2024年6月の記事一覧
【SSH】生徒研究発表会
6月27日、越谷サンシティにてSSH生徒研究発表会を実施しました。
理数部活動からは化学部が代表で発表を行いました。
「ダンゴムシを用いた染色」
2年生はそれぞれ1班が生物分野、地学分野の発表を行い、3年生は物理分野、数学分野、化学分野の発表を行いました。
「ボルボックス体細胞の単離」
「砂防堰堤と土石流の関係について」
「Relationship between balloon burst loudness and how it is punctured」(風船の破裂音量と割り方の関係)
「Divide angle equally by folding origami」(折り紙による角の等分)
「Differences in Molluscan Shell Phosphors depending on habitat」(生息地による貝殻蛍光体の違い)
各班の発表の後、10分間の質疑応答の時間が設けられましたが、どの班についても時間ギリギリまで活発な質疑が行われました。普通科の生徒からも質問が出されたほか、留学生からは英語での質問も。3年生は英語で回答をし、ここ一番の盛り上がりを見せました。
最後に、SSH運営指導委員の先生方から講評をいただきました。
理数科3年生にとっては、これで課題研究活動は一区切り。下級生に大変良い刺激を与えてくれました。これまでの研究活動お疲れさまでした。1,2年生はこれから新たな課題研究を進めていきます。これからの活躍を期待しています。
【発表後の様子】
発表前は緊張した様子でしたが、発表後は素敵な笑顔を見せてくれました。お疲れさまでした。
【SSH】野外実習事前学習 毎木調査
理数科1年生で夏休みに実施される野外実習に向けて、
理数生物の授業を使って伊豆大島の植生の特徴や、植生調査の方法について学習しました。
調査では樹種を判別し、胸高直径と樹高を測定します。
用意されたのはメジャー1つ、さてどうやって樹高を計りますか?
。。。
各班で話し合い、三角関数で求める方法や自分の影の長さとの比を使う方法など
色々なアイディアが出ました。
毎木調査では、実際には10m×10mの決められた範囲のすべての樹木を測定するため
樹高は人や木を基準にm単位でざっくり測ることもあります。
こんな感じ
では、校内の樹木を実際に調査してみましょう!
幹の円周から直径を計算して...
写真の使い方も、デジタルならではですね。
有意義な実習になるよう、準備していきましょう。
【SSH】第3回公開講座(7月13日)参加申し込みフォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第3回(寄居町鐘撞堂山)を7月13日に実施します。
当日は8:50に寄居駅北口に集合、鐘撞堂山で夏の里山の動植物観察、沢でプラナリア採集の実習(予定)を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URLまたはQRコード)からお申し込みください。
https://forms.gle/QRe4r6ZEPfvTuPyK6
【SSH】6月15日公開講座(宮代町山﨑山周辺)
6月15日(土)宮代町山﨑山周辺にてフィールドワークの公開講座を実施しました。
今回は、県内2校から高校生17名、教員1名が参加しました。
30℃を超える猛暑の中でしたが、参加者の皆さんは積極的に動植物の観察をしていました。
宮代町は埼玉県東部に位置し、中川低地と大宮台地の境目にあたります。
開発の進んだ埼玉県東部では貴重な雑木林が残された地域でもあり、平成13年に宮代町と埼玉県が購入した雑木林は緑のトラスト保全5号地として保全活動が行われています。
東武動物公園駅西口に集合しました。
雑木林までは、市街地の植物を観察しながら移動です。
アスファルトの隙間から伸びるトマトを見つけました。
空きテナントの壁になぜかモンシロチョウの蛹が30匹近く・・・
なぜここで蛹化しているのでしょうか。
近くにモンシロチョウの幼虫が育つアブラナ科植物は見当たりません。
いわゆる”猫じゃらし”を見つけました。
猫じゃらしと呼ばれる植物には何種類かいます。
ここではオオエノコロとアキノエノコログサが混じって生えていました。
特徴の違いを見出します。
サクラの葉を観察していると、参加者のひとりが形が変な葉を見つけました。
次の写真を見て、皆さんは気が付きますか?
