校長室より

2018年9月の記事一覧

挑戦しよう(10月の言葉)


 

 人生は、何も挑戦せず、無理をしなければ、何も起きず平穏に暮らせる。しかし、そこには何の進歩もないのではないか。現状維持という言葉がある、しかし、現状維持とは後退していることと同じである。日々新たに、一日一日少しでも自分を高めて行きたい。

「少(わか)くして学べば壮にして為すあり。壮にして学べば老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず。」(佐藤一斎/言志四録・三学戒)

とあるように、いくつになっても挑戦を忘れず、安易な方向に行くことを避けたい。

 今回生徒の皆さんに、私の思いをぶつけてみた。この思いを、生徒の皆さんに話さなければ、きっと後悔すると思ったからである。決して自己満足ではなく、このことは自分自身に課した課題でもあった、教員生活最後に、妥協しない姿を見てもらいたかったのだ。君たちは、100年時代を生きることになる、その君たちがこれからの人生で、易きに流れてはいけないと切に感じる。失敗してもいい、楽な方に行くのではなく、迷ったら困難な方を選べと言いたい。大学受験もそうではないか。妥協することなく頑張って欲しい。

「ダメでもやってみた後悔の方が価値がある」

自分の殻を破れ(9月の言葉)



 「自分の殻を破れ」という言葉には、マニュアルに従って行動するだけのつまらない人間にはなるな、という私なりの思いがあります。
 人生60年も生きてくれば、「自分は自分、自分以上にも自分以下にもなれない」と悟りのような気持ちを持ちます。人と比べて無理をしても、何にも良いことはないし、何も得るものはないものです。啄木は、「友が皆我より偉く見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻と親しむ」と詠みました。友が皆我より偉く見えても仕方ないのです。自分は自分、自分以外に自分の人生を生きてくれる人はありません。自分なりに自分らしく生きる他は無いのです。これが、私の気持ちです。
 しかし、高校生である皆さんには、もう一つ上の自分を目指して欲しいと思っています。既成概念にとらわれず、もう一つ上を目指して欲しいのです。自分は自分と言っておきながら、勝手な言い分と思うでしょうが、未来がある皆さんには、アグレッシブにポジティブに生きて欲しいと思います。遠慮などすることはないのです。これからの時代は、AIやIoTに代表されるような便利だけれども、それらを使いこなせないと意味を持たない世界になります。そのような世界で生き抜くために、自分はどんな人間かをしっかり示せることが大切になります。自分の殻を破り、ステップアップした自分を表現し、アウトプットできるそんな人を目指して欲しいと思います。
(書は、倉澤沙綾先生に書いていただいています。いつも工夫を凝らしていただきすてきな書になっています。)