SSH
【SSH】参加御礼 令和8年度北高探究フォーラム
令和8年8月3日(月)、本校特別教室棟を会場にSSHイベント「北高探究フォーラム」が実施されました。
午前の部では、本校理系部活(物理部、化学部、生物部、天文気象部)によるミニ探究講座、
午後の部としては、連携校として春日部高校(化学部)、越ヶ谷高校(科学部)にもご参加いただき、合同サイエンス教室を開催しました。
多くの小中学生、保護者にご来場いただき、ミニ探究講座、サイエンス教室を楽しんでいただきました。
ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた春日部高校、越ヶ谷高校の皆様、ありがとうございました。
当日の様子は、各団体のブログ(下のリンク)からご確認ください。
(記事がアップされ次第、リンクを追加します)
【SSH】令和8年度SSH生徒研究発表会 in神戸
こんにちは。理数科3年、化学3班です。
私たちは神戸の生徒研究発表会に参加してきました。
生徒研究発表会とは全国各地のSSH校の生徒が、それぞれの研究内容を発表するというものになっております。
1日目
会場到着後、ポスター発表に向け準備をしました。
ポスターが壁になかなか張り付かず大変でした。
2日目
一番の鬼門でした・・・が、多くの来場者に私たちの研究を届けることができました。
たくさん質問されたけれども、概ね自信をもって答えられました。前日までの練習の成果が発揮され嬉しかったです。
一方で、ポスターの見やすさや発表の引き込み方など他校のほうが上手なことも多々ありました。
これらのいいところを吸収し、これからに生かしていきたいと思いました。
3日目
最終日は特に優れた研究をしていた8つの高校のステージ発表を聞きました。
特に違うなと感じたところは、あらゆる質問を想定していざ質問が来た時にいいよどみなく言い切るまでの作りこみ、
そもそものデータの量、あとは研究期間の長さなどがあったと思います。後輩の皆さんはぜひ意識してみてください。
最後に
これで全3日間に及ぶ生徒研究発表会が終わりました。
私たちにとって大変実りの大きい会だったと思います。
後輩の皆さんは悔いのないようにベストを尽くして研究をしてみてください。
第56期越谷北高校理数科 化学3班
【SSH】令和8年度 2年理数科つくばサイエンスツアー
7月24日(金)、本校2年理数科の生徒40名が「つくばサイエンスツアー」に参加しました。
この研修は日本を代表する研究機関が立ち並ぶ茨城県つくば市を訪れ、最先端の科学技術や研究に直接触れることで、科学に対する興味・関心を深めるとともに、2学期以降の理数探究における課題発見力を養うことを目的として行われています。
当日は生徒の関心に合わせて2つのコースに分かれ、専門の研究者の方々から直接説明を受けたり、実際の研究施設や貴重な展示を間近で見学したりしました。
コース①:高エネルギー加速器研究機構(KEK)、筑波実験植物園、気象研究所
コース②:産業技術総合研究所(地質標本館・AIST-Cube)、JAXA 筑波宇宙センター
施設見学を通して、生徒たちは学校の授業だけでは得られない多くの刺激や発見を得ることができました。
生徒の感想
「巨大な研究を支える協力の力」
放射線や加速器などを扱う最先端の研究室を見学した生徒は、専門的な説明の奥深さに圧倒されつつも、「最先端の研究には膨大な費用と多くの人々の協力が不可欠であり、大規模なチームワークによって成り立っている」という科学研究の本質を肌で実感していました。
「奇跡的なタイミングでの貴重な観察」
筑波実験植物園を訪れた生徒は、開花すること自体が世界的に珍しいサトイモ科の「ショクダイオオコンニャク」が生で開花している姿を観察することができました。その独特な大きさや強烈な特徴を直に体験するとともに、数一千種もの豊かな植物群に触れ、「将来このような研究環境で働いてみたい」と強い興味を抱くきっかけとなったようです。
今回のツアーで得た知見や科学的な視点、そして研究現場の熱量を、今後の探究活動や日々の学習にしっかりと活かしていきたいと思います。
【SSH】北高探究フォーラム・サイエンス教室 申込期限延長のお知らせ(締め切りました)
8月3日に予定している北高探究フォーラム(探究講座・サイエンス教室)について、20日を参加申し込みの期限としておりましたが、定員に余裕がありますので申込期限を26日まで延長いたします。
午前中は越谷北高校の理系部活(物理部、化学部、生物部、天文気象部)によるミニ探究講座、午後は春日部高校化学部、越ヶ谷高校科学部との合同サイエンス教室になります。
詳しくは こちら 、募集ポスターは こちら からご確認ください。
科学に興味のある小中学生、自由研究で困っている小中学生の皆様、ぜひご参加ご検討ください。
(7月26日で申込は締め切りました)
【SSH】7月19日公開講座(羽生水郷公園)
令和8年7月19日(日)、羽生水郷公園(宝蔵寺沼ムジナモ自生地、さいたま水族館)でフィールドワークの公開講座を実施しました。
前日にはかなりの雨が降ったようで、水位が高い状況でしたが、問題なく観察をすることができました。
今回は高校生5名、教員等5名の10名が参加しました。
ムジナモは、モウセンゴケ科の水生植物で、水中でミジンコなどの動物プランクトンを捕食する食虫植物です。
プランクトンを捕らえる捕虫嚢(ほちゅうのう)の形がタヌキの尾のようであることから命名されました。
(タヌキモという名前は既に使われていたため、アナグマやタヌキを指す「ムジナ」を冠することになりました)
当地(羽生市三田ヶ谷)では大正10年(1921年)に発見され、希少なムジナモの自生地として昭和41年に天然記念物に指定されました。
今回は、羽生市に許可をいただき、自生地内(立ち入り禁止です)での観察をさせていただくことになりました。
さいたま水族館正面の休憩舎に集合しました。
公園のマップを見ながら、自生地の位置を確認しています。
池沼まわりの観察になりますので、動物分野(昆虫類)としてはトンボ類がたくさん見られることを期待しています。
さっそく見つけました。
望遠撮影をトリミングしたのでピンボケですが、キイトトンボ(イトトンボ科)です。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧ですが、かなりの数が見られました。
当地では初めて見ましたが、後で水族館の方にお聞きしたところ、今年初めて現れたとのことです。
今年は、秩父でもこれまでいなかった場所で多数見られましたので、当たり年なのかもしれません。
自生地内に入りました。
もともとムジナモが生息していた掘り上げ田の環境を維持するため、保全会の方々が水路の土を掘って土を上げているそうです。
モノサシトンボ(モノサシトンボ科)がいました。
長い脚の脛節が白くて、白い靴下を履いているようでかわいいトンボです。
チョウトンボ(トンボ科)です。チョウのようにひらひらと飛ぶトンボです。
翅が陽光を浴びてダークブルーに輝いて、とても美しいです。
今回トンボ類は、シオカラトンボ、ハグロトンボ、キイトトンボ、オオアオイトトンボ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、モノサシトンボ、オオシオカラトンボ、アジアイトトンボ、クロイトトンボ、アオモンイトトンボ、コシアキトンボの12種を観察することができました。
写真ではちょっと分かりづらいですが、ムジナモはとても個体数が多いです。
保全に関わる方々の長年の努力の成果です。
花期には少し早く、花を見ることはできませんでした。
イヌタヌキモ(タヌキモ科)は花が咲いていました。
環境省レッドデータ準絶滅危惧、埼玉県レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類です。
ムジナモと同じ水生食虫植物で姿も名前も似ていますが、ムジナモはナデシコ目モウセンゴケ科で、タヌキモ類はシソ目タヌキモ科と分類上は近縁ではありません。
似た環境に適応した収れん進化なのかもしれません。
自生地を出て、水族館奥側のビオトープを観察しました。
水路とはつながっておらず、雨水のみで池になっています。
ここでは、3種類のヤナギ(アカメヤナギ、タチヤナギ、カワヤナギ)の違いを観察しました。
アサマイチモンジ(タテハチョウ科)がいました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
ひとつ前の版(2008年版)では絶滅危惧ⅠA類でしたが、わりと普通に見られるようになりランクダウンしました。
幼虫は主にスイカズラ(スイカズラ科)の葉を食べます。
水族館の学芸員の荒井様にビオトープのハイイロゲンゴロウを見せていただきました。
ハイイロゲンゴロウ(ゲンゴロウ科)です。
ゲンゴロウの仲間は特徴的な匂いがありますが、捕まえてかいでみないと分からないですね。
雌雄の見分け方などお話を伺うことができました。
後半は水族館の館内見学をしました。(館内は一般の方も多かったため、写真の掲載は控えます)
学芸員の方のご厚意で、バックヤード見学をさせていただきました。
普段は見ることのできない水族館の裏側を見ることができました。
系統保存のため飼育繁殖されているムサシトミヨ(トゲウオ科)です。
同じく系統保存されているミヤコタナゴ(タナゴ科)です。
ミヤコタナゴは埼玉県では野生絶滅の状態です。
これらの希少種の系統保存がどのようになされているのかや、水生昆虫の飼育などについても色々と見せていただき、お話を聞くことができました。
餌やり管理の様子も見せていただきました。
水族館内で流れ解散としましたので、閉会行事は行いませんでした。
ムジナモ、ムサシトミヨ、ミヤコタナゴの他、様々な希少な水生生物がどのように保全されているかを学ぶことができました。
参加した生徒達の、今後の研究の参考になったことと思います。
次回の公開講座は10月25日(日)、長瀞町で実施します。
近くなりましたら、参加申し込みフォームをアップしますので、ご興味のある方はご参加ご検討ください。
【SSH】理数科1年野外実習②
7月17日に始まった一年生理数科野外実習の2日目となりました。
2日目は伊豆大島にある磯の観察から行われました。大島には溶岩で形成された複雑な形状の磯があり、ナマコやカニなどにとって棲みやすい環境となっています。今年は潮の高さが上振れ、観察できる時間、範囲ともに狭まる形となりましたが、互いに持ち寄った道具や見つけた情報を共有して観察を進め、限られた状況の中で磯の生物に触れることができました。
次に、地層の大切断面の観察を行いました。大量の軽石や火山灰が降り積もってできたこのミルフィーユ状の地形は、大島で起こった噴火の規模の大きさとその回数を物語っています。大島の歴史を象徴するこの地形には興味が尽きませんでした。
最後に、大島にある「ジオノス」という博物館にて活動を行いました。この博物館には、伊豆大島の地形や植生の様子、そしてそれを活用して生活してきた島民たちのくらしの様子などが展示されています。観察を行った三原山や地層の大切断面についての詳しい情報も展示されていて、観察で生じた疑問を解決したり、より深く理解することができたと思います。
2日目は、この島において火山の活動が、山の付近だけでなく磯や地下の地形、人々の生活に至るまで多大な影響をもたらしていることを感じることができました。
【SSH】理数科1年 野外実習①
7/18に理数科待望の一泊二日伊豆大島野外学習が始まりました。伊豆大島というのは、伊豆諸島の中で最大の島であり、東京都に属しています。島であるのに加え、火山噴火が活発であるため、生えている植物が変化していく遷移を見ることができます。本州から伊豆大島へ行く方法は、飛行機もありますが、今回はフェリーで行きました。船が島に近づくにつれ姿が見えてきたときはとても胸か弾みました。
一日目は、伊豆大島と深い関わりのある三原山に登りました。登山道があるものの、坂道であったり、噴出された岩石がゴロゴロ転がっていたりするため、目的の火口までの道のりは厳しいものになりました。そして、同じ三原山の岩石といっても、時代や場所、冷やされ方によって色や形が異なります。比べてみるのも面白いです。形が自分の拳より大きいのに、スポンジぐらいの重さしかない石には驚きました……!
この写真には火山噴火でできた岩石が、とある有名な生物?のようになっているのですが、おわかりいただけたでしょうか。敢えて名前は伏せさせていただきます。
火口到着!
どうやら、火口は底を覗こうとしても見えないほどに深いです。しかし、周辺の岩石が火口に崩れ落ちるので、底は少しずつ浅くなっているそうです。ちなみに、三原山の名所説明パネルの文字は、ところどころかすれています。それは火山噴出物が看板に当たり削れたり、火山ガスの影響をうけたりするからです。設置しても早いうちに、年季が入ってしまうようです。
三原山では登山の他に、植生調査を行いました。植生調査とは簡単に説明すると、調査する区画を決め、そこにある植物の様子を観察し記録することです。本州で見られる植物もあれば、島の環境に適応して進化したものもありました。
夜は学習会で、それぞれの班が生物・地学で疑問に思ったことに対し、どのようにしたら答えが見つかるのかをまとめ発表しました。
そして、夜は都会とは違った空を天体観測……の予定だったのですが、あいにくの曇りで星を見ることができませんでした。
一日目の出来事は、このような感じでした。伊豆大島は火山活動によってできた島です。それにより、生物たちにもたらされたものが沢山あるということをこの野外学習で、学ぶことができました。その恩恵が何であるかは、是非この文を読んでいるあなたの目で確認していただきたいです!
