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【SSH】公開講座「高校生と教員の動植物研修」のお知らせ
今年度も、越谷北高校では地域との連携及び学校開放のため公開講座「高校生と教員の動植物研修」を実施します。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
次の全6回を予定しています。各回ごとに参加申し込みを受け付けます。
①5月6日(火・祝) 行田市・熊谷市荒川河川敷 (行田駅西口8:50集合)
②6月15日(日) 深谷市荒川河川敷 (秩父鉄道武川駅改札前8:50集合)
③7月19日(土) 秩父市武州中川駅周辺 (秩父鉄道武州中川駅改札前8:50集合)
④10月26日(日) 長瀞町蓬莱島周辺 (秩父鉄道野上駅改札前8:50集合)
⑤11月16日(日) 熊谷市大麻生公園周辺 (秩父鉄道大麻生駅改札前8:50集合)
⑥3月28日(土) さいたま市田島ヶ原周辺 (さくら草公園8:50集合)
野外での動植物観察に興味がある高校生、教員(校種は問いません)は、 こちら をご覧いただきお申し込みください。
第1回(5月6日)のお申し込みは、申込専用フォーム(下URLまたはQRコード)へお願いします。
https://forms.gle/fUGQeEFbX1bSsLYaA
【SSH】3月22日公開講座(武州日野駅周辺)
3月22日(土)秩父市の武州日野駅集合でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、高校生14名、教員5名が参加しました。
先週の雪がまだ日陰に残っていましたが、よく晴れて春の訪れを感じる暖かい(むしろ暑い・・・)陽気になり、絶好の野外調査日和となりました。
遠くの山々も雪の白が残っています。
秩父鉄道の武州日野駅に集合し、駅前のサクラを観察しました。
樹齢を重ねた太い幹に、コケや着生植物などが見られます。
よく観察すると、コケなどの多いところと少ないところがあります。
どのようなところが多くなっているのでしょうか。自分の言葉で表現することで観察の解像度が上がります。
カヤラン(ラン科)を見つけました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
駅の裏手から弟富士山(おとふじやま)の登山道へ進みました。
標高386mの小さな山です。
集落が近いため、民家から逃げ出した植物が多く見られます。これはナンテン(メギ科)です。
シュロ(ヤシ科)もありました。棕櫚縄(しゅろなわ)の材料でもあります。
アオハダ(モチノキ科)です。落葉樹で葉はまだ展開していませんが、枝の付き方に特徴があります。
低山とはいえ、急な坂道も登ります。
林道の脇にフデリンドウ(リンドウ科)が一株出てきていました。
花にはまだ早かったようです。
セツブンソウ(キンポウゲ科)の花がまだ残っていました。
環境省レッドデータ準絶滅危惧(埼玉県レッドデータでも準絶滅危惧)です。
カタクリ(ユリ科)は、つぼみがいくつか見られただけでまだ咲いていませんでした。
カタクリも埼玉県レッドデータでは準絶滅危惧です。
ツノハシバミ(カバノキ科)の花が見られました。目立つ穂は雄花序です。
ツノハシバミは、ヘーゼルナッツに近縁で、果実は食べることもできます。
カキドオシ(シソ科)を見つけました。
爽やかな芳香があり、食用、飲用(お茶)、薬用(生薬:レンセンソウ)に利用されています。
写真は載せませんが、参加者の高校生がここでサルの頭蓋骨を見つけました。
駅、集落のすぐそばで野生動物が活動していることが分かります。
弟富士を降り、集落の中を進みました。
所有者に許可を得て、栽培されているキクザキイチゲ(キンボウゲ科)を見させていただきました。
別名キクザキイチリンソウ、埼玉県では自生では絶滅種です。
きれいに管理されたモウソウチク(イネ科)の竹林やカタクリ自生地を見ていると、たまたま土地所有者の方がいらして、お話を聞くことができました。
竹林もカタクリも、所有者の方が手入れをして維持されていたそうですが、高齢のため今年から管理をやめるそうです。
「(ヒトが)手をかけてやらないと、だめになるよ」というお話が印象的でした。
歩いて駅まで戻り、最後にセツブンソウの群生地を見に行きました。
が、こちらも花はほとんど終わっていました。名前の通り、節分のころに咲く花ですのでしかたがないですね。
と、思いきやヒメニラ(ヒガンバナ科)の花を見つけました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
ふつうのニラはいくらでも見られます(畑から逸出しています)が、ヒメニラはとても珍しいです。
春に現れ、夏には見られなくなるスプリング・エフェメラルのひとつです。
最後に駅前で閉会行事をして解散しました。
参加者の感想(抜粋)
・ヒノキやスギ、アラカシなど木の見分け方を知ることができ、山を見るときの楽しみが増えた。
・教科書に載っている写真がすべてではないことが分かった。
・休憩中に昆虫を採集していたとき、現地の方から「私たちにとって何でもない虫をわざわざ採りにきた」というお話を聞いて、逆に自分の身の回りでも何でもないと見過ごしてきた発見があるかもしれないと考えた。
・同じような植物でも、細かく見ると違いがあることが分かった。
・自然を見るだけではなく現地の方のお話を聞くことが重要であることが分かった。
・ひとつの生物種について考えるとき、それだけでなく環境にも目を向けていきたい。
・1年間参加してきて季節が一巡し、5月に見たものをまた新しい目で見ることができた。
・豊かな自然を維持していくためにはヒトが手入れをしなければならない。自然と関わりたいと考えている若い人はいるはずなので、(高齢などで)できない人と、やりたい人をつなげるために自分に何ができるかを考えたい。
・(教員)以前の回に参加してとても楽しくまた参加した。ぜひ生徒にも体験させたい。
・(教員)地元の方の話を聞けたことがとてもよかった。私たちにとって見えている「自然」が、地元の方たちにとっては手を入れているものであることが実感できた。
フィールドワーク公開講座は、野外での動植物観察から研究のテーマ(課題)を見いだすことをひとつの目標として実施してきました。
今回は、課題発見の他に春の動植物を楽しむことを通じて自然への興味関心を深めることができたと思います。
視野を広げたり、新しい視点を得て自然を見る目の解像度を上げることで、これまで気づいていなかった課題にも気づくことができるようになります。
今回のフィールドワークでの経験が、各校で取り組んでいる課題研究に活かされることを期待しています。
【SSH】第66回日本植物生理学会 高校生生物研究発表会
3月16日(日)、石川県の金沢大学で行われた、一般社団法人日本植物生理学会主催の「高校生生物研究発表会」に理数科2年2名で参加しました。
今回の発表会は第66回日本植物生理学会年会に合わせて実施されたもので、大阪府や鹿児島県など、37校57件の発表が行われ、多くの方が参加していました。
私たちは、1年生の課題研究から継続している「ボルボックス体細胞の単離現象」という題目で発表しました。
当日は大学の教授や、他参加校の引率の教員、そして高校生と様々な方に発表をし、たくさんのアドバイスや質問を頂きました。
学校外での発表は、日本顕微鏡学会、理科教育研究発表会につづき、3度目の発表となり、経験を重ねる毎に楽しんで発表ができるようになりました!
高校生生物研究発表会では、百万穀賞、優秀賞、最優秀賞の3つが用意されていて、
結果、優秀賞を頂くことが出来ました!ボルボックスへの愛が認められたような気がしてとても嬉しかったです!
このような貴重な機会を用意してくださった、日本植物生理学会の皆様、ありがとうございました!
本研究にあたり、(株)日立ハイテク様に卓上走査型電子顕微鏡TM4000Plusをお借りしました。また、(株)日立ハイテク寺田大平様には、淡水プランクトンのSEM画像撮影に関するご助言の他、多大なるご支援をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました!
来年度もお借りする予定の卓上走査型電子顕微鏡についても、今後の継続研究で活用していきたいと考えています!
【SSH】令和6年度 1学年 課題研究(生物・地学)中間発表会
3月12日(水)2~3限に、理数科1年の課題研究(生物・地学)中間発表会が開催されました。
1年生の理数科では、生物・地学分野の中で興味のあるテーマを設定して研究します。6月の本発表に向けて、さらに研究をブラッシュアップする場として、毎年3月に現時点までの研究の中間発表会を実施しています。
中間発表会は2年生の理数科生徒も見学をして、1年生への質疑だけではなく、発表をした班毎にコメントを書き、発表を評価します。
来賓5名の先生方と県教育局指導主事2名をお迎えした中での発表会だったので、1年生は初めての発表で少し緊張感がありました。来賓の先生方から頂いたアドバイス等を活かして、6月の本発表に向けて研究結果を整理していきましょう。
【SSH】第6回公開講座(3月22日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第6回(秩父市武州日野駅周辺)を3月22日に実施します。
当日は8:50に秩父鉄道武州日野駅改札前に集合、春の里山の動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/ebkpdbQsYVgYTgHj9
【SSH 】国立科学博物館研修
令和7年2月5日に国立科学博物館での研修に行きました。
大きく精密な標本や、学芸員さんの楽しくわかりやすい解説で、新鮮な体験ができました。
生物の分野では、さまざまな種類の化石を見ることで視覚的に生物の進化を学びました。特定の地域で繁栄した生物も見ることができ、どのような理由で進化したのか、授業で学習した内容との結びつきなど、学びが深まりました。
物理、化学分野では、光、磁気などの身近な現象を切り口に、直感的に自然現象を体感することができました。また、現在の科学の基礎となった研究の装置を実際に動かしてみることで、科学へのイメージができ、理解が進みました。
最新の研究と他分野との結びつきなども知ることができ、研修を通して、教科書の内容の裏の面を知ることができました。普段の授業とは違った角度で科学に対する知見を深めることができました。
【SSH】令和7年2月1日 iGEM出前授業(iGEM TSUKUBA)
令和7年2月1日(土)北高探究の日の午後、生物講義室で筑波大学の学生のiGEMチーム(iGEM TSUKUBA)による出前授業が行われました。
iGEM(アイジェム)は合成生物学に関する世界大会の名称で、この大会に参加している本校卒業生を含む大学生のグループがiGEM TSUKUBAです。
iGEMおよびiGEM TSUKUBAについて詳しくは、iGEM TSUKUBAのHP(リンク)をご参照ください。
今回は、『不可視対象への挑戦』という題で、箱の中の構造を『仮説・実験・考察』によって検証して明らかにしていくことで、研究のプロセスを体験するというものでした。
まずはiGEMに関する説明、今回の授業の目的と手順などが説明されました。
参加した生徒たちは興味津々です。
机上のお菓子の箱は息抜きのためのおやつ・・・ではなく、今回の実験対象、「謎の箱」です。
今回の出前授業のために、チームメンバー総出でおかしを消費し、箱を集めたそうです。
まわりはテープで留めてあり、中はもちろん見えません。
動かすと、中で何かが転がっている様子・・・
まずはいろいろ動かしてみて、中の様子を予想します。
磁石やものさし、電子てんびんなど様々な器具を使って実験をしますが、器具は自由に使えるわけではありません。
実験の計画を立て、「何の目的で、どのように調べるために、何を使うか」をしっかりと説明しないと器具を借りることができません。(器具の借用には時間制限もあります)
まるで、本当の研究のようですね。
実験をした結果は、成果報告書として提出しホワイトボードに貼り出されます。
他の班の結果も含めて「結果→考察→仮説→実験→結果→・・・」のサイクルを繰り返していきました。
自然と、班を超えたディスカッションが生じています。合同研究でしょうか。
ついに2班が合流してしまいました。
このグループは、後に主張の違いから再分裂し新しい2つの班に再編成されました。
白熱する議論は、予定していた時間を延長させることになりました。
各班から、予想した内部構造について発表をしました。
班によって異なる予想の部分もあります。
はたして、内部構造を看破した班はあるのでしょうか。
最後に、箱の中身を開けて見てみました。
そうなっていたのか!歓声が上がりました。
かなり正確に内部構造を予想できていたのですが、みんなが予想もしていなかったギミックが仕込まれていました。
色々試している中で「なんでこうなるのだろう?何の音だろう?」と思っていたことの答えでした。
最後に授業者からの総括です。
研究は、「本当に難しい、だからこそ、楽しい!」
在学中も課題研究に一生懸命だった卒業生によるお話でした。
参加した生徒たちもとても楽しかったようで、また挑戦したい!とのことでした。
終了後も、研究について、大学について、その他いろいろなことを大学生と話していました。
iGEM TSUKUBAの皆様、ありがとうございました。
【SSH】理数探究・英語プレゼンの準備
本日の6限の理数探究の時間、2年生の理数科は課題研究のプレゼン準備をしました。
埼玉大学のTammo Reisewitz先生に、スライドの内容や英語の表現について助言をもらいました。
3年次のプレゼンはすべて英語。もちろん、自分たちでスライドを作成します。
SSH生徒研究発表会にむけて少しずつブラッシュアップしていきましょう!
