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【SSH】7月19日公開講座(羽生水郷公園)
令和8年7月19日(日)、羽生水郷公園(宝蔵寺沼ムジナモ自生地、さいたま水族館)でフィールドワークの公開講座を実施しました。
前日にはかなりの雨が降ったようで、水位が高い状況でしたが、問題なく観察をすることができました。
今回は高校生5名、教員等5名の10名が参加しました。
ムジナモは、モウセンゴケ科の水生植物で、水中でミジンコなどの動物プランクトンを捕食する食虫植物です。
プランクトンを捕らえる捕虫嚢(ほちゅうのう)の形がタヌキの尾のようであることから命名されました。
(タヌキモという名前は既に使われていたため、アナグマやタヌキを指す「ムジナ」を冠することになりました)
当地(羽生市三田ヶ谷)では大正10年(1921年)に発見され、希少なムジナモの自生地として昭和41年に天然記念物に指定されました。
今回は、羽生市に許可をいただき、自生地内(立ち入り禁止です)での観察をさせていただくことになりました。
さいたま水族館正面の休憩舎に集合しました。
公園のマップを見ながら、自生地の位置を確認しています。
池沼まわりの観察になりますので、動物分野(昆虫類)としてはトンボ類がたくさん見られることを期待しています。
さっそく見つけました。
望遠撮影をトリミングしたのでピンボケですが、キイトトンボ(イトトンボ科)です。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧ですが、かなりの数が見られました。
当地では初めて見ましたが、後で水族館の方にお聞きしたところ、今年初めて現れたとのことです。
今年は、秩父でもこれまでいなかった場所で多数見られましたので、当たり年なのかもしれません。
自生地内に入りました。
もともとムジナモが生息していた掘り上げ田の環境を維持するため、保全会の方々が水路の土を掘って土を上げているそうです。
モノサシトンボ(モノサシトンボ科)がいました。
長い脚の脛節が白くて、白い靴下を履いているようでかわいいトンボです。
チョウトンボ(トンボ科)です。チョウのようにひらひらと飛ぶトンボです。
翅が陽光を浴びてダークブルーに輝いて、とても美しいです。
今回トンボ類は、シオカラトンボ、ハグロトンボ、キイトトンボ、オオアオイトトンボ、チョウトンボ、ショウジョウトンボ、モノサシトンボ、オオシオカラトンボ、アジアイトトンボ、クロイトトンボ、アオモンイトトンボ、コシアキトンボの12種を観察することができました。
写真ではちょっと分かりづらいですが、ムジナモはとても個体数が多いです。
保全に関わる方々の長年の努力の成果です。
花期には少し早く、花を見ることはできませんでした。
イヌタヌキモ(タヌキモ科)は花が咲いていました。
環境省レッドデータ準絶滅危惧、埼玉県レッドデータ絶滅危惧Ⅱ類です。
ムジナモと同じ水生食虫植物で姿も名前も似ていますが、ムジナモはナデシコ目モウセンゴケ科で、タヌキモ類はシソ目タヌキモ科と分類上は近縁ではありません。
似た環境に適応した収れん進化なのかもしれません。
自生地を出て、水族館奥側のビオトープを観察しました。
水路とはつながっておらず、雨水のみで池になっています。
ここでは、3種類のヤナギ(アカメヤナギ、タチヤナギ、カワヤナギ)の違いを観察しました。
アサマイチモンジ(タテハチョウ科)がいました。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧です。
ひとつ前の版(2008年版)では絶滅危惧ⅠA類でしたが、わりと普通に見られるようになりランクダウンしました。
幼虫は主にスイカズラ(スイカズラ科)の葉を食べます。
水族館の学芸員の荒井様にビオトープのハイイロゲンゴロウを見せていただきました。
ハイイロゲンゴロウ(ゲンゴロウ科)です。
ゲンゴロウの仲間は特徴的な匂いがありますが、捕まえてかいでみないと分からないですね。
雌雄の見分け方などお話を伺うことができました。
後半は水族館の館内見学をしました。(館内は一般の方も多かったため、写真の掲載は控えます)
学芸員の方のご厚意で、バックヤード見学をさせていただきました。
普段は見ることのできない水族館の裏側を見ることができました。
系統保存のため飼育繁殖されているムサシトミヨ(トゲウオ科)です。
同じく系統保存されているミヤコタナゴ(タナゴ科)です。
ミヤコタナゴは埼玉県では野生絶滅の状態です。
これらの希少種の系統保存がどのようになされているのかや、水生昆虫の飼育などについても色々と見せていただき、お話を聞くことができました。
餌やり管理の様子も見せていただきました。
水族館内で流れ解散としましたので、閉会行事は行いませんでした。
ムジナモ、ムサシトミヨ、ミヤコタナゴの他、様々な希少な水生生物がどのように保全されているかを学ぶことができました。
参加した生徒達の、今後の研究の参考になったことと思います。
次回の公開講座は10月25日(日)、長瀞町で実施します。
近くなりましたら、参加申し込みフォームをアップしますので、ご興味のある方はご参加ご検討ください。