を心にしっかりと描いていただきたい」と思っています。
「思わない夢は叶わない。心に描く夢だけが叶う。」
皆さんには、自分の将来像を心にしっかりと描きながら、高校生活を送ってほしいと思います。
新入生の皆さんが、三年間で更に大きく成長して、この学舎を巣立ち、社会で立派に自らの役割を果たしていくことが、本校の願いであり、私たち教職員は、そのための努力を惜しまないことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、保護者の皆様には、本校の教育方針を御理解いただき、御支援御協力を賜りますよう、お願い申し上げますとともに、今日から始まる新入生の皆さんの高校生活が、良き師・良き友との出会いの中で、すばらしく充実したものとなることを祈念いたしまして、式辞と
いたします。
令和3年4月8日 埼玉県立越谷北高等学校長 片野 秀樹
令和3年度 第1学期始業式校長講話
令和3年4月8日(木)、令和3年度第1学期がスタートしました。着任式に引き続き、第1学期始業式を行いました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、KAR(北高アクティブラーニングルーム)より、各教室へライブ配信を行いました。以下は、校長講話の内容です。
改めまして、皆さん、おはようございます。
4月1日の職員会議で、先生方にもお話したことですが、私の校長としての使命は、勉強にしろ、部活動にしろ、生徒の皆さんの力を伸ばす、そして、皆さんの力で結果を出させるということだと考えています。今日から新学期が始まりますが、お互いに失敗を恐れず、明るく前向きに頑張っていきましょう。
今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をします。私がとても大切にしている言葉です。
この言葉は、佐々木常夫(ささきつねお)さんという方の「働く君に贈る25の言葉」という本の一節にあります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?私が心掛けているのは、一歩先の行動をとる習慣です。
具体的には、まず、毎朝、早起きをします。そして、早目に家を出て、学校に着いたら、余裕をもって、その日の準備をします。そうすることで、慌てずに一日をスタートすることができています。
早起きをして、早目に家を出て、学校に着いたら、準備をしてから一日をスタートする。
これだけのことですが、毎日続けてきたことで、ミスをする回数が減り、結果も残せるようになって、私は、大きな自信を得ることができました。
私の友人の中には、それほど準備をしなくても、物事をそつなくこなせる人がいます。私が1時間かかることも、友人は半分の30分でできてしまいます。とてもうらやましい限りですが、私には真似をすることができません。一緒にスタートしたら、友人にはとてもかなわないわけです。自信をなくしたことももあります。そうした経験から、私は、何事も一歩先に行動するようにしてきました。
陸上競技や水泳など、順位を競うスポーツでは、フライングスタートは禁止されています。しかし、毎日の生活では、このフライングスタートは、武器になります。大切なことは、良い事を習慣にしてしまうことだと思います。良い習慣は、力になります。
皆さんは、どんな良い習慣を持っていますか?