【SSH】生徒研究発表会が埼玉新聞に掲載されました
本校が日頃から取り組んでいる探究の成果を公表する「SSH生徒研究発表会(6/18)」が埼玉新聞に掲載されました。
お忙しい中取材にお越しいただきました川副記者様、ご協力ありがとうございました。
新聞記事はこちらです 0618 SSH生徒研究発表会.pdf
夏休み中の8月3日(月)に、小中学生対象のイベント「北高探究フォーラム」が本校で行われます。
みなさまの参加をお待ちしております。 参加希望はこちらから
【SSH】北高探究フォーラム 告知ポスター
来る8月3日(月)に予定している北高探究フォーラムの告知ポスターが完成しました!
期末テストもある中で、生徒が作成した力作です。
印刷用pdfファイルは こちら からダウンロード可能です。
興味を持っていただけたら、こちら からお申し込みください!
【SSH】北高探究フォーラムの申し込みを開始しました!
来る令和8年8月3日(月)、SSH事業として「北高探究フォーラム」を開催します。
北高探究フォーラムでは、高校生が小中学生に向けて探究に関する体験講座、科学教室ブースでのワークショップを通じて、未来の科学者である小中学生に科学や探究について学んでもらう行事です。
午前はミニ探究講座として、越谷北高校の物理部・化学部・生物部・天文気象部によるミニ探究講座を実施します。
午後は、春日部高校化学部、越ヶ谷高校科学部にも参加していただき、合同サイエンス教室を開催します。
また、自由研究などの小中学生による探究活動に関する相談ブースも設ける予定です。
サイエンスに興味がある小中学生の皆様、ぜひご参加ください。
小中学生のみなさんへ
科学(かがく)にきょうみがある、おもしろそう、
自由研究(じゆうけんきゅう)でこまっていることがある、
そんな みなさん をおまちしています。
科学(かがく)が好きな高校生(こうこうせい)たちがやさしく、たのしくおしえてくれます。
ぜひ、さんかしてください!
詳しくは、特設ページ こちら をご覧いただき、参加ご希望の方はお申し込みください。
※午前の部(探究講座)については、定員がありますので、希望の分野を第二希望までお申し込みください。
※小学生の方は、保護者の方の同伴が必須です。兄弟など、おひとりの保護者で複数の児童をお連れいただいてもかまいません。
※午前の部、午後の部いずれかのご参加も可能です。
【SSH】第3回公開講座(7月19日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第3回(羽生水郷公園周辺)を7月19日に実施します。
当日は10:40にさいたま水族館正面休憩舎(水族館の入り口の正面にある休憩スペースです)に集合、公園内の水辺やムジナモ自生地(予定)で動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URL)からお申し込みください。
https://forms.gle/XD6nQyWD2kaRdzdL7
※今年度より参加申し込み期限が早まっています(20日前)。期限を過ぎての申込はお受けできませんのでご注意ください。今回は6月29日が申込期限となります。
【SSH】6月21日公開講座(行田駅周辺)
令和8年6月21日(日)、行田駅周辺(行田市~熊谷市荒川河川敷)でフィールドワークの公開講座を実施しました。
ずっと雨予報だったので中止もやむなしかと思っていましたが、直前になって朝には雨が上がるという予報になりましたので、実施となりました。
今回は、高校生9名、教員3名の12名が参加しました。
行田駅に集合して、荒川河川敷を目指しました。
駅前には、イヌサフラン(イヌサフラン科)が咲いていました。
ニラやギョウジャニンニクと間違われ、中毒事故が多発している有毒植物です。
毒成分として含まれるコルヒチンは微小管の重合を妨げる作用があり、生物学を学ぶヒトにはおなじみかもしれません。
ヨモギ(キク科)に、アオバネサルハムシ(ハムシ科)がついていました。
朝までわりとしっかり雨が降っていたので、昆虫はあまり活動していないかもと危惧していましたが、杞憂だったようです。
市街地にも、生物を題材にした探究のタネはあります。
アスファルトの境目によく生えている「ねこじゃらし」ですが、エノコログサ(イネ科)、オオエノコロ(イネ科)などが混在していました。
夏にはかなりの高温になるところでも生えているので、耐暑性が高いのでしょう。
いわゆる「ねこじゃらし」は、エノコログサ、オオエノコロ、アキノエノコログサなど複数種が見られますが、耐暑性に差はあるのでしょうか。
荒川の手前に、元荒川が流れています。
ここの最上流は熊谷市内の湧水で、ムサシトミヨ(トゲウオ科)が生息するくらいの水質なのですが、このあたりまで下ってくると排水の流入の影響がかなりあるようです。
辛うじて、ミクリ(ガマ科)や(写っていませんが)マコモ(イネ科)などの抽水植物が見られました。
河川敷に生えているウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)に、ホソオチョウ(アゲハチョウ科)の幼虫がついていました。
朝鮮半島が原産と考えられている外来種です。
実は、この場所は2015年に私(中川)が熊谷市でのホソオチョウ初記録として報告をした場所でした。(埼玉昆虫談話会, 『寄せ蛾記』158号, p8, 2015年9月発行)
10年経って、複数の幼虫が見つかってしまいましたので、定着してしまっているということになります。
逆に、10年前は見られた在来のジャコウアゲハ(アゲハチョウ科、幼虫はホソオチョウと同じウマノスズクサを食べる)は一匹も見られませんでした。
タイミング的には、今年第2化の成虫が見られてもよい時期になっているのですが、もしかしたらホソオチョウの定着によって餌を同じくするジャコウアゲハが減少しているのかもしれません。
堤防上の道路は自転車が猛スピードで行きかっているので、注意して観察します。
ヒメイワダレソウ(クマツヅラ科)がありました。
グラウンドカバー(雑草対策として土地を覆う植物)としてよく使われていますが、野外に逸出してしまうと、強力な繁殖力で定着してしまいます。
根絶が難しく、外来種と言ってもよいと思います。
堤防上から河道を眺めます。
荒川本流は遠く、見えません。かなり広大な河川敷です。
ちなみに、行田駅前は行田市なのですが、元荒川を超えると熊谷市久下(くげ)になります。
ここ(河川敷)には、かつて水運、養蚕で栄えた集落(新川村)があったのですが、流通の近代化や、化繊の普及によって養蚕業が下火になると、水害に追われるように村民が去っていき、昭和47年頃に廃村となりました。
60年程前までは人が暮らし、農作業も行われていたのですが、今は住む人はなく通いで農作業をされているようです。
人々が去ったことで、生態系はどのような影響を受けたのでしょうか。今ではどのような生き物が見られるのでしょうか。
フィールドワークを通じて、ヒトの生活と生態系の関係についても考えてみたいですね。
水田(おそらくコムギ)の脇にブタクサ(キク科)が生えていました。
河川敷に広く広がっていたオオブタクサと同属の外来植物です。
ブタクサは明治期に侵入し、昭和初期には定着していたと言われていますので、新川村があったころに侵入、定着していたのかもしれません。
水路わきにツマミタケ(アカカゴタケ科)が見つかりました。
現地では和名が分からず、キツネノエフデ?としていました。
モウソウチク(イネ科)、マダケ(イネ科)の竹林は管理されていないために過密に生えており、檻のようです。
ここでは、地表徘徊性のゴミムシの仲間がたくさん見られました。
参加者が声を上げたと思ったら、キヌガサタケ(スッポンタケ科)でした。
マントの広がりが見事な個体です。
群生するとされるため他個体を探しましたが見つかりませんでした。
ギンツバメ(ツバメガ科)
マドガガンボ(ガガンボ科)なかなかの大きさで参加者も驚きです。
スカシトガリノメイガ(ツトガ科)でしょうか。
ハルシャギク(キク科)です。これも外来植物です。
イヌスギナを見つけました。
水田まわりでよく見つける、スギナ(つくし)の仲間です。
スギナと異なり、胞子葉も緑で葉をもつため、変なツクシがある!と言われることがあります。
水田にはシャジクモ類が見られました。
かつて水田やため池にふつうに見られましたが、農薬使用の普及によって激減しています。
ため池か水路か分かりませんが、水田のわきの水場です。
ここではイチョウウキゴケ(ウキゴケ科)が見られました。
環境省レッドデータ、埼玉県レッドデータともに準絶滅危惧(NT)です。
最後に、元荒川沿いのサクラでクビアカツヤカミキリの調査・駆除採集を行いました。
サクラやウメなどのバラ科樹木を食害する特定外来生物です。
ここで駆除採集した個体は、生物部の研究のための標本となるようです。
短時間で、たくさん駆除することができました。
駅前に戻り閉会行事をしました。
(写真は解散直後のものです。)
参加者の感想(抜粋)
・河川敷と言うことで、地表徘徊性の昆虫がたくさんとれてよかった。
・同じように見える種の見分け方を教わることができたので、実践したい。
・里山で、普段見ている生物と違う生物が見られて面白かった。
・クビアカツヤカミキリの被害が進んでいることを実感した。
・植物から昆虫まで、いろいろな生物について教えてもらうことができた。
・普段は素通りしてしまっているような生物も名前があり、知ることができて良かった。これから自分でも見ていきたい。
・ニュースなどで見ていたクビアカツヤカミキリを実際に見て、本当にいるのかと実感することができた。
・田んぼのまわりなど、普段は素通りしているところに意外と様々な生物がいることが分かったので、これから見ていきたい。
前回は、申込期限が早く1年生は参加していなかったため、今回が実質的には今年度最初のフィールドワーク講座ということになりました。
はじめてのフィールドワークで、教えてもらって見分けられるようになったと思ったかもしれませんが、植物も昆虫も個体差があり、特徴も分かりにくいものもあり、見極める「目」ができていないとわかったつもりでも難しいものです。
今後も、自分で身の回りの動植物を観察するだけでなく、同様の機会を利用して経験を積んでいってほしいものです。
次回の公開講座は、7月19日(日)、さいたま水郷公園を予定しています。
申し込みフォームについては、すぐにアップしますので、興味のある方はご参加ご検討ください。
【SSH】令和8年度SSH生徒研究発表会
6月18日(木)越谷サンシティで『令和8年度 SSH生徒研究発表会』を実施しました。
理系部活動からは物理部が発表を行い、理数科2年生は生物分野と地学分野、理数科3年生は、英語で数学分野・化学分野・物理分野の発表を行いました。
【物理部】
拡散の温度依存性について
【理数科2年】
生物 「時間経過に伴う固有周波数の変化を利用した野菜の状態評価について」
地学 「透水層埋設工法による効率的な排水方法の実証」
【理数科3年】
物理 「床発電の効率化について」
Improvement of floor power generation
化学 「石鹸水によるゴムの軟化劣化について」
The effect of soap on rubber softening
数学 「K-ナッチ数列の特性方程式の解を用いない一般項の記述について」
Description of the explicit formula without using the solution of the characteristic equation of the K-Nacci sequence
各班の発表後、10分間の質疑応答が設けられ、質問しきることができないほど多くの質問がでてきました。
閉会式では、SSH運営指導委員の先生方から講評をいただきました。
この発表会で各研究は一区切りとなります。この経験を活かして次の研究にも取り組んでいきましょう!
【SSH】令和8年度越谷北高校SSH生徒研究発表会について
令和8年6月18日(木)、越谷サンシティ大ホールにて本校SSHで取り組んだ探究活動に関する生徒研究発表会を開催いたします。
本校在校生の保護者、教育関係者(中学高校教員等)、一般向けに公開いたしますので、ぜひご参加ください。
なお、本校在校生の保護者につきましては事前申し込みは必要ありません。
当日会場へお越しください。
教育関係者、一般の方々は、本校HPの参加申し込みフォームよりお申し込みください。
取りまとめの都合上、16日(火)までにお願いいたします。
当日の日程は以下の通りです。
令和8年6月18日(木) 於:越谷サンシティ大ホール
9:00~ 9:40 受付
9:45~ 9:50 開会式
9:50~10:50 第1部(理系部活、2年理数科)
11:00~12:00 第2部(3年理数科)
12:00~12:30 閉会式 指導講評
【SSH】第2回公開講座(6月21日)参加申込フォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第2回(行田駅周辺)を6月21日に実施します。
当日は8:50に行田駅西口に集合、市街地を抜けて荒川河川敷で動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URL)からお申し込みください。
https://forms.gle/YkjgrKHnA5CH14Dc8
※今年度より参加申し込み期限が早まっています(20日前)。期限を過ぎての申込はお受けできませんのでご注意ください。今回は6月1日が申込期限となります。
【SSH】5月3日公開講座(久喜市南栗橋駅周辺)
令和8年5月3日(日)、久喜市南栗橋駅周辺でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今年の公開講座のテーマは「湿地帯の動植物」です。
第1回は南栗橋駅に集合して、久喜市内池、中川河川敷、幸手市高須賀池をまわりました。
ときどき晴れ間がのぞく曇りで、絶好のフィールドワーク日和となりました。
今回は、高校生6名、教員3名の9名が参加しました。
高須賀池のハンノキです。今回は風景写真の記録を忘れていました。
駅前ロータリーでもたくさんの植物の観察をできます。
ツメクサ(ナデシコ科)、クスダマツメクサ(マメ科)、オッタチカタバミ(カタバミ科)、エノコログサ(イネ科)、スズメノチャヒキ(イネ科)、ユウゲショウ(アカバナ科)、ナガミヒナゲシ(ケシ科)、ネバリノミノツヅリ(ナデシコ科)、スズメノエンドウ(マメ科)、アカメガシワ(トウダイグサ科)などざっと調べただけでも両手に収まらないくらいです。
俗に「路傍100種」とも言われ、身近なところで100種を覚えるまで頑張れば、生物を見る「目」ができてきます。
「目」ができると、たとえば魚ならばヒレを見るだけである程度種類が分かるようになります。
それまでは、根気強く図鑑(ハンドブック)を引いたり、教えてくれる先生(先輩でもよいけれど)にしつこく聞いたりして覚えていくしかありません。
ヤセウツボ(ハマウツボ科)が咲いていました。
外来の寄生植物です。地上部には花しか出ず、種は発芽すると他の植物の根に寄生して栄養を奪い、地下で球状の体が成長し、春になると地上に花茎を伸ばします。
マメ科やキク科など広く寄生しますが、この個体はスズメノエンドウに寄生しているようでした。
街路樹にキマダラカメムシ(カメムシ科)がいました。
樹皮に紛れて見つけにくくなってしまっていますが、分かりましたか?
