カテゴリ:SSH事業
【SSH】参加御礼 令和8年度北高探究フォーラム
令和8年8月3日(月)、本校特別教室棟を会場にSSHイベント「北高探究フォーラム」が実施されました。
午前の部では、本校理系部活(物理部、化学部、生物部、天文気象部)によるミニ探究講座、
午後の部としては、連携校として春日部高校(化学部)、越ヶ谷高校(科学部)にもご参加いただき、合同サイエンス教室を開催しました。
多くの小中学生、保護者にご来場いただき、ミニ探究講座、サイエンス教室を楽しんでいただきました。
ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた春日部高校、越ヶ谷高校の皆様、ありがとうございました。
当日の様子は、各団体のブログ(下のリンク)からご確認ください。
(記事がアップされ次第、リンクを追加します)
【SSH】令和8年度SSH生徒研究発表会 in神戸
こんにちは。理数科3年、化学3班です。
私たちは神戸の生徒研究発表会に参加してきました。
生徒研究発表会とは全国各地のSSH校の生徒が、それぞれの研究内容を発表するというものになっております。
1日目
会場到着後、ポスター発表に向け準備をしました。
ポスターが壁になかなか張り付かず大変でした。
2日目
一番の鬼門でした・・・が、多くの来場者に私たちの研究を届けることができました。
たくさん質問されたけれども、概ね自信をもって答えられました。前日までの練習の成果が発揮され嬉しかったです。
一方で、ポスターの見やすさや発表の引き込み方など他校のほうが上手なことも多々ありました。
これらのいいところを吸収し、これからに生かしていきたいと思いました。
3日目
最終日は特に優れた研究をしていた8つの高校のステージ発表を聞きました。
特に違うなと感じたところは、あらゆる質問を想定していざ質問が来た時にいいよどみなく言い切るまでの作りこみ、
そもそものデータの量、あとは研究期間の長さなどがあったと思います。後輩の皆さんはぜひ意識してみてください。
最後に
これで全3日間に及ぶ生徒研究発表会が終わりました。
私たちにとって大変実りの大きい会だったと思います。
後輩の皆さんは悔いのないようにベストを尽くして研究をしてみてください。
第56期越谷北高校理数科 化学3班
【SSH】令和8年度 2年理数科つくばサイエンスツアー
7月24日(金)、本校2年理数科の生徒40名が「つくばサイエンスツアー」に参加しました。
この研修は日本を代表する研究機関が立ち並ぶ茨城県つくば市を訪れ、最先端の科学技術や研究に直接触れることで、科学に対する興味・関心を深めるとともに、2学期以降の理数探究における課題発見力を養うことを目的として行われています。
当日は生徒の関心に合わせて2つのコースに分かれ、専門の研究者の方々から直接説明を受けたり、実際の研究施設や貴重な展示を間近で見学したりしました。
コース①:高エネルギー加速器研究機構(KEK)、筑波実験植物園、気象研究所
コース②:産業技術総合研究所(地質標本館・AIST-Cube)、JAXA 筑波宇宙センター
施設見学を通して、生徒たちは学校の授業だけでは得られない多くの刺激や発見を得ることができました。
生徒の感想
「巨大な研究を支える協力の力」
放射線や加速器などを扱う最先端の研究室を見学した生徒は、専門的な説明の奥深さに圧倒されつつも、「最先端の研究には膨大な費用と多くの人々の協力が不可欠であり、大規模なチームワークによって成り立っている」という科学研究の本質を肌で実感していました。
「奇跡的なタイミングでの貴重な観察」
筑波実験植物園を訪れた生徒は、開花すること自体が世界的に珍しいサトイモ科の「ショクダイオオコンニャク」が生で開花している姿を観察することができました。その独特な大きさや強烈な特徴を直に体験するとともに、数一千種もの豊かな植物群に触れ、「将来このような研究環境で働いてみたい」と強い興味を抱くきっかけとなったようです。
今回のツアーで得た知見や科学的な視点、そして研究現場の熱量を、今後の探究活動や日々の学習にしっかりと活かしていきたいと思います。
【SSH】北高探究フォーラム・サイエンス教室 申込期限延長のお知らせ(締め切りました)
8月3日に予定している北高探究フォーラム(探究講座・サイエンス教室)について、20日を参加申し込みの期限としておりましたが、定員に余裕がありますので申込期限を26日まで延長いたします。
午前中は越谷北高校の理系部活(物理部、化学部、生物部、天文気象部)によるミニ探究講座、午後は春日部高校化学部、越ヶ谷高校科学部との合同サイエンス教室になります。
詳しくは こちら 、募集ポスターは こちら からご確認ください。
科学に興味のある小中学生、自由研究で困っている小中学生の皆様、ぜひご参加ご検討ください。
(7月26日で申込は締め切りました)
【SSH】7月19日公開講座(羽生水郷公園)
令和8年7月19日(日)、羽生水郷公園(宝蔵寺沼ムジナモ自生地、さいたま水族館)でフィールドワークの公開講座を実施しました。
前日にはかなりの雨が降ったようで、水位が高い状況でしたが、問題なく観察をすることができました。
今回は高校生5名、教員等5名の10名が参加しました。
ムジナモは、モウセンゴケ科の水生植物で、水中でミジンコなどの動物プランクトンを捕食する食虫植物です。
プランクトンを捕らえる捕虫嚢(ほちゅうのう)の形がタヌキの尾のようであることから命名されました。
(タヌキモという名前は既に使われていたため、アナグマやタヌキを指す「ムジナ」を冠することになりました)
当地(羽生市三田ヶ谷)では大正10年(1921年)に発見され、希少なムジナモの自生地として昭和41年に天然記念物に指定されました。
今回は、羽生市に許可をいただき、自生地内(立ち入り禁止です)での観察をさせていただくことになりました。
さいたま水族館正面の休憩舎に集合しました。
公園のマップを見ながら、自生地の位置を確認しています。
池沼まわりの観察になりますので、動物分野(昆虫類)としてはトンボ類がたくさん見られることを期待しています。
さっそく見つけました。