変な葉はこれ1枚ではなく、他の枝にも見られました。
どうしてこのような葉になったのでしょうか。
道路沿いにも様々な動植物が見られます。
自動車の往来に気を付けながら観察をします。
水辺ではたくさんのトンボが飛んでいました。
ほとんどはコシアキトンボでしたが、鮮やかな赤い色のショウジョウトンボや、大きなウチワヤンマも見られました。
ショウジョウトンボです。
酔っ払いの赤ら顔の妖怪「猩々(しょうじょう)」からついた名前です。
ウチワヤンマは、名前は「ヤンマ」ですがヤンマ科(ギンヤンマなど)ではなくサナエトンボ科のトンボです。
(ちなみにオニヤンマはオニヤンマ科、コオニヤンマはサナエトンボ科、ややこしいですね。)
名前の由来は、尾部のうちわ状の突起から。
近年埼玉県では近縁のタイワンウチワヤンマが見られるようになってきましたが、ここで見られたものはウチワヤンマでした。(うちわ状突起の形状や脚の色から判断できます)
宮代町の「新しい村」で昼食休憩をとったあと、湿地の動植物観察です。
普段は見られないような植物が見られます。
湿地に多いハンノキは埼玉県の蝶ミドリシジミの食草です。
残念ながらここではミドリシジミは見られませんでした。
緑のトラスト地の雑木林に入りました。
雑木林特有の植物がたくさん見られました。
雑木林の樹木は、様々なかたちで人間が利用してきたものが多いです。
クヌギからは樹液が出ていて、樹液に集まる蝶サトキマダラヒカゲの他、コクワガタ、オオスズメバチも観察できました。
このオオスズメバチは女王のようです。
かなりの迫力です。危険のないように、近づかないで観察をします。
シュンランに実がついていました。
参加者は好奇心むき出しで観察し、よくメモを取って積極的に質問をしていました。
最後に水田の動植物観察です。
農作業の迷惑にならないよう気を付けて観察をします。
ここ20年ほどで急激に数を減らしたトウキョウダルマガエル(トノサマガエルの仲間)が見られました!
とてもカッコいいカエルですが、学校周辺では見られなくなりました。
かつては夏の夜に水田で大合唱をしていたものですが、いつの間にか聞かれなくなりました。
身近な自然の変化にも目を向けていたいものです。
最後に駅に戻り、参加者からひと言ずつ感想をもらって解散しました。
気温が高く、給水など気を付けて活動しましたが、充実したフィールドワークになりました。
参加者の感想(抜粋)
色々な動植物が見れて楽しかった。同じ科の植物には共通の特徴があることが分かった。
よく似ている植物でも、見分け方が分かると見分けられるようになった。
トンボを追いかけたがなかなか捕まえられなかった。ウチワヤンマを初めて見ることができた。
昨年と同じ場所(注・昨年10月も同地での観察会でした)で観察をして、季節によってみられるものが変わることが分かって面白かった。
駅から歩ける狭い範囲でも環境が変われば見られる動植物もがらりと変わっていて面白かった。
これまで違いがあることすら知らなかった植物について知ることができた。家族にも教えてあげたい。
前回(5月回)に覚えた植物を見分けることができてうれしかった。
(教員)生徒さんたちが熱心に参加していて感心した。生徒さんたちもいろいろなことを知っていて驚いた。昨年(10月)と比べて昆虫の種類が多かった。
今回は参加者からの質問が特に多く、興味関心を絞り出して観察をすることができていたと思います。
動植物の観察は、くり返し見て「目」をつくることが大切です。
ぜひ続けて参加し、フィールドワークの基礎を身に付けてほしいと思います。
次回は、7月13日(土)寄居町鐘撞堂山の予定です。
参加申し込みフォームは後ほどアップいたします。
ご参加お待ちしております。
【1年理数科】東大リサーチキャンパス
6月8日(土)、東京大学生産技術研究所および東京大学先端科学技術研究センター主催の「東大駒場リサーチキャンパス公開2024」に理数科1年で参加してきました。