【SSH】令和6年度理数科2年集中実験講座
令和6年12月24日と25日の2日間、理数科2年生が本校において集中実験講座に参加しました。
まずは全員物理室に集合。これからいよいよ実験講座の開講です。
その前に、班分けを行いました。「初日物理、2日目化学」「初日化学、2日目物理」の2班に分かれての参加です。班分けはなんと、、、生徒の発案により、クラス全員がアンケートフォームで回答する方法で決めました。しかもそのアンケートフォームは、生徒が即興で作成しネット上にあげたもの。北高生の行動力は素晴らしい。
無事にアンケートを集計し、班分けもスムーズに完了しました。
開講式です。教頭先生と理数科主任の先生からお話を頂き、実験の意義を理解しモチベーションも上がったところで、実験のスタートです。
【物理】
まず、デジタルマルチメーターを用いてコンセントの電圧を測定しました。コンセントに挿すことができるという貴重な体験に、ワクワクドキドキ感が、生徒から伝わってきました。
ACアダプターやモバイルバッテリーなどの電気機器の電圧も測定してみました。
電源装置に、抵抗値の等しい10個の定抵抗器を直列につなぎ、各区間の電圧を測定しました。複数区間の電圧を測定することで、すべての区間を測定しなくても各区間の電圧を推定することができます。授業で習ったことを実験で実際に確認することができました。その他にも、定抵抗と可変抵抗を直列に接続し、定抵抗や可変抵抗の電圧を測定しました。
午後は、抵抗値の変化について実験を行いました。温度の高低や光の有無によって、抵抗値に変化が生じることが分かりました。電子の動きに変化が生じるので、抵抗値に変化が生じるようです。
いよいよ物理班の最後の課題、探求活動です。
「暗くなると知らせてくれるセンサーシステム」「明るくなると知らせてくれるセンサーシステム」「熱いと知らせてくれるセンサーシステム」「温度を測るセンサーシステム」の開発です。
どの班も、様々な条件を変化させながら試行を重ねていました。完成した時には拍手や歓声があがり、班員と喜びを分かち合っている姿も見られました。
【化学】
まずは、様々な金属イオンを試薬と反応させ、沈殿・水溶液の色を確認しました。例えば、硝酸アルミニウム水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を滴下すると、少量では水酸化アルミニウムの白色沈殿が生じますが、過剰に滴下するとその沈殿が溶解し、溶液が無色透明になりました。不思議ですね。
反応によって刺激臭が発生する場合は、ドラフトという機械の中で反応させます。
濃硝酸と鉄の反応では、最初に少しだけ反応はあるものの、すぐに反応が止まりました。酸化膜が鉄の表面を覆ってしまい、反応しなくなるようです。
希硝酸と銅の反応では、発生する気体を水上置換法で集めました。ビーカー内に空気が入らないよにセッティングするのに苦労する生徒もいましたが、なんとか準備が整い、いざ実験開始!
ビーカー内に反応によって発生した気体がある程度集まったところで、コマゴメピペットで空気を注入。すると、無色透明だったビーカー内の気体が、少し茶色に変化しました。なぜ???実は、反応によって発生していた気体は一酸化窒素で、それが空気中の酸素と反応して、茶色の二酸化窒素が発生していたのです。
次は、過酸化水素水を用いた酸化還元反応についての実験です。過酸化水素は、反応する相手に応じて酸化剤にも還元剤にもなることができるって、これまた不思議です。
色々な水溶液の電気分解です。水溶液内に溶解していた金属が電極に析出する様子に、多くの生徒は驚いていました。
最後は「ガラス細工」に挑戦。真っ直ぐなソーダガラスを熱し、伸ばしたり、曲げたり、空気を入れたり等、創意工夫を凝らした作品づくりに励みました。中には、音楽の楽器であるトライアングルやバスケットゴールを出す時に使用する道具のようなものを作った生徒も。皆、楽しそうに取り組んでいました。
閉講式です。代表生徒から感想を発表してもらいました。「考える力が身に付いた」という言葉から、今回の実験講座が非常に有意義なものだったことがうかがえます。
これにて、2日間取り組んだ実験講座が終了です。生徒は目を輝かせながら様々な実験に取り組んでいました。大きく成長した理数科2年生達の、今後の更なる活躍に期待です。
【SSH】SSH講演会
12月16日月曜日に越谷北高校しらこばと会館で、理数科・理系部活生徒対象にSSH講演会が行われました。
東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 ゲノム人類学研究室助教の小金渕佳江先生に、「私たちはどんな生物か?ゲノムが明かすヒトの軌跡」という題で講義をしていただきました。
ヒトのゲノムを解析することで、遺伝的な違いからヒトがどのような自然選択を行い進化してきたのか、多様性の解明に繋がります。
人類学は集団遺伝学や生物人類学だけでなく、霊長類学や地球科学、医学考古学など様々な視点が必要な複合科学です。
学問同士の結び付きを実感するとともに、進化、遺伝、ヒトの持つ多様性が形成される過程について考えるきっかけになりました。
また、研究活動の様子などを紹介いただいたり、講演後の質疑応答では、講演を通して出た疑問を複数人が先生に質問して知見を深めました。
講演会の後、わたしたちは
「自分の興味ある分野でもゲノム解析などの方法で遺伝子を分析する技術が用いられていて、人類学とも似ているところがあるが、ゲノム分析の結果の考察を文化的な視点から行えるという違いが興味深かった」
「考古学、歴史、生物科学、環境学、地理など他教科との関連性について考えながら講演を聞く事ができ楽しかった」
「人類の起源を辿るという目的のために、考古学、地学、生物学など様々な分野から迫っていく様子が、一つの問題にたくさんの解法があることもある数学の問題みたいだと思った」
「農業と人間にはやはり深い関わりがあり、農業が行われていることが酒の強さ弱さに繋がるとは思わなかったので、さまざまなデータを元にしてそういう結論に至る先生がすごいなと思った」
など、感想を話しあいました。
令和6年度 理数探究(2年理数科)中間発表会
12月14日(月) 3・4限に理数科2年生による理数探究中間発表が行われました。
内容は、物理・化学・数学の各分野に分かれて行っている課題研究の中間発表です。
3~5人のグループごとにテーマを決めて取り組んでいます。
今年度のテーマは以下の通りです。
物理1班 落下運動による 緩衝材の形と衝撃の関係
物理2班 遮音材と吸音材の効果的な利用について
物理3班 平面状に広がるハルバッハ配列の作成
物理4班 レンチキュラーにおける 水面波の利用
化学1班 カメムシのにおい成分の抽出と分析
化学2班 微生物電池の作成
化学3班 セルロースの酸加水分解
数学1班 k-ナッチ 数列の性質
数学2班 効率のよい順位付け じゃんけん
理数科は発表の機会が多いので、発表や質問の受け答えはスムーズに行っていました。
中間発表ということもあり、質問や意見がたくさん出ていました。
今回の意見を参考にブラッシュアップして今後の研究に活かしていきましょう。
【SSH・国際交流】さくらサイエンスFacebook
11月13日(水)に越谷北高校を訪問した さくらサイエンスハイスクールプログラムについて、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)さくらサイエンス公式Facebookで紹介されています。
閲覧は下記リンクから
【SSH】11月16日公開講座(深谷市武川駅~荒川河川敷)
11月16日(土)深谷市の秩父鉄道武川駅に集合してフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、高校生5名、教員2名が参加しました。
予報は日中曇りで、一瞬だけパラっと降水がありましたが傘をさすほどでもなく、ときおり日差しが差す暖かな小春日和でフィールドワークにもってこいの1日になりました。
武川駅で集合、開会行事をしました。
早い参加者は、7時半に現着して周辺の植物を観察していたようです。
駅周辺は住宅地ですが、住宅地でも動植物を観察することはできます。
むしろ、身近な自然は探究課題にしやすいのではないでしょうか?
道路わきのヒメスミレ(スミレ科)は、タイヤで踏まれても花を咲かせています。
スミレの仲間は本来は春に咲きますが、秋に花をつける株がしばしば見られます。
花芽形成の条件を調べるのも面白いかも?