早起きの習慣、はきものをそろえる習慣、あいさつをする習慣、朝学習の習慣 など、良い習慣と言えるものはたくさんあります。
大変忙しい毎日を送る皆さんだからこそ、良い習慣は、皆さんの自信や力になります。そして、いつか才能豊かな友人たちを超えることも可能です。
新学期が始まるにあたり、何か一つできることから始めてみてください。
今日は、「良い習慣は、才能を超える。」という話をしました。終わります。
令和元年度修了式に代えて
令和2年3月24日
1学年・2学年の生徒の皆さん
越谷北高等学校長 松村 和則
令和元年度修了式に代えて
昨日の成績会議において、在籍する1年生および2年生全員の進級を認定しましたのでお知らせします。
それぞれの成績通知票については、新年度の開始日にお渡しする予定です。
成績優良者や皆勤の生徒の皆さんはよく頑張りました。進級後も継続してもらえるよう期待しています。成績が不本意だった生徒は、一年を振り返り心機一転で新年度を迎えてください。
さて、新型コロナウイルスの影響で、3月2日以降臨時休校措置が続いてきました。その間、皆さんの後輩を選抜する高校入試が行われ、皆さんがお世話になった3年生の卒業式も無事に挙行出来ました。また、皆さんにご指導いただいた先生方の人事異動の準備も進められてきました。ご退職や他校に異動なさる先生の情報は、しかるべき時期にお知らせしたいと思います。
新年度については、埼玉県からの指示がまだありませんが、教育活動が再開できるよう職員一同で願っています。4月1日以降の部活動等に関しても同様で、県からの通知があり次第、皆さんにお知らせします。現在のところ、4月8日(水)の始業式は予定どおり開式する見込みですが、時間の短縮、体育館の換気、マスク着用などウィルス感染拡大防止策を実施する予定です。決定次第、学校ホームページや緊急連絡メールにてお知らせします。
例年とは違って、気持ちが晴れない春休みとなるかもしれませんが、自身とご家族の健康を第一に考えて過ごしてください。適切な場所で適度に体を動かし、折角の時間ですから、特に興味のある分野を突っ込んで勉強するのも良いでしょう。生活リズムをしっかり保って、有意義な時間となるようセルフコントロールしてください。
新学期に、皆さん全員と元気にお会いしましょう。
平成最後の修了式
今年度の修了式が終わりました。私にとっても最後の修了式でした。
生徒には、3年間掲げ続けてきた月の言葉を全部パワポで写し、解説を交えながらそれぞれの言葉を説明しました。
最後の3月の言葉は、三年生に宛てたものですが、1,2年生もそれぞれ進級し、新たなステージで頑張ってほしいという思いを伝えました。
最後には、大坂なおみ選手が、全豪オープンで優勝した時、アメリカのメディアから若者へのメッセージで求められて言った言葉を紹介しました。
そして、私から「自分の人生を誰か他の人に歩いてもらうわけにはいかない、自分の道は自分自身でしっかりと真っ直ぐ、正義を愛し、人を愛し、確実に一歩一歩歩んでいって下さい。」と伝えました。そして最後のスライドは
にしました。生徒が北高生としての自信とプライドを持って成長してくれることを願っています。
卒業式が終わりました
式辞では、卒業生の皆さんに「学び続けることを楽しむこと、思いやりの心を持つこと」の二つを餞の言葉として送りました。
保護者の皆様にも、お子様の入学以来、本校の教育活動に対して深いご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。
50年後、越谷北高校は百周年を迎えます。果たして、越谷北高校はどのような学校になっているでしょうか。創立以来受け継がれてきた学校独自の教育文化をかけがえのない宝物として持ち続け世界に誇るべき学校になっていることを願っています。
卒業生の皆さんが、越谷北高校の卒業生として自信と誇りを持って、それぞれの人生を歩み、世界に羽ばたく人間になっていることを期待するとともに、前途洋々たる皆さんの門出を心から祝福します。
私も、卒業です。三年間ありがとうございました。
三月の言葉(世界へ)
僕らの前にはドアがある いろんなドアがいつもある
ドアを大きく開けてみよう 広い宇宙の世界へ
この詩は、五木寛之「大河の一滴」の中にある言葉です。
僕らと言ったとき、男も女もという感じを持っています。そう感じたので、この言葉を今月の言葉としました。
3年生は、卒業になります。今までの自分から一歩飛び立ち、新しい道を歩み始める春です。自分の選んだドアから、広い世界へ飛び立ってください。
がんばれとエールを送ります。忘れるなよ「北高プライド」。