このリサーチキャンパスでは、各班が興味を持った分野の研究室を回り、私たちは「マイクロニードルパッチ:DDSと予防医学」「体の外で神経回路をつくって脳を理解する」「バイオインスパイアード有機合成化学ー生体反応に倣い、それを超える」「培養肉からバイオブリットマシンまで」などを見学してきました。
見学中も、疑問に思ったことは質問し、様々な知識を吸収することができたと思います。内容が難しく理解に苦しむ場面も多々ありましたが、その度に丁寧に説明してくださり、今まで抱えていた疑問の答えを知ることができました。
このリサーチキャンパスを通して、自分が考えていなかった分野にも興味を抱くことができ、多くの「気づき」を得ることができました。これからも、このような活動に積極的に参加し、知見を広げていきたいと思います。
【SSH】科学探究 校内発表会
6月8日(土)の午後、本校しらこばと会館で科学探究の校内発表会が行われました。
科学探究は、物理・化学・生物・天文気象・パソコンの5つの理系部活動に所属する
普通科の生徒の中で希望者が行っている研究活動科目です。
校内発表会では約80名の生徒の前で6つの研究が発表されました。
天文気象部
マジックアワーの色と気象条件
物理部
トントン相撲王への道
化学部
ダンゴムシを用いた染色
化学部
NaCl線状結晶の析出条件
化学部
複数色消すシートの作成
生物部
ナガミヒナゲシ 過去5年間の分布推移と混生する植物について
他の部活動の研究に興味津々
質疑応答も積極的に行われました
この中から代表に選ばれた1研究は
6月27日にサンシティ越谷市民ホールの大ホールで行われる生徒研究発表会で
全校生徒の前で発表します。
たくさんもらった質問や意見を今後の研究活動に生かしていきましょう。
【SSH】日本顕微鏡学会 第80回学術講演会 第1回中高生によるポスター発表
6月2日(日)、公益社団法人日本顕微鏡学会主催の「第一回中高生によるポスター発表」に理数科2年2名で参加してきました。
今回の発表会(中高生によるポスター発表)は、日本顕微鏡学会 第80回学術講演会に合わせ、今年度はじめて実施されたもので、当日は私たちも含め10校14件の研究発表が行われ、多くの方が参加していました。
私たちは「ボルボックス体細胞の単離条件」について1年間にわたって研究してきた内容を発表しました。
持参したiPadで、顕微鏡で動画撮影したボルボックスの様子も見ていただき、分かりやすい発表に努めました。
学校外で発表する初めての機会だったため、とても緊張しました。
しかし、たくさんの方々からご指摘をいただくことで、自分たちの研究について、新たな学びを得ることができました。
また、同時開催の市民公開講座にも参加し大学教授の講演を聴講しました。
講演では、ナノテクノロジーによる科学技術の進歩や、眠りについての重要性やそのメカニズム、顕微鏡を用いた神経活動の可視化、偶然による発見が科学の進歩を促すことなど、新たな知見を得ることができました。
質疑応答の時間には、いくつかの質問をさせていただきました。
今回の中高生によるポスター発表および講演は、私たちにとって貴重な経験となりました。
今後ボルボックスの研究を続けるにあたって、偶然の発見"Serendipity"を大事にして、実験や考察を積み重ねていきたいです。
このような貴重な機会を用意してくださった顕微鏡学会の皆様、ありがとうございました!
また、今回顕微鏡学会で中高生によるポスター発表が初めて行われるということについて、越谷北高校で卓上走査型電子顕微鏡をお借りしている株式会社日立ハイテク様に情報をいただき、参加することができました。
この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました!
今年度お借りする予定の卓上走査型電子顕微鏡については、ボルボックスの研究にも活用したいと考えています。