望遠撮影をトリミングしたのでピンボケですが、キイトトンボ(イトトンボ科)です。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧ですが、かなりの数が見られました。
当地では初めて見ましたが、後で水族館の方にお聞きしたところ、今年初めて現れたとのことです。
今年は、秩父でもこれまでいなかった場所で多数見られましたので、当たり年なのかもしれません。
自生地内に入りました。
もともとムジナモが生息していた掘り上げ田の環境を維持するため、保全会の方々が水路の土を掘って土を上げているそうです。
モノサシトンボ(モノサシトンボ科)がいました。
長い脚の脛節が白くて、白い靴下を履いているようでかわいいトンボです。
チョウトンボ(トンボ科)です。チョウのようにひらひらと飛ぶトンボです。
翅が陽光を浴びてダークブルーに輝いて、とても美しいです。
今回トンボ類は、シオカラトンボ、ハグロトンボ、キイトトンボ、オオアオイトトンボ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、モノサシトンボ、オオシオカラトンボ、アジアイトトンボ、クロイトトンボ、アオモンイトトンボ、コシアキトンボの12種を観察することができました。
写真ではちょっと分かりづらいですが、ムジナモはとても個体数が多いです。
保全に関わる方々の長年の努力の成果です。
花期には少し早く、花を見ることはできませんでした。
イヌタヌキモ(タヌキモ科)は花が咲いていました。
環境省レッドデータ準絶滅危惧、埼玉県レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類です。
ムジナモと同じ水生食虫植物で姿も名前も似ていますが、ムジナモはナデシコ目モウセンゴケ科で、タヌキモ類はシソ目タヌキモ科と分類上は近縁ではありません。
似た環境に適応した収れん進化なのかもしれません。
自生地を出て、水族館奥側のビオトープを観察しました。
水路とはつながっておらず、雨水のみで池になっています。
ここでは、3種類のヤナギ(アカメヤナギ、タチヤナギ、カワヤナギ)の違いを観察しました。
アサマイチモンジ(タテハチョウ科)がいました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
ひとつ前の版(2008年版)では絶滅危惧ⅠA類でしたが、わりと普通に見られるようになりランクダウンしました。
幼虫は主にスイカズラ(スイカズラ科)の葉を食べます。
水族館の学芸員の荒井様にビオトープのハイイロゲンゴロウを見せていただきました。
ハイイロゲンゴロウ(ゲンゴロウ科)です。
ゲンゴロウの仲間は特徴的な匂いがありますが、捕まえてかいでみないと分からないですね。
雌雄の見分け方などお話を伺うことができました。
後半は水族館の館内見学をしました。(館内は一般の方も多かったため、写真の掲載は控えます)
学芸員の方のご厚意で、バックヤード見学をさせていただきました。
普段は見ることのできない水族館の裏側を見ることができました。
系統保存のため飼育繁殖されているムサシトミヨ(トゲウオ科)です。
同じく系統保存されているミヤコタナゴ(タナゴ科)です。
ミヤコタナゴは埼玉県では野生絶滅の状態です。
これらの希少種の系統保存がどのようになされているのかや、水生昆虫の飼育などについても色々と見せていただき、お話を聞くことができました。
餌やり管理の様子も見せていただきました。
水族館内で流れ解散としましたので、閉会行事は行いませんでした。
ムジナモ、ムサシトミヨ、ミヤコタナゴの他、様々な希少な水生生物がどのように保全されているかを学ぶことができました。
参加した生徒達の、今後の研究の参考になったことと思います。
次回の公開講座は10月25日(日)、長瀞町で実施します。
近くなりましたら、参加申し込みフォームをアップしますので、ご興味のある方はご参加ご検討ください。
【SSH】理数科1年野外実習②
7月17日に始まった一年生理数科野外実習の2日目となりました。
2日目は伊豆大島にある磯の観察から行われました。大島には溶岩で形成された複雑な形状の磯があり、ナマコやカニなどにとって棲みやすい環境となっています。今年は潮の高さが上振れ、観察できる時間、範囲ともに狭まる形となりましたが、互いに持ち寄った道具や見つけた情報を共有して観察を進め、限られた状況の中で磯の生物に触れることができました。
次に、地層の大切断面の観察を行いました。大量の軽石や火山灰が降り積もってできたこのミルフィーユ状の地形は、大島で起こった噴火の規模の大きさとその回数を物語っています。大島の歴史を象徴するこの地形には興味が尽きませんでした。
最後に、大島にある「ジオノス」という博物館にて活動を行いました。この博物館には、伊豆大島の地形や植生の様子、そしてそれを活用して生活してきた島民たちのくらしの様子などが展示されています。観察を行った三原山や地層の大切断面についての詳しい情報も展示されていて、観察で生じた疑問を解決したり、より深く理解することができたと思います。
2日目は、この島において火山の活動が、山の付近だけでなく磯や地下の地形、人々の生活に至るまで多大な影響をもたらしていることを感じることができました。
【SSH】理数科1年 野外実習①
7/18に理数科待望の一泊二日伊豆大島野外学習が始まりました。伊豆大島というのは、伊豆諸島の中で最大の島であり、東京都に属しています。島であるのに加え、火山噴火が活発であるため、生えている植物が変化していく遷移を見ることができます。本州から伊豆大島へ行く方法は、飛行機もありますが、今回はフェリーで行きました。船が島に近づくにつれ姿が見えてきたときはとても胸か弾みました。
一日目は、伊豆大島と深い関わりのある三原山に登りました。登山道があるものの、坂道であったり、噴出された岩石がゴロゴロ転がっていたりするため、目的の火口までの道のりは厳しいものになりました。そして、同じ三原山の岩石といっても、時代や場所、冷やされ方によって色や形が異なります。比べてみるのも面白いです。形が自分の拳より大きいのに、スポンジぐらいの重さしかない石には驚きました……!