この詩には新しい世界への期待が込められています。ぜひ、この機に卒業生の皆さんだけでなく、進級される在校生の皆さんも新しい季節、新しい出会いに期待を膨らませ、次のステージへの挑戦を始めてください。
私の好きな、Mr.Childrenの終わりなき旅という歌の中にも同じような歌詞があります。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて
きっと きっとって 君を動かしてる
いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしよう
もっと素晴らしいはずの自分を探して
胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように
いつも今日だって僕らは動いてる
嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう
もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
今回で、月の言葉も終わりです。今月で、私も卒業になります。次のドアをノックして、自分探しの第二の人生に歩みだします。
いつも、月の言葉を工夫をこらして力強く書いていただいた倉澤沙綾先生に改めてお礼を申し上げます。また、月の言葉を読んでいただいた皆様、3年間ありがとうございました。
二月の言葉(もうひと頑張り)
辛いという字は十回立つと書きます。しかし、もう一回立てば幸せになります。
今日から、3年生は家庭研修に入りました。いよいよ受験の天王山です。体調をくずさぬよう自己管理をしっかりすることです。今となってはジタバタしても始まらないので、自分を信じ最後まで頑張ることです。努力は必ず報われると限りませんが、報われた人は必ず努力した人です。どこまで努力すれば報われるのか分かれば苦労はしません。100あるうちの99まで来ていたのか、半分まで来ていたのかは誰にもわからないことです。しかし、99まできた人は、きっとその後の人生を生きぬく糧を身につけたはずです。
人生は長い、人生100年時代を見据えて目先のことに一喜一憂するのではなく、大きな志に向かって進んでほしいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。特に今回も思いを込めて書いていただきました。)
1月の言葉(念ずれば)
念ずれば花ひらく
新しい年が明けました。皆さんがそれぞれ新たな気持ちで歩みだしたと思います。
私も、残すところ3か月となりました。やり残したことがたくさんありますが、今年も「凡事徹底」と言いましょうか、小さな積み重ねを大事にして、確実に前進、成長していきたいと思っています。
努力や苦労を重ねることで、本物に達すると思います。残念ながら人は平等ではありません。人が1時間でできることが自分には3時間も4時間もかかるかもしれません。でも、地道に愚直に努力を重ねることで高みにたどり着くと思います。
高校生、特に3年生は志望校に合格することが自分の花を咲かせることでしょう。どんな花が咲くかは、日々どれだけ地道な努力を続けてきたかということが大きくかかわります。
満足な花が咲かなかったとしても、地道な努力を重ねたことは、決して無駄になることはありません。これ以上出来ないと思うくらい一生懸命努力した結果はどんな花が咲こうと美しいはずです。それは、受験の結果だけに止まらず、それ以降の長い人生の確固たる基盤となるものです。時間をかけて努力した積み重ねは、将来のゆるぎない基盤と自信をもたらすに違いありません。
詩人坂村真民が「念ずれば花ひらく」と言っています。努力をした後は、天命を待ち、こころから念ずることできっと花ひらくと思います。3年生の健闘を祈ります。
有志竟成(12月の言葉)
今月の言葉は、今年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授の座右の銘として紹介された言葉です。
その意味するところは、「志があれば必ず成し遂げられる。決してあきらめずに、常に目標を定めていく」です。出典となっている『十八史略』東漢篇では、【志ある者は事(こと)竟(つひ)に成る】と訓読される文章になっています。
本校の校訓は「立志、探究、奉仕」であり、奇しくもその第一に、立志を挙げています。つまり志を立てる、志をもつと言うことです。志あれば、成し遂げられます。12月になり、センター試験も来月に近づいてきました。3年生は、志を高く持ち、決してあきらめずに、目標に向かって頑張ることで、必ずや希望の花を咲かせることができるはずです。がんばれ!