シンテッポウユリ(ユリ科 タカサゴユリとテッポウユリの交雑種)の果実がありました。
シンテッポウユリの種子は薄い羽根状になっていて、風に乗ってよく飛びます。
もともとは園芸品種ですが、野外に逸出してあちこちで見られるようになりました。
これも探究課題になりそう・・・。
まだ花がありました。純白のきれいなユリです。
コンクリートに囲まれたところにも植物は生きています。
この区画だけで、カタバミ、オッタチカタバミ(ともにカタバミ科)、ホトケノザ(シソ科)、オヒシバ(イネ科)、ヒメマツバボタン(スベリヒユ科)、ナズナ(アブラナ科)、チチコグサモドキ(キク科)などの植物種が見つかりました。
種類の分からない芽生えもあるようなので、時期を変えてまた調べれば、10種を超える植物が見つかると思います。
この30cm×30cmほどの区画でどのような生態系が成立しているか、調べるのも面白そうです。
マサキの生垣にノブドウ(ブドウ科)、カラスウリ(ウリ科)、アオツヅラフジ(ツヅラフジ科)などのつる植物が絡んでいます。
アオツヅラフジに幼虫がいました。おそらくヒメエグリバ(ヤガ科)です。幼虫で越冬する蛾の仲間です。
見つけた植物をハンドブックで調べています。
どうやらアメリカイヌホオズキ(ナス科)のようです。この日は、イヌホオズキの仲間がたくさん見つかり、種の違いを見るよい機会になりました。
イヌホオズキ、オオイヌホオズキ、テリミノイヌホオズキ、カンザシイヌホオズキなど・・・
空き地をクズ(マメ科)が覆っています。
クズは在来植物とされていますが、樹木すら覆いつくすほどに繁茂することがあり、植生に大きな影響を与えます。
本当に在来種なのでしょうか。
クコ(ナス科)にホシハラビロヘリカメムシ(ヘリカメムシ科)がついていました。
カメムシの仲間は成虫越冬のものが多く、晩秋でも成虫をよく見ます。
ちょっと遠くて写りが悪いですが、クズ群落にツチイナゴ(バッタ科)がたくさん見られました。
バッタ科では珍しい成虫越冬の種です。
多くのバッタは、卵で越冬し春になると孵化して幼虫になります。
卵で越冬すること、成虫で越冬することには、どのような戦略的な差があるでしょうか。
植物の特徴には個体差が大きく、種の同定が難しい個体もままあります。
これはアレチノギク(キク科)でよさそうですが・・・
畑地のへりのヒメスミレ群落でツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)の幼虫を見つけました。
なぜかコンクリートブロックに登っている個体が何匹かいたので写真を撮ったのですが、よくみると頭側(右側)に白い粒が見えます。(現地では気が付きませんでした)
寄生ハエの卵かもしれません。
寄生虫に侵入された昆虫は、おかしな行動を見せることがあります。探究のチャンスだったかも・・・
畑で作業をされている地元の方とお話をすることができました。
数十年前の付近の様子を教えてくれました。
生物のフィールドワークでは、動植物などばかりを見てしまいがちですが、聞き取り調査も重要です。
その場所がかつてどんな場所で、どんな歴史があるかや、ヒトがどのように生物と関わっているか、を知ることができます。
コニシキソウとアレチニシキソウ(ともにトウダイグサ科)は、よく似ていてぱっと見では見分けがつきにくい個体もあります。
果実を見ると、全体に白い毛が生えている(コニシキソウ)か、稜のみに毛が生えている(アレチニシキソウ)かで見分けることができます。
フィールドワークには、ルーペが必需品です。
ちなみにオオニシキソウ(トウダイグサ科)は大きさが全然違うので見間違えませんが、果実に毛がありません。
荒川の河川敷に入りました。
石の下にいる虫を探しました。カメムシやゴミムシの仲間が見られます。
マルバヤナギやカワヤナギ(ともにヤナギ科)の若木が見られます。
ヤナギは水際でよく見られる樹木です。どのような特徴があるでしょうか?
ホシアサガオ(ヒルガオ科)が見つかりました。
アサガオの仲間は意外に種類が多く、今回はアサガオ、マルバアサガオ、アメリカアサガオ、マルバアメリカアサガオ、マメアサガオ、マルバルコウ、ホシアサガオの7種がみられました。
河川敷では、希少な在来種が見つかることがよくあるのですが、今回は探せど探せど外来種ばかりでした。
上流にできたダムのために川が氾濫しなくなり、氾濫の影響を受けるような河原に生息する在来の植物は絶滅の危機に瀕しています。
水害は困りますが、生物多様性に影響があるのも問題です。どうすればよいのでしょうか。
道なき道を進んで河川敷を出て、駅に戻ります。
駅前に戻って閉会行事です。羽生行の時刻が近づいていたので、手短に・・・。
参加者の感想(抜粋)
・生物の多様さを見ることができた。似ているけれど違いがある、似ていないけど共通点があるといったことがあり面白かった。
・アサガオやホオズキの仲間が、同じようでも違いがあって面白かった。自分でも確認してみたい。
・自分が通っている学校の近くなのに、見たことのない植物がたくさんあった。
・季節的に昆虫はあまり見れないかなと思ったけれど、ゴミムシの仲間がたくさんいてよかった。
・住宅街から河川敷まで環境が変わって見られる生物が変わっていくを見れた。これまで覚えたつもりの植物が、花がついていないだけで分からなくなってしまった。
・自宅の近くの川と比べてみたいと思って参加したが、近所の川と違って多様な生物を見ることができた。
・冬が近づいて、カラフルな花はないだろうと思っていたが、小さいけれどきれいな花や実を見ることができた。
今回は、季節の違いで見られる生物(あるいは、見慣れた生物の異なる姿)を見ることができました。
生活圏から離れた場所でのフィールドワークも楽しいのですが、季節の違いや、年月の経過での変化を調べるには身近な自然が一番です。
身近な自然を大切にしていってほしいと思います。
次回の公開講座は3月22日(土)、秩父市武州日野駅周辺で春の里山の動植物観察を予定しています。
近くなりましたら(2月初旬ごろ)、参加申し込みフォームをアップいたします。
フィールドに興味関心のある方のご参加をお待ちしております。
【SSH】科学の甲子園
1年生6名、2年生6名で科学の甲子園に行ってきました。
科学の甲子園とは、各校の代表者6名が物理・化学・生物・地学・数学・情報の筆記テストと実技テストを受け、その得点を合計したものを競い合うものです。
今回の実技テストはゴムの弾性力を使って発射物を飛ばし、目標に近い地点に落とす装置を作りました。
入賞には届きませんでしたが、各々が全力を尽くし、学びを深める良いきっかけとなりました。また個人だけでなく、6人で筆記テストを協力して解いたり、実技テストの装置を分担して作ったりしたことで、チーム戦で行うことの意味を実感し、仲間の大切さを再認しました。
ありがとうございました!
【SSH・国際交流】さくらサイエンスプログラム受け入れ事業
11月13日(水)さくらサイエンスプログラム・ハイスクールプログラムでの海外高校生受け入れ事業を実施しました。
JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)が主催するさくらサイエンスハイスクールプログラムは、海外各国の優秀な高校生を招聘し、日本の最先端の科学技術や研究機関を訪問し、高校生等と交流するプログラムです。
今回は、インド、インドネシア、ペルー、マーシャル諸島、パラオ、ミクロネシアから総勢92名の優秀な海外高校生が訪日し、約1週間でかずさDNA研究所、理化学研究所、埼玉大学、極地研究所、東京科学大学、国立科学博物館、日本科学未来館などを訪問します。
越谷北高校は、その3日目の訪問先として5年ぶりに受け入れ事業をすることになりました。
宿泊先からバスで越谷北高校に到着しました。
プログラムとしては3日目ですが、海外高校生のみなさんは元気いっぱいです。
到着後、少し休憩をはさんで歓迎セレモニーを実施しました。まずは校長あいさつです。
交流が目的の事業ですので、2年4組の生徒が海外高校生のテーブルに交ざって参加しています。
教頭と理数科主任が学校の説明をしました。
日程の説明のあと、2年4組の生徒と自由にお話をしてもらいました。
互いの国のこと、好きな生物のこと、アニメのことなど、出会ったばかりとは思えないほど盛り上がっていました‼
その後、3、4時間目の時間帯は、英語の授業にあたっている2クラスずつ会場に来て交流しました。
司会に出された題が答えになるような質問をつくっています。
English only ですが、みんな楽しそうです。
4時間目は、日本の文化をお題に交流します。
折り紙に挑戦しています。日本人高校生でも苦戦する難易度でした。
お箸に挑戦、上手に使えました!
お昼休みは、海外高校生ひとりに北高生ひとりがバディとしてついて、思い思いの場所で昼食を摂りました。
教室でランチミーティングですね。楽しそう!
天気が良かったので外で食べることもできました。
5時間目は、3年4組(理数科)の生徒が自分たちの研究を英語で発表しました。
2~3人ずつで海外高校生のグループに英語で発表、英語で質疑応答です。
質疑応答まで英語でのやりとりは理数科生徒にもよい刺激になったようです。
最後のプログラムは、東京大学の胡桃坂仁志教授による講演です。
机を片付けて、椅子を並べなおしました。
海外高校生と北高生がまざって座っています。
講演会は2年生の司会で進行しました。
胡桃坂先生はクロマチン(真核生物の核内でDNAとヒストンタンパク質が結合してつくる構造)の動的な構造変化によるエピジェネティクスのメカニズムがご専門です。
DNAに関する基礎的な内容から、先端の研究に関するところまで、分かりやすくお話ししていただきました。
胡桃坂先生のオリジナルソングNucleosome songとGo around!も紹介いただきました。
突然のライブ(Youtubeですが)に盛り上がりました。
胡桃坂先生のYoutubeチャンネルから、当日流された曲をご紹介します。
海外高校生も、北高生も、楽しく、興味深く講演を聞くことができました。
質疑応答でも熱心にお話をしていただき、予定の時間をオーバーしそうになるくらいでした。
胡桃坂先生、ありがとうございました。
海外高校生と北高生からそれぞれ代表1名ずつお礼のあいさつをしました。
胡桃坂先生と記念撮影(冒頭の写真)のあと、閉会セレモニーです。
記念撮影のため椅子を撤去したので、スタンディングでのセレモニーになりました。
海外高校生からのお礼の言葉をいただきました。
短い時間でしたが、交流を楽しんでいただけたようです。
閉会後も、楽しそうに話を続けていました。
仲良くなって連絡先を交換しています。
バスの発車時刻が近づいてきました。名残惜しいですがお別れです。
今回の交流事業は、北高生にとって大変よい経験になったようです。
放課後、廊下を歩いていたら教室から「将来インドネシアに行くんだ!」という声も聞こえました。
グローバルが当たり前の世の中になっていますが、意識していないと国際的な視点を身に付けることは難しいと思います。
北高生としても、交流を通して海外に目を向けるきっかけのひとつになったようです。
訪問いただいた海外高校生の皆さん、引率の先生方、企画運営に携わられた皆様、ありがとうございました。
【SSH】グリーンエネルギープロジェクト現地調査
10月19,20日にかけて宮城県でグリーンエネルギープロジェクトの現地調査を実施しました。
グリーンエネルギープロジェクトは、越谷北高校SSHⅡ期5年間を通じて、再生可能エネルギーなどエネルギーをテーマに探究をするプロジェクトです。
今回は、1年生14名、2年生11名の計25名が参加し、エネルギー利活用を観点に木質バイオマスの有効活用や生態系、インフラ整備との関係について現地調査をしました。
1日目:株式会社KURIMOKU、鳴子温泉駅周辺、サスティナヴィレッジ鳴子の視察
2日目:仙台海岸の視察
《株式会社KURIMOKU》
植林・育林・伐採から製材・乾燥・加工を一貫して行っている製材工場です。
山の循環を行い、環境への配慮を第一に考えている会社です。
↓運ばれた丸太。大きさごとにカットされています。
↓大きい丸太は機械だけでは切れないので職人さんがカットします。美しい…
↓小さい丸太は機械でカットされます。
↓木材が変形しないように乾燥させる設備です。
化石燃料を使わず、カットする際に出た木屑を燃やした熱を使用して資源の有効活用をしています。
↓木屑を固めてペレットを作っています。接着剤は使わず、圧縮することで固めています。
↓工場で加工された木材で作成された家具が展示されています。先ほど丸太を様々な大きさに切っていたように、使用用途に適した大きさの木材を部品ごとに使い分けて加工されています。