江戸時代に長崎の出島から侵入した外来昆虫です。
以前は西日本までしか見られませんでしたが、ここ10年程でいっきに分布を拡大し、埼玉県でもふつうに見られるようになりました。
ピンボケですが・・・ナガミヒナゲシ?(ケシ科)です。
ナガミヒナゲシは、ケシ科の外来植物です。
春にオレンジ色のキレイな花を咲かせますが、日本各地に広がってしまっています。
茎をちぎると黄色い汁がにじみ出てきます。
最近、この汁が肌につくとかぶれるとして、「危険な毒草である」というセンセーショナルな報道をされてしまっていますが、よほど肌が敏感なヒトでない限りひどくかぶれることはありません。
道端などでは優占しがちな外来植物なので、駆除するに越したことはありませんので、警告したい気持ちは分からなくはないのですが、事実を過剰に盛ってしまうのはどうかと思います。
なお、「?」をつけたのは、ナガミヒナゲシには汁が黄色いタイプと白いタイプがあり、写真の個体は白い汁が出るタイプのためです。
白い汁が出るタイプを学名Papaver dubium dubium、黄色い汁が出るタイプを学名Papaver dubium lecoqiiとする情報もあり、今のところどちらもナガミヒナゲシと呼ばれていますが、論文によっては別種としているものもあるので、よくわかりません。
いずれも身近に見られるものなので、探究対象として面白そうです。
用水沿いの桜並木を観察しました。
サクラ(おそらくソメイヨシノ)には、サクラを食害する特定外来生物のカミキリムシであるクビアカツヤカミキリ(カミキリムシ科)のフラス(幼虫の糞と木屑が混じったもの)が見られるものもかなりありました。
6月には成虫が出てくるかもしれません。
ちょっと見にくいですが、マガリケムシヒキ(ムシヒキアブ科)がいました。
他の昆虫を狩る肉食のアブです。
菜の花(セイヨウカラシナ?)に「うどんげの花」がついていました。
クサカゲロウの仲間の卵です。
アリなどによる捕食を避けるため(と言われています)長い柄をつけて産み付けられています。
カタオカハエトリ(ハエトリグモ科)のオスがいました。
カラフルでかっこいいハエトリグモです。
ハエトリグモは種類も多く、行動も面白いので探究の対象として良いと思います。
シロスジヒゲナガハナバチ(ミツバチ科)がいました。
2匹がくっついていて、1匹(右のほう)が近くに止まっています。
一見するとペアのようですが、3匹ともオス(触角が長い)のようです。
松(これはクロマツでしょうか)の花を観察します。
雄花、雌花はどこにあるでしょうか?
中川の河川敷で、白い花をつけるユウゲショウ(アカバナ科)を見つけました。
これは環境変異でしょうか?
ケヤキの葉上にはヤノナミガタチビタマムシ(タマムシ科)がたくさんいました。
小さくて目立たないムシですが、これでもタマムシの仲間です。
チビタマムシの仲間は種類も多く、調べると面白そうです。
クロハネシロヒゲナガ(ヒゲナガガ科)がいました。
春によく見かける触角の長い蛾なのですが、触角が長すぎて飛び方が独特で、ぱっと見では蛾の仲間とは思えないかもしれません。
触角が長いのはオスで、メスは短め(それでも長いですが)です。
ヒゲナガつながりではないですが、道端にヒゲナガスズメノチャヒキ(イネ科)が咲いていました。
ヨーロッパ原産の外来種です。
昼休憩のあと、高須賀池公園で池の周りを観察します。
シダレヤナギ(ヤナギ科)です。
ヤナギと言えばこれ、というイメージの強い種で、川や池のまわりによく植栽されていますが、中国原産です。
池にはミシシッピアカミミガメ(ヌマガメ科)がたくさんいました。
写真は(小さくて見にくいかもですが)子亀(ミドリガメと呼ばれます)です。
雑食で何でも食べるため、在来種を減らしてしまいます。
どのような対策ができるでしょうか。
イヌマキ(マキ科)にはマミジロハエトリ(ハエトリグモ科)が。
これもオスです。かっこいいですね。
白い眉でマミジロでしょうか。
キジ(キジ科)が鳴いていました。
在来種ではあるのですが、狩猟のため放鳥されており、遺伝的にもかなりのかく乱を受けてしまっています。
よく見かける鳥ですし、高校生でも行動調査ならできるかもしれません。
ギシギシにコガタルリハムシ(ハムシ科)が大発生していました。
この増え方は異常では?
道端にシラホシムグラ(アカネ科)をたびたび見かけました。
ヤエムグラにそっくりですが、花が白いです。
この、白い小さな花がたくさん咲いていると確かに星空のようです。
南栗橋駅前に戻って、日陰で閉会行事です。
参加者の感想(抜粋)
・今回はたくさん歩いて疲れました。
・よく似ている種類の植物の見分け方を知ることができた。
・植物についた寄生痕(今回、キクスイカミキリに産卵されたヨモギも観察しました)を初めて見ることができて面白かった。
・これまで雑草としか思っていなかった植物にも名前がちゃんとあることが分かった。
・ヤセウツボが面白かった。種子を採集して発芽実験をやってみたい。この時期はあまり出歩かないので、いつもは見ない花をみることができた。(教員)
・今回は150種くらいの植物を観察できた。マメ科、キク科が多かった印象がある。(教員)
・身近にあってよく見ている植物でも、知らないことがたくさんあって新たに知ることがあり面白かった。(教員)
今回は初回と言うことで、市街地から池、河川敷の動植物観察をしました。
観察したフィールドは、中川の氾濫原といってよい場所であり、駅前から湿地の植物が見られました。
埼玉県の東部を流れる中川は、江戸時代の利根川東遷事業が行われる前は利根川の流路でした。
現在は、埼玉の北側を東に流れ茨城県神栖市と千葉県銚子の境で太平洋にそそぐ利根川ですが、江戸時代の初め頃までは埼玉県の東部を南に向かって流れ、江戸湾(東京湾)に注いでいました。
徳川幕府は、治水、利水(水運)のために利根川の流路を東に変え、渡良瀬川、常陸川につなげて現在の利根川の流路に変えました。
中川は昔の利根川の流路にあたるのですが、今回観察した内池や高須賀池はそれらが氾濫したことによってできたとされ、周辺も古くは広い湿地だったはずです。
湿地を乾燥化させたり、埋め立てたりして市街化しても、古い湿地の植物が残っているのは興味深いですね。
土地の歴史と動植物の生態を関連させて探究しても面白そうです。
次回は、6月21日(日)に行田駅周辺で、荒川河川敷の動植物観察を予定しています。
近く申し込みフォームをアップしますので、興味のある方はご参加ご検討ください。
なお、今年から申込期限が実施日の20日前となっておりますので、お早めにお申し込みください。
【SSH】令和8年度公開講座「高校生と教員の動植物研修」のお知らせ
今年度も、越谷北高校では地域との連携及び学校開放のため公開講座「高校生と教員の動植物研修」を実施します。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
次の全6回を予定しています。各回ごとに参加申し込みを受け付けます。
なお、今年度から申し込み締め切りを実施日の20日前までとしますのでご注意ください。
①5月3日(日) 幸手市内池・高須賀池周辺 (南栗橋駅西口8:50集合)
②6月21日(日) 行田市荒川河川敷 (JR行田駅西口8:50集合)
③7月19日(日) 羽生水郷公園周辺 (さいたま水族館正面休憩舎前10:40集合)
④10月25日(日) 長瀞町蓬莱島周辺 (秩父鉄道野上駅改札前8:50集合)
⑤11月14日(土) さいたま市末田須賀堰周辺 (朝日バス巻の上停留所前8:50集合)
⑥3月27日(土) さいたま市岩槻文化公園周辺 (岩槻文化公園体育館前8:50集合)
野外での動植物観察に興味がある高校生、教員(校種は問いません)は、 こちら をご覧いただきお申し込みください。
第1回(5月3日)のお申し込みは、申込専用フォーム(下URL)へお願いします。
【SSH】3月28日公開講座(さいたま市田島ヶ原周辺)
3月28日(土)さいたま市田島ヶ原でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今年の公開講座は「荒川河川敷」をテーマに、中上流域では秩父市武州中川から、深谷市武川、熊谷市大麻生と観察をしてきました。(長瀞町、行田市は雨天のため中止になってしまいました)
今年度最後のフィールドワークは、下流域ということでさいたま市桜区の田島ヶ原周辺で中上流域との違いを見ながら動植物観察をしました。
当初は天候が危ぶまれましたが、未明まで雨が残りましたが気温も上がり絶好のフィールドワーク日和となりました。
今回は高校生15名、卒業生2名、教員1名が参加しました。
さくら草公園に集合し、まずは田島ヶ原サクラソウ自生地を観察します。
田島ヶ原サクラソウ自生地は、数少ない埼玉県の花サクラソウの自生地であり、国の特別天然記念物に指定されています。
保全地はヨシ(イネ科)が生える湿地であり、夏には背丈を超えるほどのヨシ原になっています。
生態系保護のため、毎年1月頃に野焼きをして地上部の枯れたヨシを焼き払い、早春にはヨシより早く葉を展開する様々な湿地の希少な植物を観察することができます。
サクラソウも、そのような希少な植物の一つです。
フィールドの観察では、様々な視点を持つことが大事です。
生物個体を見る、個体群を見る、生物群集を見る、生態系全体を俯瞰するなど・・・。
ミクロな視点とマクロな視点で自然を観察することで見えてくるものが変わってきます。
保護地を広く見ると、黄色い花をつけたノウルシ(トウダイグサ科・環境省NT準絶滅危惧、埼玉県NT準絶滅危惧)が目立ちますが、群落ごとに見ると生え方、花期、葉の色など微妙に違いがあるように見えます。
これは、遺伝的な要因でしょうか。それとも環境変異?
