2026年5月の記事一覧
【SSH】第2回公開講座(6月21日)参加申込フォーム
越谷北高校公開講座「高校生と教員の動植物研修」今年度第2回(行田駅周辺)を6月21日に実施します。
当日は8:50に行田駅西口に集合、市街地を抜けて荒川河川敷で動植物観察を行います。
野外での動植物の観察を通じて、以下のことを学びます。
生物の基本的な知識
動植物分類の基礎
探究的な学習(生物観察から課題を見出す)
参加ご希望の方は、専用フォーム(以下URL)からお申し込みください。
https://forms.gle/YkjgrKHnA5CH14Dc8
※今年度より参加申し込み期限が早まっています(20日前)。期限を過ぎての申込はお受けできませんのでご注意ください。今回は6月1日が申込期限となります。
【SSH】5月3日公開講座(久喜市南栗橋駅周辺)
令和8年5月3日(日)、久喜市南栗橋駅周辺でフィールドワークの公開講座を実施しました。
今年の公開講座のテーマは「湿地帯の動植物」です。
第1回は南栗橋駅に集合して、久喜市内池、中川河川敷、幸手市高須賀池をまわりました。
ときどき晴れ間がのぞく曇りで、絶好のフィールドワーク日和となりました。
今回は、高校生6名、教員3名の9名が参加しました。
高須賀池のハンノキです。今回は風景写真の記録を忘れていました。
駅前ロータリーでもたくさんの植物の観察をできます。
ツメクサ(ナデシコ科)、クスダマツメクサ(マメ科)、オッタチカタバミ(カタバミ科)、エノコログサ(イネ科)、スズメノチャヒキ(イネ科)、ユウゲショウ(アカバナ科)、ナガミヒナゲシ(ケシ科)、ネバリノミノツヅリ(ナデシコ科)、スズメノエンドウ(マメ科)、アカメガシワ(トウダイグサ科)などざっと調べただけでも両手に収まらないくらいです。
俗に「路傍100種」とも言われ、身近なところで100種を覚えるまで頑張れば、生物を見る「目」ができてきます。
「目」ができると、たとえば魚ならばヒレを見るだけである程度種類が分かるようになります。
それまでは、根気強く図鑑(ハンドブック)を引いたり、教えてくれる先生(先輩でもよいけれど)にしつこく聞いたりして覚えていくしかありません。
ヤセウツボ(ハマウツボ科)が咲いていました。
外来の寄生植物です。地上部には花しか出ず、種は発芽すると他の植物の根に寄生して栄養を奪い、地下で球状の体が成長し、春になると地上に花茎を伸ばします。
マメ科やキク科など広く寄生しますが、この個体はスズメノエンドウに寄生しているようでした。
街路樹にキマダラカメムシ(カメムシ科)がいました。
樹皮に紛れて見つけにくくなってしまっていますが、分かりましたか?
江戸時代に長崎の出島から侵入した外来昆虫です。
以前は西日本までしか見られませんでしたが、ここ10年程でいっきに分布を拡大し、埼玉県でもふつうに見られるようになりました。
ピンボケですが・・・ナガミヒナゲシ?(ケシ科)です。
ナガミヒナゲシは、ケシ科の外来植物です。
春にオレンジ色のキレイな花を咲かせますが、日本各地に広がってしまっています。
茎をちぎると黄色い汁がにじみ出てきます。
最近、この汁が肌につくとかぶれるとして、「危険な毒草である」というセンセーショナルな報道をされてしまっていますが、よほど肌が敏感なヒトでない限りひどくかぶれることはありません。
道端などでは優占しがちな外来植物なので、駆除するに越したことはありませんので、警告したい気持ちは分からなくはないのですが、事実を過剰に盛ってしまうのはどうかと思います。
なお、「?」をつけたのは、ナガミヒナゲシには汁が黄色いタイプと白いタイプがあり、写真の個体は白い汁が出るタイプのためです。
白い汁が出るタイプを学名Papaver dubium dubium、黄色い汁が出るタイプを学名Papaver dubium lecoqiiとする情報もあり、今のところどちらもナガミヒナゲシと呼ばれていますが、論文によっては別種としているものもあるので、よくわかりません。
いずれも身近に見られるものなので、探究対象として面白そうです。
用水沿いの桜並木を観察しました。
サクラ(おそらくソメイヨシノ)には、サクラを食害する特定外来生物のカミキリムシであるクビアカツヤカミキリ(カミキリムシ科)のフラス(幼虫の糞と木屑が混じったもの)が見られるものもかなりありました。
6月には成虫が出てくるかもしれません。
ちょっと見にくいですが、マガリケムシヒキ(ムシヒキアブ科)がいました。
他の昆虫を狩る肉食のアブです。
菜の花(セイヨウカラシナ?)に「うどんげの花」がついていました。
クサカゲロウの仲間の卵です。
アリなどによる捕食を避けるため(と言われています)長い柄をつけて産み付けられています。
カタオカハエトリ(ハエトリグモ科)のオスがいました。
カラフルでかっこいいハエトリグモです。
ハエトリグモは種類も多く、行動も面白いので探究の対象として良いと思います。
シロスジヒゲナガハナバチ(ミツバチ科)がいました。
2匹がくっついていて、1匹(右のほう)が近くに止まっています。
一見するとペアのようですが、3匹ともオス(触角が長い)のようです。
松(これはクロマツでしょうか)の花を観察します。
雄花、雌花はどこにあるでしょうか?