《鳴子温泉駅周辺》
活火山によって発生する温泉や地熱の活用方法を学びました。
この周辺のエネルギーは、ほとんどが地熱によって賄われているそうです。
温泉は人々の生活を支えるとともに、発電や文化としても地域に深く根付いていることを学びました。
湧き出る温泉の湯気↓
路地を流れる温泉↓
《サスティナヴィレッジ鳴子》
エネルギーの自給自足によって生活を成立させている集落を視察しました。
大自然の中で自然と共存する生活ができるのは素晴らしいことだと思いました。
自然を有効活用した持続可能な社会の在り方として、鳴子町のPRもしているそうです。
《仙台海岸》
東日本大震災による津波の被害を受けた仙台海岸の今を視察しました。
津波によって破壊されたインフラの復興を迅速に進めたい中で、海岸に住む希少な生物の生息環境への配慮、戻って来たいと思っている人の生活など、自然と共生した未来の仙台海岸を考え復興を進めていることに感動しました。
海岸で見られる希少な生物の観察も行いました。
↓震災後に復興された防潮堤は、景観のためにデザインを工夫したり、希少生物の生息地を迂回するようにカーブさせたりと、様々な要素を考えてつくられていることを学びました。
エネルギー利活用やインフラ整備について考えるときの参考になります。
↓ヤマトマダラバッタがいました。宮城県レッドデータで絶滅危惧Ⅱ類の、海岸に生息するバッタです。
《活動を終えて》
この実習を通して、エネルギーを生産することと環境を守ることとの両立は簡単ではないが、現状を知り、未来を担う私達自身がそれぞれで出来ること考え、周囲に発信していくことが大切だと実感しました。
【SSH】第5回公開講座(11月16日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第5回(深谷市武川)を11月16日に実施します。
当日は8:50に秩父鉄道武川駅改札前に集合、荒川河川敷を中心に秋の動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/C51PxCZUhikiJj7aA
【SSH】生徒研修会『伝わるデザイン』講座を開催しました
10月28日(月)放課後、千葉大学の高橋佑磨先生をお招きして
SSH生徒研修会『伝わるデザイン』講座を実施しました。
希望生徒対象に、
前半は「初めての研究発表資料の作成術 みんなにやさしい資料」と題した講演、
後半は実際に生徒や教員がつくったポスター資料を題材にワークショップを実施しました。
会場は本校しらこばと会館です。
前半の講演では、伝わるデザインの重要性、フォントの選び方、読みやすいレイアウト、見やすい図表などについて実例を交えながら教えていただきました。
参加生徒は、自分のiPadにダウンロードした講演資料にメモをしながら聞いていました。
質問も活発にしていました。
北高生は発表の機会が多いので、みんな興味津々です。
後半はワークショップです。
実際に教員や生徒がつくった資料を見ながら、前半で学んだデザインのルールに基づいて改善点を上げていきます。
意見を出し合って議論しています。
まとめたら、グループごとに発表しました。
高橋先生から改善案のお手本を見せていただきました。
見事な(失礼!)仕上がりに歓声が上がりました。
越谷北高校では、理数探究や総合的な探究の時間などで発表の機会が多いため、生徒たちは今回の研修会で学んだことを活かして発表資料をつくってくれると期待しています。
【SSH】10月27日公開講座(春日部市内牧公園)
10月27日(日)春日部市内牧公園にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、高校生13名、中学生1名、教員2名が参加しました。
前日くらいまで、曇り時々雨の予報でしたが、日ごろの行いが良いのか午前中はカラッと晴れ、午後も雲が出る程度で動植物の観察をすることができました。
内牧公園に集合し、駐車場わきの木陰で開会行事をしました。
このあたりは、元荒川と古利根川に挟まれた台地(大宮台地の東端)になっています。
近くには貝塚もあり、縄文海進の頃は、かなり海岸が近かったものと想像できます。
氷期が終わり、海が遠のくと台地から低地にヒトの生活の場が広がっていき、内牧公園の南側には6世紀ごろに築かれたとされる内牧塚内古墳群もあります。
今は水田、雑木林が広がる内牧公園ですが、その成り立ちを考えると興味深いです。
都市公園として整備されているため、「植えられた木」も多いですが、公園に整備される以前から見られたであろう樹種も多く見られます。
農地周辺の雑木林は、水田の肥料となる落ち葉や薪炭をとるための落葉広葉樹が植えられ、ヒトの手で管理されてました。
そのように植えられたと思われるコナラやクヌギ、シデ類などが残されています。
写真は撮りそびれましたが、イネカメムシが見つかりました。
埼玉県レッドデータ絶滅危惧ⅠA類ですが、近年埼玉県東部で大発生しているようです。
次のレッドデータ改定ではリスト外になるかもしれません。
神事に使われるためか、榊(関東ではヒサカキ)も見られます。
ホオノキがありました。葉は一見トチノキに似ていますが、トチノキの葉が掌状複葉(1枚の葉が5~7枚の小葉でできている)であるのに対し、ホオノキの葉は、集まっている数枚の葉はひとつひとつが1枚の葉です。
植栽されている樹木も観察します。
これはムクロジかな?どのような特徴があるでしょうか。
周りの芝生ではアトボシアオゴミムシやナガマルガタゴミムシが見られました。
足元にも気をつけてみると、色々な生物を見ることができます。
朽木にアリの巣を見つけました。調べるために数匹採集して持って帰るようです。
落ちている朽木を少し崩すと、アリの他にヒゲジロハサミムシが出てきました。
クワガタムシを期待していた人もいたようですが、興味津々で観察しています。
昼休憩のあと、水田側に移動しました。
ヒメミズワラビ(埼玉県レッドデータ準絶滅危惧)はたくさん見られます。
水田で使われる農薬の変化で増えてきたようです。
次のレッドデータ改定ではリスト外になるものと思われます。
カヤツリグサの仲間(テンツキなど)もたくさん見られました。
水田まわりは特有の生物相が見られます。
昆虫を探しています。
ホシササキリやタンボコオロギを見つけたようです。
タンボコオロギは幼虫しか見つからなかったのですが、幼虫で越冬するそうです。
ヤナギタデ(食用になるタデ)がありました。
ちょっとだけ試食してみます。辛い!
代表的な水田雑草のコナギを見つけました。
イネの栄養を奪うため除草剤で駆除されており、あまり見なくなりました。
水田の用排水路や、水がたまっているところでは水草類も健在です。
ここでは、コカナダモ(外来)の他、マツモなど在来の水草も見られました。
マツモは埼玉県レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類です。
コセンダングサ、キバナコスモスなどの黄色い花が密集して生えています。
キチョウ(キタキチョウ)が吸蜜に来ていました。
これまた写真を撮りそびれていましたが、最後に蓮池を観察し解散しました。
天候にも恵まれ、盛だくさんのフィールドワークでした。
自然度の高い丘陵地帯や山地にいかなくても、家の近くの都市公園でも探究の課題を探すことはできることを学べたと思います。
参加者の感想(抜粋)
・同じ科、属など近縁の木でも落葉や常緑があることを知ることができた。
・レッドリストの生物を観察することができて良かった。
・普段は虫を採集しているが、植物を見るきっかけになった。
・よく似ている種類でも、注意深く見れば見分けができることが分かった。
・スギナ1種だと思っていたけれど、イヌスギナというよく似た別種がいることに感動した。
・公開講座の参加が4回目になって、生物を見分けて名前が分かるようになってきた。
・香りのある植物(シソクサなど)や食用になる植物(ヤナギタデなど)を実際に体験することができて良かった。
・農業に興味があるが、除草剤などの農薬が実際に生物相に影響を与えていることが分かった。
今回は、身近な環境でも知らない(気づいていない)動植物がいかに多いか、を実感してもらえたフィールドワークになりました。
また、身近な環境で探究の芽(課題)を見いだすことができることも分かってもらえたのではないかと思います。
フィールドワークは、繰り返しが大事です。
何度も見ることで、共通性に気が付く、何度も見ることで、違いに気が付く、それらが課題探究につながります。
そのためには、フィールドワーク(野外観察)に興味関心を持ち、好きになることが重要です。
次回は11月16日(土)、深谷市武川で主に荒川河川敷の動植物観察を予定しています。
参加申し込みフォームは後ほどアップいたします。
ご参加をお待ちしております。
【SSH】小・中学生のためのサイエンス教室(三校合同)のお知らせ
越谷北高校の理系部活(物理部・化学部・生物部・天文気象部)が、11月10日(日)に春日部高校を会場に行われる『小・中学生のためのサイエンス教室』に参加します。
越谷北高校、春日部高校、越ヶ谷高校の理系部活が小・中学生対象の様々な企画を用意してお待ちしています。
開催日時:令和6年11月10日(日)13:00~16:00(受付12:45~15:30)
会場:埼玉県立春日部高等学校(東武アーバンパークライン八木崎駅徒歩1分)
参加を希望される小・中学生は、春日部高校の特設サイトから申し込みをしてください。
【SSH】運営指導委員による2年生理数科・課題研究視察
本日の6限で行われた2年理数科の課題研究の様子を、SSH運営指導委員の方々にご覧いただきました。
2年生の課題研究は化学・物理・数学の分野から研究テーマを設定し、3年次には英語でプレゼンを行います。
視察後、埼玉県高校教育指導課も交えて教職員と意見交換を行いました。
本日はお忙しい中、足をお運びいただきありがとうございました。
【SSH】理数科1年生 数学読書感想文発表会
9月27日金曜日、理数科1年生の数学読書感想文発表会を実施しました。代表生徒4名は、「数学を勉強する意義について」、「数学のパラドックスについて」、「統計学について」、「連分数について」、それぞれが工夫を凝らした発表をおこないました。メモを取りながら真剣に聞く生徒や、発表者に質問する生徒が多くみられ、非常に有意義な時間となりました。
感想(一部抜粋)
「数学の本はなんだか難しくて面白くなさそうだと思っていたけれど、実際に読んでみると新しい発想や考え方が知れて面白いと感じました。」
「授業では触れることができない新しい内容に触れることが出来たので良かったです」
「私が興味を持たない分野の発表でも、発表の仕方が上手で難しい内容も理解することができた。数学をずっと好きでいたいと思いました。」
【SSH】グリーンエネルギープロジェクト事前学習会
9月28日に、グリーンエネルギープロジェクトの事前学習会がありました。
日本のエネルギー問題やバイオマス発電についての講義を受けたのち、バイオマス発電に使われている草木由来のペレットを実際に燃焼させて様子を観察したり、水を沸騰させたりする実験を行い、植物の持つエネルギーについて学びました。
10月19,20日には、宮城県鳴子でエネルギー利活用方策の取り組みを目的とした実習を行う予定です。
【SSH】※日程変更あり 第4回公開講座のお知らせ
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第4回(春日部市内牧公園)を10月27日に実施します。
※当初計画では10月20日の予定でしたが、本校SSH行事との兼ね合いで日程を変更いたしました。ご了承ください。
当日は9:30に内牧公園駐車場に集合、内牧公園周辺で秋の雑木林の動植物観察を行います。
※バス時刻の関係で集合時刻がこれまでの回と異なりますのでご注意ください。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/pbqq78PSpyASL2aa9
【SSH】理数探究課題設定発表会
9月18日(水)6時間目に理数探究の課題設定発表会が行われました。
研究のテーマ・仮説・実験方法を計9班が発表しました。
OBの先輩方も来てくださり、有用なアドバイスを沢山してくださいました。
着眼点が面白い研究が多くあり、楽しい発表会となりました。
【SSH】つくばサイエンスツアー
7月22日、2年理数科でつくばサイエンスツアーにいきました!!化学グループ、物理グループの2つに別れ、様々な施設を見学しました!