この写真には火山噴火でできた岩石が、とある有名な生物?のようになっているのですが、おわかりいただけたでしょうか。敢えて名前は伏せさせていただきます。
火口到着!
どうやら、火口は底を覗こうとしても見えないほどに深いです。しかし、周辺の岩石が火口に崩れ落ちるので、底は少しずつ浅くなっているそうです。ちなみに、三原山の名所説明パネルの文字は、ところどころかすれています。それは火山噴出物が看板に当たり削れたり、火山ガスの影響をうけたりするからです。設置しても早いうちに、年季が入ってしまうようです。
三原山では登山の他に、植生調査を行いました。植生調査とは簡単に説明すると、調査する区画を決め、そこにある植物の様子を観察し記録することです。本州で見られる植物もあれば、島の環境に適応して進化したものもありました。
夜は学習会で、それぞれの班が生物・地学で疑問に思ったことに対し、どのようにしたら答えが見つかるのかをまとめ発表しました。
そして、夜は都会とは違った空を天体観測……の予定だったのですが、あいにくの曇りで星を見ることができませんでした。
一日目の出来事は、このような感じでした。伊豆大島は火山活動によってできた島です。それにより、生物たちにもたらされたものが沢山あるということをこの野外学習で、学ぶことができました。その恩恵が何であるかは、是非この文を読んでいるあなたの目で確認していただきたいです!
【SSH】北高探究フォーラム 告知ポスター
来る8月3日(月)に予定している北高探究フォーラムの告知ポスターが完成しました!
期末テストもある中で、生徒が作成した力作です。
印刷用pdfファイルは こちら からダウンロード可能です。
興味を持っていただけたら、こちら からお申し込みください!
【SSH】北高探究フォーラムの申し込みを開始しました!
来る令和8年8月3日(月)、SSH事業として「北高探究フォーラム」を開催します。
北高探究フォーラムでは、高校生が小中学生に向けて探究に関する体験講座、科学教室ブースでのワークショップを通じて、未来の科学者である小中学生に科学や探究について学んでもらう行事です。
午前はミニ探究講座として、越谷北高校の物理部・化学部・生物部・天文気象部によるミニ探究講座を実施します。
午後は、春日部高校化学部、越ヶ谷高校科学部にも参加していただき、合同サイエンス教室を開催します。
また、自由研究などの小中学生による探究活動に関する相談ブースも設ける予定です。
サイエンスに興味がある小中学生の皆様、ぜひご参加ください。
小中学生のみなさんへ
科学(かがく)にきょうみがある、おもしろそう、
自由研究(じゆうけんきゅう)でこまっていることがある、
そんな みなさん をおまちしています。
科学(かがく)が好きな高校生(こうこうせい)たちがやさしく、たのしくおしえてくれます。
ぜひ、さんかしてください!
詳しくは、特設ページ こちら をご覧いただき、参加ご希望の方はお申し込みください。
※午前の部(探究講座)については、定員がありますので、希望の分野を第二希望までお申し込みください。
※小学生の方は、保護者の方の同伴が必須です。兄弟など、おひとりの保護者で複数の児童をお連れいただいてもかまいません。
※午前の部、午後の部いずれかのご参加も可能です。
【SSH】第3回公開講座(7月19日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第3回(羽生水郷公園周辺)を7月19日に実施します。
当日は10:40にさいたま水族館正面休憩舎(水族館の入り口の正面にある休憩スペースです)に集合、公園内の水辺やムジナモ自生地(予定)で動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URL)からお申し込みください。
https://forms.gle/XD6nQyWD2kaRdzdL7
※今年度より参加申し込み期限が早まっています(20日前)。期限を過ぎての申込はお受けできませんのでご注意ください。今回は6月29日が申込期限となります。
【SSH】6月21日公開講座(行田駅周辺)
令和8年6月21日(日)、行田駅周辺(行田市~熊谷市荒川河川敷)でフィールドワークの公開講座を実施しました。
ずっと雨予報だったので中止もやむなしかと思っていましたが、直前になって朝には雨が上がるという予報になりましたので、実施となりました。
今回は、高校生9名、教員3名の12名が参加しました。
行田駅に集合して、荒川河川敷を目指しました。
駅前には、イヌサフラン(イヌサフラン科)が咲いていました。
ニラやギョウジャニンニクと間違われ、中毒事故が多発している有毒植物です。
毒成分として含まれるコルヒチンは微小管の重合を妨げる作用があり、生物学を学ぶヒトにはおなじみかもしれません。
ヨモギ(キク科)に、アオバネサルハムシ(ハムシ科)がついていました。
朝までわりとしっかり雨が降っていたので、昆虫はあまり活動していないかもと危惧していましたが、杞憂だったようです。
市街地にも、生物を題材にした探究のタネはあります。
アスファルトの境目によく生えている「ねこじゃらし」ですが、エノコログサ(イネ科)、オオエノコロ(イネ科)などが混在していました。
夏にはかなりの高温になるところでも生えているので、耐暑性が高いのでしょう。
いわゆる「ねこじゃらし」は、エノコログサ、オオエノコロ、アキノエノコログサなど複数種が見られますが、耐暑性に差はあるのでしょうか。
荒川の手前に、元荒川が流れています。
ここの最上流は熊谷市内の湧水で、ムサシトミヨ(トゲウオ科)が生息するくらいの水質なのですが、このあたりまで下ってくると排水の流入の影響がかなりあるようです。
辛うじて、ミクリ(ガマ科)や(写っていませんが)マコモ(イネ科)などの抽水植物が見られました。
河川敷に生えているウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)に、ホソオチョウ(アゲハチョウ科)の幼虫がついていました。
朝鮮半島が原産と考えられている外来種です。
実は、この場所は2015年に私(中川)が熊谷市でのホソオチョウ初記録として報告をした場所でした。(埼玉昆虫談話会, 『寄せ蛾記』158号, p8, 2015年9月発行)
10年経って、複数の幼虫が見つかってしまいましたので、定着してしまっているということになります。