ちなみに、本庶佑教授は、6つのCが時代を変える研究には必要だといっています。
Curiosity(好奇心)
Courage(勇気)
Challenge(挑戦)
Confidence(確信)
Concentration(集中)
Continuation(継続)
このことは、研究に限らず、人が生きていく上で心していかなければ成らないことに思われます。何事にも好奇心を持って取り組み、勇気を持って挑戦する、そのことが生きる上での自分自身の確信となり、集中力が生まれ、継続してやっていくことで、何事かをいつしか成し得る。そう思います。なにごとにもこれらのCを追い求めることは大切ですね。
50周年記念式典
だいぶ報告が遅れましたが、10月6日(土)に、越谷コミュニティセンターで、本校の50周年記念式典を無事挙行することができました。関係した皆様に感謝申し上げます。本校卒業生で副教育長の小島康雄様、県会議員の山本正乃様、越谷市長の高橋努様をはじめ多くの来賓の皆様をお迎えし、多くの方々から、心温まるご祝辞や激励の言葉をいただきました。生徒会長も素晴らしかった。さすが北高生という感じでした。記念講演会では、何度もノーベル化学賞の候補になっている東京理科大学前学長の藤嶋昭先生から「科学を楽しく」のご講演をいただきました。生徒にとっても大変興味深い内容のご講演でした。祝賀会では吹奏楽部の演奏もあり和やかな会になりました。すべての皆様に感謝です。
式辞抜粋
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「五十にして天命を知る」という言葉がございますが、創立五十年を迎えた越谷北高校にとっての天命とは何か。それは、日本はもとより広く世界で活躍することのできる有為な人物を育成することであると考えます。そのためには、これからのグローバル社会を支える人物に求められている、高い自由度、優れたモビリティを身につけさせなければなりません。本校は、そのような人物を育成するために、全教職員が「立志」「探究」「奉仕」の校訓のもと、普遍性・柔軟性に富む思考力、判断力、表現力を身につけさせる指導を展開しております。また、近年の科学技術の加速度的な進歩によってAIでできることが日ごとに拡大し、人間の為しうる仕事は「高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野」であると言われております。それだけに、日々の教育活動をとおして、AIで代替できない能力を備えた人、すなわち、人間にのみできることを考え実行できる人物を育成することを目指しております。
こうした指導は、すなわち「高い理想と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルなリーダー」の育成にほかなりませんが、一方でそのような実践こそが、地域の学習・文化の拠点となる学校づくりの核ともなるものであると考えております。
生徒の皆さんには、母校の創立五十周年記念を祝うに当たって、創設期の先人のご苦労やご腐心に思いを馳せるとともに、地域の教育をリードしてきた越谷北高校の生徒であることに、強い「誇り」をもって欲しいと思います。自分に誇りが持てれば、志が生まれます。志があれば、人生は充実したものになります。越谷北高校生であることに、ぜひ誇りを持ち、大きな志を抱いてください。また、今、越谷北高校に学ぶ者として、自分は何を為すべきか、あらためて考える機会にしてほしいと思います。
結びに、創立以来本校の教育振興のため、ご支援ご協力を賜りました埼玉県及び越谷市、本校同窓会、PTA・後援会並びにすべての関係の皆様に、あらためて衷心より深く感謝申し上げますとともに厚く御礼申し上げます。
新たなる五十年後、百周年に向けて、教職員、生徒一体となってさらに前進することを決意いたしますとともに、今後とも皆様方の力強いご支援ご協力をお願い申し上げまして、式辞といたします。
越谷北高校で未来をつかもう
以下は、私の説明プレゼンです。
11月の言葉(日日是好日)
一日一日を味わいながら生きる。季節を感じながら生きる。
日日是好日を読んだ。作家森下典子氏の作品で、お茶の世界を通して人生を感じさせる内容である。樹木希林さんが映画でお茶の先生役を演じている。樹木希林さんの遺作となった映画である。話題となった小説だったので、私も読んでみた。すると、心が落ち着き、清々しい気持ちが心地よく広がった。この映画の撮影で使われた京都の建仁寺を修学旅行の引率の折に尋ねてみた。映画の影響か多くの人(特に外国の人)で賑わっていた。しかし、茶室の方は静かにたたずんでいました。つくばいを見ました。以外と小さかったです。