足元に目を移すと(保護地の外です)、カタツムリやナメクジが見られました。
ヤマナメクジ(ナメクジ科)が交尾していました。
ナメクジは雌雄同体で、互いに精子を交換し受精させます。
名前のとおり、山地で見られるナメクジですが、平野部でも森林で見られることがあります。
隣接する秋ヶ瀬公園の雑木林から来たのでしょうか。
枯れ木にはヒダリマキマイマイ(オナジマイマイ科)が二匹ついていました。
殻の巻きが他のカタツムリ(右巻き)と逆のためヒダリマキマイマイと呼ばれます。
朽木の根元にヒメマイマイカブリ(マイマイカブリ関東亜種、オサムシ科)がいました。
越冬していたようです。
保護地の歩道に入り観察をします。
講師から積極的に説明するというよりも、参加者に「分からないこと」を見いだして質問をしてもらうようにしています。
ここで見られた植物を紹介します。
サクラソウ(サクラソウ科、環境省NT準絶滅危惧、埼玉県VU絶滅危惧Ⅱ類)はたくさん咲いていました。
アマナ(ユリ科、埼玉県NT準絶滅危惧)もたくさん見られました。
すでに花が終わり実になっている株もありました。
一部にヒロハノアマナ(ユリ科、環境省VU絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県EN絶滅危惧ⅠB類)も咲いていますが、どうも植えられたもののようです。
ジロボウエンゴサク(ケシ科、埼玉県NT準絶滅危惧)もちらほら咲いていました。
ジロボウ(次郎坊)は太郎坊(スミレ)に対して近畿地方で呼ばれていた呼び名に由来するそうです。
シロバナタンポポ(キク科)もちらほら見られました。
外来のセイヨウタンポポは一年中花をつけますが、在来タンポポの多くは春のみ咲きます。
西日本では黄色い花をつけるものよりもシロバナタンポポの方が多いため、タンポポと言えば白い花というイメージの地域もあるそうです。
光沢のある黄色い花を咲かせているのはヒキノカサ(キンポウゲ科、環境省VU絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県CR絶滅危惧ⅠA類)でした。
埼玉県内では、田島ヶ原を含む2か所でしか確認されていない希少種です。
ヒロハハナヤスリ(ハナヤスリ科、埼玉県VU絶滅危惧Ⅱ類)は、シダ植物の一種です。
胞子葉を伸ばしはじめているところでした。
夏には枯れ、翌年の野焼き後にまた地下茎から葉を出す多年草のシダです。
春の花としておなじみのスミレも何種類か見られました。
ツボスミレ(スミレ科)
アリアケスミレ(スミレ科)
ピンボケですが、ノジスミレ(スミレ科)
他にも、タチツボスミレなどが見られました。
春はいろいろなところでスミレを探して歩くのも楽しそうです。
保護地を出て、公園のすみの植え込みや草地を観察しました。
足元からも何種類もの植物が見つかります。
もう少し暖かくなってくれば、ゴミムシなどの徘徊性昆虫も見つけられるようになるでしょう。
参加者の一人が、エノキ(アサ科)の枝にアカボシゴマダラ中国産亜種(タテハチョウ科、特定外来生物)の幼虫を見つけました。
冬の間は根元の葉裏で越冬していますが、暖かくなってきてエノキに登って枝の又に落ち着いているようです。
見事な擬態で、よく見ないと見つけることができません。
他の参加者も探して、何頭か見つけ出しました。
安定して生息しているようです。
午後は公園を出て、河川敷を観察することにしました。
水の近くまで移動してきましたが、タチヤナギ(ヤナギ科)などのヤナギ類、スイカズラ(スイカズラ科)、ガガイモ(キョウチクトウ科)など在来種は少なく、外来の植物がとても多いです。
現状として外来種だらけの河川敷の環境に、私たちはどのように向き合うべきなのでしょうか。
水鳥も少しだけ見ることができました。
遠いので、証拠写真程度ですが・・・
カンムリカイツブリ(カイツブリ科、埼玉県VU絶滅危惧Ⅱ類)です。
他に、オオバン(クイナ科、埼玉県NT1準絶滅危惧)、カイツブリ(カイツブリ科)も少し見ることができました。
少し狭いですが、河原で閉会行事をしました。
参加者の感想(抜粋)
・普段では見られないような様々な希少な植物を見ることができて面白かった。いろいろなレベルの多様性を見ることができた。
・久しぶりに参加したが、自然を見る目の感覚を取り戻すことができた。(卒業生)
・生物多様性の3つの階層(生態系多様性、種の多様性、遺伝的多様性)を意識して観察をすることができた。マクロな視点、ミクロな視点といろいろな視点で観察をするのが楽しかった。
・保護されているところでは様々な在来の希少種が見られたが、河川敷では外来種ばかりで、どうしたらいいかを考えなければならないと思った。
・見たことのある植物でも、芽生えだと様子が違っていて見分けるのが難しく、面白かった。
・これまでさくら草公園には来たことはあったが、上ばかり(桜)見ていて足元を見ていなかった。地面に小さな花がたくさん見られて、発見があって面白かった。
・参加者の高校生の様子を見ていると、いろいろなことに興味を持って、自由に観察したり考えを巡らせたりしていて、素晴らしいと思った。(卒業生)
・フィールドに出て観察してみると、生物たちの関わりが立体的であることが実感できて面白い。また、時間の流れを意識して観察すると興味深い発見がある。(教員)
今年度は、荒川河川敷をテーマにフィールドワークを行い、中上流域から下流域まで様々な河川敷の環境を観察しました。
上流に近い秩父市の河川敷ではゴロタ石で希少な生物がたくさん見られましたが、中流、下流と下るにつれて河原を土が覆い、外来種が多くなっていっています。
フィールドワーク講座の目的は、野外での動植物観察から探究課題を見出すことですが、外来種対策はとても大きな課題として、考えさせることの多いテーマになると思います。
これまでのフィールドワークで参加者が気付いている(感想にも書かれています)ように、どんな生物も単独で「そこに在る」ことはなく、様々な生物、生物以外の環境(非生物的環境)と関わりを持ちながら生態系の一部となって存在しています。
外来生物問題や希少種の保全について考えるとき、その生物種についてだけ考えるのではなく、それと関わりをもつ様々な生物、環境に思いを巡らせることはとても重要なことです。
フィールドワーク講座に参加した皆さんが、今後も自分なりに自然と関わる活動を続けていただいて、生態系をめぐる課題の解決に関わってもらえればありがたいです。
今年度のフィールドワーク講座は今回で最後になります。
次年度の予定については、4月以降に越谷北高校HPにて公開する予定になっておりますので、興味を持たれた方はチェックしていただいて、ぜひ参加をご検討ください。
【SSH】令和7年度_1学年_課題研究(生物・地学分野)中間発表会
3月13日(金)2・3限に理数科1年生の課題研究中間発表会が開催されました。
理数科1年生では2学期から課題研究に取り組みますが、6月の本発表に向けてさらに研究をブラッシュアップする場として、毎年3月に現時点までの研究の中間発表を実施しています。
研究題目は以下の通りです。
生物分野
1班「時間経過による固有周波数の変化に基づく野菜の状態評価」
2班「酵母の冷凍保存」
3班「加熱による有機酸量の変化」
4班「植物の緑の香り(GLVs)とその成分による防御作用」
地学分野
1班「ビル風を弱めるには」
2班「透水層埋設工法による効率的な排水方法の実証」
3班「巨大地震は予測できるのか?」
見学している2年生から多くの質問がありましたが、1年生は堂々と対応していました。
SSHの運営指導委員の先生方からも研究に対するアドバイスを多く貰うことができました。
本日いただいた意見をもとに6月の本発表に向けて研究を進めていきたいと思います。
【SSH 】令和7年度国立科学博物館研修
2/4 57期理数科 国立科学博物館研修
地球館
地球館では、地球の誕生、生命の進化、人類の歴史を化石や標本、体験型の装置で楽しく学ぶことができました。
地下1階では、職員さんから恐竜の卵について説明を聞き、実際の卵を持つことでその重みを直に体験することができました。
1階では、現代に生きる植物や生物の展示がされており、その種や特徴について細かく知ることができました。また、身近に生きる生物もたくさん展示されていたので、親しみを持ちながら学ぶことができました。
ヒトの展示には何か見慣れた人に似ているものが…
また3階ではヨシモト・コレクションの展示があり、凛々しく、美しく、力強い剥製からは感動を覚えました。また、ここでは2頭のごりらの展示も見ることができました。
日本館
日本館では島国ならではの生息する生き物の特徴や、日本列島の成り立ち、日本に存在する鉱石、他にもワニについての展示などを見学することができました。
一階ではワニに関する展示が開かれており、ワニの標本に実際に触れるといった体験をしたり、ワニの生態について学んたりすることでそれらを通して、陸上脊椎動物の進化の過程を知ることができました。
2、3階では、日本に生息している生物や、存在している鉱石、日本列島の成り立ちなど、日本の特徴について展示されていました。
【SSH】第6回公開講座(3月28日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第6回(さいたま市田島ヶ原サクラソウ自生地周辺)を3月28日に実施します。
当日は8:50に桜草公園※に集合、サクラソウ自生地周辺で春の動植物観察を行います。
※JR西浦和駅より徒歩20分、またはバス(浦和駅または中浦和駅より)「さくら草公園」下車徒歩5分
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
【SSH】SSH講演会
12月16日(火)にSSH講演会がありました。埼玉大学副学長の石井昭彦先生にご講演いただきました。
話を聞く前は有機化学についての知識がほとんどなく、話についていけるか、理解できるのか不安でした。
ですが、『身の回りにある有機化学』ということで、私達にわかりやすく講演してくださり、不安はすぐになくなりました。
特に興味深かった内容は蛍光物質についての話です。
オワンクラゲからイクオリンと言う物質を抽出し、それを解析してカイコや猫といった生物に組み込むことで、それらの生物が暗闇で光るようになるというような内容で、このような研究結果を聞いてとても驚きました。
その他にもリサイクルについてや身近な匂いの成分、紅葉の仕組みについても化学的な観点から説明してくださり、有機化学についての知見を深めつつ、今後の学びに繋がる視点を養うことができました。
【SSH】令和7年度_理数科2年集中実験講座
12月24日、25日 に集中実験講座が行われました。
約6時間、実験し続けることは初めてで、通常の授業とは違う実験ができたので良い経験になりました。
化学分野では、金属陽イオンの定性反応についての課題が出されました。
最初に書く感想としては幼稚かなと思いつつ、書くのですが
たった一滴の試薬によって一瞬で色が変わっていく様子は、いつ・どこで・何回みても夢が溢れているなと思いました。とてもとても楽しかったです。
次の試験管は何色になるのか、どんな反応になるのかを想像していると、何時間も立ちっぱなしなことなどは割とどうでもよくなります。
ちなみに、後で分かったことですが今回の実験では1組につき100本以上実験をしていたそうです。1日に100本の試験管を洗ったのかと思うと驚きを超えて感動が芽生えてきます。
物理分野では電気、特に電圧と抵抗の関係についての課題が出されました。
まず驚いたことは、オームの法則を使ってはいけないと言われたことです。
扱ったことのある分野ならば、今までの学習の積み重ねありきなのかなと勝手に決めつけていたのですが、
今回あえて使わないことによって、新たな考え方、法則性が見えることもあるのだなと気づくことができました。
また、午後はセンサーを用いた装置の作成を行いました。
光の明るさで反応する装置、もしくは温度に反応する装置を作成しましたが、どれも日常生活に広く応用されている内容になっています。
もちろん、教科書に載っている実験をすることも楽しいですが、実際に製品化されているものの回路を自分たちで考えて、計算して、予測して、作成することは大きな達成感に繋がったのではないかと思います。
ただ実験して法則を確認するだけより、何かの役に立つ形にできる方が個人的には嬉しいです。
最後に、大きな怪我なく無事に終えることができてよかったです。
充実したクリスマスでした。
【SSH】グリーンエネルギープロジェクト(10月18日〜10月19日)
10月18日、19日に株式会社建設技術研究所様のご支援の元、グリーンエネルギープロジェクトの活動で群馬県にある八ッ場ダム、榛名山、利根大堰を訪れました。
グリーンエネルギープロジェクトとは、越谷北高校SSHⅡ期5年間を通じて、再生可能エネルギーなどエネルギーをテーマに探究をするプロジェクトです。
今回は2年生10人、1年生11人が参加し、ダムや堰の役割やこれらの建設と人や生物の関わりについて学んできました。
1日目は自然に囲まれた群馬県吾妻郡にある八ッ場ダムを訪れました。
↑この下にかつて村があったと思うと複雑な気持ちになりました。
八ッ場ダムは堤高116.0m、堤高長290.8mもある、総貯水容量1億750万tを誇るダムです。昭和22年のカスリーン台風の被害を受け、洪水被害を減らすため初めての設置案が出されました。しかし、支流の川の水性が強酸性であったため、計画は一旦凍結。そんな中、水質を改善したことで建設事業は再開。そして2020年に無事、運営開始されました。今回、私たちは八ッ場ダムの内部に入り様々な設備を見てきました。
内部を見る前はダムとは水をためるためだけの壁のようなものと考えていましたが、中には大きなポンプのような装置や水量を調整する装置などの精密機械が多くあり、細かい技術で水を調整しているのだと学び、今までのダムの捉え方が大きく変わりました!
元々洪水調整が主な役割ですが、下流にある新設された発電所では、最大出力11,700kwものの発電を行っています。
夜にはグループごとにダム建設予定地の住人、洪水被害をなくしたい都会の住人、建設を進めたい国の職員などの様々な役に分かれてダム建設時を想定した劇を行いました。それぞれの立場の思いや状況を実際に自分たちが成りきって考えたことでダム建設時に関わった多くの方々の思いについて考えさせられました。
八ッ場ダムは洪水調整を目的として設計され、現在私たちの生活を支えてくれる存在となっていますが、その背景には吾妻郡の環境破壊だけでなく地域のために犠牲になるという苦渋の決断を出してくださった住民の方々を始めとする多くの協力があることを学びました。
2日目は榛名山を訪れました。
榛名山は50万年前からしばらく続いた火山活動によって形成された標高1449m、直径約22kmの活火山です。標高1084mにある椎名湖は昔にあった火山活動によって榛名山の一部が吹き飛んでできたカルデラが元になっています。榛名山では人の手が入ったこともあり、柏やブナ、ミズナラなどの落葉樹、カラマツなどの針葉樹がやや入り混じって生えていました。
ここではハートマークが特徴のエサキモンキツノカメムシや美しい光沢を持つツチハンミョウ、派手な赤色のコウライテンナンショウなど発見しました!