逆に、10年前は見られた在来のジャコウアゲハ(アゲハチョウ科、幼虫はホソオチョウと同じウマノスズクサを食べる)は一匹も見られませんでした。
タイミング的には、今年第2化の成虫が見られてもよい時期になっているのですが、もしかしたらホソオチョウの定着によって餌を同じくするジャコウアゲハが減少しているのかもしれません。
堤防上の道路は自転車が猛スピードで行きかっているので、注意して観察します。
ヒメイワダレソウ(クマツヅラ科)がありました。
グラウンドカバー(雑草対策として土地を覆う植物)としてよく使われていますが、野外に逸出してしまうと、強力な繁殖力で定着してしまいます。
根絶が難しく、外来種と言ってもよいと思います。
堤防上から河道を眺めます。
荒川本流は遠く、見えません。かなり広大な河川敷です。
ちなみに、行田駅前は行田市なのですが、元荒川を超えると熊谷市久下(くげ)になります。
ここ(河川敷)には、かつて水運、養蚕で栄えた集落(新川村)があったのですが、流通の近代化や、化繊の普及によって養蚕業が下火になると、水害に追われるように村民が去っていき、昭和47年頃に廃村となりました。
60年程前までは人が暮らし、農作業も行われていたのですが、今は住む人はなく通いで農作業をされているようです。
人々が去ったことで、生態系はどのような影響を受けたのでしょうか。今ではどのような生き物が見られるのでしょうか。
フィールドワークを通じて、ヒトの生活と生態系の関係についても考えてみたいですね。
水田(おそらくコムギ)の脇にブタクサ(キク科)が生えていました。
河川敷に広く広がっていたオオブタクサと同属の外来植物です。
ブタクサは明治期に侵入し、昭和初期には定着していたと言われていますので、新川村があったころに侵入、定着していたのかもしれません。
水路わきにツマミタケ(アカカゴタケ科)が見つかりました。
現地では和名が分からず、キツネノエフデ?としていました。
モウソウチク(イネ科)、マダケ(イネ科)の竹林は管理されていないために過密に生えており、檻のようです。
ここでは、地表徘徊性のゴミムシの仲間がたくさん見られました。
参加者が声を上げたと思ったら、キヌガサタケ(スッポンタケ科)でした。
マントの広がりが見事な個体です。
群生するとされるため他個体を探しましたが見つかりませんでした。
ギンツバメ(ツバメガ科)
マドガガンボ(ガガンボ科)なかなかの大きさで参加者も驚きです。
スカシトガリノメイガ(ツトガ科)でしょうか。
ハルシャギク(キク科)です。これも外来植物です。
イヌスギナを見つけました。
水田まわりでよく見つける、スギナ(つくし)の仲間です。
スギナと異なり、胞子葉も緑で葉をもつため、変なツクシがある!と言われることがあります。
水田にはシャジクモ類が見られました。
かつて水田やため池にふつうに見られましたが、農薬使用の普及によって激減しています。
ため池か水路か分かりませんが、水田のわきの水場です。
ここではイチョウウキゴケ(ウキゴケ科)が見られました。
環境省レッドデータ、埼玉県レッドデータともに準絶滅危惧(NT)です。
最後に、元荒川沿いのサクラでクビアカツヤカミキリの調査・駆除採集を行いました。
サクラやウメなどのバラ科樹木を食害する特定外来生物です。
ここで駆除採集した個体は、生物部の研究のための標本となるようです。
短時間で、たくさん駆除することができました。
駅前に戻り閉会行事をしました。
(写真は解散直後のものです。)
参加者の感想(抜粋)
・河川敷と言うことで、地表徘徊性の昆虫がたくさんとれてよかった。
・同じように見える種の見分け方を教わることができたので、実践したい。
・里山で、普段見ている生物と違う生物が見られて面白かった。
・クビアカツヤカミキリの被害が進んでいることを実感した。
・植物から昆虫まで、いろいろな生物について教えてもらうことができた。
・普段は素通りしてしまっているような生物も名前があり、知ることができて良かった。これから自分でも見ていきたい。
・ニュースなどで見ていたクビアカツヤカミキリを実際に見て、本当にいるのかと実感することができた。
・田んぼのまわりなど、普段は素通りしているところに意外と様々な生物がいることが分かったので、これから見ていきたい。
前回は、申込期限が早く1年生は参加していなかったため、今回が実質的には今年度最初のフィールドワーク講座ということになりました。
はじめてのフィールドワークで、教えてもらって見分けられるようになったと思ったかもしれませんが、植物も昆虫も個体差があり、特徴も分かりにくいものもあり、見極める「目」ができていないとわかったつもりでも難しいものです。
今後も、自分で身の回りの動植物を観察するだけでなく、同様の機会を利用して経験を積んでいってほしいものです。
次回の公開講座は、7月19日(日)、さいたま水郷公園を予定しています。
申し込みフォームについては、すぐにアップしますので、興味のある方はご参加ご検討ください。
【SSH】令和8年度SSH生徒研究発表会
6月18日(木)越谷サンシティで『令和8年度 SSH生徒研究発表会』を実施しました。
理系部活動からは物理部が発表を行い、理数科2年生は生物分野と地学分野、理数科3年生は、英語で数学分野・化学分野・物理分野の発表を行いました。
【物理部】
拡散の温度依存性について
【理数科2年】
生物 「時間経過に伴う固有周波数の変化を利用した野菜の状態評価について」
地学 「透水層埋設工法による効率的な排水方法の実証」
【理数科3年】
物理 「床発電の効率化について」
Improvement of floor power generation
化学 「石鹸水によるゴムの軟化劣化について」
The effect of soap on rubber softening
数学 「K-ナッチ数列の特性方程式の解を用いない一般項の記述について」
Description of the explicit formula without using the solution of the characteristic equation of the K-Nacci sequence
各班の発表後、10分間の質疑応答が設けられ、質問しきることができないほど多くの質問がでてきました。
閉会式では、SSH運営指導委員の先生方から講評をいただきました。
この発表会で各研究は一区切りとなります。この経験を活かして次の研究にも取り組んでいきましょう!