建仁寺 つくばい
人生にはいろいろなことがある。素晴らしい晴天の日ばかりではない。雨が降ったり、風が吹いたり、時には嵐だったりする。しがし、どんな日であれ、その日のことを味わい、感じながら生きることが人生には大切なことなのである。どんなことも、一方向からだけ見るのではなく、多面的に見て、本質を見ることである。気負わず、自然体で、季節と共に生きることを心掛けたい。
小説の中の一文を紹介する。
「雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。・・・どんな日も、その日を思う存分味わう。・・・そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんでいきていけるかもしれないのだ。」人生は楽しみ、味わい深いものにしたいですね。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は秋らしい趣のある素敵な書になっています。)
挑戦しよう(10月の言葉)
人生は、何も挑戦せず、無理をしなければ、何も起きず平穏に暮らせる。しかし、そこには何の進歩もないのではないか。現状維持という言葉がある、しかし、現状維持とは後退していることと同じである。日々新たに、一日一日少しでも自分を高めて行きたい。
「少(わか)くして学べば壮にして為すあり。壮にして学べば老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず。」(佐藤一斎/言志四録・三学戒)
とあるように、いくつになっても挑戦を忘れず、安易な方向に行くことを避けたい。
今回生徒の皆さんに、私の思いをぶつけてみた。この思いを、生徒の皆さんに話さなければ、きっと後悔すると思ったからである。決して自己満足ではなく、このことは自分自身に課した課題でもあった、教員生活最後に、妥協しない姿を見てもらいたかったのだ。君たちは、100年時代を生きることになる、その君たちがこれからの人生で、易きに流れてはいけないと切に感じる。失敗してもいい、楽な方に行くのではなく、迷ったら困難な方を選べと言いたい。大学受験もそうではないか。妥協することなく頑張って欲しい。
「ダメでもやってみた後悔の方が価値がある」
自分の殻を破れ(9月の言葉)
「自分の殻を破れ」という言葉には、マニュアルに従って行動するだけのつまらない人間にはなるな、という私なりの思いがあります。
人生60年も生きてくれば、「自分は自分、自分以上にも自分以下にもなれない」と悟りのような気持ちを持ちます。人と比べて無理をしても、何にも良いことはないし、何も得るものはないものです。啄木は、「友が皆我より偉く見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻と親しむ」と詠みました。友が皆我より偉く見えても仕方ないのです。自分は自分、自分以外に自分の人生を生きてくれる人はありません。自分なりに自分らしく生きる他は無いのです。これが、私の気持ちです。
しかし、高校生である皆さんには、もう一つ上の自分を目指して欲しいと思っています。既成概念にとらわれず、もう一つ上を目指して欲しいのです。自分は自分と言っておきながら、勝手な言い分と思うでしょうが、未来がある皆さんには、アグレッシブにポジティブに生きて欲しいと思います。遠慮などすることはないのです。これからの時代は、AIやIoTに代表されるような便利だけれども、それらを使いこなせないと意味を持たない世界になります。そのような世界で生き抜くために、自分はどんな人間かをしっかり示せることが大切になります。自分の殻を破り、ステップアップした自分を表現し、アウトプットできるそんな人を目指して欲しいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。いつも工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
夢が叶う(八月の言葉)
今居眠りすれば、あなたは夢をみる。今学習すれば、あなたは夢が叶う。
これは、アメリカのハーバード大学の壁に書いてある言葉だそうです。
他にも、19の教訓が書いてあるそうです。例えば、
・ 今日やるほうが、明日やるよりも何倍も良い。
・ 勉強の苦しみは一瞬のものだが、勉強しなかった苦しみは一生続く。
・ 勉強するのに足りないのは時間ではない。努力だ。
・ 過ぎ去った今日は二度と帰ってこない。
など、どれも、今を全力で生きようと思わせてくれる言葉です。
