校長室より

校長通信

令和元年度修了式に代えて

令和2年3月24日

 1学年・2学年の生徒の皆さん 

越谷北高等学校長 松村 和則

  

令和元年度修了式に代えて

 

 昨日の成績会議において、在籍する1年生および2年生全員の進級を認定しましたのでお知らせします。

 それぞれの成績通知票については、新年度の開始日にお渡しする予定です。

 成績優良者や皆勤の生徒の皆さんはよく頑張りました。進級後も継続してもらえるよう期待しています。成績が不本意だった生徒は、一年を振り返り心機一転で新年度を迎えてください。

  さて、新型コロナウイルスの影響で、3月2日以降臨時休校措置が続いてきました。その間、皆さんの後輩を選抜する高校入試が行われ、皆さんがお世話になった3年生の卒業式も無事に挙行出来ました。また、皆さんにご指導いただいた先生方の人事異動の準備も進められてきました。ご退職や他校に異動なさる先生の情報は、しかるべき時期にお知らせしたいと思います。

  新年度については、埼玉県からの指示がまだありませんが、教育活動が再開できるよう職員一同で願っています。4月1日以降の部活動等に関しても同様で、県からの通知があり次第、皆さんにお知らせします。現在のところ、4月8日(水)の始業式は予定どおり開式する見込みですが、時間の短縮、体育館の換気、マスク着用などウィルス感染拡大防止策を実施する予定です。決定次第、学校ホームページや緊急連絡メールにてお知らせします。 

 例年とは違って、気持ちが晴れない春休みとなるかもしれませんが、自身とご家族の健康を第一に考えて過ごしてください。適切な場所で適度に体を動かし、折角の時間ですから、特に興味のある分野を突っ込んで勉強するのも良いでしょう。生活リズムをしっかり保って、有意義な時間となるようセルフコントロールしてください。

 新学期に、皆さん全員と元気にお会いしましょう。

 

平成最後の修了式


 今年度の修了式が終わりました。私にとっても最後の修了式でした。
 生徒には、3年間掲げ続けてきた月の言葉を全部パワポで写し、解説を交えながらそれぞれの言葉を説明しました。

 最後の3月の言葉は、三年生に宛てたものですが、1,2年生もそれぞれ進級し、新たなステージで頑張ってほしいという思いを伝えました。

 最後には、大坂なおみ選手が、全豪オープンで優勝した時、アメリカのメディアから若者へのメッセージで求められて言った言葉を紹介しました。
そして、私から「自分の人生を誰か他の人に歩いてもらうわけにはいかない、自分の道は自分自身でしっかりと真っ直ぐ、正義を愛し、人を愛し、確実に一歩一歩歩んでいって下さい。」と伝えました。そして最後のスライドは

にしました。生徒が北高生としての自信とプライドを持って成長してくれることを願っています。

卒業式が終わりました

 報告が遅れましたが、3月14日(木)に第48回卒業証書授与式を行いました。普通科351名理数科38名合計389名の卒業生が旅立ちました。卒業生には、次の扉をノックして大きな世界に羽ばたいて欲しいと願っています。


 式辞では、卒業生の皆さんに「学び続けることを楽しむこと、思いやりの心を持つこと」の二つを餞の言葉として送りました。
 保護者の皆様にも、お子様の入学以来、本校の教育活動に対して深いご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。
 50年後、越谷北高校は百周年を迎えます。果たして、越谷北高校はどのような学校になっているでしょうか。創立以来受け継がれてきた学校独自の教育文化をかけがえのない宝物として持ち続け世界に誇るべき学校になっていることを願っています。
 卒業生の皆さんが、越谷北高校の卒業生として自信と誇りを持って、それぞれの人生を歩み、世界に羽ばたく人間になっていることを期待するとともに、前途洋々たる皆さんの門出を心から祝福します。

 私も、卒業です。三年間ありがとうございました。

三月の言葉(世界へ)

 

 僕らの前にはドアがある  いろんなドアがいつもある
 ドアを大きく開けてみよう 広い宇宙の世界へ

この詩は、五木寛之「大河の一滴」の中にある言葉です。

 僕らと言ったとき、男も女もという感じを持っています。そう感じたので、この言葉を今月の言葉としました。
 3年生は、卒業になります。今までの自分から一歩飛び立ち、新しい道を歩み始める春です。自分の選んだドアから、広い世界へ飛び立ってください。

 がんばれとエールを送ります。忘れるなよ「北高プライド」。


 この詩には新しい世界への期待が込められています。ぜひ、この機に卒業生の皆さんだけでなく、進級される在校生の皆さんも新しい季節、新しい出会いに期待を膨らませ、次のステージへの挑戦を始めてください。

