SSH
【SSH】令和5年度第2回SSH運営指導委員会を実施しました
本日、第2回SSH運営指導委員会を実施しました。第1回に引き続き、指導委員の先生方より今年度の取組みについて指導・助言をいただきました。
生徒の変容をどのように捉えていくのか、SSHの取組みがもたらす波及効果をどのように拾っていくか、教科や文理の壁を超えた連携をどのように実践していくかなど、幅広い観点から意見が出ました。
指導委員の先生方、ありがとうございました。次年度に向けて、取組みのブラッシュアップをしてまいります。
【SSH】理数探究基礎
3月12日(火)3・4限に一年生理数科による課題研究の中間発表会が開催されました。
一年生では生物・地学分野の中で興味のあるテーマを設定します。
6月に本発表になりますが、現時点までの成果を中間発表として行い、さらに研究を進めます。
2年理数科の生徒も発表見学をして、それぞれの班にコメントを書き発表全体の評価をします。
来賓5名と県教育局から2名迎える中で、1年生はこれが初めての発表で少し緊張感がありました。
司会は生徒が進行します。
テーマは以下の通りです。
生物1班:ボルボックス体細胞の単離条件
生物2班:音楽振動が酵母の発酵に与える影響
生物3班:ネコハエトリの上昇と光の関係
生物4班:フラスコモにおける原形質流動の観察
地学1班:中州が形成される川の条件
地学2班:堤防による津波被害の軽減
地学3班:岩石の種類による風化の仕方の違いについて
地学4班:砂防堰堤と土砂流の関係について
地学5班:地盤改良による液状化対策
【発表の様子】
最後に講評をいただきました。
毎回様々な質問が飛び交いますが、どの班もしっかりと質問に答えていました。
今後の課題が見えてきたところで、本発表が楽しみです。
【SSH】越谷北高校が第4回グリーンインフラ大賞優秀賞を受賞しました!
越谷北高校で株式会社建設技術研究所のご協力のもと2018年から2022年まで5ヵ年で取り組んだ「越北SDGsグリーンインフラプロジェクト」の取り組みが、国土交通省主催の第4回グリーンインフラ大賞において優秀賞をいただきました。
国土交通省の報道発表資料はこちら
2018年度(SSHⅠ期指定の年)から5年間、様々な地域でグリーンインフラ(生態系機能を応用してインフラに関する諸課題を解決する考え方)に着目した現地実習、探究活動を行い、5年目の2022年にはグリーンインフラを応用した学校周辺のまちづくりについて高校生が探究し、越谷市長に提案をしました。
これらの活動について、協力いただいた株式会社建設技術研究所と連名でグリーンインフラ大賞に応募し、全国から応募のあった事例の中から優秀賞に選んでいただきました。
令和6年2月20日に東京ビッグサイトで実施されたグリーンインフラ産業展の中で表彰式があり、昨年度グリーンインフラプロジェクトの中心となって活動していた卒業生4名と参加してきました。
東京ビッグサイト
表彰式では、代表して株式会社建設技術研究所の方に壇上に上がっていただきました。
表彰後の記念撮影では、卒業生4名も一緒に国土交通省副大臣、グリーンインフラ官民連携プラットフォームの代表など、ご来賓の方々とともに撮影していただきました。
表彰式に参加した卒業生4名です。
彼らに代表して参加してもらいましたが、今回の受賞は5年間のプロジェクトに参加した歴代の生徒たちの探究活動の積み重ねあってのものです。
理科や社会など単一の教科分野では解決することのできない、分野横断、学際的な課題の探究は、”生徒たちの単純に数字で測ることのできない実力”を伸ばす大事な取り組みです。
今年度(SSHⅡ期)からは、再生可能エネルギーに着目した探究活動が始まっています。
生徒たちの探究が、今後どのように進んでいくかも楽しみです。
探究活動生徒発表会(2023年12月26日)日本薬科大学
2023年の12月26日に、埼玉県の日本薬科大学において、探究活動生徒発表会が行われました。
会場では、様々な学校の生徒によるポスター発表の展示や口頭発表があり、越谷北高校の生徒もポスター発表、口頭発表に参加しました。
ポスター発表では、それぞれの研究を行った生徒たちがポスターの前に立って参加者へ発表の説明などをしており、気軽に質問をしやすく様々な知見を得ることができました。
また、口頭発表においても、スライドを用いた発表が多く、生徒・教師問わず研究についての質問が飛び交っていました。
参加した生徒からは、
「自分の興味のある分野だけではなく、今まであまり関心がなかったような分野についての研究も楽しむことができた。いつかはあの場にたって研究を発表できるようになりたい。」
「普段関わることのない学校の生徒と、お互いの研究に関する会話もでき、知見を深めることができた。
ぜひ、来年度の発表会も見学しにいきたい。」
「他の学校の生徒の研究を見学し、自分たちだけでは思いつかないような幅広いテーマについて考えるきっかけになった。とても良い経験になったと思う。」というコメントがありました。
【SSH】理数科2年集中実験講座
令和5年12月22日~23日、理数科2年生の集中実験講座を実施しました。
2日間にわたって、物理・化学分野での実験に取り組みます!
