日誌

【SSH】6月15日公開講座(宮代町山﨑山周辺)

6月15日(土)宮代町山﨑山周辺にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、県内2校から高校生17名、教員1名が参加しました。
30℃を超える猛暑の中でしたが、参加者の皆さんは積極的に動植物の観察をしていました。

宮代町は埼玉県東部に位置し、中川低地と大宮台地の境目にあたります。
開発の進んだ埼玉県東部では貴重な雑木林が残された地域でもあり、平成13年に宮代町と埼玉県が購入した雑木林は緑のトラスト保全5号地として保全活動が行われています。

東武動物公園駅西口に集合しました。

雑木林までは、市街地の植物を観察しながら移動です。
アスファルトの隙間から伸びるトマトを見つけました。

 

空きテナントの壁になぜかモンシロチョウの蛹が30匹近く・・・

なぜここで蛹化しているのでしょうか。
近くにモンシロチョウの幼虫が育つアブラナ科植物は見当たりません。

 

いわゆる”猫じゃらし”を見つけました。

猫じゃらしと呼ばれる植物には何種類かいます。
ここではオオエノコロとアキノエノコログサが混じって生えていました。
特徴の違いを見出します。

 

サクラの葉を観察していると、参加者のひとりが形が変な葉を見つけました。
次の写真を見て、皆さんは気が付きますか?

変な葉はこれ1枚ではなく、他の枝にも見られました。
どうしてこのような葉になったのでしょうか。

道路沿いにも様々な動植物が見られます。
自動車の往来に気を付けながら観察をします。



水辺ではたくさんのトンボが飛んでいました。
ほとんどはコシアキトンボでしたが、鮮やかな赤い色のショウジョウトンボや、大きなウチワヤンマも見られました。

ショウジョウトンボです。
酔っ払いの赤ら顔の妖怪「猩々(しょうじょう)」からついた名前です。


ウチワヤンマは、名前は「ヤンマ」ですがヤンマ科(ギンヤンマなど)ではなくサナエトンボ科のトンボです。
(ちなみにオニヤンマはオニヤンマ科、コオニヤンマはサナエトンボ科、ややこしいですね。)
名前の由来は、尾部のうちわ状の突起から。
近年埼玉県では近縁のタイワンウチワヤンマが見られるようになってきましたが、ここで見られたものはウチワヤンマでした。(うちわ状突起の形状や脚の色から判断できます)

宮代町の「新しい村」で昼食休憩をとったあと、湿地の動植物観察です。


普段は見られないような植物が見られます。
湿地に多いハンノキは埼玉県の蝶ミドリシジミの食草です。
残念ながらここではミドリシジミは見られませんでした。

 

緑のトラスト地の雑木林に入りました。

雑木林特有の植物がたくさん見られました。
雑木林の樹木は、様々なかたちで人間が利用してきたものが多いです。


クヌギからは樹液が出ていて、樹液に集まる蝶サトキマダラヒカゲの他、コクワガタ、オオスズメバチも観察できました。

このオオスズメバチは女王のようです。
かなりの迫力です。危険のないように、近づかないで観察をします。


シュンランに実がついていました。


参加者は好奇心むき出しで観察し、よくメモを取って積極的に質問をしていました。

最後に水田の動植物観察です。
農作業の迷惑にならないよう気を付けて観察をします。



ここ20年ほどで急激に数を減らしたトウキョウダルマガエル(トノサマガエルの仲間)が見られました!

とてもカッコいいカエルですが、学校周辺では見られなくなりました。
かつては夏の夜に水田で大合唱をしていたものですが、いつの間にか聞かれなくなりました。
身近な自然の変化にも目を向けていたいものです。

 


最後に駅に戻り、参加者からひと言ずつ感想をもらって解散しました。
気温が高く、給水など気を付けて活動しましたが、充実したフィールドワークになりました。

参加者の感想(抜粋)

色々な動植物が見れて楽しかった。同じ科の植物には共通の特徴があることが分かった。
よく似ている植物でも、見分け方が分かると見分けられるようになった。
トンボを追いかけたがなかなか捕まえられなかった。ウチワヤンマを初めて見ることができた。
昨年と同じ場所(注・昨年10月も同地での観察会でした)で観察をして、季節によってみられるものが変わることが分かって面白かった。
駅から歩ける狭い範囲でも環境が変われば見られる動植物もがらりと変わっていて面白かった。
これまで違いがあることすら知らなかった植物について知ることができた。家族にも教えてあげたい。
前回(5月回)に覚えた植物を見分けることができてうれしかった。
(教員)生徒さんたちが熱心に参加していて感心した。生徒さんたちもいろいろなことを知っていて驚いた。昨年(10月)と比べて昆虫の種類が多かった。

 

今回は参加者からの質問が特に多く、興味関心を絞り出して観察をすることができていたと思います。
動植物の観察は、くり返し見て「目」をつくることが大切です。
ぜひ続けて参加し、フィールドワークの基礎を身に付けてほしいと思います。

次回は、7月13日(土)寄居町鐘撞堂山の予定です。
参加申し込みフォームは後ほどアップいたします。
ご参加お待ちしております。