2023年11月の記事一覧
【SSH】生徒研修会『伝わるデザイン講座』
令和5年11月13日(月)、千葉大学の高橋佑磨先生を講師にお招きし、SSH生徒研修会『伝わるデザイン講座』を実施しました!
講演タイトルは、『初めての研究発表資料の作成術~みんなにやさしい資料~』です。
まずは、講演で“伝えたいことが伝わる”デザインのルールについて学びます。
実例や比較図を交えた内容で、とても分かりやすいお話でした。
参加生徒も熱心に話を聞きながらメモを取っています。
ちなみに講演資料はデジタルデータでも配布し、全員がiPadを持っている1年生はgoodnotesで資料を見てメモを取っています。
参加生徒からの質問にも、丁寧にお答えいただきました。
講演の後は、サンプル資料(生徒や教員がつくった発表資料など)を使ったワークショップです。
サンプル資料を、より「伝わりやすくする」改善点を話し合っています。
講演で学んだことを活かして、鋭い指摘の連続です。
工夫してつくったつもりの資料でも、「伝わるデザイン」の観点からは改善点が(たくさん)見つかります。
グループで話し合った内容を発表しました。
高橋先生から、グループ発表の講評と先生のつくった改善版の紹介です。
分かりやすく「伝わる」資料になったことに参加者からは思わず歓声があがりました。
***参加生徒の感想の抜粋です***
〇部活での研究活動で作ったポスターは自分的にはいいと思っていたけど、今思うと改善点が多く見つかったので、改善していこうと思いました。
〇今まで、より伝わりやすい資料を作るためには、情報量を少なくするといい、など抽象的なことしか知らなかったのですが、今回、それの具体例や、そのほかの資料を見やすくする方法も知ることが出来てとても有意義な時間になりました。これから総探ではポスターを作るので、今回学んだことを活かして取り組みたいと思いました。
〇ワクの有る無しやフォントによってデザインの印象がガラッと変わることに驚きました。とてもおもしろかったです。
〇文字の行間や改行など、すぐに簡単に変えることができるものでも、変えるのと変えないのでは見やすさが全然違うことが分かりました。理数科の課題研究でスライドなどを作るので、その時にとても役立ちそうだと思いました。実際に身の回りにあるよくない例を見せてくださったことで、デザインの良し悪しがよく分かるようになったと感じます。とてもタメになる研修会で、参加してよかったと心から思います。
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本校で重視している探究的な学習でも使える、ためになることをたくさん知ることができたようです。
今後、生徒たちがつくる発表資料がどれだけ良いものになるか、楽しみです。
講師をしていただいた高橋先生、ありがとうございました。
【SSH】11月19日公開講座(さいたま市見沼田んぼ・大和田緑地)
11月19日(日)さいたま市見沼田んぼ~大和田緑地にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
高校生11名、教員7名が参加し、自然観察を楽しみました。
さいたま市見沼田んぼは、江戸時代に整備された東西二筋の見沼代用水によって農業用水を提供されている、大宮台地の中にある広大な農地です。
見沼代用水は台地の縁に沿ってつくられ、中央を流れる芝川にむかって徐々に地形が低くなっていっています。
見沼代用水西筋から芝川方面を望むと、徐々に低くなっており農地が広がっています。
稲刈りが終わり、二番穂が出ている田んぼの周りでは、今ではあまり見られなくなった水田雑草が見られます。
埼玉県レッドデータ準絶滅危惧のタウコギ(キク科)です。
同じく埼玉県レッドデータ準絶滅危惧のミズワラビも観察できました。
右はチョウジタデ(アカバナ科)、左は環境省レッドデータ準絶滅危惧(埼玉県絶滅危惧Ⅱ類)のウスゲチョウジタデです。
大宮体育館まで移動しました。
サクラ(ソメイヨシノ)のまわりで観察します。
ハラビロカマキリがいました。カマキリの仲間は晩秋まで見られます。
大宮体育館の南側、大和田緑地で森林構造の観察をしています。
ヒトの管理の入った森林と、放置された森林ではかなりの違いが出ます。
倒木にシロキクラゲが生えていました。
シロキクラゲは、倒木や枯れ枝に生えるクロコブダケに寄生する菌類です。
写真で周りに見えている黒いものがクロコブダケです。
倒木にも、小さな生態系が広がっています。
管理されている方々のご厚意で、普段は入れない保護された区域に入れていただきました。
放っておくといなくなってしまうような希少な生物も観察できました。
環境省レッドデータ準絶滅危惧(埼玉県絶滅危惧Ⅱ類)のタコノアシ(ユキノシタ科)です。
駅に向かう途中でアオギリ(アオギリ科)の種子を見つけました。
果実の皮についたまま心皮がひらき、面白い形になっています。
このまま、風に乗って遠くまで運ばれる「風散布型」の種子です。
雑木林や田んぼなど、ヒトの生活と密接な関係にあった自然は、ヒトの関りの変化によって環境が激変しています。
生物多様性を守るためにわたしたちに何ができるのか、を考える機会になりました。
次回の公開講座は3月23日(土)、さいたま市田島が原サクラソウ自生地で実施予定です。
【SSH】10月22日公開講座(宮代町山崎山)
10月22日(日)宮代町山崎山 みどりのトラスト地を中心にフィールドワークの公開講座を実施しました。
高校生14名、教員2名が参加し、自然観察を楽しみました。
宮代町山崎山緑のトラスト地(保全第5号地)は、東武動物公園の南側に位置する雑木林で、地元の自然保護団体やボランティアによって保全活動が行われています。
当日は東武動物公園駅西口に集合し、市街地の植物や植え込みの昆虫を観察しながら雑木林へ向かいました。
駅前の道端に生えていた「アレチニシキソウ」の果実
同じ場所に、近縁種のコニシキソウ、ハイニシキソウと混ざって生えていました。
東武動物公園の敷地から流れ出る水路 実際には農排水路を兼ねていると思われます。
コウホネの黄色い花がきれいですが、特定外来生物のオオフサモも混じって生えています。
対策が必要かもしれません。
スイカズラの葉に食痕(昆虫が食べた痕跡)があります。
葉の主脈を残す特徴的な食べ方。よーく見ると・・・
アサマイチモンジ(タテハチョウ科)の幼虫がいました。
稲刈りの終わった水田では、アイナエ(マチン科)の可憐な花を見つけました。
高さ数cmほどの小さな花ですが、埼玉県のレッドデータでは準絶滅危惧(NT)の絶滅危惧種です。
緑のトラスト地の遊歩道を通りながら、森林構造の観察をしました。
保全管理をされていても、外来種の侵入など課題は多そうです。
自然保護のために、身近な自然の記録をすること、みんなで興味を持つことが大切であることを再確認しました。
次回の公開講座は11月19日、見沼田んぼで実施予定です。