日誌

【SSH】令和3年度理数探求Ⅱ校内発表会

2年生の校内発表会と同じ6月2日の5・6時間目に3年生理数探求Ⅱの校内発表会がありました。理数探求Ⅱの発表は全て英語での発表となります。埼玉大学講師のTammo Reisewitz先生をお招きして、指導・講評をいただきました。2年生と同様に各班の研究を紹介します。

物理1班「The effect of vibration on where water flow from a faucet turns into droplets」蛇口から水を少量流すと、きれいな線になって水が出たり、水滴が切れ切れになって出たりします。蛇口から落ちてどこからばらばらの水滴になるかの高さは、蛇口に振動を与えると変化する、という興味深い研究です。こちらも動画による説明があってわかりやすかったです。英語も流暢でした。

物理2班「Motion of a ball」小さなボールを坂道に沿って転がすと、最も短い時間で2点間を転がる坂道はサイクロイド曲線である、という事実はよく知られていますが、転がす物体が楕円柱の場合はどうか、という研究です。理論研究で確かめるには大学レベルの数学が必要になりますが、この研究ではいくつもの試験体と坂道を作成してデータをとって研究していました。

物理3班「The best projection angle for a basketball free throw is 47°」バスケットのフリースローの最適な投射角度に関する研究。理論値で求めた角度より実験で求めた最適角の方がほんの少し小さいのはなぜか、がテーマでした。実験のために巨大パチンコのような実験装置を作って研究していました。装置によるシュートがゴールするシーンでは小さな歓声が上がっていました。

物理4班「Frictional force of books stacked page by page」本と本のページを組み合わせると、引っ張っても離れない、という誰もがやったことのある実験を真剣に考える研究。「摩擦力が働いているから」と言うのは簡単ですが、本来摩擦力は接触面積の影響を受けないはずで、ページ数が多いほど、重なっている面積が大きいほど強くなるというのは教科書にのっている摩擦力の公式に反する結果です。

化学1班「Finding the source of a fire by analyzing high temperature oxide films」金属が高温環境にさらされた時に表面にできる高温酸化被膜の性質を利用して、火事のときの火元を特定できるという事実を実験で再現する研究でした。英語での発表でしたが、時間が足りなくなるほど生徒から質問が出て大いに盛り上がりました。

化学2班「Replicating an ice pack」効率のよい保冷剤の条件や、保冷材に含まれる成分にはそれぞれどのような役割があるのかを調べる研究。保冷材の成分の分離や、得られた成分の同定に炎色反応や吸収スペクトル分析などを利用していました。

化学3班「Combination of NaOH and CO2 to form Na2CO3」水酸化ナトリウムが大気中の二酸化炭素と反応して炭酸ナトリウムに化学変化を起こす反応速度を調べる研究。中和滴定によって反応後の物質に含まれる二酸化炭素の量を分析できそうですが、大気に触れていない内部の水酸化ナトリウムは反応しないため、実験の手法を工夫していました。

化学4班「Quantitative analysis of catalase」根菜類に含まれる酵素の一種カタラーゼの定量化を試みる研究。カタラーゼはルミノール反応で青く光るので、根菜の皮のすぐ内側に多く含まれることは目視で確認できるものの、数字で量を示すことが難しく、試料の吸光度を計測することでカタラーゼの量を計算していました。

数学1班「Infinite continued fractions and infinite multiple square roots」無限連分数と無限多重根号式についての研究。先行研究は多くありますが、負の数など実数全体に一般化した研究は少ないと思います。無限連分数や無限多重根号式の値を、漸化式で定義した無限数列の極限値として考え、漸化式を解くことで得られた一般項から値を計算したり、目的の極限値との差を評価したりして計算していました。

閉会式でTammo先生からご講評をいただきました。Tammo先生には発表会に至るまでの半年間で、何度も学校に足をお運びいただき、直接指導もしていただきました。「これから先も、英語にも科学にもどんどん挑戦することが大事」との熱いお言葉をいただきました。

今回の発表会は理数科クラスへの発表と同時に、6月17日に行われる全校生徒への発表会の予選の意味も兼ねていました。どのチームが代表に選ばれるかはまだ決まっていませんが、どの班も堂々と発表できていました。17日の発表会が楽しみです。