校長室より

11月の言葉(日日是好日)

 一日一日を味わいながら生きる。季節を感じながら生きる。

日日是好日を読んだ。作家森下典子氏の作品で、お茶の世界を通して人生を感じさせる内容である。樹木希林さんが映画でお茶の先生役を演じている。樹木希林さんの遺作となった映画である。話題となった小説だったので、私も読んでみた。すると、心が落ち着き、清々しい気持ちが心地よく広がった。この映画の撮影で使われた京都の建仁寺を修学旅行の引率の折に尋ねてみた。映画の影響か多くの人(特に外国の人)で賑わっていた。しかし、茶室の方は静かにたたずんでいました。つくばいを見ました。以外と小さかったです。

     建仁寺          つくばい

 人生にはいろいろなことがある。素晴らしい晴天の日ばかりではない。雨が降ったり、風が吹いたり、時には嵐だったりする。しがし、どんな日であれ、その日のことを味わい、感じながら生きることが人生には大切なことなのである。どんなことも、一方向からだけ見るのではなく、多面的に見て、本質を見ることである。気負わず、自然体で、季節と共に生きることを心掛けたい。

 小説の中の一文を紹介する。

「雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。・・・どんな日も、その日を思う存分味わう。・・・そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんでいきていけるかもしれないのだ。」人生は楽しみ、味わい深いものにしたいですね。

(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。今回は秋らしい趣のある素敵な書になっています。)