【SSH】令和8年度越谷北高校SSH生徒研究発表会について
令和8年6月18日(木)、越谷サンシティ大ホールにて本校SSHで取り組んだ探究活動に関する生徒研究発表会を開催いたします。
本校在校生の保護者、教育関係者(中学高校教員等)、一般向けに公開いたしますので、ぜひご参加ください。
なお、本校在校生の保護者につきましては事前申し込みは必要ありません。
当日会場へお越しください。
教育関係者、一般の方々は、本校HPの参加申し込みフォームよりお申し込みください。
取りまとめの都合上、16日(火)までにお願いいたします。
当日の日程は以下の通りです。
令和8年6月18日(木) 於:越谷サンシティ大ホール
9:00~ 9:40 受付
9:45~ 9:50 開会式
9:50~10:50 第1部(理系部活、2年理数科)
11:00~12:00 第2部(3年理数科)
12:00~12:30 閉会式 指導講評
【SSH】第2回公開講座(6月21日)参加申込フォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第2回(行田駅周辺)を6月21日に実施します。
当日は8:50に行田駅西口に集合、市街地を抜けて荒川河川敷で動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URL)からお申し込みください。
https://forms.gle/YkjgrKHnA5CH14Dc8
※今年度より参加申し込み期限が早まっています(20日前)。期限を過ぎての申込はお受けできませんのでご注意ください。今回は6月1日が申込期限となります。
【SSH】5月3日公開講座(久喜市南栗橋駅周辺)
令和8年5月3日(日)、久喜市南栗橋駅周辺でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今年の公開講座のテーマは「湿地帯の動植物」です。
第1回は南栗橋駅に集合して、久喜市内池、中川河川敷、幸手市高須賀池をまわりました。
ときどき晴れ間がのぞく曇りで、絶好のフィールドワーク日和となりました。
今回は、高校生6名、教員3名の9名が参加しました。
高須賀池のハンノキです。今回は風景写真の記録を忘れていました。
駅前ロータリーでもたくさんの植物の観察をできます。
ツメクサ(ナデシコ科)、クスダマツメクサ(マメ科)、オッタチカタバミ(カタバミ科)、エノコログサ(イネ科)、スズメノチャヒキ(イネ科)、ユウゲショウ(アカバナ科)、ナガミヒナゲシ(ケシ科)、ネバリノミノツヅリ(ナデシコ科)、スズメノエンドウ(マメ科)、アカメガシワ(トウダイグサ科)などざっと調べただけでも両手に収まらないくらいです。
俗に「路傍100種」とも言われ、身近なところで100種を覚えるまで頑張れば、生物を見る「目」ができてきます。
「目」ができると、たとえば魚ならばヒレを見るだけである程度種類が分かるようになります。
それまでは、根気強く図鑑(ハンドブック)を引いたり、教えてくれる先生(先輩でもよいけれど)にしつこく聞いたりして覚えていくしかありません。
ヤセウツボ(ハマウツボ科)が咲いていました。
外来の寄生植物です。地上部には花しか出ず、種は発芽すると他の植物の根に寄生して栄養を奪い、地下で球状の体が成長し、春になると地上に花茎を伸ばします。
マメ科やキク科など広く寄生しますが、この個体はスズメノエンドウに寄生しているようでした。
街路樹にキマダラカメムシ(カメムシ科)がいました。
樹皮に紛れて見つけにくくなってしまっていますが、分かりましたか?
江戸時代に長崎の出島から侵入した外来昆虫です。
以前は西日本までしか見られませんでしたが、ここ10年程でいっきに分布を拡大し、埼玉県でもふつうに見られるようになりました。
ピンボケですが・・・ナガミヒナゲシ?(ケシ科)です。
ナガミヒナゲシは、ケシ科の外来植物です。
春にオレンジ色のキレイな花を咲かせますが、日本各地に広がってしまっています。
茎をちぎると黄色い汁がにじみ出てきます。
最近、この汁が肌につくとかぶれるとして、「危険な毒草である」というセンセーショナルな報道をされてしまっていますが、よほど肌が敏感なヒトでない限りひどくかぶれることはありません。
道端などでは優占しがちな外来植物なので、駆除するに越したことはありませんので、警告したい気持ちは分からなくはないのですが、事実を過剰に盛ってしまうのはどうかと思います。
なお、「?」をつけたのは、ナガミヒナゲシには汁が黄色いタイプと白いタイプがあり、写真の個体は白い汁が出るタイプのためです。
白い汁が出るタイプを学名Papaver dubium dubium、黄色い汁が出るタイプを学名Papaver dubium lecoqiiとする情報もあり、今のところどちらもナガミヒナゲシと呼ばれていますが、論文によっては別種としているものもあるので、よくわかりません。
いずれも身近に見られるものなので、探究対象として面白そうです。
用水沿いの桜並木を観察しました。
サクラ(おそらくソメイヨシノ)には、サクラを食害する特定外来生物のカミキリムシであるクビアカツヤカミキリ(カミキリムシ科)のフラス(幼虫の糞と木屑が混じったもの)が見られるものもかなりありました。
6月には成虫が出てくるかもしれません。
ちょっと見にくいですが、マガリケムシヒキ(ムシヒキアブ科)がいました。
他の昆虫を狩る肉食のアブです。
菜の花(セイヨウカラシナ?)に「うどんげの花」がついていました。
クサカゲロウの仲間の卵です。
アリなどによる捕食を避けるため(と言われています)長い柄をつけて産み付けられています。
カタオカハエトリ(ハエトリグモ科)のオスがいました。
カラフルでかっこいいハエトリグモです。
ハエトリグモは種類も多く、行動も面白いので探究の対象として良いと思います。
シロスジヒゲナガハナバチ(ミツバチ科)がいました。
2匹がくっついていて、1匹(右のほう)が近くに止まっています。
一見するとペアのようですが、3匹ともオス(触角が長い)のようです。
松(これはクロマツでしょうか)の花を観察します。
雄花、雌花はどこにあるでしょうか?