最後に群馬県と埼玉県の県境にある利根大堰を訪れました。
利根大堰は昭和43年に完成し、現在、首都圏に水道水と工業用水を供給しています。大堰には水位を調整したり、洪水時に水を安全に流したりする働きもあります。また利根大堰には3つの魚道が設置されており、魚が上流と下流を移動できるようになっています。これにより川の生態系を守っています。
↑このコの字型の窪みで魚が休めるそうです。
実際に中から多くの魚たちが上流に向かって力強く跳ねて移動している様子が見えました。
人が単に川の流れや水を利用するだけでは環境を壊してしまうため、環境を保全しつつ共存していく工夫が多く施されていることを学びました。また環境全体だけでなくそこに生息する生き物や地形そのものなどの細かいところまでの考慮の積み重ねが大切になることも学びました。
今回、私たちは、人と自然の共存を続けていくための工夫が詰まった場所を訪れ、実際に近くで見て、自然環境とのあり方について実感することができました。生活を豊かにするためにただ開発を行うのではその地域や住民の方々に大きな影響を与えてしまいます。そこで今回学んだ様々な工夫のうち身近でできることを実践していったり環境や地元の住人たちのことを踏まえて慎重に行動したりして自然や地域とのバランスを保ちながら生活をしていきたいです。
【SSH】11月16日公開講座(熊谷市大麻生荒川河川敷)
11月16日(日)熊谷市の秩父鉄道大麻生駅~荒川河川敷でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今年の公開講座は、テーマ「荒川河川敷の生物相」と(こっそり)銘打ってすべて荒川の河川敷で計画しました。
しかし、天気のめぐりが悪く、5月回(行田市)、10月回(長瀞町)とこれまでの5回中2回も雨天中止になってしまっています。
今回も心配していましたが、結果的には天気よく、寒すぎず暑すぎずで様々な動植物の観察をすることができました。
今回は高校生10名、教員3名、博物館職員1名が参加しました。
秩父鉄道大麻生駅から荒川河川敷へ向けて歩きます。
道端の木に花がついていました。
シロダモ(クスノキ科)です。
防虫剤の原料にもなるクスノキの仲間で、クスノキと同じように葉に独特の芳香があります。
葉の裏が白く、白いタブノキ(タモ)からシロダモと呼ばれるようになったそうです。
荒川の河川堤防に沿って歩きます。
堤防といっても、河道側を見ても水は見えません。荒川は広いのです。
この数日前から急激に冷え込みましたが、その影響か、いかにもこのような草原環境にいそうなバッタ類がほとんど見られませんでした。
河川敷のゴルフ場に挟まれた道を通って川に向かいます。
途中の植物も観察します。ここでは、エノキ(アサ科)、トウネズミモチ(モクセイ科)、アカメガシワ(トウダイグサ科)などを観察しました。
アカメガシワの葉には蜜の出る腺点があり、アリが集まることもあります。
なぜ、(わざわざコストをかけて)蜜を出しているのでしょうか?
チュウゴクアミガサハゴロモ(ハゴロモ科)がいました。
蛾の仲間のように見えますが、セミに近い仲間で、中国原産の外来昆虫です。
日本産のアミガサハゴロモによく似ていますが、色味と前翅の端の白い斑紋の形で容易に見分けられます。
今年はこの子が大増殖してあちこちで見られました。
越谷北高校でも廊下の窓などによく張り付いている姿を見かけました。
この昆虫が入ってきたことは、ヒトの生活や在来生態系にどのような影響を与えているのでしょうか。
コセンダングサ(キク科)とコバノセンダングサ(キク科)を見つけました。
いずれも北アメリカ原産の帰化植物です。
花が咲いたあとにできる実の先端にかぎ針のような構造があり、衣服によくくっつくため、「ひっつきむし」といわれる植物のひとつです。
キクタニギク(キク科)が咲いていました。
観賞用に栽培されることもある日本古来の野菊の一つなのですが、道路の法面緑化のためにまかれた中国産のキクタニギクも各地で定着しているそうです。
これは在来、外来、どちらの個体でしょうか。
ツルウメモドキ(ニシキギ科)の実がついていました。
きれいに裂けた黄色い果実から鮮やかな赤い仮種皮に覆われた種子がのぞいて、とてもかわいいです。
クリスマスリースの飾りに使われることもあるそうです。
アカボシゴマダラ(タテハチョウ科)の幼虫を見つけました。
画像で分かりますでしょうか・・・。
ナメクジ型の幼虫が、エノキの枝の分かれ目に張り付いて見事に擬態しています。
アカボシゴマダラは中国原産の美しい蝶です。
90年代に人為的にもちこまれたと言われています。
日本産のアカボシゴマダラ(奄美諸島周辺にのみ生息する固有亜種)との交雑や、同じエノキ食の蝶への影響が心配され特定外来生物に指定されています。
成虫も幼虫も在来のゴマダラチョウによく似ていますが、慣れれば見間違えることはありません。
ゴマダラチョウは秋に生まれた幼虫は3齢幼虫で木(エノキ)から降り、木の根元の葉裏で冬を越します。
冬を越した幼虫は5月頃に動き出して木を登り、エノキの葉を食べて育ちます。
アカボシゴマダラも同じような越冬行動をとるのですが、在来のゴマダラチョウほど季節に厳密ではないようで、けっこう遅い時期でも成虫が産まれることがあります。また、春に動き出すのもゴマダラチョウよりも早く、3月末には活動している幼虫を見つけることがあります。
このような行動の違いは、何を意味しているのでしょうか。
アツバキミガヨラン(キジカクシ科)が見事に咲いていました。
この花は少し変わった特徴を持っており、受粉に共生する蛾(ユッカ蛾)が必要とされています。
アツバキミガヨランは北アメリカ原産の植物であり、ユッカ蛾は日本にいないため種子ができないとされています。
したがって、生えているのは民家の近く(観賞用に植えられたもの)に限られるはずなのですが・・・。
それにしては、野外のまったく意外なところで見かけることがあります。
もしかして種ができることもあるのか?それとも・・・
イラガ(イラガ科)のマユがありました。
イラガの幼虫は毒針毛をもち、刺されると激痛が走るため電気虫などとよばれることもあります。(マユなら毒針の心配はありません。)
イラガのマユには、イラガセイボウ(セイボウ科)という寄生蜂が寄生していることがあります。
寄生されている場合、マユに産卵痕があるためすぐにわかります。
このマユは寄生されていないようでした。
おびただしい数のクコ(ナス科)の実が見られました。
河川敷にとくに多い印象の植物です。
やっと水辺が近づいてきたようです。
開けた場所にでました。河川敷らしいゴロタ石が見られる場所でした。
ここでしばらく生物探しをしました。
秘かに探していたものを見つけたため、参加者の皆さんに見ていただきました。
それは・・・
こちらです。
ちょっと分かりにくいですが、ウスバカマキリ(カマキリ科)の卵鞘です。
残念ですが昨シーズンのものらしく卵は孵化したあとで卵鞘も壊れていましたが、河原の石の下に産み付けられていました。
ウスバカマキリは、全国的に減少しているやや珍しいカマキリです。
埼玉県では、何カ所かで記録されていますが確実な生息地は熊谷市の荒川河川敷のみとされており、埼玉県レッドデータブック2018動物編ではEN(絶滅危惧ⅠB類)にランクされています。
他の大型カマキリ(オオカマキリ、チョウセンカマキリ、ハラビロカマキリ、コカマキリなど)がわりとどこにでもいるのに対し、分布が限られるのはなぜなのでしょうか。
もしかしたら、やや特殊な産卵場所(石の下や倒木の下といわれています)が関係しているのかもしれません。
そのまま河原で(といっても水は見えないのですが)昼食休憩としました。
昼食後は、河川敷の環境について改めてふり返りました。
外来植物がとても多く、環境もやや単調です。
本来の(在来の)河川敷の環境はどのようなものだったのでしょうか。
帰路ではスズメウリ(ウリ科)を見つけました。
白いかわいい実をつけています。
カラスウリより小さいのでスズメなのでしょうか。
駅まで戻って閉会行事をしました。
参加者の感想(抜粋)
・これまで目を向けていなかったような環境を見ることができて楽しかった。
・久しぶりの野外観察で楽しかった。1年生のときから参加しているが、知っている生物も復習になったり、新しい知見が得られたりして面白い。
・河川敷にマメ科の外来種が多いように感じた。どれも似ているように思っていたが、実物を見ながら説明を聞くと違いがよくわかったので、自分でも見分けられるようにしたい。
・外来種が多い環境でも希少なカマキリの卵が見られたのが意外に感じた。
・河川敷といっても川が見えないくらいうっそうとしていた。
・昆虫が越冬する形態の違い(卵、幼虫、蛹、成虫)が、生き残るための戦略としてどのような意味を持っているのか気になった。
・在来種の昆虫と近縁な外来昆虫(ゴマダラチョウとアカボシゴマダラ)の越冬行動の違いが面白かった。
・川からの距離で生えている植物に違いがありそうだった。調べてみたい。
・風で運ばれる種子が侵入するうえでは強いのかなと思った。
・近くの大麻生公園(最近、別の調査会で観察した)と近いため似ていると思ったが、けっこう違いがあった。同じ川原でも環境が違うのはなぜなのか。
生態系を観察するときは、その場で見られる生物、環境だけを観察するのではなく、関わりのある周辺の状況について考えを巡らせることが重要です。
河川敷の生態系を理解するためには、その場所だけでなく、上流の環境はどうか、川を作る山の環境はどうなっているか、そのようなことを関連させて考察することで見えてくるものが変わります。
本来、今回観察したような河川中流域ではゴロタ石の河原が広がっているはずです。
参加者が指摘しているように外来種がとても多いのは、河原に土砂が堆積してしまいゴロタ石が埋もれて、植物が生えやすくなってしまっているためと考えられます。
なぜ土砂が堆積してしまっているのかは、上流や山地の環境を知ることで見えてくるかもしれません。
環境を保全するため、環境を取り戻すため、環境を維持するために「自分たちに何ができるのか」を考えてほしいです。
次回の公開講座は3月28日(土)さいたま市田島ヶ原サクラソウ自生地で春の河川敷の動植物、埼玉県の花サクラソウの観察を予定しています。
年が明けて近くなりましたら、申し込みフォームをアップしますので、しばらくお待ちください。
【SSH】第5回公開講座(11月16日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第5回(熊谷市大麻生公園周辺)を11月16日(日)に実施します 。
当日は8:50に秩父鉄道大麻生駅改札前集合、初冬の動植物観察、荒川河川敷の生物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
・生物の基本的な知識
・動植物分類の基礎
・探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/cMZRuFpG2mnsVZis5
【SSH】第4回公開講座中止のお知らせ
明日(10月26日)に予定していた第4回公開講座ですが、予報が悪いために残念ですが中止といたします。
参加を申し込まれた皆様にはメールでお知らせしましたが、よろしくお願いいたします。
なお、次回第5回公開講座は11月16日(日)に熊谷市大麻生にて実施予定です。
後ほどHPに申し込みフォームをアップしますので、参加ご希望の方は、そちらからお申し込みください。
【SSH】小中学生のためのサイエンス教室のお知らせ
11月2日(日)、春日部高校を会場に今年も『小中学生のためのサイエンス教室』を開催します。
期日:11月2日(日)13:00~16:00
会場:埼玉県立春日部高校(東武鉄道八木崎駅前)
お知らせポスターは こちら からダウンロードできます。
越谷北高校からは、物理部、化学部、生物部、天文気象部が参加し、以下のような企画を予定しています。
〇物理部〔コシキタスイッチ・光学謎解きアドベンチャー・蜃気楼について〕
色々な実験を利用して、天体だけではない地学の魅力を見つけてみよう!
〇化学部〔金属板で不思議な鏡(魔鏡)を作ろう〕
魔鏡現象を起こす鏡をつくってみよう。つくった魔鏡はお持ち帰りできます!
〇生物部(春日部高校生物部との合同企画)〔生物ってなあに?〕
飼育生物や標本の展示、ワークショップや魚の解剖ショーを行います。身近に生物がたくさんいるということを知
っていただきたいです!
〇天文気象部〔ジオパークofこしきた〕
色々な実験を利用して、天体だけではない地学の魅力を見つけてみよう!
春日部高校の特設ページもご覧ください。
参加費は無料です。事前申し込みも不要です。
参加ご希望の小中学生の皆様は当日会場までお越しください。
(駐車場は利用できません。公共交通機関をご利用ください。)
サイエンスに興味のある小中学生の皆様のご来場をお待ちしております!