化学グループ
化学グループは、理化学研究所、食と農の科学館、そして筑波大学国際睡眠研究機構の3箇所にいきました!!
理化学研究所では、マウスによる医療科学の発展について学びました。そこでは、クリスパーキャスナインと呼ばれる酵素を使い遺伝子組み換えをするという具体的な方法まで学ぶことが出来ました!
食と農の科学館は農研機構と呼ばれる国立の研究機構が監修している科学館で、農業について生物学的、化学的視点から学ぶことができ、過去から現在に至るまでの農業の進化を実感出来ました。
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構では、睡眠の重要性を学んだり、カウンセリングの進化を学んだりと、実際に化学分野が世間一般に利用されている部分を知ることが出来ました。
AIカウンセラーと呼ばれる、カウンセリングをしてくれるAIを実際に体験することで、技術の進歩を実感したり、研究室を見ることで、将来についても考えるいい機会となりました!
こちらつくばサイエンスツアーの物理班です!
私たちは①高エネルギー加速器研究機構 ②JAXA筑波宇宙センターという2カ所を見学しました
①高エネルギー加速器研究機構では、円周約3kmからなる加速器の一部を間近で見て学ぶことができました。また実際に加速器を使った研究なども少し見ることができました。
物理教科の分子の単元はまだ授業ではやっていませんがとても面白く興味が湧きました。
②JAXA筑波宇宙センターでは、ツアーガイドとともにいくつかの施設を見学しました。宇宙飛行士が訓練をする特別な部屋や国際宇宙ステーション(ISS)とつながる重要な管制室をこの目で見ることができました。
多くの人にとってこれらの施設は普段行く機会がなかったり、入ることが難しかったりするため、この機会で学んだことは大切にしたいですね!
【SSH】1年理数科野外実習2日目
はじめに磯観察に行きました。逃げられないように静かに近づいて捕まえようとしています。
カニやナマコ、ヤドカリなどがいまして。綺麗な魚を捕まえていた人もいました。
これはバームクーヘンの形をしたバス停です。食べようとしている人もいました。
地層を観察し写真を撮っています。
地層の色などの原因を考えることができました。
最後に極相林の観察に行きました。しっかり端を歩いて中に入っています。
展望台までの道です。階段一段、一段が大きく距離が長かったので疲れました。
植生を比べるために写真を残しています。
途中に神社があり、そこで観察しました。登り始める前と比べ木が太くなりました。
この後展望台につきました。草がすごく生い茂っていました。
フェリーが来るまでの自由時間です。改めて岩石などを見ています。
フェリーが来ました。
野外実習が終わりました。実際に見たり触れたりできるいい経験となりました。またクラスの仲も深まりました。事後学習も頑張りたいです。
【SSH】1年理数科野外実習1日目
7月22日、越谷北高校理数科1年生は、伊豆大島野外実習へ向かいました。
竹芝桟橋から8時の高速ジェットに乗り込みます。寝ている人がいたり、みんなでワイワイ話して、ワードウルフをしたりして、楽しく過ごしました。
岡田港でジェットを降り、バスに乗ってホテルへ向かいます。
こちらは植生調査の様子です。直径や高さを測っていきます。この後の山登り後、別の地点でも調査を行い、違いを調べるため、班内で1人1本ずつ選び、測定しました。
三原山を登り始めます。三原山を背景に展望台で集合写真を撮ろうとしましたが、生憎の曇天でただ真っ白い雲と写ることになりました……しかし、曇っているということで気温は低めで、少し歩きやすかったです。
パホイホイ溶岩の観察です。溶岩の形や色、触り心地、座り心地(?)など、様々な観点からの観察を行いました。
その後、山頂まで登ると三原神社が。各々お賽銭をしたり、水分補給や日陰での一休みをした後、再出発です!
三原神社からの道を進んだ先には大きな火口が!周りを回っていきます。底の見えない深さにもしも落ちたら……を考えると、震えますね。
この道では、火山に近付くほど遷移が進んでいない、つまり山を降りて温泉ホテルへと向かえば擬似的に遷移の過程を見られるようになっていることもあり、周りを見ながら、時には写真を撮って進んで行きます。
が、降りていく道はどうやらかなりの悪路で、多くの人が砂利に足をとられて滑ったり、コケたりしていました。すぐ横が斜面だったりするので、細心の注意を払いながら歩いて行きます。
無事ホテルに着くと、クタクタになってしまう人が続出。如何に山といえど、長時間歩けば汗をかくもの。早々にお風呂に入っていく人も多くいました。しかしその傍ら元気に卓球をする人も。夜ご飯までを自由に過ごしました。
こちらは夜、学習会の様子です。班内やクラスで観察結果について話し合ったり、観察中やその後に気になった事などについてを話し合い、発表していきます。どの班も意欲的に活動していました。
その後はテラスに出て天体観測。強い風が吹き、一方には眩い月、もう一方には雷が鳴る中という状況下で行われました。
カメラには全然写らず、悔しい思いもしましたが、肉眼では多くの星が捉えられました。さそり座や乙女座などの星座を探して昔の人に想いを馳せてみたり、望遠鏡での観察も行いました。
充実した一日を過ごし、野外実習一日目が終了しました。明日へのワクワクを胸に眠ります。
【SSH】7月13日公開講座(寄居町鐘撞堂山)
7月13日(土)寄居町鐘撞堂山にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、県内から高校生14名、教員3名が参加しました。
雨予報の続く中天候が心配されていましたが、当日は雨も降らず気温も高すぎず絶好のフィールドワーク日和でした。
寄居駅北口に集合し、市街地を抜けて鐘撞堂山へ向かいます。
市街地では、軽く路傍の植物を観察しました。
舗装道路の隙間にはエノコログサやシナダレスズメガヤなどが生えています。
真夏には灼熱の環境になるアスファルトの隙間に生えることのできる植物はどんな特徴を持つのでしょうか。
土壌のあるところは同じ「猫じゃらし」でもオオエノコロが多いようです。
環境選好性に違いがあるようです。
国道を渡って市街地を抜けてくると畑地が増えてきました。
良く知っているはずの野菜でも、意外と見ても分からないものです。
山に入ると、一気に涼しくなりました。
見られる植物も増えてきます。
市街地の近い山林では、もともと自生していたものとヒトが植えたものとが混ざって生えています。
かつて人々が利用していたであろう植物、クワ(絹糸生産のため)やヒメコウゾ(和紙の原料)なども目立ちます。
アジサイにフキバッタの仲間がいました。
参加者はイナゴだと思っていたようです。バッタの仲間は、見分けるのが難しいです。
実は、ここで道を間違えていたことに気が付きました。
鐘撞堂山へ続く筋を間違えてしまっていましたので、引き返しました。すると・・・
参加者の高校生が、「変なキノコのようなものが生えている」と何かを発見!
なんとタシロラン(ラン科)でした!
環境省レッドデータブックで準絶滅危惧、埼玉県レッドデータでは情報不足となっており、県内では10か所ほどでしか記録されていない希少種です。
道を間違えたおかげで、貴重な生物を観察することができました。
またとない機会、じっくり観察します。
タシロランは腐生植物で、自身で光合成をしません。
葉はあるでしょうか?根はどうなっているかな?
あらためて鐘撞堂山へ向かっていると、道端のミョウガの葉にツノトンボがいました。
羽化したてなのか、触角も翅も垂れ下がっていました。
トンボと名がついていますが、トンボの仲間ではなく、ウスバカゲロウなどと同じアミメカゲロウ目の仲間です。
山に入ったところで、沢に降りてプラナリア探しをしました。
前日までの雨の影響かもしれません、プラナリアは少なかったようですが、それなりに採集できました。
各自で持ち帰り飼育や研究に活用できそうです。
沢沿いで冬虫夏草のカメムシタケを見つけました。
カメムシタケは冬虫夏草の中で数も多く、オレンジ色で目立つため見つけやすいです。
冬虫夏草に興味のある方は、沢沿いの林道などで探してみてはいかがでしょうか。
カメムシタケを見つけたら、その周りに他の冬虫夏草が見つかることも多いです。
というわけで、見つけました。
小さくて分かりにくいですが、樹皮下の虫(おそらく甲虫の幼虫)から白い菌体が出ています。
冬虫夏草の図鑑には載っていなくて、種類は分かりませんでした。
周囲には同じ種類の木がたくさん生えていますが、この木にだけ発生していました。
林道わきにきれいな白いキノコが見つかりました。
ドクツルタケです。一見おいしそう(?)ですが、国内での死亡例もある毒キノコです。
開けたところに出ると、アブ、ハチ、チョウが見られました。
これはコチャバネセセリです。
林内の涼しいところで振り返りをしましたが、写真を撮り忘れました。
駅前で少しお話をして、解散しました。
参加者の感想(抜粋)
以前から見たいと思っていたアマチャヅルを見つけることができて感激した。
アマチャヅルとヤブガラシは図鑑で見るとそっくりでよく似ていると思っていたが、実物を見ると違いがあることに気が付くことができた。
道端のエノコログサやメヒシバなどこれまで目を向けていなかった植物にも興味を持つことができた。
タシロランなどの珍しい生物を見ることができてよかった。
前回までで見た種類を今回見分けることができて面白かった。
学校で参加する屋久島フィールドワークに向けた予備調査ができた。
調査方法の改善点が見つかったので、改善していきたい。
同じような環境でも毎回見つかる生物に違いがあることに気が付いた。
ニッチが合っているように見えても、いたりいなかったりするので、実物を見ないと分からない、気が付かないこともたくさんある。
(教員)鳥を8年ほど続けていて、やっとわかるようになってきた。生徒の皆さんもフィールドでの観察を継続してほしい。
(教員)今回見た植物をリストにしたが、300種弱の植物が記録できた。
市街地、沢、林道といろいろな環境を見たために種数が多くなったのだと思う。
また、道を間違えたおかげでタシロランを見つけることができた。
時には間違えることも大事だと思う。
今回のフィールドワークでは、タシロランや冬虫夏草をはじめ珍しい生物を見つけることができました。
希少な生物は、適応する環境が限定的である(ニッチが狭い)ために減ってしまっている(あるいは元から少ない)と考えられるため、私たちから見ると同じように見える環境でも、わずかな違いのためにいたりいなかったりすることに気が付くことができました。
フィールドでの調査は、そういった点に着目してなるべくたくさんの場所を、多くの目で観察することが重要です。
次回の公開講座は10月に春日部市内牧公園での実施を予定しています。
もともとは10月20日(日)を予定していましたが、27日(日)に日程を変更しての実施を検討しています。
9月頃には参加申し込みフォームについてお知らせしますので、高校生、教員でご興味を持たれた方はぜひご参加をご検討ください。
【SSH】第1回SSH運営指導委員会
6月27日の午前中にSSH生徒研究発表会が行われ、午後には今年度の第1回SSH運営指導員会が開かれました。
ご出席いただいた運営指導委員の先生方は以下の通りです。
中澤明様(埼玉大学名誉教授)
井上直也様(埼玉大学名誉教授)
浅野信彦様(文教大学教授)
関根秀明様(建設技術研究所 執行役員 中部支社長)
多久和理実様(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 環境・社会理工学院 講師)
また、埼玉県教育委員会の県立教育指導課よりお二方、JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構 理数学習推進部 主任専門委員)より奥谷雅之様にもご出席いただきました。
運営指導委員会では、SSHの昨年度の反省を踏まえた今年度の活動方針が報告され、それに対して、運営指導委員会の先生方から様々なご意見やご指摘をいただきました。
本校の教員からも様々な意見が出され、充実した議論をすることができました。
探究的な活動のなかでのテーマの探し方、実際の生徒の変容、クロスカリキュラムにおける、科目横断的な授業の記録についてなど、どの話題もこれからの越谷北高校の発展に欠かせないものでした。
SSHのⅡ期は令和5年度~令和9年度の5年間です。今年はⅡ期二年目ということで、学校全体で様々な取組に挑戦してまいります。
【SSH】生徒研究発表会
6月27日、越谷サンシティにてSSH生徒研究発表会を実施しました。
理数部活動からは化学部が代表で発表を行いました。
「ダンゴムシを用いた染色」
2年生はそれぞれ1班が生物分野、地学分野の発表を行い、3年生は物理分野、数学分野、化学分野の発表を行いました。
「ボルボックス体細胞の単離」
「砂防堰堤と土石流の関係について」
「Relationship between balloon burst loudness and how it is punctured」(風船の破裂音量と割り方の関係)
「Divide angle equally by folding origami」(折り紙による角の等分)
「Differences in Molluscan Shell Phosphors depending on habitat」(生息地による貝殻蛍光体の違い)
各班の発表の後、10分間の質疑応答の時間が設けられましたが、どの班についても時間ギリギリまで活発な質疑が行われました。普通科の生徒からも質問が出されたほか、留学生からは英語での質問も。3年生は英語で回答をし、ここ一番の盛り上がりを見せました。
最後に、SSH運営指導委員の先生方から講評をいただきました。
理数科3年生にとっては、これで課題研究活動は一区切り。下級生に大変良い刺激を与えてくれました。これまでの研究活動お疲れさまでした。1,2年生はこれから新たな課題研究を進めていきます。これからの活躍を期待しています。
【発表後の様子】
発表前は緊張した様子でしたが、発表後は素敵な笑顔を見せてくれました。お疲れさまでした。
【SSH】野外実習事前学習 毎木調査
理数科1年生で夏休みに実施される野外実習に向けて、
理数生物の授業を使って伊豆大島の植生の特徴や、植生調査の方法について学習しました。
調査では樹種を判別し、胸高直径と樹高を測定します。
用意されたのはメジャー1つ、さてどうやって樹高を計りますか?