中川の河川敷で、白い花をつけるユウゲショウ(アカバナ科)を見つけました。
これは環境変異でしょうか?
ケヤキの葉上にはヤノナミガタチビタマムシ(タマムシ科)がたくさんいました。
小さくて目立たないムシですが、これでもタマムシの仲間です。
チビタマムシの仲間は種類も多く、調べると面白そうです。
クロハネシロヒゲナガ(ヒゲナガガ科)がいました。
春によく見かける触角の長い蛾なのですが、触角が長すぎて飛び方が独特で、ぱっと見では蛾の仲間とは思えないかもしれません。
触角が長いのはオスで、メスは短め(それでも長いですが)です。
ヒゲナガつながりではないですが、道端にヒゲナガスズメノチャヒキ(イネ科)が咲いていました。
ヨーロッパ原産の外来種です。
昼休憩のあと、高須賀池公園で池の周りを観察します。
シダレヤナギ(ヤナギ科)です。
ヤナギと言えばこれ、というイメージの強い種で、川や池のまわりによく植栽されていますが、中国原産です。
池にはミシシッピアカミミガメ(ヌマガメ科)がたくさんいました。
写真は(小さくて見にくいかもですが)子亀(ミドリガメと呼ばれます)です。
雑食で何でも食べるため、在来種を減らしてしまいます。
どのような対策ができるでしょうか。
イヌマキ(マキ科)にはマミジロハエトリ(ハエトリグモ科)が。
これもオスです。かっこいいですね。
白い眉でマミジロでしょうか。
キジ(キジ科)が鳴いていました。
在来種ではあるのですが、狩猟のため放鳥されており、遺伝的にもかなりのかく乱を受けてしまっています。
よく見かける鳥ですし、高校生でも行動調査ならできるかもしれません。
ギシギシにコガタルリハムシ(ハムシ科)が大発生していました。
この増え方は異常では?
道端にシラホシムグラ(アカネ科)をたびたび見かけました。
ヤエムグラにそっくりですが、花が白いです。
この、白い小さな花がたくさん咲いていると確かに星空のようです。
南栗橋駅前に戻って、日陰で閉会行事です。
参加者の感想(抜粋)
・今回はたくさん歩いて疲れました。
・よく似ている種類の植物の見分け方を知ることができた。
・植物についた寄生痕(今回、キクスイカミキリに産卵されたヨモギも観察しました)を初めて見ることができて面白かった。
・これまで雑草としか思っていなかった植物にも名前がちゃんとあることが分かった。
・ヤセウツボが面白かった。種子を採集して発芽実験をやってみたい。この時期はあまり出歩かないので、いつもは見ない花をみることができた。(教員)
・今回は150種くらいの植物を観察できた。マメ科、キク科が多かった印象がある。(教員)
・身近にあってよく見ている植物でも、知らないことがたくさんあって新たに知ることがあり面白かった。(教員)
今回は初回と言うことで、市街地から池、河川敷の動植物観察をしました。
観察したフィールドは、中川の氾濫原といってよい場所であり、駅前から湿地の植物が見られました。
埼玉県の東部を流れる中川は、江戸時代の利根川東遷事業が行われる前は利根川の流路でした。
現在は、埼玉の北側を東に流れ茨城県神栖市と千葉県銚子の境で太平洋にそそぐ利根川ですが、江戸時代の初め頃までは埼玉県の東部を南に向かって流れ、江戸湾(東京湾)に注いでいました。
徳川幕府は、治水、利水(水運)のために利根川の流路を東に変え、渡良瀬川、常陸川につなげて現在の利根川の流路に変えました。
中川は昔の利根川の流路にあたるのですが、今回観察した内池や高須賀池はそれらが氾濫したことによってできたとされ、周辺も古くは広い湿地だったはずです。
湿地を乾燥化させたり、埋め立てたりして市街化しても、古い湿地の植物が残っているのは興味深いですね。
土地の歴史と動植物の生態を関連させて探究しても面白そうです。
次回は、6月21日(日)に行田駅周辺で、荒川河川敷の動植物観察を予定しています。
近く申し込みフォームをアップしますので、興味のある方はご参加ご検討ください。
なお、今年から申込期限が実施日の20日前となっておりますので、お早めにお申し込みください。
【SSH】令和8年度公開講座「高校生と教員の動植物研修」のお知らせ
今年度も、越谷北高校では地域との連携及び学校開放のため公開講座「高校生と教員の動植物研修」を実施します。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
次の全6回を予定しています。各回ごとに参加申し込みを受け付けます。
なお、今年度から申し込み締め切りを実施日の20日前までとしますのでご注意ください。
①5月3日(日) 幸手市内池・高須賀池周辺 (南栗橋駅西口8:50集合)
②6月21日(日) 行田市荒川河川敷 (JR行田駅西口8:50集合)
③7月19日(日) 羽生水郷公園周辺 (さいたま水族館正面休憩舎前10:40集合)
④10月25日(日) 長瀞町蓬莱島周辺 (秩父鉄道野上駅改札前8:50集合)
⑤11月14日(土) さいたま市末田須賀堰周辺 (朝日バス巻の上停留所前8:50集合)
⑥3月27日(土) さいたま市岩槻文化公園周辺 (岩槻文化公園体育館前8:50集合)
野外での動植物観察に興味がある高校生、教員(校種は問いません)は、 こちら をご覧いただきお申し込みください。
第1回(5月3日)のお申し込みは、申込専用フォーム(下URL)へお願いします。
【SSH】3月28日公開講座(さいたま市田島ヶ原周辺)
3月28日(土)さいたま市田島ヶ原でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今年の公開講座は「荒川河川敷」をテーマに、中上流域では秩父市武州中川から、深谷市武川、熊谷市大麻生と観察をしてきました。(長瀞町、行田市は雨天のため中止になってしまいました)
