日誌

【SSH】令和3年度理数探求Ⅰ校内発表会

6月2日(水)の3・4時間目を使って2年生理数探求Ⅰの校内発表会がしらこばと会館で行われました。

理数探求Ⅰでは、生物分野と地学分野の発表でした。少し長くなりますが、各班の研究内容を紹介します。

生物1班「コーヒー抽出残渣の農業利用」ドリップコーヒーを淹れたあとの残りかすを土に混ぜて植物を育てる研究。カフェインのあるなしで成長に差が出ると仮説を立てましたが、結果が予想通りに出なかったようです。研究では「うまくいかなかった」ことも大事な結果です。

生物2班「ミドリムシを培養する」栄養液濃度、明るさ、温度、二酸化炭素、水質など様々な条件を変えて、ミドリムシが爆発的に増える条件を探す研究。それぞれの条件の最適と思われる環境を組み合わせると効果的と思いきや、そうでもない、という予想外の結果でした。

生物3班「メダカの古典的条件付け」黄色の部屋と青の部屋の二部屋を用意した水槽(行き来はできる)にメダカを入れ、アラームを鳴らしてからしばらくして黄色の部屋に餌を投下する。これを何日も繰り返すことで、アラーム音が聞こえるだけで黄色にメダカは集まるか、という研究。驚くべきことに音と色と餌を関連付けてメダカは行動できていました。大変興味深い。

生物4班「手洗いによる効果の検証」様々な条件を変えて手洗いをし、指を培地にこすってどのくらいの菌のコロニーができるか、という研究。「消毒をするだけではむしろ菌が増えた」「消毒をしてから手洗いをした方が菌が減った」など驚くべき結果でした。原因はわかりませんが、筆者が思うに「消毒ポンプが汚れていたのでは」と思います。ちなみに菌とウイルスは全く別物なのであしからず。

生物5班「ミカン酵母と抗生物質」ミカンの皮に含まれる酵母で大腸菌をやっつけられるか、という研究。若干の抑制効果(いわゆるペニシリンなどの抗生物質のような)が見られたものの、培養した大腸菌があまりにも多く、効果の検証がしにくかったようです。まだまだ実験の方法について課題が残っているようです。

地学1班「Making a Typhoon Project」手製の装置で台風を再現する研究。風の流れが分かるようにドライアイスを用いる、上昇気流を発生させるために扇風機を逆回転させて装置から空気を吸い上げる、外部から空気を取り込みやすいように外壁を回転させるなど、様々な工夫がありました。発表では実際にできた台風(?)の動画も見られました。

地学2班「夏と冬の景色の見え方の違い」冬の景色は遠くまできれいに見えることはよく知られていますが、それが実験装置の内部で数値として観測できるか、という研究。「よく見える」ということを「目的対象物のRGB値と周囲のRGB値の差が大きい」と定義してある程度定量的な実験ができていました。研究するときは「〇〇とはそもそもどういうことか」を明確にするのが大事ですね。

地学3班「風力発電」列車が通り過ぎるときの風を利用して発電できないか、できるとしたらどのような形の装置が効率的かを探る研究。身近な動力を使っての発電は実用方法が明確で興味深いです。軽い風車は回しやすいが風がなくなるとすぐ止まり、重い風車は高速回転までに時間がかかるが回転が長続きしやすく安定感もあるそうです。

地学4班「流砂の研究」砂の粒の大きさや、様々な大きさの粒の組み合わせによって砂の沈みやすさがどのように変化するかの研究。砂同士の間隙が大きいと沈みやすくなるようです。この研究でも「沈みやすさをどのように定量的に評価するか」がポイントで、わかりやすく発表していました。

どの班も工夫を凝らした研究で、大変興味深かったです。理数探求Ⅰでは、今後は物理・化学・数学の3つの分野に分かれて新たな研究を始めます。今回の経験を生かしてよりよい研究ができるとよいですね。