。。。
各班で話し合い、三角関数で求める方法や自分の影の長さとの比を使う方法など
色々なアイディアが出ました。
毎木調査では、実際には10m×10mの決められた範囲のすべての樹木を測定するため
樹高は人や木を基準にm単位でざっくり測ることもあります。
こんな感じ
では、校内の樹木を実際に調査してみましょう!
幹の円周から直径を計算して...
写真の使い方も、デジタルならではですね。
有意義な実習になるよう、準備していきましょう。
【SSH】第3回公開講座(7月13日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第3回(寄居町鐘撞堂山)を7月13日に実施します。
当日は8:50に寄居駅北口に集合、鐘撞堂山で夏の里山の動植物観察、沢でプラナリア採集の実習(予定)を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/QRe4r6ZEPfvTuPyK6
【SSH】6月15日公開講座(宮代町山﨑山周辺)
6月15日(土)宮代町山﨑山周辺にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、県内2校から高校生17名、教員1名が参加しました。
30℃を超える猛暑の中でしたが、参加者の皆さんは積極的に動植物の観察をしていました。
宮代町は埼玉県東部に位置し、中川低地と大宮台地の境目にあたります。
開発の進んだ埼玉県東部では貴重な雑木林が残された地域でもあり、平成13年に宮代町と埼玉県が購入した雑木林は緑のトラスト保全5号地として保全活動が行われています。
東武動物公園駅西口に集合しました。
雑木林までは、市街地の植物を観察しながら移動です。
アスファルトの隙間から伸びるトマトを見つけました。
空きテナントの壁になぜかモンシロチョウの蛹が30匹近く・・・
なぜここで蛹化しているのでしょうか。
近くにモンシロチョウの幼虫が育つアブラナ科植物は見当たりません。
いわゆる”猫じゃらし”を見つけました。
猫じゃらしと呼ばれる植物には何種類かいます。
ここではオオエノコロとアキノエノコログサが混じって生えていました。
特徴の違いを見出します。
サクラの葉を観察していると、参加者のひとりが形が変な葉を見つけました。
次の写真を見て、皆さんは気が付きますか?
変な葉はこれ1枚ではなく、他の枝にも見られました。
どうしてこのような葉になったのでしょうか。
道路沿いにも様々な動植物が見られます。
自動車の往来に気を付けながら観察をします。
水辺ではたくさんのトンボが飛んでいました。
ほとんどはコシアキトンボでしたが、鮮やかな赤い色のショウジョウトンボや、大きなウチワヤンマも見られました。
ショウジョウトンボです。
酔っ払いの赤ら顔の妖怪「猩々(しょうじょう)」からついた名前です。
ウチワヤンマは、名前は「ヤンマ」ですがヤンマ科(ギンヤンマなど)ではなくサナエトンボ科のトンボです。
(ちなみにオニヤンマはオニヤンマ科、コオニヤンマはサナエトンボ科、ややこしいですね。)
名前の由来は、尾部のうちわ状の突起から。
近年埼玉県では近縁のタイワンウチワヤンマが見られるようになってきましたが、ここで見られたものはウチワヤンマでした。(うちわ状突起の形状や脚の色から判断できます)
宮代町の「新しい村」で昼食休憩をとったあと、湿地の動植物観察です。
普段は見られないような植物が見られます。
湿地に多いハンノキは埼玉県の蝶ミドリシジミの食草です。
残念ながらここではミドリシジミは見られませんでした。
緑のトラスト地の雑木林に入りました。
雑木林特有の植物がたくさん見られました。
雑木林の樹木は、様々なかたちで人間が利用してきたものが多いです。
クヌギからは樹液が出ていて、樹液に集まる蝶サトキマダラヒカゲの他、コクワガタ、オオスズメバチも観察できました。
このオオスズメバチは女王のようです。
かなりの迫力です。危険のないように、近づかないで観察をします。
シュンランに実がついていました。
参加者は好奇心むき出しで観察し、よくメモを取って積極的に質問をしていました。
最後に水田の動植物観察です。
農作業の迷惑にならないよう気を付けて観察をします。
ここ20年ほどで急激に数を減らしたトウキョウダルマガエル(トノサマガエルの仲間)が見られました!
とてもカッコいいカエルですが、学校周辺では見られなくなりました。
かつては夏の夜に水田で大合唱をしていたものですが、いつの間にか聞かれなくなりました。
身近な自然の変化にも目を向けていたいものです。
最後に駅に戻り、参加者からひと言ずつ感想をもらって解散しました。
気温が高く、給水など気を付けて活動しましたが、充実したフィールドワークになりました。
参加者の感想(抜粋)
色々な動植物が見れて楽しかった。同じ科の植物には共通の特徴があることが分かった。
よく似ている植物でも、見分け方が分かると見分けられるようになった。
トンボを追いかけたがなかなか捕まえられなかった。ウチワヤンマを初めて見ることができた。
昨年と同じ場所(注・昨年10月も同地での観察会でした)で観察をして、季節によってみられるものが変わることが分かって面白かった。
駅から歩ける狭い範囲でも環境が変われば見られる動植物もがらりと変わっていて面白かった。
これまで違いがあることすら知らなかった植物について知ることができた。家族にも教えてあげたい。
前回(5月回)に覚えた植物を見分けることができてうれしかった。
(教員)生徒さんたちが熱心に参加していて感心した。生徒さんたちもいろいろなことを知っていて驚いた。昨年(10月)と比べて昆虫の種類が多かった。
今回は参加者からの質問が特に多く、興味関心を絞り出して観察をすることができていたと思います。
動植物の観察は、くり返し見て「目」をつくることが大切です。
ぜひ続けて参加し、フィールドワークの基礎を身に付けてほしいと思います。
次回は、7月13日(土)寄居町鐘撞堂山の予定です。
参加申し込みフォームは後ほどアップいたします。
ご参加お待ちしております。
【1年理数科】東大リサーチキャンパス
6月8日(土)、東京大学生産技術研究所および東京大学先端科学技術研究センター主催の「東大駒場リサーチキャンパス公開2024」に理数科1年で参加してきました。
このリサーチキャンパスでは、各班が興味を持った分野の研究室を回り、私たちは「マイクロニードルパッチ:DDSと予防医学」「体の外で神経回路をつくって脳を理解する」「バイオインスパイアード有機合成化学ー生体反応に倣い、それを超える」「培養肉からバイオブリットマシンまで」などを見学してきました。
見学中も、疑問に思ったことは質問し、様々な知識を吸収することができたと思います。内容が難しく理解に苦しむ場面も多々ありましたが、その度に丁寧に説明してくださり、今まで抱えていた疑問の答えを知ることができました。
このリサーチキャンパスを通して、自分が考えていなかった分野にも興味を抱くことができ、多くの「気づき」を得ることができました。これからも、このような活動に積極的に参加し、知見を広げていきたいと思います。
【SSH】科学探究 校内発表会
6月8日(土)の午後、本校しらこばと会館で科学探究の校内発表会が行われました。
科学探究は、物理・化学・生物・天文気象・パソコンの5つの理系部活動に所属する
普通科の生徒の中で希望者が行っている研究活動科目です。
校内発表会では約80名の生徒の前で6つの研究が発表されました。
天文気象部
マジックアワーの色と気象条件
物理部
トントン相撲王への道
化学部
ダンゴムシを用いた染色
化学部
NaCl線状結晶の析出条件
化学部
複数色消すシートの作成
生物部
ナガミヒナゲシ 過去5年間の分布推移と混生する植物について
他の部活動の研究に興味津々
質疑応答も積極的に行われました
この中から代表に選ばれた1研究は
6月27日にサンシティ越谷市民ホールの大ホールで行われる生徒研究発表会で
全校生徒の前で発表します。
たくさんもらった質問や意見を今後の研究活動に生かしていきましょう。
【SSH】日本顕微鏡学会 第80回学術講演会 第1回中高生によるポスター発表
6月2日(日)、公益社団法人日本顕微鏡学会主催の「第一回中高生によるポスター発表」に理数科2年2名で参加してきました。
今回の発表会(中高生によるポスター発表)は、日本顕微鏡学会 第80回学術講演会に合わせ、今年度はじめて実施されたもので、当日は私たちも含め10校14件の研究発表が行われ、多くの方が参加していました。
私たちは「ボルボックス体細胞の単離条件」について1年間にわたって研究してきた内容を発表しました。
持参したiPadで、顕微鏡で動画撮影したボルボックスの様子も見ていただき、分かりやすい発表に努めました。
学校外で発表する初めての機会だったため、とても緊張しました。
しかし、たくさんの方々からご指摘をいただくことで、自分たちの研究について、新たな学びを得ることができました。
また、同時開催の市民公開講座にも参加し大学教授の講演を聴講しました。
講演では、ナノテクノロジーによる科学技術の進歩や、眠りについての重要性やそのメカニズム、顕微鏡を用いた神経活動の可視化、偶然による発見が科学の進歩を促すことなど、新たな知見を得ることができました。
質疑応答の時間には、いくつかの質問をさせていただきました。
今回の中高生によるポスター発表および講演は、私たちにとって貴重な経験となりました。
今後ボルボックスの研究を続けるにあたって、偶然の発見"Serendipity"を大事にして、実験や考察を積み重ねていきたいです。
このような貴重な機会を用意してくださった顕微鏡学会の皆様、ありがとうございました!