【SSH】グリーンエネルギープロジェクト事前学習会
9月20日に、グリーンエネルギープロジェクトの事前学習会がありました。
水力発電の仕組みや何のためにこのプロジェクトをする理由についての講義を受けた後、どのように工夫をするとより水車を回せるか考えてから実験を行い、流れる水が持っているエネルギーの活用方法について学びました。
10月18,19日には、群馬県長野原町や高崎市、千代田町でダムの発電と私たちの生活の関わりの確認や、自然環境との関係から今後のエネルギー開発の未来を考えることを目的とした実習を行う予定です。
【SSH】第4回公開講座(10月26日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第4回(長瀞町蓬莱島周辺)を10月26日(日)に実施します 。
当日は8:50に秩父鉄道野上駅改札前集合、秋の里山の動植物観察、蓬莱島で荒川河川敷の生物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
・生物の基本的な知識
・動植物分類の基礎
・探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
【SSH】小中学生向け走査型電子顕微鏡体験会
8月9日(土)に小中学生向けの走査型電子顕微鏡(SEM)の体験会「ミクロの世界を見マクロう!」を生物部で行いました。
小中学生16人が参加してくれました!
走査型電子顕微鏡は今年度も株式会社日立ハイテク様からお借りしたものです。
皆さん、沢山のサンプルを持ってきてくださいました!ワクワク、、、!
1人で見るのも良いですが、一緒に見ると感動や興奮が増す気がします。
これは錠剤です。ツルツルじゃないんだ!綺麗に穴?が空いています。これで溶けやすくしてるのかな?
走査型電子顕微鏡の仕組みを簡単に説明してます。伝えるのって難しいけど、分かってもらえたかな?!
皆さん普段見る事のできない世界に興味深々です。
高校生ももちろん興味深々です。
普段から何気なく見たり使ったりしてるものがまさかこんな面白い作りをしてるなんて、信じられませんよね。(これはメラミンスポンジです)
今回、初めて開催する体験会で、部員が中心となって企画運営することに不安な部分もありましたが、先生方、お申し込みくださった皆様のご協力のおかげで、無事開催することが出来ました。
皆さんに身近な物の小さな世界の面白さ、普段触る事のない機械を操作するワクワク感を感じてもらえて嬉しかったです。
また、私達もお持ち頂いたサンプルで驚くような世界を一緒に見ることができて楽しかったです。
来場者さんから良い経験になったというお声を頂き、私達も地域の人と交流できる良い機会になったので、是非、来年度も行いたいです。
たくさんのお申し込み、ご協力、ありがとうございました。
また、卓上走査型電子顕微鏡(TM4000plus)をお借りいただいた株式会社日立ハイテク様には、実施に際してアドバイスもいただきました。ありがとうございました。
【SSH】1学年理数科野外実習2日目
〜理数科野外実習・2日目〜
一部生徒は朝早くから露天風呂で虫取りにチャレンジ!
ただ夏場は日の出が早くて周りが明るかったので、断念せざるを得なかったようです…。
朝食を摂ったら、岡田港付近の海岸で磯観察!
ゴツゴツした岩場は苔で滑ります、みんな気をつけて!
ズボンが濡れるのも顧みず色んな生き物を追いかけ回しました。
持ってきたプラ容器に海水ごと入って頂いて、じっくり観察!
この子はだぁれ?博識な生物部の面々が大活躍していました。
磯の生き物と一緒にハイ、チーズ!
臆さずに素手で触れ合える人たちすごいですね。自分はビビりまくりでしたよw。
カニを捕まえる時は甲の前側縁を掴みます。動き回る時は平らなところまで誘導してから、優しく足裏で踏んで動きを止めても大丈夫らしいですよ。
ナマコは岩をひっくり返すと大量に見られます。岩に引っ付いた子供ナマコも見つけました。
ちなみにカニもナマコも自切(身を守るためにわざと自分の体を切ること)をする生き物です。
カニはウデを囮に使うと、次の脱皮のタイミングで再生が始まります。
ナマコは内臓を吐き出すと、数ヶ月ほどで再生するのです。
暑い中での磯観察は海水が冷たくて気持ち良かったですね。
その後、私たちは地層大切断断面を見に行きました。
いやはや…圧巻でしたね。莫大な時の流れを感じます。
この波紋様。力が加わった褶曲とは違って、火山灰などの堆積によって出来たものだそうです。
ホテルに戻って昼食を摂ると、いよいよ実習にも終わりが見えてきました。
名残惜しさもありますが、最後は伊豆大島ミュージアム【ジオノス】を回ります。
今まで学んだ火山や植生について、あるいは今回訪れた伊豆大島の歴史を存分に見てまわりました。
最後はみんなで記念撮影!
二日間の野外実習を終えて、流石にみんなヘトヘトです。帰りのフェリーではぐっすりzzz。
さて、これにて私たち57期理数科の野外実習は終わりを告げました。
普段は見ることすらないものに、直接触れたり感じたり。とても貴重な経験になりました。
今回見たもの、感じたことを参考に、これからの課題探求でも楽しんで取り組んでいきたいです。
【SSH】1学年理数科野外実習1日目
みんな楽しみにしていた伊豆大島
竹芝客船ターミナルに集まって出発!
一時間半ほど揺られ着いた伊豆大島の自然の美しさには息を飲まされました。
午前は植生観察。この木なんの木と話し合い、学びを深める良い機会となりました。
そしてみんな楽しみにしていた昼食の時間!
司会や号令係の愉快なトークにより、楽しく昼食を食べることができました。
そして一日目のメインイベント フィールドワーク!
4時間ほど歩いてくたくたになりながらも、溶岩や植生の観察、そしてたくさんお喋りをしながらたくさん写真を撮り、楽しい時間を過ごすことができました。
疲れた後のホテルの一息
載せることは出来ませんが、露天風呂から見る三原山は絶景でした。(曇ってない状態も見たかった...!)
そして訪れる夕食の時間。
最高の食事を最高の仲間たちと囲みました。
夕食の後はみんなで学習会
植生、溶岩の観察を元に素晴らしい発表をし合いました。
一日の最後は天体観測。
美しい星空を見れて良い夢見れそう。
【SSH】2学年理数科 つくばサイエンスツアー
7月23日に
1班(高エネルギー加速器研究機構、筑波実験植物園、防災科学技術研究所)
2班(産業技術総合研究所、地質標本館、AIST-Cube、JAXA筑波宇宙センター)
の2班に分かれ、施設見学や研究者からの話を聞いてきました。
1班
高エネルギー加速器研究機構では最初にツアーガイドから概要を聞き、バスで移動しながら2つの実験施設を見学させていただきました。実験施設では研究者からの話を聞き、理解を深めました。
筑波実験植物園でも研究者からの話を聞きつつ、園内を見学しました。写真はクスノキで、その成分は防虫剤などにも利用されています。このあと、人工甘味料としても使われる、ステビアの葉を味わってみました。甘さとともに苦みも感じました。
防災科学技術研究所では、巨大岩石摩擦試験機や大型降雨実験施設を見学しました。とにかく建物が大きく、実験規模の大きさを感じてきました。見学後、地震ザブトン体験をさせていただきました。実際の地震波に基づいて動く椅子にすわり、実際の揺れを味わいました。
2班 (生徒の感想から)
今までは宇宙での研究というと,難しくて縁遠いものだと思っていたのですが、実は身の回りに応用されていたり、身近な問題を解決するために用いられているのだとわかりました。難しい,わからない,と遠ざけずに一度見てみること,視野を広げて知ろうとすることの大切さに改めて気づくことができたように思います。
人の役に立つための研究や、知りたいことを知るための研究などがあり、多方面に派生して研究されていることがわかった。色々な方面に興味を持ち、自分は何のことについてやりたくて、興味があるのか改めて多くの視点から考えてみようと思った
【SSH】(小中学生向けイベント)走査型電子顕微鏡体験会申し込み締め切りのお知らせ
以前お知らせしました、走査型電子顕微鏡の体験イベント「ミクロの世界を見マクロう!!」の件ですが、現時点で申し込み人数が定員に達したため、申し込みを締め切らせていただきます。
たくさんのお申し込みありがとうございました!
【SSH】7月19日公開講座(秩父市武州中川駅周辺)
7月19日(土)秩父市の武州中川駅~荒川河川敷でフィールドワークの公開講座を実施しました。
毎年、この時期のフィールドワークは暑さが心配なのですが、適度に雲量があり暑すぎず一日を過ごすことができました。
今回は、高校生9名、教員1名が参加しました。
武州中川駅の改札前で開会行事をしました。
今回は水生生物調査も予定しているため、安全対策についてしっかりと説明をしてからスタートです。
河川敷の林に向かいますが、途中でも少し観察をしました。
駅前にはキクイモモドキ(キク科)が咲いていました。美しい花ですが、観賞用に輸入したものが帰化した外来種です。
写真は採集して撮影したものですが、途中でウバタマムシ(タマムシ科)を見つけました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
ヤマトタマムシに比べると地味に見えるため、ヤマトタマムシのメスだと思っている人もいますが、別種です。
マツの仲間につくので、どこにでもいそうな気がしますが、あまり見つかりません。
道沿いにはヒメフウロ(フウロソウ科)が咲いていました。
岐阜県などでレッドリストに入っていますが、埼玉には自然分布しない種ですので、観賞用の個体が帰化したものだと思われます。
本来は山地帯の植物です。
荒川河川敷の林に入りました。
植林のスギ林で、昆虫類はあまり見られません。
林床にアズマヒキガエル(ヒキガエル科)の新成体がいました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
ヒキガエルは、オタマジャクシから変態した直後はとても小さいです。
林道沿いにハグロソウ(キツネノマゴ科)が咲いていました。埼玉県レッドデータでは準絶滅危惧です。
オニグルミの葉に、シャチホコガ科の幼虫がいました。
参加者(昆虫好き高校生)が「ムラサキシャチホコだ!」と興奮していました。
今回は幼虫しか見つかりませんでしたが、成虫は模様がたいへんすばらしいガの仲間です。
興味があったら、検索してみてください。きっと驚きますよ。
オニグルミには立派なカブトムシ(コガネムシ科)もいました。
カブトムシ、クワガタムシの見られる木はクヌギやコナラが有名ですが、河川敷のヤナギやオニグルミからも樹液が出ます。
河原を目指してヤブこぎで移動しました。
写真は撮れませんでしたが、途中でモノサシトンボ(モノサシトンボ科)やハグロトンボ(カワトンボ科)が飛んでいました。モノサシトンボは千葉県などでレッドリストに入っています。
キササゲ(ノウゼンカズラ科)の目立つ林を抜けると、ゴロタ石(礫)の河原に出ました。
カワラニガナ(キク科)がぽつぽつと咲いています。
一見地味ですが、埼玉県レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類の絶滅危惧種です。
適度にかく乱を受ける砂礫地でないと安定して生息できません。
県内の生息地はかなり限られるようです。
礫の河原でしか見られないカワラバッタ(バッタ科)もたくさん見られました。
埼玉県レッドデータ絶滅危惧ⅠB類です。河原のゴロタ石が泥で埋もれるとすぐにいなくなってしまいます。
この個体は色がちょっと変ですね。もしかして色素変異個体でしょうか・・・?