今年度最後のフィールドワークは、下流域ということでさいたま市桜区の田島ヶ原周辺で中上流域との違いを見ながら動植物観察をしました。
当初は天候が危ぶまれましたが、未明まで雨が残りましたが気温も上がり絶好のフィールドワーク日和となりました。
今回は高校生15名、卒業生2名、教員1名が参加しました。
さくら草公園に集合し、まずは田島ヶ原サクラソウ自生地を観察します。
田島ヶ原サクラソウ自生地は、数少ない埼玉県の花サクラソウの自生地であり、国の特別天然記念物に指定されています。
保全地はヨシ(イネ科)が生える湿地であり、夏には背丈を超えるほどのヨシ原になっています。
生態系保護のため、毎年1月頃に野焼きをして地上部の枯れたヨシを焼き払い、早春にはヨシより早く葉を展開する様々な湿地の希少な植物を観察することができます。
サクラソウも、そのような希少な植物の一つです。
フィールドの観察では、様々な視点を持つことが大事です。
生物個体を見る、個体群を見る、生物群集を見る、生態系全体を俯瞰するなど・・・。
ミクロな視点とマクロな視点で自然を観察することで見えてくるものが変わってきます。
保護地を広く見ると、黄色い花をつけたノウルシ(トウダイグサ科・環境省NT準絶滅危惧、埼玉県NT準絶滅危惧)が目立ちますが、群落ごとに見ると生え方、花期、葉の色など微妙に違いがあるように見えます。
これは、遺伝的な要因でしょうか。それとも環境変異?
足元に目を移すと(保護地の外です)、カタツムリやナメクジが見られました。
ヤマナメクジ(ナメクジ科)が交尾していました。
ナメクジは雌雄同体で、互いに精子を交換し受精させます。
名前のとおり、山地で見られるナメクジですが、平野部でも森林で見られることがあります。
隣接する秋ヶ瀬公園の雑木林から来たのでしょうか。
枯れ木にはヒダリマキマイマイ(オナジマイマイ科)が二匹ついていました。
殻の巻きが他のカタツムリ(右巻き)と逆のためヒダリマキマイマイと呼ばれます。
朽木の根元にヒメマイマイカブリ(マイマイカブリ関東亜種、オサムシ科)がいました。
越冬していたようです。
保護地の歩道に入り観察をします。
講師から積極的に説明するというよりも、参加者に「分からないこと」を見いだして質問をしてもらうようにしています。
ここで見られた植物を紹介します。
サクラソウ(サクラソウ科、環境省NT準絶滅危惧、埼玉県VU絶滅危惧Ⅱ類)はたくさん咲いていました。
アマナ(ユリ科、埼玉県NT準絶滅危惧)もたくさん見られました。
すでに花が終わり実になっている株もありました。
一部にヒロハノアマナ(ユリ科、環境省VU絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県EN絶滅危惧ⅠB類)も咲いていますが、どうも植えられたもののようです。
ジロボウエンゴサク(ケシ科、埼玉県NT準絶滅危惧)もちらほら咲いていました。
ジロボウ(次郎坊)は太郎坊(スミレ)に対して近畿地方で呼ばれていた呼び名に由来するそうです。
シロバナタンポポ(キク科)もちらほら見られました。
外来のセイヨウタンポポは一年中花をつけますが、在来タンポポの多くは春のみ咲きます。
西日本では黄色い花をつけるものよりもシロバナタンポポの方が多いため、タンポポと言えば白い花というイメージの地域もあるそうです。
光沢のある黄色い花を咲かせているのはヒキノカサ(キンポウゲ科、環境省VU絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県CR絶滅危惧ⅠA類)でした。
埼玉県内では、田島ヶ原を含む2か所でしか確認されていない希少種です。
ヒロハハナヤスリ(ハナヤスリ科、埼玉県VU絶滅危惧Ⅱ類)は、シダ植物の一種です。
胞子葉を伸ばしはじめているところでした。
夏には枯れ、翌年の野焼き後にまた地下茎から葉を出す多年草のシダです。
春の花としておなじみのスミレも何種類か見られました。
ツボスミレ(スミレ科)
アリアケスミレ(スミレ科)
ピンボケですが、ノジスミレ(スミレ科)
他にも、タチツボスミレなどが見られました。
春はいろいろなところでスミレを探して歩くのも楽しそうです。
保護地を出て、公園のすみの植え込みや草地を観察しました。
足元からも何種類もの植物が見つかります。
もう少し暖かくなってくれば、ゴミムシなどの徘徊性昆虫も見つけられるようになるでしょう。
参加者の一人が、エノキ(アサ科)の枝にアカボシゴマダラ中国産亜種(タテハチョウ科、特定外来生物)の幼虫を見つけました。
冬の間は根元の葉裏で越冬していますが、暖かくなってきてエノキに登って枝の又に落ち着いているようです。
見事な擬態で、よく見ないと見つけることができません。
他の参加者も探して、何頭か見つけ出しました。
安定して生息しているようです。
午後は公園を出て、河川敷を観察することにしました。
水の近くまで移動してきましたが、タチヤナギ(ヤナギ科)などのヤナギ類、スイカズラ(スイカズラ科)、ガガイモ(キョウチクトウ科)など在来種は少なく、外来の植物がとても多いです。
現状として外来種だらけの河川敷の環境に、私たちはどのように向き合うべきなのでしょうか。
水鳥も少しだけ見ることができました。
遠いので、証拠写真程度ですが・・・
カンムリカイツブリ(カイツブリ科、埼玉県VU絶滅危惧Ⅱ類)です。
他に、オオバン(クイナ科、埼玉県NT1準絶滅危惧)、カイツブリ(カイツブリ科)も少し見ることができました。
少し狭いですが、河原で閉会行事をしました。