今を、我慢することで明るい未来が見えてくるということでしょうか、実は、これに似た印象深い話があります。あまりにも有名ですが「マシュマロテスト」という話です。どういう話かというと、1960年代にアメリカのスタンフォード大学で行われた「マシュマロテスト」いうものです。どういうテストかといいますと、マシュマロを4歳の子どもの前に置き、「私が部屋から出て戻るまで食べてもいいけど、我慢できたら、あとでもう一つあげるよ。」といって、部屋を出ます。そうすると、我慢できずに食べる子と、じっと我慢して待つ子とにはっきり分かれたそうです。そして、子どもたちを、以後14年に渡って追跡調査をしたら、我慢した子の方が学校でも仕事でもずっと成績が良かった。ということです。まさに、3年生は、「勉強をサボって遊びたいという欲望のマシュマロを今食べるか、我慢して今日の勉強を頑張るか、どっちを取る。」かということです。
本校の生徒は、頑張るに決まっていますが、高い希望を最後まで諦めないことが実力向上につながります。ご家庭におかれましても、お子様と同じ決意を持って見守って頂ければと思います。
学校といたしましても、全力を上げて支援に当たります。夏季休業中も全期間を通して、進学講習を実施します。生徒の皆さんにも欲望のマシュマロを食べず、我慢してこの夏を乗り切って頂きたいと思っております。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
ビジョンを描き(7月の言葉)
未来への道標という本で、数学者であり音楽家である中島さち子氏がこれからの時代に求められるものとしていっている言葉です。さらに、未来が予想できない今は、実現すべきアイディアや未来ビジョンを生み出すための「創造力」がより強く求められるようになっているといっています。そして、創造力を養うために必要なものは、スティーブ・ジョブズが、21世紀という時代に価値を生み出す最良の方法は、創造性と技術をつなぐことだといっていたように、創造力を養うために、Art(芸術)が必要といっています。やはり、そこにはリベラルアーツの重要性を感じます。一つの分野ではなく、多くの学問分野が横に繋がり、それぞれを関連づけながら創造性を高めていくことが大切です。本校の教育は、教科間の繋がりを大切にして、リベラルアーツを重要視しています。SSHで推進している教科間連携(クロスカリキュラム)はまさにそのことを実現する営みになります。
これからの時代、一人一人が自分の人生のビジョンを描き、未来をデザインする力を待たなければなりません。そのためには、創造性を身につけることが必要です。その創造性は、物事をなぜと感じる感性を身につける探究学習にあると確信します。
これからの、変化の激しい時代を乗り越えていく、そんな逞しい生徒を育てて参ります。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。保護者面談の忙しい時期でしたが、今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
6月の言葉(最高の人生)
「毎日を人生最後の日のように生きれば、間違いなく最高の人生を送れる」
この言葉は、スティーブジョブズが17歳の時に出会った言葉だそうです。それ以降、ジョブズは、毎朝鏡を覗き込んで、こう自問し続けました。“もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは、本当に自分のやりたいことだろうか?”そして、その答えがノーである日が続いたときは、何かを変えなきゃいけないんだってわかったよ。と言っています。ジョブズほどの天才でも、若かりし頃から、毎日を必死に生きていたということに感動を覚えます。後悔しないように生きるということは、大変難しいことです。でも、今日が最後の日だとしたらと考えたら、1分1秒たりとも無駄にしたくはないと思うでしょう。困難なことに出くわした時、簡単にあきらめてしまったりしたら、それは自分自身を裏切ることになるでしょう。こんな言葉もあります。私の好きな言葉ですが、「楽な方を選ばずに、楽しい方を選べ」という言葉です。言葉を変えて言えば、何事も楽しんで前向きに取り組んだ方が、生きていて楽しいよ。ということです。まだまだ先が長い高校生に、今日が人生最後の日と思えと言ってもなかなか実感できないでしょう。でも、そう思って、今後の日々を過ごした人とそうでない人とでは、そう遠くない未来で大きな差になって表れてくると思います。今を精一杯生きる、大切なことですね。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
