校長室より

令和5年度 修了式校長講話

 令和6年3月22日(金)、令和5年度修了式を行いました。また、修了式終了後には、表彰と報告会を行いました。表彰では、全国大会第1位、西関東大会金賞を受賞した吹奏楽部をはじめ、県大会、地区大会等で入賞した書道部、文芸部、ギター部、水泳部、男子バレーボール部、男子バドミントン部、天文気象部、バドミントン部、女子卓球部、その他、数学オリンピック・理数科課題研究・読書の優秀者など、計34名の生徒を表彰しました。報告会では、西関東大会で金賞を受賞した吹奏楽部とグローバルリーダー育成プロジェクトの県代表としてシンガポール研修に参加した2年生の報告がありました。その後、先日、国土交通省主幹主催の「第4回グリーンインフラ大賞」で優秀賞を受賞したSSHⅠ期の取組「グリーンインフラ プロジェクト」の報告会と、SSHⅡ期の取組「グリーンエネルギープロジェクト」の発表会を行いました。こうした生徒の活躍には、毎回、感心させられるばかりです。

 以下は、校長講話の内容です。 

 皆さん、おはようございます。早いもので令和5年度も残すところ9日となりました。
 この時季に咲く花の一つに、こぶしの花があります。町中でも見かけることがありますが、6枚の白く可憐な花びらが特徴です。私は、毎年、この時季に、真っ白なこぶしの花を見ると、心機一転頑張ろうという気持ちになります。禅の言葉に、年年歳歳花相似(ねんねんさいさいはなあいにたり)歳歳年年人不同(さいさいねんねんひとおなじからず)というものがあります。その意味は、咲く花の美しさは毎年変わらないけれども、人の世はどんどん変わっていくというものです。
 この言葉のとおり、世の中は、目まぐるしく変わっていきます。本当に先の見えない時代ですが、こうした時代だからこそ、皆さんそれぞれが、変わらず大切にしている考えや思いを持っていることが大事だと考えています。
 先日、2年生のあるクラスで、若い二人の先生が、生徒に向けたメッセージを伝えるというLHRに呼ばれ、二人の先生の話を聞く機会がありました。その内容に私自身がとても共感し、心に響くものがあったので、その中で二つ紹介します。ちなみに二人とも体育会系です。
 一つ目は、女性の先生からのメッセージです。
 「今は、とことん結果にこだわってほしい。自分自身が頑張ってきたプロセスを評価するのは、もっと先でいい。」
 人は、誰しも結果が出なかったとき、失敗したときは落ち込みます。そんなとき、結果は出なかったけどやれることはやったからと、自分で自分を慰め、満足してはいないでしょうか。私自身、最近その傾向があったので、この言葉がグッと刺さりました。とことん結果にこだわるからこそ、結果が出なかったときには、落ち込むし、悔しいという気持ちでいっぱいになります。
 しかし、その悔しいという気持ちは、一たび前を向いて走り出したとき、結果を出すための大きな原動力になります。
 二つ目は、男性の先生からのメッセージです。
 「何かを目指して自信を無くすことは、悪いことではない。それは、自分が、そこまで到達できると信じている証拠だからだ。」
 人は、自分の能力とかけ離れた目標であれば、それが叶わなかったからといって自信を無くすことはありません。自信を無くすということは、その目標は、自分なら到達できると、自分の力を信じている証拠です。
 目標を達成するために自分を信じて頑張るという点は、二人の先生のメッセージに共通していると思います。そして、結果にこだわって、自信を無くしたり、悔しい気持ちでいっぱいになることは、悪いことではなく、自分を信じている証拠であり、一たび前を向いて走り出したとき、結果を出すための大きな原動力になるという考え方には、大いに勇気づけられました。
 私自身、最近忘れかけていましたが、これまでの人生でたくさん悔しい思いをし、自信を無くすこともありましたが、その都度何とか自分を信じて乗り越えてきたことを思い出し、胸が熱くなりました。
 「今は、とことん結果にこだわってほしい。自分自身が頑張ってきたプロセスを評価するのは、もっと先でいい。」
 「何かを目指して自信を無くすことは、悪いことではない。それは、自分が、そこまで到達できると信じている証拠だからだ。」
 二人の先生からのメッセージを、皆さんはどのようにとらえますか。是非、考えてみてください。

 4月からは新学年となりますが、皆さんそれぞれが、心の拠り所にしている考えや思いを大切に、焦らず、怠らず、目標に向かって進んでいきましょう。
終わります。