 私の好きな、Mr.Childrenの終わりなき旅という歌の中にも同じような歌詞があります。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて
 きっと きっとって 君を動かしてる
 いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしよう
 もっと素晴らしいはずの自分を探して

 胸に抱え込んだ迷いが プラスの力に変わるように
 いつも今日だって僕らは動いてる
 嫌な事ばかりではないさ さあ次の扉をノックしよう
 もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 
 今回で、月の言葉も終わりです。今月で、私も卒業になります。次のドアをノックして、自分探しの第二の人生に歩みだします。

 いつも、月の言葉を工夫をこらして力強く書いていただいた倉澤沙綾先生に改めてお礼を申し上げます。また、月の言葉を読んでいただいた皆様、3年間ありがとうございました。

二月の言葉(もうひと頑張り)


 辛いという字は十回立つと書きます。しかし、もう一回立てば幸せになります。

 今日から、3年生は家庭研修に入りました。いよいよ受験の天王山です。体調をくずさぬよう自己管理をしっかりすることです。今となってはジタバタしても始まらないので、自分を信じ最後まで頑張ることです。努力は必ず報われると限りませんが、報われた人は必ず努力した人です。どこまで努力すれば報われるのか分かれば苦労はしません。100あるうちの99まで来ていたのか、半分まで来ていたのかは誰にもわからないことです。しかし、99まできた人は、きっとその後の人生を生きぬく糧を身につけたはずです。
 人生は長い、人生100年時代を見据えて目先のことに一喜一憂するのではなく、大きな志に向かって進んでほしいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。特に今回も思いを込めて書いていただきました。)

1月の言葉(念ずれば)

 

念ずれば花ひらく

 新しい年が明けました。皆さんがそれぞれ新たな気持ちで歩みだしたと思います。

 私も、残すところ3か月となりました。やり残したことがたくさんありますが、今年も「凡事徹底」と言いましょうか、小さな積み重ねを大事にして、確実に前進、成長していきたいと思っています。

 努力や苦労を重ねることで、本物に達すると思います。残念ながら人は平等ではありません。人が1時間でできることが自分には3時間も4時間もかかるかもしれません。でも、地道に愚直に努力を重ねることで高みにたどり着くと思います。

 高校生、特に3年生は志望校に合格することが自分の花を咲かせることでしょう。どんな花が咲くかは、日々どれだけ地道な努力を続けてきたかということが大きくかかわります。 

 満足な花が咲かなかったとしても、地道な努力を重ねたことは、決して無駄になることはありません。これ以上出来ないと思うくらい一生懸命努力した結果はどんな花が咲こうと美しいはずです。それは、受験の結果だけに止まらず、それ以降の長い人生の確固たる基盤となるものです。時間をかけて努力した積み重ねは、将来のゆるぎない基盤と自信をもたらすに違いありません。

 詩人坂村真民が「念ずれば花ひらく」と言っています。努力をした後は、天命を待ち、こころから念ずることできっと花ひらくと思います。3年生の健闘を祈ります。

(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。倉澤先生も本校で3年目、3年生と同じ年に本校に着任したということで、特に今回は思いを込めて書いたそうです。)

有志竟成(12月の言葉)


 今月の言葉は、今年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授の座右の銘として紹介された言葉です。
 その意味するところは、「志があれば必ず成し遂げられる。決してあきらめずに、常に目標を定めていく」です。出典となっている『十八史略』東漢篇では、【志ある者は事(こと)竟(つひ)に成る】と訓読される文章になっています。
 本校の校訓は「立志、探究、奉仕」であり、奇しくもその第一に、立志を挙げています。つまり志を立てる、志をもつと言うことです。志あれば、成し遂げられます。12月になり、センター試験も来月に近づいてきました。3年生は、志を高く持ち、決してあきらめずに、目標に向かって頑張ることで、必ずや希望の花を咲かせることができるはずです。がんばれ!
 ちなみに、本庶佑教授は、6つのCが時代を変える研究には必要だといっています。
 Curiosity(好奇心)
 Courage(勇気)
 Challenge(挑戦)
 Confidence(確信)
 Concentration(集中)
 Continuation(継続)
このことは、研究に限らず、人が生きていく上で心していかなければ成らないことに思われます。何事にも好奇心を持って取り組み、勇気を持って挑戦する、そのことが生きる上での自分自身の確信となり、集中力が生まれ、継続してやっていくことで、何事かをいつしか成し得る。そう思います。なにごとにもこれらのCを追い求めることは大切ですね。

(書は、いつも倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は特に力強い素敵な書になっています。)