五月の言葉(黙して)
黙してこれを識し、学びて厭わず、人を教えて倦まず 孔子
4月に行われたオリエンテーション合宿で、この言葉を生徒に話しました。黙って聞いて物事を知る。勉強に飽きることがない。人に教えて嫌になることもない。つまり「聞く→考える→教える」が学びの基本姿勢である。わかると言うことを考えた時、「わかる」とはそれを知らない人にわかりやすく説明すること、つまり教えることが出来れば本当にわかったということである。アインシュタインがこんなことを言っている「あなたの祖母に説明できない限り、本当に理解したとは言えない」と、祖母でもなんでもわかっている人がいるかも知れないので、この例えは少し失礼かも知れないが、言いたいことは、知らない人が理解出来るようにわかりやすく説明することが出来れば、そのことについて理解をしているということなのである。
人は、誰でも興味のあることにはエネルギーを注ぎ、自ら学ぼうとするわけですが、学ぶことだけではなく、学んだことやわかったことを、一つひとつ懇切丁寧に人に「教える」ことはもっと大切なことなのだと、この孔子の言葉から考えさせられます。
生徒達は、卒業した後、社会で働き、様々なことを吸収することでしょう。時が経ち、人を指導する立場になった時、「黙してこれを識(しる)し、学びて厭(いと)わず、人を教えて倦(う)まず。」という言葉を思い出して、未来を切り拓き社会に貢献する人を育てる人になってほしいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
四月の言葉(不来方の)
この詩は、夭折した石川啄木が旧制盛岡中学校の生徒のころの自身を回想した一首です。石川啄木といえば、一握の砂(いのちなき砂のかなしさよ さらさらと 握れば指のあひだより落つ 等)にあるように寂しい感じの詩が多く知られています。しかし、この詩には、十五歳の頃の、希望と夢が大きく謳われています。これから何にでもなれるという大きな夢や希望が空に吸われるという表現に表れています。十五歳という節目の年に、大きな希望と志を天高く思ってほしい。
四月、新入生が入学してくる。本校記念すべき50期生である。皆さんそれぞれが、高校生活への大きな期待を持っているはずである。その期待に応えるべく越谷北高校を育てていきたい。新入生はどうか今の気持ちを忘れず、新2年生新3年生は入学したあの時の気持ちを今一度思い出し、新たな気持ちで、新年度をスタートさせてほしい。
星雲の志を忘れることなく。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回も工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)
SSHに指定されました。
埼玉県で最初に理数科を設置した学校として長年の悲願でした。本校の今までの先生方生徒の皆さんの探究する学びの姿勢が評価されたものと思います。今後SSHを契機に本校の教育を学校全体で高めて行きたいと思います。
本校のSSHによる成長物語を以下の図に示しました。
生徒が持っている「課題発見力」という種子を健全に芽吹かせるためには、「知識・教養」という土壌が必要です。この土壌を豊かにするために、単元型教科間連携・テーマ型教科間連携といったクロスカリキュラムによってリベラルアーツの醸成を図ることを計画しています。
土壌をより豊かにするためには元肥も必要です。そこで学校設定科目の理数総合で、自然観察・科学的体験を積みます。
課題発見力の芽生えには水と追肥、そして太陽光が必要となります。水や追肥は科学的スキルを身につけるための学校設定科目を想定しました。理数探究・理数数学探究・科学英語さらにスキル習得型教科間連携を有効に活用し育てていきます。なお、太陽光は大学等外部の連携を想定しています。
初めは小さな芽生えですが、日々のアクティブ・ラーニングによって根や葉を伸ばし、互いに協働することでチーム力を身につけながら生徒たちは一本の樹木に成長していきます。
生徒たちは潜在的に持っていた探究心を知識・教養の土壌に根深く広げていきます。理数探究の中で実践する各種の研究活動を通して、「課題解決力」という幹が太く成長します。また、大学等から最先端の話題提供や研究支援という日の光を受けることで、新たな探究心という葉を広げ大きく育ちます。
3年間の高校生活の中で実施した研究成果は、多様な花として表現しました。多様な花はやがて実を結び、未来へ続く新たな課題発見力という多様な種子をつくります。これらの種子は大学・社会という次のステージで芽吹き、大きな花を咲かせていくことになります。