昼食休憩中にカジカガエル(アオガエル科)の新成体を見つけました。
これも埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
昼食休憩後は、水生生物の観察をしました。
採集した生物は、白トレイに入れて観察しました。
コオニヤンマ(サナエトンボ科)のヤゴ、カゲロウやカワゲラ、トビケラなどのおなじみの水生昆虫の他、ヘビトンボ(ヘビトンボ科)の幼虫も複数採集できました。
よい環境であることが分かります。
昆虫以外では、カジカガエルのオタマジャクシの他、カジカ(カジカ科)やヒガシシマドジョウ(ドジョウ科)などが見つかりました。
カジカは環境省レッドリストで準絶滅危惧(埼玉県はランク外)、ヒガシシマドジョウは埼玉ではふつうですが、近県では軒並みレッドリスト入りをしています。
環境を変えて、見つかる生物がどう変わるかを見てみることにしました。
河畔林に近い、細い流れ(湧水が流れ込んでいるところ)へ移動しました。
トキホコリ(イラクサ科)の群落がありました。
環境省レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県レッドデータでも絶滅危惧Ⅱ類です。
低地の湿地に見られる植物ですが、生息に適した環境が失われているようです。
花はまだついていませんでした。
ここでも、水生生物を観察します。
水量少な目で、思ったほど種数は見られませんでした。
サワガニ(サワガニ科・埼玉県レッドデータ準絶滅危惧)、オニヤンマ(オニヤンマ科)のヤゴ、クロスジヘビトンボ(ヘビトンボ科)幼虫などが見つかりました。
クロスジヘビトンボは、ヤマトクロスジヘビトンボかタイリククロスジヘビトンボ(いずれも在来種)のいずれかですが、幼虫では見分けがつきません。いずれも、埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
やはり本流とは環境が異なり、見つかる生物にはかなりの違いがあります。
同じヘビトンボ科でも、本流ではヘビトンボ、沢近くではクロスジヘビトンボが見つかったのは面白いですね。
すみ分けているのでしょうか。
ちょっと早いですが、涼しい河原で今日の振り返りをしました。
その後、道なき道を通って河畔林を抜け、駅へ戻って解散しました。
参加者の感想(抜粋)
・小さい頃から川でいきものを探していたが、こんなにたくさんの種類が見つかったことはなかったので、面白かった。
・整備された川でも、古い環境、自然が残されていることが分かった。
・絶滅危惧種がたくさん見られたことに驚いた。
・自分では来ることのないような場所を見ることができて勉強になった。
・前回(深谷市)と同じ荒川の河川敷でも、違う昆虫が見られた。同じ川でも、違いがあるのが興味深い。
・自宅の近くではアメリカザリガニばかりで生物の種類も少ないが、今回は在来種がたくさん見られた。
・在来種がたくさんで美しい自然だけど、外来種もいるし、昔とは変わっているとのことで、このような自然の残された場所が増えるといいなと思った。
・前回(深谷市)では見られなかったカワラバッタがたくさん見られてよかった。どのような環境の違いが影響するのか調べたい。
今回観察したのは中流域と上流域の中間と言ってよい場所だと思います。
河原では、あまり人が入れず古い環境がある程度残されているためか、在来種やレッドデータに記載されている種がたくさん見つかりました。
いきもの好きの参加者の皆さんとしてはとても楽しかったようですが、同時に「どうすればこのような環境を残したり、取り戻したりできるのだろうか?」という課題を持つこともできました。
現代のヒトの活動は生態系に大きな影響を与えており、生物多様性は失われやすい状況にあると言えます。
生物多様性は「なぜ失われるのか」「どうやって失われるのか」「いつ失われたのか」「これから失われるのか」「どのように失われるのか」、様々な観点を持つことができます。
誰かに何とかしてもらうのではなく、「自分たちに何ができるか?」を探究してほしいと思います。
次回の公開講座は、10月26日(日)秩父鉄道野上駅集合、長瀞町蓬莱島で秋の河川敷の動植物観察を予定しています。
申し込みフォームは、9月中旬にアップしますので、しばらくお待ちください。
【SSH】(小中学生向けイベント)走査型電子顕微鏡体験会のお知らせ(締め切りました)
※7月24日時点で申し込み数が定員を超えましたので、申し込みを締め切りました。
越谷北高校では、今年度も株式会社日立ハイテク様から走査型電子顕微鏡(SEM)をお借りしました。
今年度は越谷北高校の生徒だけでなく、地域の小中学生さんにもぜひ電子顕微鏡に触れてもらいたいと思い、生物部で走査型電子顕微鏡の体験イベント「ミクロの世界を見マクロう!!」を企画しました。
近隣の小中学生の皆さん、高校生と一緒に普段見ることのできない小さな世界を見てみませんか?
イベントのポスターです。(pdfデータはこちらからダウンロードいただけます)
こちらからも申し込みできます↓
【SSH】第3回公開講座(7月19日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第3回(秩父市武州中川駅周辺)を7月19日(土)に実施します。
当日は8:50に秩父鉄道武州中川駅前に集合、夏の里山の動植物観察、荒川河川敷での水生生物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/aJq63yyHdZ4HYp6u8
令和7年度 SSH生徒研究発表会
6月19日(木)越谷サンシティで『令和7年度 SSH生徒研究発表会』を実施しました。
理系部活動からは生物部が発表を行い、理数科2年生は生物分野と地学分野、理数科3年生は、英語で数学分野・化学分野・物理分野の発表を行いました。
生物部
二ホンアマガエルの体色変化の定量化の試み
理数科2年
【生物】体勢の変化に伴う大腿動脈における血流障害の経時的変化
【地学】液状化による家の倒壊を防ぐ工夫
理数科3年
【数学】k-ナッチ数列の加法定理
【化学】微生物電池の作成
【物理】片面の磁場強度が高くなる磁石の配列
各班の発表後、10分間の質疑応答が設けられました。内容を理解した上で、普通科の生徒からも質の高い質問がされていました。
閉会式では、SSH運営指導委員の先生方から「年々、研究が成熟しており、安心してプレゼンを楽しめる」、「生徒からの質問がとても活発で、この発表会の後でも質問と応答のさらなるコミュニケーションを期待したい」等の講評をいただきました。
この研究発表会で、理数科3年生は課題研究活動が一区切りとなります。1・2年生は、新たな気持ちで課題研究に取り組んでいきましょう。
【発表前の生徒の様子】
発表前の楽屋に様子を見にいったところ、和やかな雰囲気で素敵な笑顔を見せてくれました!(*^_^*)
【SSH】6月15日公開講座(深谷市武川駅周辺)
6月15日(日)深谷市の秩父鉄道武川駅~荒川河川敷でフィールドワークの公開講座を実施しました。
5月に予定していた第1回公開講座は、雨のため中止としました。
今回も週間予報では傘マークがついており心配しましたが、天候が好転したため開催することができました。
ただし、当日の朝まで雨が残っていたため、急遽集合時間を1時間ほど遅らせての実施となりました。
今回は高校生16名、教員2名が参加しました。
集合場所の武川駅では、早めに到着した参加者が、なぜかラジオ体操でウォーミングアップをしていました。
開始が遅くなり、気温の上昇も予想されていたため、市街地は飛ばしてさっそく河川敷へ移動しました。
まずは、堤防上から河川敷の構造を広い目で観察します。
どんな植生が見られるでしょうか。
フィールドワーク講座の目的の一つは、「自然観察から探究課題を見つけること」
河川敷で、自由に動植物を観察してもらいました。
前日から朝までかなり強い雨が降っていたため、水たまりが広がっています。
フトイ(カヤツリグサ科)にコガネグモが営巣していました。
コガネグモは埼玉県レッドデータ準絶滅危惧ですが、けっこうあちこちで見かけます。
ここでは、シソ科のミゾコウジュ(環境省レッドデータ準絶滅危惧、埼玉県レッドデータ準絶滅危惧)、イトトンボ科のキイトトンボ(埼玉県レッドデータ準絶滅危惧)、バッタ科のショウリョウバッタモドキ(埼玉県レッドデータ準絶滅危惧)が見られました。
レッドではありませんが、ハラビロトンボ(トンボ科)やクロイトトンボ(イトトンボ科)は数多く飛んでおり、水たまりの中でミズカマキリ(タイコウチ科)の幼虫やコシマゲンゴロウ(ゲンゴロウ科)を見つけることができました。
少し流れに近い方に移動しました。
うっかり落水しないよう、十分注意して先ほどの草原との違いを観察します。
ナミヘビ科のアオダイショウが泳いでいたので捕まえました。(観察した後に逃がしました)
長さは150cmほどありました。とても力が強く、腕に巻きついてきます。
河畔林をつくる樹木も観察しました。
ヤナギ科のカワヤナギ、マルバヤナギ、イヌコリヤナギが見られましたが、外来種のニワウルシ(ニガキ科)やハリエンジュ(マメ科)もかなり目立ちます。
気温が上昇し、とても暑かったので橋の下で振り返りをしました。
今回は本校の新聞部の生徒が取材を兼ねて参加されており、取材インタビュー風の振り返りとなりました。
参加者の感想(抜粋)
・自然な場所で植物や昆虫を観察して新鮮な気持ちだった。
・植物や虫を見るのは小学校以来で昔の自分に戻れたようだった。
・普段は河原にはあまり行かないので、色々な自然を見れてよかった。
・キイトトンボのいる場所をみつけられてよかった。夏にまた見に来たい。
・研究になりそうな課題を見つけられたので、今後考えていきたい。
・河川敷も外来種がとても多く、なんとかできないものかと思った。
・少し環境が変わるだけで見られる生物が変わって面白かった。どんな条件で生息する生物が変わるのかを考えたい。
・河原の少しの水の中にもコシマゲンゴロウがいて面白かった。
・季節の違いを感じることができた。どんどん夏になっていっているなと思った。
・(教員)夏のマガモを見ることができた。次回は所属校の生徒にも参加してもらいたい。
・(教員)今回観察できた植物種は70種ほどと少なめで、ほとんどが外来種だった。同じ場所でも、1週間も違えばまた変わったりするので、高校生のみなさんには、自宅や学校の近くに自分のフィールドを見つけて観察を続けてほしい。
今回観察した荒川の河川敷は、中流域と言ってよい場所なのですが、水の流れに近いところまで泥に埋もれ、外来の植物がたくさん見られるような環境でした。
本来、中流域ではゴロタ石の河原でまばらな植生が見られるような環境のはずです。
上流にできたダムの影響で氾濫が減り土が溜まりやすくなったこと、流域の山林で鹿の食害による下層植生の壊滅的な被害で土砂が流出していること、流域の田畑で化成肥料が使われ川に流れ込んでいることなどが影響し、まるで外来植物の畑のようになっているわけです。
ヒトの様々な活動は、思った以上に身の回りの環境に大きな影響を与えています。
今回観察した動植物も、10年後には姿を消して別の生物が入ってくるのかもしれません。
自然を観察し記録すること、データを残しておくことは、高校生にもできる基本的で重要な研究活動です。
次回の公開講座は、7月19日(土)秩父市武州中川駅集合で夏の里山・河川敷の動植物観察、水生昆虫の観察を予定しています。
申し込みフォームは後ほどアップいたしますので、しばしお待ちください。
【SSH】理数科2年 課題研究・校内発表会
6月7日(土)1~2限に、理数科2年生による課題研究発表会が行われました。
発表したのは生物5班・地学3班の計8班で研究題目は以下の通りです。
生物1班 アメリカナミウズムシの自切と環境の関係
生物2班 アルゼンチンモリゴキブリの忌避剤の探索
生物3班 アリの外的刺激に対する反応の変化
生物4班 撫でることによる植物への影響
生物5班 体勢の変化に伴う大腿動脈における血流障害の経時的変化
地学1班 地すべりにおける杭工の新モデルの検証
地学2班 上位蜃気楼のモデル化による像の変化についての考察
地学3班 液状化による家の倒壊を防ぐ工夫
なお、生物5班と地学3班は6月19日(木)越谷サンシティで行われるSSH生徒研究発表会で代表として全校生徒の前で発表をします。
また発表会に参加した理数科1年生からは、
・納得のいくまで研究する姿が本当にまぶしく、かっこいい
・着眼点が独特で、学問のおもしろさや広さを感じた
・限られた時間の中で、伝えたいことをを伝えることの難しさを感じた
などの感想のほか、
・自分が研究するときには、先輩以上に内容を深掘りしたい
・今回の発表から学んだポイントや工夫を自分の発表にも活かしたい
・班の仲間と協力して、思う存分研究し、疑問の答えを確かめたい
といった意気込みがあがりました。
【SSH】日本顕微鏡学会 第81回学術講演会 第2回中高生によるポスター発表
6月9日(日)福岡県の福岡国際会議場で行われた、公益社団法人日本顕微鏡学会主催の第2回中高生によるポスター発表に理数科3年2名で参加しました。
今回の発表会は、第81回日本顕微鏡学会学会学術講演会に先立って実施され、私たちを含め、5校6件の研究発表が行われました。
私たちは、ボルボックス愛好会という団体名で、「ボルボックス体細胞の単離現象を誘発する物質の性質」という題目で、2年間にわたって研究してきた内容を発表しました。
今回の発表は昨年の日本顕微鏡学会、理科教育研究発表会、植物生理学会に引き続き、私たちにとって4度目の発表でした。
今回の発表では、研究のプロセスについて聞かれることが多く、いつもとは違った視点で自分たちの研究を噛み砕いて考えることができました。
また、今回の発表は4度目ということもあり、楽しみたいという気持ちが強く、今までよりも活気に溢れた発表ができました。他校の発表もレベルの高いものが多く、私たちの研究に対する熱意もより強くなりました。発表時間に、他校の生徒と交流することもできました。
また、同時開催の市民公開講座にも参加し、日本人の古代ゲノムに関する話や、顕微鏡から紐解く恐竜の研究に関する講演を聞き、研究における人脈の大切さや、研究に対する多角的なアプローチの大切さを学ぶことができました。
質疑応答の際には、質問をさせていただきました。
昼食には福岡に来たということもあり、長浜ラーメンを食べました!
本場の豚骨ラーメンの味に感動し、スープまであっという間に飲み干してしまいました。ごちそうさまでした!
このような貴重な機会を用意してくださった、日本顕微鏡学会の皆様、ありがとうございました!
本研究にあたり、(株)日立ハイテク様に卓上走査型電子顕微鏡TM4000Plusをお借りしました。また、(株)日立ハイテク寺田大平様には、淡水プランクトンのSEM画像撮影に関するご助言の他、多大なるご支援をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました!