中川の河川敷で、白い花をつけるユウゲショウ(アカバナ科)を見つけました。
これは環境変異でしょうか?
ケヤキの葉上にはヤノナミガタチビタマムシ(タマムシ科)がたくさんいました。
小さくて目立たないムシですが、これでもタマムシの仲間です。
チビタマムシの仲間は種類も多く、調べると面白そうです。
クロハネシロヒゲナガ(ヒゲナガガ科)がいました。
春によく見かける触角の長い蛾なのですが、触角が長すぎて飛び方が独特で、ぱっと見では蛾の仲間とは思えないかもしれません。
触角が長いのはオスで、メスは短め(それでも長いですが)です。
ヒゲナガつながりではないですが、道端にヒゲナガスズメノチャヒキ(イネ科)が咲いていました。
ヨーロッパ原産の外来種です。
昼休憩のあと、高須賀池公園で池の周りを観察します。
シダレヤナギ(ヤナギ科)です。
ヤナギと言えばこれ、というイメージの強い種で、川や池のまわりによく植栽されていますが、中国原産です。
池にはミシシッピアカミミガメ(ヌマガメ科)がたくさんいました。
写真は(小さくて見にくいかもですが)子亀(ミドリガメと呼ばれます)です。
雑食で何でも食べるため、在来種を減らしてしまいます。
どのような対策ができるでしょうか。
イヌマキ(マキ科)にはマミジロハエトリ(ハエトリグモ科)が。
これもオスです。かっこいいですね。
白い眉でマミジロでしょうか。
キジ(キジ科)が鳴いていました。
在来種ではあるのですが、狩猟のため放鳥されており、遺伝的にもかなりのかく乱を受けてしまっています。
よく見かける鳥ですし、高校生でも行動調査ならできるかもしれません。
ギシギシにコガタルリハムシ(ハムシ科)が大発生していました。
この増え方は異常では?
道端にシラホシムグラ(アカネ科)をたびたび見かけました。
ヤエムグラにそっくりですが、花が白いです。
この、白い小さな花がたくさん咲いていると確かに星空のようです。
南栗橋駅前に戻って、日陰で閉会行事です。
参加者の感想(抜粋)
・今回はたくさん歩いて疲れました。
・よく似ている種類の植物の見分け方を知ることができた。
・植物についた寄生痕(今回、キクスイカミキリに産卵されたヨモギも観察しました)を初めて見ることができて面白かった。
・これまで雑草としか思っていなかった植物にも名前がちゃんとあることが分かった。
・ヤセウツボが面白かった。種子を採集して発芽実験をやってみたい。この時期はあまり出歩かないので、いつもは見ない花をみることができた。(教員)
・今回は150種くらいの植物を観察できた。マメ科、キク科が多かった印象がある。(教員)
・身近にあってよく見ている植物でも、知らないことがたくさんあって新たに知ることがあり面白かった。(教員)
今回は初回と言うことで、市街地から池、河川敷の動植物観察をしました。
観察したフィールドは、中川の氾濫原といってよい場所であり、駅前から湿地の植物が見られました。
埼玉県の東部を流れる中川は、江戸時代の利根川東遷事業が行われる前は利根川の流路でした。
現在は、埼玉の北側を東に流れ茨城県神栖市と千葉県銚子の境で太平洋にそそぐ利根川ですが、江戸時代の初め頃までは埼玉県の東部を南に向かって流れ、江戸湾(東京湾)に注いでいました。
徳川幕府は、治水、利水(水運)のために利根川の流路を東に変え、渡良瀬川、常陸川につなげて現在の利根川の流路に変えました。
中川は昔の利根川の流路にあたるのですが、今回観察した内池や高須賀池はそれらが氾濫したことによってできたとされ、周辺も古くは広い湿地だったはずです。
湿地を乾燥化させたり、埋め立てたりして市街化しても、古い湿地の植物が残っているのは興味深いですね。
土地の歴史と動植物の生態を関連させて探究しても面白そうです。
次回は、6月21日(日)に行田駅周辺で、荒川河川敷の動植物観察を予定しています。
近く申し込みフォームをアップしますので、興味のある方はご参加ご検討ください。
なお、今年から申込期限が実施日の20日前となっておりますので、お早めにお申し込みください。