参加者の感想(抜粋)
・普段では見られないような様々な希少な植物を見ることができて面白かった。いろいろなレベルの多様性を見ることができた。
・久しぶりに参加したが、自然を見る目の感覚を取り戻すことができた。(卒業生)
・生物多様性の3つの階層(生態系多様性、種の多様性、遺伝的多様性)を意識して観察をすることができた。マクロな視点、ミクロな視点といろいろな視点で観察をするのが楽しかった。
・保護されているところでは様々な在来の希少種が見られたが、河川敷では外来種ばかりで、どうしたらいいかを考えなければならないと思った。
・見たことのある植物でも、芽生えだと様子が違っていて見分けるのが難しく、面白かった。
・これまでさくら草公園には来たことはあったが、上ばかり(桜)見ていて足元を見ていなかった。地面に小さな花がたくさん見られて、発見があって面白かった。
・参加者の高校生の様子を見ていると、いろいろなことに興味を持って、自由に観察したり考えを巡らせたりしていて、素晴らしいと思った。(卒業生)
・フィールドに出て観察してみると、生物たちの関わりが立体的であることが実感できて面白い。また、時間の流れを意識して観察すると興味深い発見がある。(教員)
今年度は、荒川河川敷をテーマにフィールドワークを行い、中上流域から下流域まで様々な河川敷の環境を観察しました。
上流に近い秩父市の河川敷ではゴロタ石で希少な生物がたくさん見られましたが、中流、下流と下るにつれて河原を土が覆い、外来種が多くなっていっています。
フィールドワーク講座の目的は、野外での動植物観察から探究課題を見出すことですが、外来種対策はとても大きな課題として、考えさせることの多いテーマになると思います。
これまでのフィールドワークで参加者が気付いている(感想にも書かれています)ように、どんな生物も単独で「そこに在る」ことはなく、様々な生物、生物以外の環境(非生物的環境)と関わりを持ちながら生態系の一部となって存在しています。
外来生物問題や希少種の保全について考えるとき、その生物種についてだけ考えるのではなく、それと関わりをもつ様々な生物、環境に思いを巡らせることはとても重要なことです。
フィールドワーク講座に参加した皆さんが、今後も自分なりに自然と関わる活動を続けていただいて、生態系をめぐる課題の解決に関わってもらえればありがたいです。
今年度のフィールドワーク講座は今回で最後になります。
次年度の予定については、4月以降に越谷北高校HPにて公開する予定になっておりますので、興味を持たれた方はチェックしていただいて、ぜひ参加をご検討ください。
【SSH】令和7年度_1学年_課題研究(生物・地学分野)中間発表会
3月13日(金)2・3限に理数科1年生の課題研究中間発表会が開催されました。
理数科1年生では2学期から課題研究に取り組みますが、6月の本発表に向けてさらに研究をブラッシュアップする場として、毎年3月に現時点までの研究の中間発表を実施しています。
研究題目は以下の通りです。
生物分野
1班「時間経過による固有周波数の変化に基づく野菜の状態評価」
2班「酵母の冷凍保存」
3班「加熱による有機酸量の変化」
4班「植物の緑の香り(GLVs)とその成分による防御作用」
地学分野
1班「ビル風を弱めるには」
2班「透水層埋設工法による効率的な排水方法の実証」
3班「巨大地震は予測できるのか?」
見学している2年生から多くの質問がありましたが、1年生は堂々と対応していました。
SSHの運営指導委員の先生方からも研究に対するアドバイスを多く貰うことができました。
本日いただいた意見をもとに6月の本発表に向けて研究を進めていきたいと思います。
【SSH 】令和7年度国立科学博物館研修
2/4 57期理数科 国立科学博物館研修
地球館
地球館では、地球の誕生、生命の進化、人類の歴史を化石や標本、体験型の装置で楽しく学ぶことができました。
地下1階では、職員さんから恐竜の卵について説明を聞き、実際の卵を持つことでその重みを直に体験することができました。
1階では、現代に生きる植物や生物の展示がされており、その種や特徴について細かく知ることができました。また、身近に生きる生物もたくさん展示されていたので、親しみを持ちながら学ぶことができました。
ヒトの展示には何か見慣れた人に似ているものが…
また3階ではヨシモト・コレクションの展示があり、凛々しく、美しく、力強い剥製からは感動を覚えました。また、ここでは2頭のごりらの展示も見ることができました。
日本館
日本館では島国ならではの生息する生き物の特徴や、日本列島の成り立ち、日本に存在する鉱石、他にもワニについての展示などを見学することができました。
一階ではワニに関する展示が開かれており、ワニの標本に実際に触れるといった体験をしたり、ワニの生態について学んたりすることでそれらを通して、陸上脊椎動物の進化の過程を知ることができました。
2、3階では、日本に生息している生物や、存在している鉱石、日本列島の成り立ちなど、日本の特徴について展示されていました。
【SSH】第6回公開講座(3月28日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第6回(さいたま市田島ヶ原サクラソウ自生地周辺)を3月28日に実施します。
当日は8:50に桜草公園※に集合、サクラソウ自生地周辺で春の動植物観察を行います。
※JR西浦和駅より徒歩20分、またはバス(浦和駅または中浦和駅より)「さくら草公園」下車徒歩5分
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。