校長室より

2016年5月の記事一覧

PTA後援会あいさつ

 本日は多くの保護者の皆様にご出席をいただきありがとうございます。

この4月からこちらでお世話になっております、尾城でございます。四月以来のことを振り返ってみますと、4月8日に入学式と始業式がありました。5月1日、2日と1年生のオリエンテーション合宿が山梨県の河口湖で行われました。生徒も熱心に取り組んで十分成果を上げることができました。5月12日には生徒総会もあり、本年度の生徒会予算も決定いたしました。

 また、来月の6月2日には体育祭が予定されています。多くの保護者の皆様にお越しいただけるものと思っています。さらに、6月19日には、吹奏楽部の定期演奏会が春日部の市民文化会館で行われます。多くの保護者の皆様のお出でをお待ちしております。

 部活動の大会も行われています。いくつかの部活動で県大会へ出場をいたしました。

また、書道部の3年生の作品が、全国高校生大作書道展において、文部科学大臣賞を受賞しました。全国からおよそ60校、応募作品300点のうちから、日本一に選ばれました。東京都美術館に6月11日から19日まで展示されるとのことです。
 今後も文武両道を目指して頑張ってくれると思います。

 そして、学習面でも部活動面でも、先輩達が築いてきた過去の実績を少しでも超えようとする向上心を求めていきたいと思っています。今年の重点目標の一つは「高い志を醸成し、卒業後も広い視野を持って活躍できる人材を育成する」となっています。先生達もこの精神で更に充実した授業が展開できるように取り組んでいます。高い志と広い視野を持つことで、将来、どのような心で社会に貢献していくかを考え、第一志望の大学へ挑戦していただき、日本の将来を背負って立つような大きな人間に成長してほしいと願っています。

 

 子ども達は、学校、家庭、地域の3角形の鳥居の中を通過して成長して行くということを聞いたことがあります。

学校では、人間が幸せになっていくための技術や知識を、家庭では自分がかけがえのない人間であることを、地域社会では人間同士がつながっていく力をそれぞれ育ててくれます。切磋琢磨することや、思いやりの心や、助け合うことなどを忘れるとこの三角形がいびつなものとなりうまくいかなくなります。その三角形のバランスをうまく保つのがPTAや後援会の皆様のお力であると思います。

 本校の生徒は、まだ、自分では気づいていない能力を多く持っています。その能力を最大限引き出すために教職員が一丸となって指導に当たっていますので、どうか、皆様には、今後ともご支援ご協力の程よろしくお願いいたします。

 最後になりましたが、5月31日(火)は、開校記念日です。創立以来48年の歩みに思いを馳せ、越谷北高校の今後のさらなる発展、生徒の成長を祈念し私からの挨拶といたします。

五月の言葉「未見の我」

校門から入った所の掲示板に、生徒を元気にする言葉を掲示することにしました。これは、前校長の下山先生が月の始めに行っていたことです。いいことは何でもまねしようということで始めてみました。
五月は、「未見の我」という言葉です。「未だ、見たことのなかった自分を目指しなさい。心は熱く、一生に一度くらい、本気でやってみなさい。必ず達成します。運命を造りなさい。」これは、幕末の賢人を育てた吉田松陰の言葉です。
高校時代は、何にでもなれるという希望と、何にもなっていないという不安の狭間にいると思います。私自身、高校時代これから何にでもなれるという希望とともに、漠然とした不安がいつも心の隅にありました。自分はこれからどんな人生を歩んでいくのだろうか?自分は何に向いているのだろうか。どんな仕事を目指せばいいのか。いろいろ考えると自分自身というものがわからなく、不透明な存在に思えたものでした。
そんな時、ある本で、「未見の我」ということばを偶然見つけました。その本を読んで、今ある自分だけで、自分の将来を考えていないかと思ったのです。私のような人間でも、何かまだ気づいていない自分がいるのではないか?そう思ったのです。運動はあまり得意ではないので、勉強を頑張ってみようと思いました。とことんやったつもりです。でも、人生は思い通りに行かないもので、希望通りというわけにはなりませんでした。しかし、頑張ってみたことで、自分を改めて見つめ直す機会にはなったと思っています。実は、今でもまだ、「未見の我」を探しています。
人は未だ見ぬ自分に出会ったとき、大きく成長するものではないでしょうか。そのことに年齢は関係ないと思います。いくつからでも、何事にも挑戦し続ければ、自分の気づいていない自分に出会うことができるのではないでしょうか。何かに挑戦し成し遂げることができたとき、「自分はこんな能力があったんだ。」「自分は集中して一つのことを成し遂げることができるんだ」など、感動とともに自身のそれまでの秘められた能力に気づくことができます。また、成し遂げられなかったとしても、挑戦したことで、次はこうしょう、ああしよう。あそこを考え直そうなど、新たな気づきがあるはずです。
 これから、君たちは、受験に向かうことになります。受験は、「未見の我」に出会える絶好の機会でもあると思います。受験は、つらく苦しいものですが、それを乗り越えたとき、新たな発見があると思います。それは一回り成長した自分に出会えると言うことです。私のように、失敗ばかりの受験であったとしても、必ず成長はあると確信しています。それは、生きる姿勢により、知識が、見識になり、胆識となるからです。何事にも、前向きに高校生活に全力で取り組んで下さい。
君たち一人一人が、卒業時に、逞しく自信に満ちた未見の我に出会ってほしいと願っています。
(なお、書は、倉澤沙綾先生に書いていただきました。ありがとうございます。)