1日目の朝、物理室に集合して開会式です。
生徒代表による開会宣言です。実験漬けの2日間にわくわくしています。
クラスを半分にして一日目物理、二日目化学の班と一日目化学、二日目物理の班に分かれます。
それぞれ、最初に実験プログラムのテキストを配ります。
物理分野は「センサープロジェクト」です。
デジタルマルチメータを使って、電気回路と電子部品の性質を理解し、オリジナルのセンサーシステムをつくります。
化学分野は、金属イオンの定性分析です。
様々な試薬で、様々な金属イオン溶液の反応を確かめ、未知試料の金属イオンを調べます。
金属イオン溶液を駒込ピペットで試験管に取ります。
反応させる試薬を確認しています。
一つずつ反応させて、どのような変化が見られるかを記録していきます。
安全のため、白衣着用のうえ保護メガネをかけています。
試薬を加えることで色が変化しました。沈殿も生じている?
変化の様子は、文字で記録するだけでなく写真にも撮ります。
未知試料を判別し、担当の教員に提出しました。合っているかな・・・?
見事正解!花マルをもらいました。
物理分野です。ペアで話し合いながら理解を深めています。
各ペアに電源装置とデジタルマルチメータが配られます。
コンセントで交流100Vを測定します。
2穴コンセントの左右で長さが違うことを知っていましたか・・・?
電池の電圧を測ります。ボックス電池(9V)を測っていますが・・・
あれ?9Vにならない!?
モバイルバッテリーの電圧を測定しています。
製品説明通りの電圧でした。
電子回路での抵抗の性質を見出します。
直列ではどうなるか?
可変抵抗をつなげています。
測定と計算の繰り返しです。理論と実践の差を埋めていきます。
暗幕で装置を隠して、光依存抵抗の反応を調べます。
お湯を沸かして、サーミスタ(温度を測る半導体センサー)の反応を調べます。
身に付けた電子回路、センサーの知識を総動員して課題解決します。
「明るくなると知らせるセンサーシステムをつくる」
「暗くなると知らせるセンサーシステムをつくる」
「熱いと知らせるセンサーシステムをつくる」
「温度をはかるセンサーシステムをつくる」など、班ごとに取り組む課題は異なります。
各班、試行錯誤してシステムを組み上げています。
最後に、組み上げたオリジナルセンサーシステムの実演・説明です。
上手に機能するシステムをつくることができました!