50周年記念式典

 
 だいぶ報告が遅れましたが、10月6日(土)に、越谷コミュニティセンターで、本校の50周年記念式典を無事挙行することができました。関係した皆様に感謝申し上げます。本校卒業生で副教育長の小島康雄様、県会議員の山本正乃様、越谷市長の高橋努様をはじめ多くの来賓の皆様をお迎えし、多くの方々から、心温まるご祝辞や激励の言葉をいただきました。生徒会長も素晴らしかった。さすが北高生という感じでした。記念講演会では、何度もノーベル化学賞の候補になっている東京理科大学前学長の藤嶋昭先生から「科学を楽しく」のご講演をいただきました。生徒にとっても大変興味深い内容のご講演でした。祝賀会では吹奏楽部の演奏もあり和やかな会になりました。すべての皆様に感謝です。
本校の卒業生で、本校の教員(1学年主任)である中里先生と。

式辞抜粋
・・・・・・・・

「五十にして天命を知る」という言葉がございますが、創立五十年を迎えた越谷北高校にとっての天命とは何か。それは、日本はもとより広く世界で活躍することのできる有為な人物を育成することであると考えます。そのためには、これからのグローバル社会を支える人物に求められている、高い自由度、優れたモビリティを身につけさせなければなりません。本校は、そのような人物を育成するために、全教職員が「立志」「探究」「奉仕」の校訓のもと、普遍性・柔軟性に富む思考力、判断力、表現力を身につけさせる指導を展開しております。また、近年の科学技術の加速度的な進歩によってAIでできることが日ごとに拡大し、人間の為しうる仕事は「高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野」であると言われております。それだけに、日々の教育活動をとおして、AIで代替できない能力を備えた人、すなわち、人間にのみできることを考え実行できる人物を育成することを目指しております。

 こうした指導は、すなわち「高い理想と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルなリーダー」の育成にほかなりませんが、一方でそのような実践こそが、地域の学習・文化の拠点となる学校づくりの核ともなるものであると考えております。

 生徒の皆さんには、母校の創立五十周年記念を祝うに当たって、創設期の先人のご苦労やご腐心に思いを馳せるとともに、地域の教育をリードしてきた越谷北高校の生徒であることに、強い「誇り」をもって欲しいと思います。自分に誇りが持てれば、志が生まれます。志があれば、人生は充実したものになります。越谷北高校生であることに、ぜひ誇りを持ち、大きな志を抱いてください。また、今、越谷北高校に学ぶ者として、自分は何を為すべきか、あらためて考える機会にしてほしいと思います。

 結びに、創立以来本校の教育振興のため、ご支援ご協力を賜りました埼玉県及び越谷市、本校同窓会、PTA・後援会並びにすべての関係の皆様に、あらためて衷心より深く感謝申し上げますとともに厚く御礼申し上げます。

 新たなる五十年後、百周年に向けて、教職員、生徒一体となってさらに前進することを決意いたしますとともに、今後とも皆様方の力強いご支援ご協力をお願い申し上げまして、式辞といたします。

越谷北高校で未来をつかもう

 学校説明会がありました。私からは、安心して越谷北高校に決めて下さい、と伝えました。もう11月も終盤となり、この時期に学校説明会に来る中学生の中には、出願する高校を何処にするか迷っている人も少なからずいると思います。そんな中学生に対して、本校が進める探究学習を紹介し、本校の実績を示して、信頼できる学校であることを強調しました。そして、安心して本校に決めてください、と思いを伝えました。また、SSHで進めるテーマである課題発見力の大切さを伝えました。多くの中学生に出願していただきたいと思います。
以下は、私の説明プレゼンです。




11月の言葉(日日是好日)

 一日一日を味わいながら生きる。季節を感じながら生きる。

日日是好日を読んだ。作家森下典子氏の作品で、お茶の世界を通して人生を感じさせる内容である。樹木希林さんが映画でお茶の先生役を演じている。樹木希林さんの遺作となった映画である。話題となった小説だったので、私も読んでみた。すると、心が落ち着き、清々しい気持ちが心地よく広がった。この映画の撮影で使われた京都の建仁寺を修学旅行の引率の折に尋ねてみた。映画の影響か多くの人(特に外国の人)で賑わっていた。しかし、茶室の方は静かにたたずんでいました。つくばいを見ました。以外と小さかったです。

     建仁寺          つくばい

 人生にはいろいろなことがある。素晴らしい晴天の日ばかりではない。雨が降ったり、風が吹いたり、時には嵐だったりする。しがし、どんな日であれ、その日のことを味わい、感じながら生きることが人生には大切なことなのである。どんなことも、一方向からだけ見るのではなく、多面的に見て、本質を見ることである。気負わず、自然体で、季節と共に生きることを心掛けたい。

 小説の中の一文を紹介する。

「雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。・・・どんな日も、その日を思う存分味わう。・・・そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんでいきていけるかもしれないのだ。」人生は楽しみ、味わい深いものにしたいですね。

(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は秋らしい趣のある素敵な書になっています。)