また、今回顕微鏡学会で中高生によるポスター発表が初めて行われるということについて、越谷北高校で卓上走査型電子顕微鏡をお借りしている株式会社日立ハイテク様に情報をいただき、参加することができました。
この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!
今年度お借りする予定の卓上走査型電子顕微鏡については、ボルボックスの研究にも活用したいと考えています。
【SSH】理数科 理数探究・STEAM探究 課題研発表会を公開します
6月27日(木)にサンシティ越谷・大ホールで開催される課題研究発表会を一般公開します。理数科の2年生と3年生が、それぞれ物理、化学、数学、地学、生物の分野で進めた研究成果を全校生徒の前で発表し、質疑応答を行います。
申込不要でご覧いただけますが、教育関係者やメディア関係の方については事前把握のため、こちらのページよりお申込みいただくようお願い申し上げます。
日時 令和6年6月27日(木)
会場 越谷サンシティ・大ホール
JR武蔵野線 南越谷駅より徒歩3分、東武伊勢崎線 新越谷駅(スカイツリーライン)より徒歩3分
時程
9:00~9:40 開場・受付
9:45~9:50 開会式・開会宣言・校長挨拶
9:50~10:50 生徒研究発表第1部
11:00~12:00 生徒研究発表第2部
12:00~12:30 閉会式・指導講評・閉会宣言
今年の発表内容
●3年生
・Relationship between balloon burst loudness and how it is punctured.(風船の破裂音量と割り方の関係)
・Divide angle equally by folding origami.(折り紙による角の等分)
・Differences in Molluscan Shell Phosphors depending on habitat.(生息地による貝殻光体の違い)
●2年生
・ボルボックス体細胞の単離条件
・砂防堰堤と土砂流の関係について(昨年度の様子)
【SSH】令和6年度 STEAM探究 校内発表会
5月25日(土)理数科2,3年生による課題研究の校内発表会が行われました。
3,4時間目には3年生が発表し、2年生と保護者が見学しました。
3年生は英語での発表になります。
3年生は物理化学数学について研究を行い、今回のテーマは以下の通りでした。
物理1班『Relationship between balloon burst loudness and how it is punctured(風船の破裂音量と割り方の関係)』
物理2班『How to Make a Brighter PET Bottle Lantern in Disaster Situations(災害状況下におけるより明るいペットボトルランタンの作り方)』
物理3班『A Certain Gaussian RAILGUN(とあるガウスのレールガン)』
物理4班『Efficient placement of circulators for room heating(暖房運転時における効率的なサーキュレーターの配置)』
化学1班『How to extract anthocyanin from red perilla (赤ジソからアントシアニンを抽出する方法)』
化学2班『Making biodegradable films from Citrus natsudaidai(ナツミカン Citrus natsudaidai を用いたフィルムの作成)』
化学3班『Compatibility of protective colloids and iron(III) hydroxide colloids(保護コロイドと水酸化鉄(Ⅲ)コロイドの相性 ) 』
化学4班『Differences in Molluscan Shell Phosphors depending on habitat(生息地による貝殻蛍光体の違い)』
数学1班『Divide angle equally by folding origami(折り紙による角の等分) 』
発表の様子
英語での発表でしたがどの班も原稿を見ずに堂々と発表していました。
英語の発音も流暢で素晴らしかったです。
3年生の皆さん2年間の研究活動お疲れさまでした。
【SSH】令和6年度 理数探究 校内発表会
5月25日(土)理数科2,3年生による課題研究の校内発表会が行われました。
1,2時間目は2年生が発表し、1年生と保護者の方が見学をしました。
2年生は生物・地学についての研究を行い、今回のテーマは以下の通りでした。
生物1班『ボルボックス体細胞の単離条件』
生物2班『音楽振動が酵母の発酵に与える影響』
生物3班『ネコハエトリの上昇と光の関係』
生物4班『フラスコモにおける原形質流動の観察』
地学1班『中州が形成される川の条件』
地学2班『堤防による津波被害の軽減』
地学3班『岩石の種類による風化の仕方の違いについて』
地学4班『砂防堰堤と土石流の関係について』
地学5班『地盤改良による液状化対策』
発表の様子
初めて発表を聞く1年生からも多くの質問が飛び交い、活気のある発表会になりました。
発表会を通して更なる疑問や課題も見つかったと思います。
まだまだ研究を深めたいと思いますが、今後は物理・化学・数学分野の研究となります。
今回の研究の経験を活かして有意義な研究活動をしてください。
【SSH】第2回公開講座(6月15日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第2回(宮代町山崎山)を6月15日に実施します。
当日は8:50に東武動物公園駅西口に集合、宮代町山崎山の緑のトラスト地などの動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/ZyKkPJe2T4q9Jb7T6
【SSH】5月3日公開講座(寄居町鉢形城周辺)
5月3日(金)寄居町鉢形城周辺にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は県内8校から高校生18名、教員5名参加しました。
よく晴れて風も無く、絶好のフィールドワーク日和となりました。
寄居町は埼玉県の北部に位置し、町の玄関口である寄居駅はJR八高線、東武東上線、秩父鉄道の3路線が乗り入れています。
駅周辺はきれいに整備されていますが、様々な路傍の植物を観察することができます。
南口ロータリーで外来植物のビロードモウズイカを見つけました。
葉も茎も細かい毛状突起に覆われておりビロード状になっています。
このような形態で、どんな環境に適応しているのかを考えてもらいました。
水を垂らして、葉が受けた水がどうなるかを観察しています。
駅前通りのツタを観察しています。
どうして壁に張り付くことができるのでしょうか。
どこでも見かけるようになった外来植物ナガミヒナゲシです。
オレンジ色のきれいな花ですが、繁殖力が高く侵入すると厄介な外来種です。
写真のナガミヒナゲシ、すべて同じ種に見えますが、実は2種類が混ざって生えています。
茎を折ると黄色い乳液を出すもの(ナガミヒナゲシsubsp.lecoqii)、白い乳液を出すもの(チグサナガミヒナゲシsubsp. dubium)があります。
言われてみないとなかなか気づかないですが、花や実の様子にも違いがあります。
路傍の植物も、じっくり観察すると興味深い点が見つかります。
カモジグサとアオカモジの違いを観察しています。実のまわりを囲う護穎(ごえい)の内側にある内穎(ないえい)の長さが異なります。
鉢形城公園につくと、ぐっと自然度が上がります。
保護されているカタクリの見られるところで観察しています。
3月頃に開花するカタクリはすでに実になっていました。
カゲロウやカワゲラなどの水生昆虫の成虫がたくさん見られました。
東屋の柱ではハエトリグモ(シラヒゲハエトリ)がカゲロウ成虫(モンカゲロウ)を捕食していました。
クヌギがありました。樹皮の裂け目はどのような適応でしょうか?
荒川河川敷に降りてみます。
環境が変わると、見られる生物が変わります。
川の存在は生物相にどのような影響を与えているでしょうか?
鉢形城側は、川の流れのカーブの外側にあたり、削られて崖になっています。
岩壁にも岩壁特有の植物相が見られます。
クサイチゴの花が咲いていました。
参加者のひとりは、この花の写真をスマホの待ち受け画像にするそうです。
ヌルデの葉裏にハイイロヤハズカミキリを見つけました。
本来はタケの仲間につくカミキリムシです。
近くにモウソウチクの林があったので、そこから来たのかもしれません。
河原の植物を観察しました。
奥がモウソウチクの林です。
この日は条件もよく、合計100種類以上の動植物を観察することができました。
参加者には、探究の視点で動植物観察を行ってもらいました。
探究テーマ探しのためには、好奇心を持ち興味関心を絞り出して観察をすることで、様々な「なぜだろう?」を見出すことが重要です。
参加者の感想(抜粋)
動植物に関する知識のあまりないまま参加したが、いろいろと見ていく中で、少しずつ違いが分かるようになっていった。
知っているつもりの生物でも、分からないことがたくさんあることが分かった。
色々な生物を知ることができた。帰った後も図鑑で勉強したい。
事前に調べていた生物を実際に観察することができて楽しかった。
身近な生物にも研究の余地があることを実感できた。
植物好きや虫好きな仲間がたくさんいて楽しかった。
場所によってみられる虫が変わっていて、図鑑を見るだけでは分からないことがたくさんあると思った。
知識が増えると、色々と気付くことが増えて楽しかった。
参加した生徒たちがほんとうによく観察をしていることに感心した。動植物について学んだことを授業に活かしていきたい。(教員)
高校生が好奇心を強く持って粘り強く生物を観察している様子を見れてうれしかった。(教員)
次回は、6月15日(土)宮代町山崎山で住宅地、雑木林などの動植物観察する予定です。
第2回の申込フォームについては後日公開いたします。
積極的なご参加をお待ちしています。
【SSH】公開講座「高校生と教員の動植物研修」のお知らせ
今年度も、越谷北高校では地域との連携及び学校開放のため公開講座「高校生と教員の動植物研修」を実施します。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
次の全6回を予定しています。各回ごとに参加申し込みを受け付けます。
①5月3日(金・祝) 寄居町鉢形城周辺 (寄居駅南口8:50集合)
②6月15日(土) 宮代町山崎山 (東武動物公園駅西口8:50集合)
③7月13日(土) 寄居町鐘撞堂山 (寄居駅北口8:50集合)
④10月20日(日) 春日部市内牧公園 (内牧公園駐車場9:30集合)
⑤11月16日(土) 深谷市荒川河川敷 (秩父鉄道武川駅改札前8:50集合)
⑥3月22日(土) 秩父市武州日野駅周辺 (秩父鉄道武州日野駅改札前8:50集合)
野外での動植物観察に興味がある高校生、教員(校種は問いません)は、 こちら をご覧いただきお申し込みください。
第1回(5月3日)のお申し込みは、申込専用フォーム(下URLまたはQRコード)へお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/1gvXa-CNn1Hwj62PJUDF_gjl-riZErdw6bbkhk5cJH1Q/
なお、フォームへの登録にはログインが必要です。
フォームでのお申し込みが難しい方は、担当までメールでお知らせください。
【SSH】データベースに過去の実施報告書を掲載しました
【SSH】3月23日公開講座(さいたま市田島ヶ原サクラソウ自生地)
3月23日(土)さいたま市田島ヶ原サクラソウ自生地にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
朝から霰がぱらつき気温も低かった中ですが、高校生19名、教員4名が参加して自然観察を楽しみました。
さいたま市桜区(秋ヶ瀬公園の南側)の田島ヶ原サクラソウ自生地は、1920年に国指定天然記念物に指定され、さいたま市などによって保全管理されています。
立ち入りが制限されている区画の間には芝生の公園(桜草公園)があり、秋ヶ瀬公園と合わせて休日の散策にぴったりです。
サクラソウをはじめとした希少な植物が見られ、自然観察や環境学習にも活用されています。
管理棟(トイレ)前で開会行事
気温が低く動物(昆虫)が期待できないため、田島ヶ原の植生調査(マップつくり)実習をしました。
まずは、自分の歩幅で距離を測る練習です。20mの歩数を数えます。
次に、調査地を一巡りし、植物の種類を確認します。
ノカラマツ
アマナ 気温が低いためか、開花しませんでした。
ノウルシ トウダイグサの仲間です。群落ごとに微妙な特徴の違いがあり、遺伝的多様性を感じられました。
アメリカスミレサイシン 外来のスミレが侵入していました。
サクラソウ(開花前)
カメラのストラップが写りこんでしまいました・・・
県の花でもあるサクラソウは園芸植物として人気がありますが、自生のものはとても貴重で、埼玉県内で安定した自生地は二か所しかありません。(田島ヶ原と上尾市の江川河川敷)
三月中下旬から開花をはじめ、4月に見ごろを迎えます。
観察をしながら、動植物の生息と環境、ヒトのかかわりについてみんなで考えます。
ヒロハノアマナ アマナの仲間ですが、本来この場所にはいないはずです。
自生地の外に出ると、とたんに道端雑草が多くなるのも面白いです。
自生地の中ではゲンノショウコ、レンリソウ、トダスゲが見られますが、外に出るとアメリカフウロ、ヤハズエンドウ、オオイヌノフグリとがらりと変わります。
植生マップ作りを始めました。多くの参加者が自生地の中の歩道を進む中・・・
独自性を発揮して別ルートを進む方々も。
大切なことは、自分で考えて、失敗を恐れずにいろいろやってみることです。
次の写真は、参加者の調査結果の例です。
各自で工夫をして調査ができました。
スマホの位置情報など、デバイスを駆使する工夫についても学びました。
サクラソウ自生地を出ると、(公園内ですが)市街地の植物が多くなります。
スズメノカタビラが開花していました。
おなじみの路傍植物ですが、よく観察すると気づくこともあります。
道端のエノキにアカボシゴマダラの幼虫を見つけました!