最後に校長先生から講評をいただきました。
代表生徒による閉会宣言です。2日間の実験プログラムを存分に楽しんだようです。
粘り強く実験に取り組む理数科生徒の底力を感じる2日間でした。
ここで身に付けた思考力や実験技術が今後の探究活動に活かされていくことでしょう。
【SSH】SSH講演会
12月15日金曜日にSSH講演会が行われました。
千葉大学理学部の北畑裕之先生をお迎えし、「身近な現象に見られる数理と物理」についての講義をしていただきました。
会場には一年と二年の理数科生徒及び物理部、化学部、生物部、天文気象部の部員が集まりました。
この講演会を通して、タテジマキンチャクダイの体表の模様の形成過程、BZ反応(化学振動反応)、マツボックリ・ヒマワリなどに現れる螺旋構造とフィボナッチ数列の関係などを通して、数学と、生物や化学などの自然科学との関係性について学ぶことができました。
「今回の講義を通して、多くの身近な自然の現象や物事を数式で表せるということが分かり、とても面白いと感じました。」
「今まで疑問に思っていた現象の仕組みを知ることができ、興味深かったです。」
「今まで理科4科目はつなげて考える事は多かったですが、数学は理系科目内だと別枠として離して考えていました。しかし今回の講演会で数学と科学の繋がりを学べ、理系科目の面白さを再発見できました。」
「この講演会を通して、自分の知識がより深まり、化学や生物と数学を結びつけることで今まで習ってきたことをより深く理解することができた。来年も同じ時期に講演会があるので、さらに知識をつけて受けられるようにしたい。」
などの感想も上がっていました。
生徒からの質問も多く出ており、とても活気のある講演会となりました。
【SSH】理数探究 中間発表会
12月14日(金)3・4限に理数科2年生による理数探究中間発表が行われました。
内容は物理・化学・数学の各分野に分かれて行っている課題研究の中間発表です。
3~5人のグループごとにテーマを決めて取り組んでいます。
今年度のテーマは以下の通りです。
物理1班 「風船の割り方と破裂音の関係」
物理2班 「災害状況下における、より明るいペットボトルランタンの作り方」
物理3班 「とあるガウスの超電磁砲」
物理4班 「暖房使用下における、効率的なサーキュレーターの配置」
化学1班 「アントシアニンの抽出方法の確立」
化学2班 「バナナの皮を利用した生分解性フィルムの製作条件の検討」
化学3班 「様々な金属コロイドの生成方法の比較」
化学4班 「貝殻の蛍光物質の比較」
数学1班 「折り紙による角の等分」
一年生の時に発表経験はあるので発表や質問の受け答えはスムーズに行っていました。
中間発表とういこともあり、質問や意見がたくさんでていました。
皆さんの意見を参考にしながら今後の研究に活かしていきましょう。
【SSH】生徒研修会『伝わるデザイン講座』
令和5年11月13日(月)、千葉大学の高橋佑磨先生を講師にお招きし、SSH生徒研修会『伝わるデザイン講座』を実施しました!
講演タイトルは、『初めての研究発表資料の作成術~みんなにやさしい資料~』です。
まずは、講演で“伝えたいことが伝わる”デザインのルールについて学びます。
実例や比較図を交えた内容で、とても分かりやすいお話でした。
参加生徒も熱心に話を聞きながらメモを取っています。
ちなみに講演資料はデジタルデータでも配布し、全員がiPadを持っている1年生はgoodnotesで資料を見てメモを取っています。
参加生徒からの質問にも、丁寧にお答えいただきました。
講演の後は、サンプル資料(生徒や教員がつくった発表資料など)を使ったワークショップです。
サンプル資料を、より「伝わりやすくする」改善点を話し合っています。
講演で学んだことを活かして、鋭い指摘の連続です。
工夫してつくったつもりの資料でも、「伝わるデザイン」の観点からは改善点が(たくさん)見つかります。
グループで話し合った内容を発表しました。
高橋先生から、グループ発表の講評と先生のつくった改善版の紹介です。
分かりやすく「伝わる」資料になったことに参加者からは思わず歓声があがりました。
***参加生徒の感想の抜粋です***
〇部活での研究活動で作ったポスターは自分的にはいいと思っていたけど、今思うと改善点が多く見つかったので、改善していこうと思いました。
〇今まで、より伝わりやすい資料を作るためには、情報量を少なくするといい、など抽象的なことしか知らなかったのですが、今回、それの具体例や、そのほかの資料を見やすくする方法も知ることが出来てとても有意義な時間になりました。これから総探ではポスターを作るので、今回学んだことを活かして取り組みたいと思いました。
〇ワクの有る無しやフォントによってデザインの印象がガラッと変わることに驚きました。とてもおもしろかったです。