以上のような成長物語をSSHで実現したいと考えています。
大好きな花を育てるように(3月の言葉)
卒業の季節になりました。今月の言葉は、どこかで見かけた言葉で、素敵だなと思っていた言葉です。卒業生にも在校生にも自分を育ててほしいと思っています。大好きな花を育てるように、自分を育てる。きっと素敵な自分に育つと思います。この世の中で自分という人間はただ一人です。自分の人生を誰かに変わって歩いてもらうわけにはいきません。自分の人生は自分で責任をもって誠実に真っ直ぐに生きる他はないのです。世界でたった一人の自分を大切に大好きな花を育てるように大切に育てていってほしいと願います。
3年間学んだ学舎を巣立っていく卒業生の皆さんが、大切に自分を成長させ、日本のみならず世界の様々な分野で人々の幸福に貢献する人になってほしいと思います。本校での学びは、卒業生の皆さんに探究する心を芽生えさせたはずです。どんな分野に行こうとも探求心を忘れず、推論することを忘れないで下さい。
数学者の新井紀子氏が、書いています。
「世の中の「困ったこと」を見つけて下さい。そして、できない理由を探す前に、どうやったらその「困ったこと」を解決できるか考えてください。」
これからのAI時代を生きる生徒達に、ぜひ人間にしか出来ないことを考えていってもらいたいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回もすてきな書になっています。)
知的好奇心(如月の言葉)
気がつけば、もう2月である。3年生は、家庭研修に入り、大学受験の天王山を迎える。生徒が、自分を信じ、実力を遺憾なく発揮してくれることを期待したい。しかし、受験勉強は受験だけのものではない。勉強をすることにより、確実に賢くなっている。その受験勉強をする力の源は、ただ単に大学に受かりたいということだけではないはずである。むしろ、勉強することにより、知識が深まり、もっと知りたいという心のうずき、つまり好奇心の深まりにあるのだと思う。
つい最近、私は、「子どもは40000回質問する(あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力)」という本を読んだ。その中で、好奇心の大切さ、特に知的好奇心の大切さを感じた。これからの人生で勉強を受験勉強だけに終わらせず、知的好奇心を持って生きていくことが大切だと感じた。
なるほどと思った文を引用したい。(私なりにアレンジしてある)
「これからは、豊かな好奇心の持ち主が求められる時代になるだろう。求めているのは、決められた手順をそつなくこなして指示に従うだけでなく、それ以上の貢献ができるタイプだ。つまり、自ら学習し、問題を解決し、鋭い疑問を投げかける意欲のある人物が必要とされている。
好奇心に満ちた学習者は深く、そして広く学ぶ。専門知識と高度な判断能力を必要とする職務、例えば、金融業やソフトウエア開発といった分野の仕事に向いている。また、異なる分野の知識をつなぎ合わせて新たな知恵を生み出す創造的な活動が得意なことが多く、複数の専門分野を横断するチームで働くのにいちばん適しているのもこのタイプである。つまり、人工知能がもっとも苦手とするような仕事を担う存在だ。ホワイトカラーの職場でさえ人間の仕事が急速にテクノロジーに置き換えられつつある世界では、もはや賢いだけでは生き残れない。コンピュータは賢い。だが、どれほど高性能でも、今のところ好奇心旺盛なコンピュータは存在しない。
・好奇心のはじまりは、知りたいという心のうずきとして現れる。・・・「拡散的好奇心」
・「知的好奇心」・・・拡散的好奇心がうまく導かれ、知識と理解を求める意欲へと変われば私たちの糧となる。このように意識的に訓練をしなければ身につかない奥深い好奇心こそが「知的好奇心」である。拡散的好奇心が成長し、新しいものを求める単純な欲求が深い理解を目指す方向性のある努力へと変化した時、それを知的好奇心と呼ぶことができる。」
なるほどである。
私たちは、忘れてしまっているが、赤ちゃんの頃、自分が興味を持っていることを知りたくて指さしてそれを大人に聞くことをしていた。指さしながら、「あ~あ~、だぁ~、だぁ~」と言っていたのではないか。あるものについてもっと知りたいと思い、大人がそれについて教えてくれることを期待している。私たちは、言葉を話せるようになる前から、指を使って問いを発していたのである。
そんな、知的好奇心をいくつになっても持ち続け、なぜを考え続ける人でありたいと思う。