これは中国大陸由来の亜種で、日本産亜種(奄美大島に分布)との交雑やエノキ食の蝶(ゴマダラチョウ、オオムラサキなど)との競合を危惧され、特定外来生物に指定されています。
かわいい幼虫なのですが、飼育は禁止されています。
最後に、参加者が植生マップを作っている間に見つけておいた、開花していたサクラソウと、ジロボウエンゴサクを観察しました。
サクラソウ 観察した区域の中で開花していたのはここだけでした。
ジロボウエンゴサク(ケシ科キケマン属) 春先に花をつけ、夏には枯れるスプリング・エフェメラル(春の妖精)のひとつです。
面白い和名は、三重県でスミレを太郎坊、本種を次郎坊と呼んでいたことにちなんでいます。
エンゴサク(延胡索)はキケマン類の漢名です。
参加者の感想(抜粋)
貴重な植物を見ることができて良かった。
(これまでの公開講座に参加して)たくさんの植物を知ることができたけれど、まだまだ知らない植物が多いと実感した。今後もこういった機会に参加していきたい。
ぱっと見では同じように見えるツルボ、ノビルなど見分けられるようになった。
ヒトの関わり方の違いで減少する希少植物もあるということを知って、手入れの方法を考えていく必要があることが分かった。
その辺に生えているような植物をちゃんと見ていなかったけれど、きちんと観察すると面白いことが分かった。
調査や観察を通じて、いろいろな人とコミュニケーションをとれてよかった。
植生マップの作り方は授業に役立てられる。自生地のサクラソウを数十年ぶりに見ることができた。(教員)
授業では座学だけでなく、フィールドワークも取り入れたい。(教員)
来年度も、フィールドワークの公開講座の実施を計画しています。
自然観察に興味のある高校生、教員の皆様、ぜひご参加を検討ください。
【SSH】令和5年度第2回SSH運営指導委員会を実施しました
本日、第2回SSH運営指導委員会を実施しました。第1回に引き続き、指導委員の先生方より今年度の取組みについて指導・助言をいただきました。
生徒の変容をどのように捉えていくのか、SSHの取組みがもたらす波及効果をどのように拾っていくか、教科や文理の壁を超えた連携をどのように実践していくかなど、幅広い観点から意見が出ました。
指導委員の先生方、ありがとうございました。次年度に向けて、取組みのブラッシュアップをしてまいります。
【SSH】理数探究基礎
3月12日(火)3・4限に一年生理数科による課題研究の中間発表会が開催されました。
一年生では生物・地学分野の中で興味のあるテーマを設定します。
6月に本発表になりますが、現時点までの成果を中間発表として行い、さらに研究を進めます。
2年理数科の生徒も発表見学をして、それぞれの班にコメントを書き発表全体の評価をします。
来賓5名と県教育局から2名迎える中で、1年生はこれが初めての発表で少し緊張感がありました。
司会は生徒が進行します。
テーマは以下の通りです。
生物1班:ボルボックス体細胞の単離条件
生物2班:音楽振動が酵母の発酵に与える影響
生物3班:ネコハエトリの上昇と光の関係
生物4班:フラスコモにおける原形質流動の観察
地学1班:中州が形成される川の条件
地学2班:堤防による津波被害の軽減
地学3班:岩石の種類による風化の仕方の違いについて
地学4班:砂防堰堤と土砂流の関係について
地学5班:地盤改良による液状化対策
【発表の様子】
最後に講評をいただきました。
毎回様々な質問が飛び交いますが、どの班もしっかりと質問に答えていました。
今後の課題が見えてきたところで、本発表が楽しみです。
【SSH】越谷北高校が第4回グリーンインフラ大賞優秀賞を受賞しました!
越谷北高校で株式会社建設技術研究所のご協力のもと2018年から2022年まで5ヵ年で取り組んだ「越北SDGsグリーンインフラプロジェクト」の取り組みが、国土交通省主催の第4回グリーンインフラ大賞において優秀賞をいただきました。
国土交通省の報道発表資料はこちら
2018年度(SSHⅠ期指定の年)から5年間、様々な地域でグリーンインフラ(生態系機能を応用してインフラに関する諸課題を解決する考え方)に着目した現地実習、探究活動を行い、5年目の2022年にはグリーンインフラを応用した学校周辺のまちづくりについて高校生が探究し、越谷市長に提案をしました。
これらの活動について、協力いただいた株式会社建設技術研究所と連名でグリーンインフラ大賞に応募し、全国から応募のあった事例の中から優秀賞に選んでいただきました。
令和6年2月20日に東京ビッグサイトで実施されたグリーンインフラ産業展の中で表彰式があり、昨年度グリーンインフラプロジェクトの中心となって活動していた卒業生4名と参加してきました。
東京ビッグサイト
表彰式では、代表して株式会社建設技術研究所の方に壇上に上がっていただきました。
表彰後の記念撮影では、卒業生4名も一緒に国土交通省副大臣、グリーンインフラ官民連携プラットフォームの代表など、ご来賓の方々とともに撮影していただきました。
表彰式に参加した卒業生4名です。
彼らに代表して参加してもらいましたが、今回の受賞は5年間のプロジェクトに参加した歴代の生徒たちの探究活動の積み重ねあってのものです。
理科や社会など単一の教科分野では解決することのできない、分野横断、学際的な課題の探究は、”生徒たちの単純に数字で測ることのできない実力”を伸ばす大事な取り組みです。
今年度(SSHⅡ期)からは、再生可能エネルギーに着目した探究活動が始まっています。
生徒たちの探究が、今後どのように進んでいくかも楽しみです。
探究活動生徒発表会(2023年12月26日)日本薬科大学
2023年の12月26日に、埼玉県の日本薬科大学において、探究活動生徒発表会が行われました。
会場では、様々な学校の生徒によるポスター発表の展示や口頭発表があり、越谷北高校の生徒もポスター発表、口頭発表に参加しました。
ポスター発表では、それぞれの研究を行った生徒たちがポスターの前に立って参加者へ発表の説明などをしており、気軽に質問をしやすく様々な知見を得ることができました。
また、口頭発表においても、スライドを用いた発表が多く、生徒・教師問わず研究についての質問が飛び交っていました。
参加した生徒からは、
「自分の興味のある分野だけではなく、今まであまり関心がなかったような分野についての研究も楽しむことができた。いつかはあの場にたって研究を発表できるようになりたい。」
「普段関わることのない学校の生徒と、お互いの研究に関する会話もでき、知見を深めることができた。
ぜひ、来年度の発表会も見学しにいきたい。」
「他の学校の生徒の研究を見学し、自分たちだけでは思いつかないような幅広いテーマについて考えるきっかけになった。とても良い経験になったと思う。」というコメントがありました。
【SSH】理数科2年集中実験講座
令和5年12月22日~23日、理数科2年生の集中実験講座を実施しました。
2日間にわたって、物理・化学分野での実験に取り組みます!
1日目の朝、物理室に集合して開会式です。
生徒代表による開会宣言です。実験漬けの2日間にわくわくしています。
クラスを半分にして一日目物理、二日目化学の班と一日目化学、二日目物理の班に分かれます。
それぞれ、最初に実験プログラムのテキストを配ります。
物理分野は「センサープロジェクト」です。
デジタルマルチメータを使って、電気回路と電子部品の性質を理解し、オリジナルのセンサーシステムをつくります。
化学分野は、金属イオンの定性分析です。
様々な試薬で、様々な金属イオン溶液の反応を確かめ、未知試料の金属イオンを調べます。
金属イオン溶液を駒込ピペットで試験管に取ります。
反応させる試薬を確認しています。
一つずつ反応させて、どのような変化が見られるかを記録していきます。
安全のため、白衣着用のうえ保護メガネをかけています。
試薬を加えることで色が変化しました。沈殿も生じている?
変化の様子は、文字で記録するだけでなく写真にも撮ります。
未知試料を判別し、担当の教員に提出しました。合っているかな・・・?
見事正解!花マルをもらいました。
物理分野です。ペアで話し合いながら理解を深めています。
各ペアに電源装置とデジタルマルチメータが配られます。
コンセントで交流100Vを測定します。
2穴コンセントの左右で長さが違うことを知っていましたか・・・?
電池の電圧を測ります。ボックス電池(9V)を測っていますが・・・
あれ?9Vにならない!?
モバイルバッテリーの電圧を測定しています。
製品説明通りの電圧でした。
電子回路での抵抗の性質を見出します。
直列ではどうなるか?
可変抵抗をつなげています。
測定と計算の繰り返しです。理論と実践の差を埋めていきます。
暗幕で装置を隠して、光依存抵抗の反応を調べます。
お湯を沸かして、サーミスタ(温度を測る半導体センサー)の反応を調べます。
身に付けた電子回路、センサーの知識を総動員して課題解決します。
「明るくなると知らせるセンサーシステムをつくる」
「暗くなると知らせるセンサーシステムをつくる」
「熱いと知らせるセンサーシステムをつくる」
「温度をはかるセンサーシステムをつくる」など、班ごとに取り組む課題は異なります。
各班、試行錯誤してシステムを組み上げています。
最後に、組み上げたオリジナルセンサーシステムの実演・説明です。
上手に機能するシステムをつくることができました!
最後に校長先生から講評をいただきました。
代表生徒による閉会宣言です。2日間の実験プログラムを存分に楽しんだようです。
粘り強く実験に取り組む理数科生徒の底力を感じる2日間でした。
ここで身に付けた思考力や実験技術が今後の探究活動に活かされていくことでしょう。