【SSH】越谷北高校SSH生徒研究発表会(6月19日)教育関係者 参加申し込みについて
令和7年6月19日(木)、越谷サンシティ大ホールにて越谷北高校SSH生徒研究発表会が行われます。
理数科2年生(地学、生物)3年生(物理、化学、数学)および理系部活の代表による課題研究発表になります。
時程
9:20~ 9:30 来場者受付
9:45~ 9:50 開会式
9:50~10:50 第1部(理系部活・理数科2年 課題研究発表)
11:00~12:00 第2部(理数科3年 課題研究発表)
12:00~12:30 閉会式
当日は、本校在校生の保護者、全国の教育関係者(SSH校教職員、近隣中学高校教員等)にご参加いただき、生徒の発表をご見学いただけます。
本校在校生の保護者は事前申し込みなしで来場いただけますが、教育関係者については、下記リンクから事前にお申し込みください。
参加申し込みは こちら からお願いします。
集計の都合上、6月17日(火)までのお申し込みをお願いします。
【SSH】5月14日SSH教職員研修会
5月14日(水)放課後、東京都立大学名誉教授 松浦克美先生をお招きして、本校しらこばと会館にて教職員研修会を実施しました。
テーマは「生徒が主体性を発揮するには」「探究において教員ができること」
探究活動にかかわらず、生徒の主体性を伸長することは本校の重点目標にも掲げられており、関心の高いところです。
講師の松浦先生には、午後に実施された理数科3年生の探究発表(英語での口頭発表)にご参加いただき、その講評からお話しいただきました。
理数科の探究活動は、3年生の発表に2年生が、2年生の発表に1年生が聞き手として参加しているのですが、その点について上級生から下級生への継承でうまくいっているのではないか、との評価をいただきました。
英語での発表も上手にできているのですが、上手な英語にこだわりすぎているのでは、とのご指摘もいただきました。
確かに、文法的に正確であることも大事ですが、下手でも英語でしゃべろうとすること(伝えようとすること)ができれば、現状では日本語中心になってしまっている質疑応答なども英語でできるようになるかもしれません。
研修会は、私たちから講師の松浦先生にテーマに関する質問をして、お答えいただく形で進行しました。
学校教育において生徒が主体性を発揮することは重要ですが、様々な場面で「どこまでを生徒に任せるか」は、とても難しい課題です。
本校でも、教科によってかなり生徒に学びを任せる形で授業を実践している科目もありますが、教員の介入を減らすことに不安を感じる教員も多いです。
特に、教員が「教えない」ことには抵抗がある方が少なくありません。
そのような不安に対しても、実例を含めてお答えをいただきました。
第一部(全体会)終了後に、第二部として引き続き質疑応答形式で、生徒が主体的に取り組める授業についてお話していただきました。
参加した教職員のアンケートから感想を抜粋します。
・学年の早いうちから、どんどん英語で自分の考えを発表させる授業を展開すべきと思いました。また、彼らの好奇心を刺激する環境をさりげなく整えていくことも必要と考えました。
・いくらでも正しい情報が手に入る時代、AIの発達により確かに情報は入手しやすくなっているので、何に重きを置くのかによってどう授業するのかは変わっていくのだろうと思った。
・主体的に取り組ませる過程で、教員が何でも教えないという部分に共感しました。
・自分の授業を顧みる、良い機会となりました。今後の授業では、生徒を励ましつつ見守ることを心がけたいと思います。
・本校の実情に合わせて実践できるイメージがわかない。授業観察や他校視察など必要かもしれない。
・紹介された「できないことを繰り返すと、できないということを学習する。やりたくない、という気持ちを強化してしまっている」という言葉にハッとさせられました。自分の苦手意識もそこから来ているなと、自身を振り返っても思います。
【SSH】第2回公開講座(6月15日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第2回(深谷市武川駅周辺)を6月15日(日)に実施します。
当日は8:50に秩父鉄道武川駅前に集合、初夏の動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/57ZpfmRp2VMDMawJA
【SSH】理数科3年 課題研究・校内発表会
5月14日(水)5~6限に、6月19日(木)越谷サンシティで行われるSSH生徒研究発表会の代表を決定するための理数科3年生による課題研究発表会が行われました。この発表会は、すべて英語での発表になります。
発表をしたのは、物理4班・化学3班・数学2班の計9班で研究題目は以下の通りです。
数学1班 k-ナッチ数列の加法定理
数学2班 効率の良い順位付けじゃんけんの方法
物理1班 落下運動における緩衝材の形と衝撃エネルギーの関係
物理2班 防音材の効果的な利用について
物理3班 片面の磁場強度が高くなる磁石の配列
物理4班 レンチキュラーにおける水面波の利用
化学1班 カメムシのにおい成分の抽出と分析
化学2班 微生物電池の作成
化学3班 緑色沈殿の発生条件
サンシティの発表会代表選出は、校内発表会に参加した理数科2・3年生の生徒の相互評価を参考に課題研究担当教諭の判断により選定されます。
【SSH】公開講座「高校生と教員の動植物研修」のお知らせ
今年度も、越谷北高校では地域との連携及び学校開放のため公開講座「高校生と教員の動植物研修」を実施します。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
次の全6回を予定しています。各回ごとに参加申し込みを受け付けます。
①5月6日(火・祝) 行田市・熊谷市荒川河川敷 (行田駅西口8:50集合)
②6月15日(日) 深谷市荒川河川敷 (秩父鉄道武川駅改札前8:50集合)
③7月19日(土) 秩父市武州中川駅周辺 (秩父鉄道武州中川駅改札前8:50集合)
④10月26日(日) 長瀞町蓬莱島周辺 (秩父鉄道野上駅改札前8:50集合)
⑤11月16日(日) 熊谷市大麻生公園周辺 (秩父鉄道大麻生駅改札前8:50集合)
⑥3月28日(土) さいたま市田島ヶ原周辺 (さくら草公園8:50集合)
野外での動植物観察に興味がある高校生、教員(校種は問いません)は、 こちら をご覧いただきお申し込みください。
第1回(5月6日)のお申し込みは、申込専用フォーム(下URLまたはQRコード)へお願いします。
https://forms.gle/fUGQeEFbX1bSsLYaA
【SSH】3月22日公開講座(武州日野駅周辺)
3月22日(土)秩父市の武州日野駅集合でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、高校生14名、教員5名が参加しました。
先週の雪がまだ日陰に残っていましたが、よく晴れて春の訪れを感じる暖かい(むしろ暑い・・・)陽気になり、絶好の野外調査日和となりました。
遠くの山々も雪の白が残っています。
秩父鉄道の武州日野駅に集合し、駅前のサクラを観察しました。
樹齢を重ねた太い幹に、コケや着生植物などが見られます。
よく観察すると、コケなどの多いところと少ないところがあります。
どのようなところが多くなっているのでしょうか。自分の言葉で表現することで観察の解像度が上がります。
カヤラン(ラン科)を見つけました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
駅の裏手から弟富士山(おとふじやま)の登山道へ進みました。
標高386mの小さな山です。
集落が近いため、民家から逃げ出した植物が多く見られます。これはナンテン(メギ科)です。
シュロ(ヤシ科)もありました。棕櫚縄(しゅろなわ)の材料でもあります。
アオハダ(モチノキ科)です。落葉樹で葉はまだ展開していませんが、枝の付き方に特徴があります。
低山とはいえ、急な坂道も登ります。
林道の脇にフデリンドウ(リンドウ科)が一株出てきていました。
花にはまだ早かったようです。
セツブンソウ(キンポウゲ科)の花がまだ残っていました。
環境省レッドデータ準絶滅危惧(埼玉県レッドデータでも準絶滅危惧)です。
カタクリ(ユリ科)は、つぼみがいくつか見られただけでまだ咲いていませんでした。
カタクリも埼玉県レッドデータでは準絶滅危惧です。
ツノハシバミ(カバノキ科)の花が見られました。目立つ穂は雄花序です。
ツノハシバミは、ヘーゼルナッツに近縁で、果実は食べることもできます。
カキドオシ(シソ科)を見つけました。
爽やかな芳香があり、食用、飲用(お茶)、薬用(生薬:レンセンソウ)に利用されています。
写真は載せませんが、参加者の高校生がここでサルの頭蓋骨を見つけました。
駅、集落のすぐそばで野生動物が活動していることが分かります。
弟富士を降り、集落の中を進みました。
所有者に許可を得て、栽培されているキクザキイチゲ(キンボウゲ科)を見させていただきました。
別名キクザキイチリンソウ、埼玉県では自生では絶滅種です。
きれいに管理されたモウソウチク(イネ科)の竹林やカタクリ自生地を見ていると、たまたま土地所有者の方がいらして、お話を聞くことができました。
竹林もカタクリも、所有者の方が手入れをして維持されていたそうですが、高齢のため今年から管理をやめるそうです。
「(ヒトが)手をかけてやらないと、だめになるよ」というお話が印象的でした。
歩いて駅まで戻り、最後にセツブンソウの群生地を見に行きました。
が、こちらも花はほとんど終わっていました。名前の通り、節分のころに咲く花ですのでしかたがないですね。
と、思いきやヒメニラ(ヒガンバナ科)の花を見つけました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
ふつうのニラはいくらでも見られます(畑から逸出しています)が、ヒメニラはとても珍しいです。
春に現れ、夏には見られなくなるスプリング・エフェメラルのひとつです。
最後に駅前で閉会行事をして解散しました。
参加者の感想(抜粋)
・ヒノキやスギ、アラカシなど木の見分け方を知ることができ、山を見るときの楽しみが増えた。
・教科書に載っている写真がすべてではないことが分かった。
・休憩中に昆虫を採集していたとき、現地の方から「私たちにとって何でもない虫をわざわざ採りにきた」というお話を聞いて、逆に自分の身の回りでも何でもないと見過ごしてきた発見があるかもしれないと考えた。
・同じような植物でも、細かく見ると違いがあることが分かった。
・自然を見るだけではなく現地の方のお話を聞くことが重要であることが分かった。
・ひとつの生物種について考えるとき、それだけでなく環境にも目を向けていきたい。
・1年間参加してきて季節が一巡し、5月に見たものをまた新しい目で見ることができた。
・豊かな自然を維持していくためにはヒトが手入れをしなければならない。自然と関わりたいと考えている若い人はいるはずなので、(高齢などで)できない人と、やりたい人をつなげるために自分に何ができるかを考えたい。
・(教員)以前の回に参加してとても楽しくまた参加した。ぜひ生徒にも体験させたい。
・(教員)地元の方の話を聞けたことがとてもよかった。私たちにとって見えている「自然」が、地元の方たちにとっては手を入れているものであることが実感できた。
フィールドワーク公開講座は、野外での動植物観察から研究のテーマ(課題)を見いだすことをひとつの目標として実施してきました。
今回は、課題発見の他に春の動植物を楽しむことを通じて自然への興味関心を深めることができたと思います。
視野を広げたり、新しい視点を得て自然を見る目の解像度を上げることで、これまで気づいていなかった課題にも気づくことができるようになります。
今回のフィールドワークでの経験が、各校で取り組んでいる課題研究に活かされることを期待しています。
【SSH】第66回日本植物生理学会 高校生生物研究発表会
3月16日(日)、石川県の金沢大学で行われた、一般社団法人日本植物生理学会主催の「高校生生物研究発表会」に理数科2年2名で参加しました。
今回の発表会は第66回日本植物生理学会年会に合わせて実施されたもので、大阪府や鹿児島県など、37校57件の発表が行われ、多くの方が参加していました。
私たちは、1年生の課題研究から継続している「ボルボックス体細胞の単離現象」という題目で発表しました。
当日は大学の教授や、他参加校の引率の教員、そして高校生と様々な方に発表をし、たくさんのアドバイスや質問を頂きました。
学校外での発表は、日本顕微鏡学会、理科教育研究発表会につづき、3度目の発表となり、経験を重ねる毎に楽しんで発表ができるようになりました!
高校生生物研究発表会では、百万穀賞、優秀賞、最優秀賞の3つが用意されていて、
結果、優秀賞を頂くことが出来ました!ボルボックスへの愛が認められたような気がしてとても嬉しかったです!
このような貴重な機会を用意してくださった、日本植物生理学会の皆様、ありがとうございました!
本研究にあたり、(株)日立ハイテク様に卓上走査型電子顕微鏡TM4000Plusをお借りしました。また、(株)日立ハイテク寺田大平様には、淡水プランクトンのSEM画像撮影に関するご助言の他、多大なるご支援をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました!
来年度もお借りする予定の卓上走査型電子顕微鏡についても、今後の継続研究で活用していきたいと考えています!
【SSH】令和6年度 1学年 課題研究(生物・地学)中間発表会
3月12日(水)2~3限に、理数科1年の課題研究(生物・地学)中間発表会が開催されました。
1年生の理数科では、生物・地学分野の中で興味のあるテーマを設定して研究します。6月の本発表に向けて、さらに研究をブラッシュアップする場として、毎年3月に現時点までの研究の中間発表会を実施しています。
中間発表会は2年生の理数科生徒も見学をして、1年生への質疑だけではなく、発表をした班毎にコメントを書き、発表を評価します。
来賓5名の先生方と県教育局指導主事2名をお迎えした中での発表会だったので、1年生は初めての発表で少し緊張感がありました。来賓の先生方から頂いたアドバイス等を活かして、6月の本発表に向けて研究結果を整理していきましょう。