〇文字の行間や改行など、すぐに簡単に変えることができるものでも、変えるのと変えないのでは見やすさが全然違うことが分かりました。理数科の課題研究でスライドなどを作るので、その時にとても役立ちそうだと思いました。実際に身の回りにあるよくない例を見せてくださったことで、デザインの良し悪しがよく分かるようになったと感じます。とてもタメになる研修会で、参加してよかったと心から思います。
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本校で重視している探究的な学習でも使える、ためになることをたくさん知ることができたようです。
今後、生徒たちがつくる発表資料がどれだけ良いものになるか、楽しみです。
講師をしていただいた高橋先生、ありがとうございました。
【SSH】11月19日公開講座(さいたま市見沼田んぼ・大和田緑地)
11月19日(日)さいたま市見沼田んぼ~大和田緑地にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
高校生11名、教員7名が参加し、自然観察を楽しみました。
さいたま市見沼田んぼは、江戸時代に整備された東西二筋の見沼代用水によって農業用水を提供されている、大宮台地の中にある広大な農地です。
見沼代用水は台地の縁に沿ってつくられ、中央を流れる芝川にむかって徐々に地形が低くなっていっています。
見沼代用水西筋から芝川方面を望むと、徐々に低くなっており農地が広がっています。
稲刈りが終わり、二番穂が出ている田んぼの周りでは、今ではあまり見られなくなった水田雑草が見られます。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧のタウコギ(キク科)です。
同じく埼玉県レッドデータ準絶滅危惧のミズワラビも観察できました。
右はチョウジタデ(アカバナ科)、左は環境省レッドデータ準絶滅危惧(埼玉県絶滅危惧Ⅱ類)のウスゲチョウジタデです。
大宮体育館まで移動しました。
サクラ(ソメイヨシノ)のまわりで観察します。
ハラビロカマキリがいました。カマキリの仲間は晩秋まで見られます。
大宮体育館の南側、大和田緑地で森林構造の観察をしています。
ヒトの管理の入った森林と、放置された森林ではかなりの違いが出ます。
倒木にシロキクラゲが生えていました。
シロキクラゲは、倒木や枯れ枝に生えるクロコブダケに寄生する菌類です。
写真で周りに見えている黒いものがクロコブダケです。
倒木にも、小さな生態系が広がっています。
管理されている方々のご厚意で、普段は入れない保護された区域に入れていただきました。
放っておくといなくなってしまうような希少な生物も観察できました。
環境省レッドデータ準絶滅危惧(埼玉県絶滅危惧Ⅱ類)のタコノアシ(ユキノシタ科)です。
駅に向かう途中でアオギリ(アオギリ科)の種子を見つけました。
果実の皮についたまま心皮がひらき、面白い形になっています。
このまま、風に乗って遠くまで運ばれる「風散布型」の種子です。
雑木林や田んぼなど、ヒトの生活と密接な関係にあった自然は、ヒトの関りの変化によって環境が激変しています。
生物多様性を守るためにわたしたちに何ができるのか、を考える機会になりました。
次回の公開講座は3月23日(土)、さいたま市田島が原サクラソウ自生地で実施予定です。
【SSH】10月22日公開講座(宮代町山崎山)
10月22日(日)宮代町山崎山 みどりのトラスト地を中心にフィールドワークの公開講座を実施しました。
高校生14名、教員2名が参加し、自然観察を楽しみました。
宮代町山崎山緑のトラスト地(保全第5号地)は、東武動物公園の南側に位置する雑木林で、地元の自然保護団体やボランティアによって保全活動が行われています。
当日は東武動物公園駅西口に集合し、市街地の植物や植え込みの昆虫を観察しながら雑木林へ向かいました。
駅前の道端に生えていた「アレチニシキソウ」の果実
同じ場所に、近縁種のコニシキソウ、ハイニシキソウと混ざって生えていました。
東武動物公園の敷地から流れ出る水路 実際には農排水路を兼ねていると思われます。
コウホネの黄色い花がきれいですが、特定外来生物のオオフサモも混じって生えています。
対策が必要かもしれません。
スイカズラの葉に食痕(昆虫が食べた痕跡)があります。
葉の主脈を残す特徴的な食べ方。よーく見ると・・・
アサマイチモンジ(タテハチョウ科)の幼虫がいました。
稲刈りの終わった水田では、アイナエ(マチン科)の可憐な花を見つけました。
高さ数cmほどの小さな花ですが、埼玉県のレッドデータでは準絶滅危惧(NT)の絶滅危惧種です。
緑のトラスト地の遊歩道を通りながら、森林構造の観察をしました。
保全管理をされていても、外来種の侵入など課題は多そうです。
自然保護のために、身近な自然の記録をすること、みんなで興味を持つことが大切であることを再確認しました。
次回の公開講座は11月19日、見沼田んぼで実施予定です。