校長室より

2017年9月の記事一覧

長月の言葉(好きなことを掘り下げろ)

 少し個人的なことにもなるのですが、私が会長を務める高数研(高校数学教育研究会)が主催する高校数学フェアが8月7日と8日に戸田市文化会館で開催されました。5人から6人位でチームを作り、数学の問題に朝から夕方まで1日かけて取り組むというものです。今回は6校で9チームが参加し解答を競い合いました。本校からも1チームが参加し敢闘賞を受賞しました。どの学校のチームも話し合い助け合いながら問題と悪戦苦闘していました。一日どっぷりと数学を解くという経験は、数学の興味関心を深めると共に、何事もあきらめないで最後までやり抜くという体験につながったのではないかと思います。

 数学フェアの2日目に、中島さち子さんの講演がありました。中島さち子さんについて少し紹介させて頂きます。中島さち子さんは、高校2年生の時に数学オリンピックで金メダルを日本人女性で初めて受賞した人です。才能豊かな人で、東京大学数学科在学中にジャズに出会い、現在は、ジャズピアニストとしても第一線で活躍している人です。今回の講演の中でこんなエピソードを紹介していただきました。「中学3年生の時、大学への数学という月刊誌の中に数学者のピーターフランクルが出題した宿題コーナーの問題を約1ヶ月考え続けた。難しくて、約1ヶ月毎日考え続けた。食事をしながらも寝ながらも考えた」ということです。その過程は、山登りみたいで、こっちに行ってみたら行き止まりで違う、こっちにこれ以上行ったら危険ということの繰り返しだったということです。その問題の解答を提出する締め切り日、38度の熱を出しながら考え続け、最後の最後にひらめいたそうです。そして、解答を作り締め切りぎりぎりで郵送したそうです。そうしたら、ここからがすごい話なんですが、直接ピーターフランクルから電話があったそうです。解答の素晴らしさを褒め称えるものであり、このことがきっかけとなり、数学オリンピックの世界へ挑戦することになったとのことです。天才は天才を見抜くのでしょうか?まさにうそのようなホントの話なのです。中島さち子さんは、「解けたこと以上に、一ヶ月考え続けることができた自分に自信が持てた」と言っています。さらに、数々の失敗体験や、失敗したときの学習体験が大切で、良い失敗を多くしてほしいと言っていました。失敗を恐れず、好きなものがあれば、点を掘り下げてみる。それがやがて線になり、面になると自分の経験から話されていました。本当にそうだと私もつくづく思います。好きこそものの上手なれですね。どうか、高校生活やこれからの人生で好きなものを掘り下げて下さい。好きなものがまだ見つからない人はこれから見つければ良いのです。

(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。毎回工夫して頂いてます。)

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